Veronica   作:つな*

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ウンバボ族の強襲さんからのリクエスト作品です。



Veronicaの成長

「何このガキ」

「んふふ、聞いて驚いてちょうだい!ボスの子供よ~!」

「「「は?」」」

 

深夜、任務帰りで血まみれだったベル、マーモン、レヴィの声が揃ったのはザンザスが眠った後のことだった。

ルッスーリアが任務外の時に交代で赤ん坊を見ることになった。

因みにスクアーロは任務でその場にいなかった。

 

「へぇ~ボスのガキねぇ…何で施設とかに持ってかないんだよ?」

「あらやだ、炎が発現したらどうするのよん!」

「それもそうだね、でも僕子供苦手だから近寄らせないでくれないかい?」

「ボスからちゃんとベビーシッター代貰ってるわよ?」

「それを早くいいなよ!どれくらいだい⁉」

「せっかちね~」

 

最初の担当はレヴィだった。

 

「おぉ!まさしくボスのお子だ!! この凛々しいお顔立ち!」

「ぁぁああああああぁぁぁぁあああああ」

「ちょっと!あんたの顔怖がってるじゃない!どきなさい!」

 

レヴィ、数秒で担当から除外。

 

次の担当はベルだった。

 

「ふーん、ガキの世話なんて王子のやることじゃねーし」

「ふん、自信がないのか」

「ぎゃん泣きされたてめーに言われたかねーよ!」

 

ベルは渋々、レヴィの顔に泣き喚くヴェロニカの元に寄る。

ベルはナイフを出して、空中で交差させたり金属音を出したり一種のショーのように振る舞う。

泣き喚いていたヴェロニカもナイフの動きに夢中になり、泣くことを忘れていた。

 

「流石王子、何やっても出来るし、シシッ」

 

段々とヴェロニカが笑いだし、ナイフを眺めている。

手の届かない場所でやっているため、ヴェロニカに傷付くことはない。

 

「じゃあ取り合えず最初はベルちゃんお願いね」

「シシッ、仕方ねーからやってやるよ」

「明日から3日くらい任務行ってくるわねん」

 

ルッスーリアはヴェロニカをベルに任せると、赤ちゃんの育て方という本を渡し自室へ行ってしまう。

 

「あーぅー……」

「あ?」

「だうぅぅぅぅううう」

「何言ってるか知らねーし」

「コレ多分トイレだよ」

「は?」

 

ベルと一緒にいたマーモンはルッスーリアが置いていった本を捲る。

そしてヴェロニカの部屋の箪笥の引き出しからパンパースを取り出し、ベルに差し出す。

 

「どうやらこれと新しく替えるみたいだね」

「は⁉無理だし!」

「君がやり出すって言ったんだろう」

「王子に汚れ役なんて出来ねーし、する気もねーし!」

「じゃあ誰がやるのさ」

「マーモンお前がしろよ、今回お前が復活したのも俺らが手助けしてなかったら出来なかったんだぜ」

「むぐぐ、今回だけだよ!」

 

マーモンはヴェロニカのパンパースを替えると、ベルにヴェロニカを渡してそのまま自室の方に帰っていった。

ヴェロニカはスッキリしたのか寝ていて、ベルもナイフを片付けヴェロニカの部屋にある大人用のベッドに眠り出す。

三日後、ルッスーリアが長期任務から帰ってきて、ヴェロニカの様子を確認しに来た。

そこには本を読んでいるベルと、玩具で遊ぶヴェロニカがいた。

 

「ベルちゃんありがとね~」

「シシ、別に」

「んま!汗疹出てるじゃない!ベルちゃん本読んだの⁉」

「あー?何それ」

「やだ、赤ちゃんの育て方って本渡したでしょぉ⁉」

「知らねーていうかベビーシッター飽きたし」

「んもぉ!そんなことばかり言って!」

 

ルッスーリアはヴェロニカにベビーパウダーを塗り、再び寝かせる。

いつの間にかベルはいなくなっており、ルッスーリアは溜息を吐く。

 

「あの子にお守は向いてなかったかしら……」

 

ベルフェゴール、担当から除外。

次はマーモンの担当だった。

 

「ふん、ベビーシッター代は貰ったからね、給料分は仕事するよ」

「ガキがガキの世話してる、あはははは、ひーー」

 

そう宣ったマーモンは後ろからベルが腹を抱えて笑っているのを無視してヴェロニカの部屋へ入る。

 

「ぅーぁ……」

「ふん、どうせ幻術見せてればいいんだろう」

 

マーモンは幻術をヴェロニカに見せる。

だがヴェロニカは幻術に目もくれずマーモンをじっと見つめていた。

マーモンは首を傾げ、幻術が効いていること確認しようと、ヴェロニカに近寄る。

 

むぎゅ

 

「んな⁉」

 

ヴェロニカはいきなりマーモンの頭に乗っているファンタズマを掴みだす。

 

「ぅぁぁぁぁああファンタズマぁぁぁああ!」

 

マーモンは焦ってヴェロニカの手を掴み、ファンタズマを助け出そうとするが、それに抵抗してかヴェロニカの握る力は強くなる。

 

「ファンタズマぁぁぁぁあ!」

 

赤子の握力に勝てない赤子の姿をしたアルコバレーノの図はその場にベルがいたならば呼吸困難を起こさせていただろう。

ヴェロニカの手の中でもがいていたファンタズマが動かなくなりマーモンが絶叫する。

 

「ぅわぁぁぁぁああああん、ファンタズマぁぁぁぁああああ!」

「ちょ、どうしたのよん!」

 

マーモンの絶叫に任務に行く直前のルッスーリアが慌ててヴェロニカの部屋に入ってくる。

ヴェロニカの中から見える緑の足と、既に泣きそうなマーモンを見てルッスーリアは状況を理解する。

 

「ほーらプリンチペッサ~あたしと遊びましょ~」

「ぅーぁーああ」

「ほらこれなんかどうかしら?」

 

ルッスーリアが別の玩具を持っていき、ヴェロニカに見せると興味がそちらに移ったのかファンタズマを放す。

力なく落ちるファンタズマをマーモンが勢いよく抱きしめる。

 

「ファンタズマぁぁぁあ!」

 

ぐったりとしているが、若干生きているファンタズマにマーモンが涙目になりながら部屋を駆け出して行った。

ルッスーリアはヴェロニカを抱き上げたまま、マーモンの背中を眺めていた。

 

「もう二度とベビーシッターなんてやらないよ!どれだけ金積まれようがね!」

 

マーモンはファンタズマを抱き寄せながら叫ぶ。

お怒りである若干涙目のマーモンにルッスーリアは溜め息を吐く。

 

マーモン、担当から除外。

次はスクアーロだった。

 

「う"ぉぉぉおい、俺が子守りだとお"?」

「もうあなたしかいないのよスクちゃん」

「あ"?ベルは?」

「放置」

「レヴィは?」

「ぎゃん泣き」

「マーモンは?」

「逆に泣かされていたわね」

「マーモンあいつそれでもヴァリアーの幹部かぁぁぁああ"あ"!」

「もうあなたしかいないじゃない、あたしもう任務行かなきゃいけないから今日一日だけでもこの子見といてちょうだいよん」

「う"お"ぉぉぉおい、勝手に置いていくんじゃねぇぇぇぇぇえ!」

 

スクアーロの叫びを無視してルッスーリアは急いで任務に向かっていった。

 

「うーあー」

「…」

「だう」

「くそ、何で俺が子守なんぞ…」

 

スクアーロはヴェロニカを見やり、舌打ちをする。

だがスクアーロ、きちんとルッスーリアから渡された本を読み、ヴェロニカの世話を淡々としていた。

途中ヴェロニカが泣き出せば、様子を見ようと顔を近づけ、ヴェロニカに髪を掴まれる。

 

「ぃ、う"お"い、離しやがれぇ」

「だー」

 

ヴェロニカは泣き止み、必死にスクアーロの髪で遊んでいた。

何度か同じ目に合い、最終的に満足するまで放っておくことにしたのだ。

ルッスーリアが帰って来た時、一番まともに世話をしていたスクアーロを見て、今後も任そうと決めた瞬間だった。

そしてそれはヴェロニカが3歳になるまで続き、スクアーロの頭部が一部剥げていたことが明らかになるのもその頃だった。

 

 

月日は経ち、ヴェロニカが7歳の頃。

ルッスーリアが急な任務に本部にいなかったため、スクアーロにヴェロニカが任されていた。

スクアーロも書類整理などがあり、ヴェロニカを見る時間などなかった。

 

ヴェロニカside

 

現在7歳のヴェロニカです。

目の前には書類を捌いていくスクアーロがいた。

いつもの大きな声はなりを潜め、期限の迫った仕事に手いっぱいのご様子である。

ぶっちゃけ暇だ。

だってスクアーロの部屋とかなんもないし。

スクアーロは仕事で私の動作に反応していない、というわけでこの部屋を脱出します。

あーあー、私ももう7歳だし放置してくれてもいいだろうに。

いやそれで誘拐にあったら目も当てられないわ。

ヴェロニカはスクアーロの部屋を出て、本部を歩き回っていてた。

周りを確認しながら誰もいない道を歩いていると、曲がり角で何者かにぶつかる。

ヴェロニカはいきなりのことで尻もちをつく。

やっべ、見つかった!

慌てて立とうとすると、どっかで聞いたような声が聞こえてきた。

そこには金髪のイケメンと、いい年したおっさんがいた。

 

「お?子供?」

「ボス、どうし…子供?」

「何でこんなところに…大丈夫か?」

 

金髪のお兄さん、これディーノじゃね?

うっわ、近くで見るとイケメンだなぁ。

ディーノはヴェロニカに手を差し出すと、ヴェロニカもゆっくりとその手を掴み立たせてもらう。

 

「にしてもどっから来たんだ?親は?」

「……仕事」

「うん?ヴァリアー隊員の子供か…何で仕事場に連れてくんだよ」

「ここ私の家」

「え?」

「ボス、この子供の顔……ザンザスに似てねーか?」

「え、ザンザスはないだ………マジだ」

 

目の前のディーノはヴェロニカの顔をまじまじと眺める。

めっちゃ見てくるんだけど、何で?

ヴェロニカは恥ずかしさで眉を傾げた。

 

「おっと、眺めすぎて悪いな、お名前を聞いても?」

 

目の前にイケメンがががががが

うっわ顔整ってる。

こいつ絶対リア充だ、爆発しろ。

そう考えていると、ディーノが咳払いをしてヴェロニカの手を彼の手の上に置く。

 

「初めましてベッラ、俺の名前はディーノ…スクアーロとザンザスの悪友だ」

「ヴェロニカよ」

 

おおっと、名前聞いてたのに無視してたから咳払いされちゃったよ。

にしても部下いると様になるなぁ。

 

「ヴェロニカはザンザスの娘なのか?」

「そうよ」

「へぇ、あのザンザスが…」

「何よ悪い?」

「別におかしかったわけじゃねぇんだ…少し意外だっただけだ」

「そう、あなた何でここに来たの」

「スクアーロとザンザスに会いに…」

 

ディーノが喋っていると、遠くからスクアーロの声が聞こえてきた。

あちゃー抜け出したのバレちゃったー

ヴェロニカは舌打ちする。

段々とスクアーロの足音がこちらへ近づいてくる。

 

「う"お"ぉぉおい!プリンチペッサぁぁぁああ!」

「うるさいわね、ここにいるわ」

「おめーいきなり抜け出すなぁぁああ!」

「よぉ、スクアーロ」

「あ"あ"?何でてめーがいんだ?」

「ザンザスから聞いてないのか?今日訪問するって言ってあったぞ」

「あんのクソボスぅぅううう!」

「うるさいわよスクアーロ」

 

スクアーロはヴェロニカを抱き上げると、ディーノたちをザンザスの部屋に案内する。

途中で、ヴェロニカを部屋に戻し、そのままディーノとザンザスの部屋に行ってしまった。

これヴェロニカのヴァリアー以外の原作キャラへの初対面であった。

 

 

 

ディーノside

 

 

急にぶつかってきた子供に俺は目を丸くした。

どうしてヴァリアーという殺伐とした場所にこんな小さな子供がいるのか分からなかった。

直ぐに我に返り、子供に手を伸ばし立たせる。

 

「にしてもどっから来たんだ?親は?」

「……仕事」

「うん?ヴァリアー隊員の子供か…何で仕事場に連れてくんだよ」

「ここ私の家」

「え?」

「ボス、この子供の顔……ザンザスに似てねーか?」

「え、ザンザスはないだ………マジだ」

 

ロマーリオの言葉に俺はよくよく少女の顔を見つめると、あのふてぶてしい強面をしているザンザスの顔が過ぎった。

まじまじと眺めていると、少女の眉間に皺が寄る。

不機嫌な様も父親似とは…

 

「おっと、眺めすぎて悪いな、お名前を聞いても?」

 

いつまでも言葉を発さない少女に首を傾げるが、少女の眉が僅かに上がったのが見えた。

まるで、何故自分から名前を言わねばならないの?と言う様に俺は咳払いをして、自分の名前を教える。

 

「初めましてベッラ、俺の名前はディーノ…スクアーロとザンザスの悪友だ」

「ヴェロニカよ」

 

やはり俺の自己紹介を待っていたのだと確信した。

そして少女が名前を発すると同時に、威圧感を感じた。

なんて子供だ、この年でそれほどの風格を纏うだなんて…

流石はザンザスの子供だろうか。

 

「ヴェロニカはザンザスの娘なのか?」

「そうよ」

「へぇ、あのザンザスが…」

「何よ悪い?」

「悪い別におかしかったわけじゃねぇんだ…少し意外だっただけだ」

「そう、あなた何でここに来たの」

「スクアーロとザンザスに会いに…」

 

少しだけ目の前のベッラは不機嫌になってしまったようだ。

言葉を選ばねば、さらに機嫌が悪くなっていくことを分かってしまい、ディーノは言葉を選んで彼女の言葉に返答する。

すると、耳に悪友の声が入ってきて、目の前の少女は舌打ちをした。

俺はその舌打ちに驚きながらも、視界に入る長い銀髪に手を上げた。

 

「う"お"ぉぉおい!プリンチペッサぁぁぁああ!」

「うるさいわね、ここにいるわ」

「おめーいきなり抜け出すなぁぁああ!」

「よぉ、スクアーロ」

「あ"あ"?何でてめーがいんだ?」

「ザンザスから聞いてないのか?今日訪問するって言ってあったぞ」

「あんのクソボスぅぅううう!」

「うるさいわよスクアーロ」

 

スクアーロの厳つい声にも全く怯えずさらに不満をぶつける子供に俺は感嘆する。

スクアーロはそのままヴェロニカを抱き上げると、ザンザスの部屋に向かった。

途中ヴェロニカをスクアーロの部屋に置いていくと、俺はスクアーロに声を掛ける。

 

「ザンザスに娘かぁ…驚いた」

「俺だって出来た時は驚いたぞお"」

「ていうか、流石ザンザスの娘って感じだな…」

「まぁな…プリンチペッサはてめーの思っているよりも賢いぞぉ」

「さっき思い知らされた……お前たちの仕事…教えてんのか?」

「教えるわけねーだろぉ」

「え、それであの威圧感か……もはや天性の賜物だな」

「あれを誰彼構わず放つから困りもんだあ"」

「へぇ…」

 

まだ何も知らずにあの威圧感……あれは大物になる者の風格だ。

強者の…気迫…

 

「何も知らずに……てのは無理だろうなぁ…」

「あ"あ"?何か言ったかぁ"?」

「いいや別に…」

 

あの赤い眼は…強者の眼だ………何も知らない子供がする眼ではない…

ああ、でもまだ……こちら側に来るべきじゃないなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

その頃ヴェロニカは…

 

「リア充は許すべからず…だがヘタレは許す」

 

 

 




ちゃっかりヴェロニカのことをヴァリアーよりも理解してしまったディーノです。
多分もう少しヴェロニカと交流があれば、ヴェロニカの炎のことも最初に気付けたかもしれないのもこいつ。
ロマーリオは私の中では無害なモブおじさんAです。
一応他の方のリクエストをざっと読みましたが、本編内容と矛盾が生じそうなので書くことは出来ませんでした。
ご了承ください。
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