ドラゴンボールUW~記憶を失くしたサイヤ人~ 作:月下の案内人
時空の歪みに巻き込まれたホウレンは見たこともない場所にいた。
ホウレンはとにかく情報を集めるためこの場所を探索することにしたのだった。
「ここはどこなんだ…?地球…だよな?」
あれから少しの時間歩き続けているホウレンだがいまだ人の気配を感じない。それどころか、気そのものをまるで感じ取ることが出来ないのだ。
「もしかして俺…死んじまったとかじゃねーよな……?」
最悪の考えに背筋が凍りつくのを感じたホウレンは頭を振ってその考えを払拭した。
しばらく歩き続けているとホウレンの前にとてつもなく長い階段が見えた。
「うわっ、頂上が見えねえ。すげえ長い階段だな…。」
しかし階段の周りに建物は見えず、少しでも情報がほしかったホウレンは仕方なく階段の上を目指すことにした。
ホウレンは舞空術を使い、階段を一気に進んで行くとだんだん建物が見えてきた。
階段の頂上まで来たホウレンが降りるとそこには立派なお屋敷へと続く道があった。
「随分でかい屋敷だな。人がいるといいんだが…」
ホウレンはひとまず屋敷を目指して歩き出した。
(もし人がいなかったらどうすっかな。他に建物は見えないし。あと他に見えるものといやぁ、あの大きな桜の木くらいだしな……。)
「とにかく、今はあの屋敷だな。頼むぜ、誰かいて__ッ!!?」
その時ホウレンの元にどこからともなく斬撃が飛んできてホウレンはそれを紙一重でかわすが、頬を少しかすり血が垂れる。
まさかの攻撃にホウレンはすぐさま拳を構え斬撃が飛んできた方向を睨む。するとそこには白い髪をしたおかっぱの少女が刀を握って立っていた。
少女の隣には半透明な何かがふわふわと浮かんでおり、ホウレンはそういう種族なのだろうと自己解釈してそれを無視した。
「……よく避けましたね。」
「……誰だか知らねえが不意打ちとは汚ねぇじゃねーか…。おまえは誰だ。この屋敷の住人か?」
「私はこの屋敷の主、西行寺幽々子さまに仕えている庭師です。」
「そうか…で?なんで俺に斬りかかってきた。」
「この冥界に侵入者が入りましてね。恐らく貴方がそうだと判断してとりあえず斬ってみました。」
「あ…あぶねえやつだな…おまえ。(さっきまで人の気配はなかったはず。それどころか今もうっすらとしか感じられない…どういうことだ?)」
「あなたが貴方がどなたか存じませんが、侵入者なら斬って捨てるだけ。いきます!」
「くっ!!」
ホウレンとの距離を急激に縮めてきた少女は、ホウレンの首を狙って斬りかかるもホウレンはそれを咄嗟にかわして後ろに下がり再び拳を構える。
「くそっ!よくわかんねえけど、そっちがその気なら相手になってやるぜ!はぁあああーー!!」
ホウレンは少女と向き合い気を解放したその力は三年前よりもはるかに強力になっていた。
ホウレンの突然の変化に驚いた少女は慌てて刀を強く握りなおした。
「な、なんですかそれは!」
「なーに、ちょっとばかし本気になっただけだよ。さあいくぞ!!」
気を解放したホウレンは高速で少女との間合いを詰め、拳を突き出すが少女はなんとかそれに反応し、拳をかわして今度は少女のほうがホウレンから距離をとった。
「っと!なかなか素早いな…。だが次は……ん?」
距離をとった少女は気を集中させているのか刀を構えたまま動かない。すると隣にいた白い生き物から青白い球が現れた。
「…なんだあれは?エネルギー弾か……?」
「くらいなさい!」 獄界剣『二百由旬の一閃』
少女は青いエネルギー弾を刀で斬り裂くとその斬り裂いた部分から数多の赤いエネルギー弾がホウレン目掛けて飛んでいった。
その数はホウレンの視界を埋め尽くすほどの量だった。
「!?(数が多すぎる!避けきれねえ!!)」
圧倒的な数の攻撃にホウレンは避けることが出来ずそのままエネルギー弾の中に飲み込まれ大爆発を起こした。
「…ふぅ、どうやら終わったみたいですね。さあ早く幽々子さまのもとへ戻らないと。」
勝利を確信した少女は踵を返して屋敷へと帰ろうする。
「待てよ。」
爆発した場所にホウレンはあちこち傷がついた状態で立っていた。その姿に少女は激しく動揺する。
「俺はまだ闘えるぜ……?」
「嘘っ!全部当たったはず!なんでまだ生きているんですか!?貴方一体何者なんですか!」
「俺は戦闘民族サイヤ人だ…簡単に負けてたまっかよ!」
「ッ!…つ、次で今度こそおしまいです!!」
少女はホウレンからさらに距離を離れると再び刀を構えなおす。
(…甘く見てたな。こりゃ本気を出さなきゃ俺も危ないぞ…。たいした女だ……。)
「スペルカード!!」 幽鬼剣『妖童餓鬼の断食』
少女は刀を腰に構え刀に力を込め始めた。
「!(やつが溜めの体制に入った!やべえのがくる!)…上等だ。真正面から打ち勝ってやるぜ!うぉおおおおおーー!!」
ホウレンは極限まで気を溜めてそのすべてを両手に込めた。
「やぁああーー!!」
少女は刀に溜めた力を解き放ち特大の斬撃を放った。
「見せてやるよ、俺の技!…ターコイズブラスト!」
ホウレンは両手から青白い光線を放った。この技はここ三年間の修行で身につけたホウレンの最大級のエネルギー波である。
ホウレンが放った技は少女の斬撃を打ち砕きそのまま少女に向かって飛んで行った。
「そ、そんな!?きゃあああーー!!」
少女はホウレンの技を避けきれずそのまま地面に倒れた。動かなくなった少女を見てホウレンは少しやりすぎたかと思いつつもとりあえず一息ついて気を緩めた。
「…終わったか。(危なかった。こんなに強い女がいるなんて…世界は広いな。)」
するとピクリと少女の手が動き少女が起き上がろうとする。
「!(あれを食らってまだ動けるのか!?…だが。)」
「く…うぐっ…!」
「…もうやめとけ。これ以上やったら死んじまうぞ?」
「な…情けは無用です!絶対に貴方を幽々子さまの元へは行かせるわけにはいきません!」
「はぁ…俺は別におまえの主に何かしようってわけじゃねえよ。ちょっと人を探してうろついてただけでな。」
「え……?」
「まったく、マジで殺しにかかりやがって…。まあ楽しかったけどな。」
「じゃ…じゃあ貴方は幽々子さまを狙ってきたわけじゃないんですか……?」
「そうだって言ってんだろ?ほら、立てるか?」
ホウレンは座り込む少女に手を差し伸べた。
「……ありがとうございます。」
少女はそれに少し戸惑いながらも手を取って立ちあがった。
すると少し離れた場所から知らない声が聞こえてきた。
「うふふ。二人ともお疲れ様。面白い闘いだったわよ~。」
「ん?あんたは……?」
ホウレンが声に気づき屋敷の方向を見ると一人の女性がぱちぱちと手を叩いて二人に歩み寄ってきた。
その女性は桃色の短い髪でどこか不思議な雰囲気を醸し出していた。
ホウレンがどこからか現れたその女性を見ていると隣にいた少女が驚き戸惑っていることに気が付いた。
「ゆ、幽々子様!」
「え?この人がおまえの主なのか?」
女性はクスリと笑いホウレンを見つめた。
「そうよぉ。私がこの白玉楼の主、西行寺幽々子よ。冥界に住む幽霊の管理なんかもやってるわ。」
「冥界…幽霊?…まあなんのことだかわからんが俺はホウレン。サイヤ人だ。」
「さいやじん?おいしそうな名前ね、よろしく。」
「え、あ…ああ、よろしく。」
「そ、それより幽々子さま。どうしたここに?」
少女は随分と動揺していた。それもそのはず、さっきまでの闘いは幽々子を守るための闘いだったからである。本人が来てしまっては何の意味もない。
「あら?だってあんなに派手に闘ってるんですもの気になって見に来ちゃった♪」
「あ。そうですか……。」
あっけらかんとした幽々子に少女はがくりと肩を落とした。
(さっきの闘い…意味ねえな……。)
「それで?貴方はこの白玉楼に何かご用かしら?」
「あ。いやここに用があったわけじゃねえんだ。ただ誰でもいいから話が聞ける人を探しててな。ちちょうどいいや、聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「ええ。私に答えられることならなんでもいいわよ。」
「その…ここって地球のどこなんだ?」
「「はい?」」
ホウレンの質問に二人は首を傾げた。その様子を見てホウレンは慌てて質問を言い直す。
「い、いや違った。こ…ここはどこなのか教えてくれないか?」
「ここは冥界よ。まあ死んじゃった人が来る世界みたいなところね~。」
幽々子の答えにホウレンは顔を青くした。
「ってことは俺は…死んじまったのか!?うぉおおお!さっきのあれのせいなのか!?あんな穴に飛び込んだからこんなことに!!」
「お、落ち着いてください!貴方は死んでなんかいませんよ!」
「へ?ほんとか!?嘘じゃないよな!?」
「本当よ。第一死んだら魂とかになるはずだもの。…それより穴に飛び込んだって言ってたわよね?その話聞かせてもらえるかしら。」
「あ…ああ。実はここに来るちょっと前になんていうかこう…変な歪み?みたいなものに巻き込まれちまって、なんとか抜け出そうと近くにあった穴に飛び込んだんだよ。そして落ちた先がここだったんだ……。」
ホウレンの説明に二人は納得したようで顔を見合わせた。
「なるほど、外来人ですか……。」
「外来人?なんだそりゃ。」
「外来人っていうのはね。私たちが住む世界、幻想郷の外の世界から迷い込んできた人のことよ。」
幽々子の言葉に聞き覚えのない単語を聞いたホウレンは再び首を傾げた。
「……幻想郷ってなんだ?国の名前か?」
「違うわ。幻想郷ってのはねぇ。貴方が住んでる世界とは別の次元にある世界のことよ。」
幽々子の説明にホウレンは理解が追い付かず、ただ頭の上にはてなを浮かべたまま説明を聞き続けた。
「本当はこの幻想郷には外の世界の人は入ってこれないはずなんだけど…たまに貴方みたいにこっちの世界に迷い込んじゃう子がいるのよぉ。」
「……なにがなんだかさっぱりだ。」
「まあ最初はそうよねぇ。とりあえずついてきてくれるかしら?話は屋敷でしてあげるわ。」
「そうか?そりゃ助かるぜ。」
「妖夢、貴方もついてきなさい。」
「はい。幽々子様。」
「妖夢っていうのか。そういやおまえの名前は聞いてなかったからなー。」
「そういえばそうですね。では改めまして、私はここ白玉楼専属の庭師をしています。魂魄妖夢と申します。」
「そうか、よろしくな妖夢。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「とりあえず二人とも休んでからかしらね。ホウレンさん?妖夢に肩を貸してあげてくれるかしら。」
「おっとそうだった。ほれ、掴まれ。」
「え!い、いやいいですよ!一人で歩けますから!」
妖夢は少し恥ずかしいようで顔を赤くしてそれを断った。
「無理すんな。さっきの闘いでだいぶダメージを受けたはずだぞ?いいから黙って俺に掴まっとけよ。」
「…す、すみません。じゃあお願いします……。」
少し考えたあと、観念した妖夢はおとなしくホウレンに肩を貸してもらい三人は屋敷へと向かって歩き出したのだった。
やっと東方のキャラを出せました。しゃべり方などに違和感があったらすみません。