東方Project×ウルトラセブン (小説版)   作:泉シロー(旧柊太)

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本作品は前述の通り、ニコニコ動画で私が投稿している東方×ウルトラセブンシリーズの小説版となります。
当分の間は動画とほぼ同じ内容になりますが、いずれは動画では描写しきれなかった場面、動画を補完する内容についても書いていきたいと思っております。
小説から読んでいただいている方は宜しければ動画のほうもご覧いただけると幸いです。

それでは東方×ウルトラセブン、お楽しみください。


第1話「姿なき外来者」1/2

-1-

 

 

 青く美しい地球。

 この地球はかつて、幾多の恐ろしい宇宙人達に狙われていた。

 

 しかし、そこに一人の真紅の巨人が立ち向かった。

 

 

 その名は、ウルトラセブン。

 

 

 彼はM78星雲の恒点観測員三四〇号という立場ながら、地球防衛軍、ウルトラ警備隊と協力しながら、多くの侵略者達と戦い、地球を守ってきた。

 

 彼が大怪獣パンドンとの死闘を終え、ボロボロの体で地球を去ってから、数十年のもの歳月が過ぎた。

 

 

 地球の各都市はゴース星人の侵略から再興し、地球防衛軍もウルトラセブンの力なしでも宇宙人に十分対抗できるほどに強化された。その後遊星間侵略戦争の時代も沈静化の時期を迎え、地球には暫しの平穏が訪れることとなった。

 

 

 

 

 

 そんな地球に、ある一人の宇宙人が地球に降り立った。

 

 

「久しぶりだな、この美しい地球は」

 

 

 モロボシ・ダンことウルトラセブンは、数十年ぶりに訪れるこの地球の大地を、感慨深げに眺めていた。

 

 

 彼はパンドンとの戦いの後、なんとかM78星雲に帰ることができた。

 そして、ようやく休暇を得て、この地球に戻ってくることができたのである。

 

 

「……。あのウルトラ警備隊の仲間達は、今どうしているだろうか、キリヤマ隊長、フルハシ、アマギ、ソガ、そしてアンヌ……」

 

 

「せっかく来たんだ、この休暇のうちは、この地球の各地を見て回ることにしよう」

 

 

 

 

 

 -2-

 

 

 所変わって、こちらは日本の東国のどこかの山奥にある楽園。幻想郷。

 

 この世界は博麗大結界という大きな結界で外の世界と隔離され、人間と妖怪、その他の幾多の種族が共存する理想郷である。この地は、妖怪の賢者達の努力により、人間と妖怪が共存できる環境を作り上げた。

 

 しかし、そんな幻想郷に、人間とも妖怪とも違う存在が、この地に入り込み始めていた。

 

 

 

「大ちゃーん、こっちこっち」

 

「チルノちゃん待ってよー」

 

 

 ここは霧の湖の近くの森の中、背中に羽をつけた二匹の妖精が飛び回っている。

 

 

「大ちゃん遅い!まあアタイが速すぎておいつけなかったのよね!」

 

 

 そう得意げに話すのが氷の妖精、チルノである。

 

 

「チルノちゃん、待ち合わせ場所まで競争だとか言って、

 いきなり先にいっちゃうんだもん」

 

 急に急がされて疲れた表情で話すのが緑の髪の妖精。

 皆からは大妖精と呼ばれている。

 

 

「待たせたのだ〜」

 

 

 二匹が話していると両腕を広げてひょこひょこと赤いリボンを頭につけた金髪の少女が近づいてくる。可愛らしい姿をしているが、これでも彼女は人喰い妖怪である。

 

 

「ルーミアちゃんも来たね」

「よーし!それじゃあ今日は何するか決めよう!」

「じゃあ私は鬼ごっ……」

 

 

 

 その時、突如大妖精の体がすっと消えてしまった!

 

 

「あれ!大ちゃん!」

「消えた?のか?」

 

 

 大妖精の姿は忽然と無くなっていた。

 それはあまりにも突然のことだった。

 

 

「大ちゃん!?どこ行ったの?」

「しゅんかんいどうってやつか〜?」

「あっ、な〜んだ。いつも大ちゃんがつかうやつか。

それならまだこの近くにいるはずだ。」

 

 

 大妖精は瞬間移動する能力を持っており、チルノ達はその能力のせいで突然消えたのだと考えた。

 

 

「よーし、大ちゃんを探すぞ!」

「探すのだ〜」

 

 

 

 しかし、その後心当たりのある場所をどんなに探しても大妖精の姿が見当たらない。

 

 

「大ちゃんどこ行ったの〜?」

「どこいった〜のだ?」

 

 

 

 結局その日、二人は日没まで探したが、大妖精の姿は見つけられなかった。

 その日を境に、幻想郷で大妖精の姿を見る者はいなかった。

 

 

 

 -3-

 

 

 大妖精が姿を消して一週間後。

 

 

 ここは幻想郷の博麗神社。

 幻想郷と外の世界の境界に存在する神社である。

 

 

 そこで紅白と白黒の衣装をした2人の少女が、なにやら難しい表情で話し込んでいた。

 

 

「全く本当に疲れたわ。

 ようやく分かったこととしては、ここまで消えた人里の人間が四人、消えた妖怪が確認出来ただけで十体以上。それに皆目の前から突然姿が消えるという話ばかりだわ」

 

 

 楽園の素敵な巫女、紅白の衣装をした、この神社の主でもある博麗霊夢は、厳しい表情で話した。

 

 この一週間、幻想郷では、人間や妖怪が突如消失するという事件が多発していた。

 

最初はただの失踪事件と見られていたのだが、やがて目の前から忽然と姿が消えるという目撃談が幾つも挙がるようになった。

 

 

 

「消えた者の種族も人間、河童、天狗、妖精、妖獣とてんでバラバラ。それにここまで誰も知らないとなると、いったい誰がなぜこんなことをやっているのか全く検討もつかないぜ。私としては早いとこ犯人を捕まえて退治してやりたいところなんだがな」

 

 

 

 そう威勢よく話したのは、黒白の衣装の普通の魔法使い、霧雨魔理沙である。

 

 二人は幻想郷の各地を周り、怪しい人物たちにひたすら弾幕ごっこを仕掛けて話を

(物理的に)聞いたが、結果は芳しくなかった。

 

 

「でもここまで空振りとなると、犯人は私達が知らない外来人の可能性が高いわね。それに消えた現場を幾つか見たけれど、特に目立った妖力や魔力、霊力といった力の類いは感じられなかったわ」

 

「えっ……。それはどういうことだ?」

「つまり今回の異変の犯人はこれまでとは全く違う力を持った、未知の外来人ということよ」

 

「妖力も魔力も使わないということは、外の世界の人間か?ひょっとすると外の世界で発達している『科学』ってやつか?外の人間はこんな力をもってるのか」

「私はそんな話聞いたことないけど……」

 

 そんな二人の様子を近くの木の影から密かに伺っている三匹の姿があった。

 

「ちょっとサニー、本当にあの巫女にあのことを伝えるつもり!」

「しょうがないじゃない!チルノが勝手に行っちゃうし」

「でもあれが本当に異変の犯人かどうか分からないでしょ」

 

 彼女らは光の三妖精。

リーダー格のサニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアの三匹である。

 

「下手に出ていったら一回休みにさせられるのがオチよ」

「でも私達だけでどうにかなる問題じゃないわ!」

「!?ちょっと二人共、あの二人のがこっち見てるわ!」

「「えっ!」」

 

 

 

「あんたら……。そこでコソコソと何してるの?」

 

 いつの間にか気づいていた霊夢が恐ろしい表情で三妖精に近づく。

 

「ちょっとサニー、アンタ能力を解除してたんじゃないの!」

「解除してたのはルナのほうよ!」

 

 サニーミルクは光を屈折させて姿を消す能力、ルナチャイルドは周りの音を消す能力があったが、二匹は言い争っているうちにその能力を解除してしまったようである。

 

「二人共、言い争っている場合じゃないわ!」

「「はっ!」」

 

「そういえば……あんたらにはまだ話聞いてなかったわね。ちょっと『お話』お聞かせ願おうじゃないの」

「やっ、せめて弾幕ごっこで……」

「もう散々弾幕ごっこはやってきたからうんざりなのよ!」

 

「『夢想封印』!」

「「「いやー!」」」

 

 いきなり霊夢が放ったスペルカードによって、三妖精は吹っ飛んでしまった。

 

「やれやれ、霊夢は相変わらず乱暴だぜ」

 

 魔理沙が呆れたように言った。

 

「今はあちこち行ったせいで気が立ってるのよ」

 

 二人は吹き飛ばされた妖精達の方へと向った。

 

 

 

 

 

「いててて……」

 

 

 妖精達が正気に戻ると、三匹は木に持たれかかっていた。目の前には既に霊夢と魔理沙が立っており、逃げるに逃げられない状況である。

 

 

 

「さあ、あんたらが知ってる事洗いざらい話してもらうわよ」

「「「ハイ……。」」」

 

 三匹はぽつぽつと話はじめた。

 

 

 

「あのね、森の中で、スターがレーダーで変な物を見つけたの」

「変な物?」

「うん、それはレーダーでは捉えられて、"確実にそこに何かいる"はずなのに、姿が見えないの」

「何か危ない妖怪でもいるのかと思ってひとまずそこから離れたんだけど、そのことをチルノに伝えたら

 

『絶対にそいつが犯人ね!アタイの勘がそういってるわ!』

 

 って言ってその見えない物体の方に向かってちゃったのよ」

 

 

 

 サニー、スター、ルナが順に話した。

 

「どうする霊夢、行ってみるか?」

 

 魔理沙が興味津々に話しかける。

 

「そうね、他に手掛かりはないし―― 行ってみるしかなさそうね」

 

 そう言うと霊夢は三妖精の方に向き

 

「そこの三人、案内しなさい」

 

 三匹はしぶしぶと二人をその場所まで案内することになった。

 

 

 

 

 

 -4-

 

 

 そこは魔法の森の裏手と妖怪の山の間にあり、山の斜面が岩場になっており、ごろごろと岩が転がっている場所である。

 

 

 普段は何もなくだだっ広い場所のため、妖精達の遊び場となっている。

 

 

「この先の岩場の所なんだけど……」

 

 スターサファイアが全員を先導する。

 

 

 

 すると

 

「あら?」

 

 岩場に続く途中に一人の青年が立っていた。

 

「!誰?」

 

 

 霊夢をはじめ一同が警戒する。

 

 

「僕は怪しいものじゃありません。あなた達に警告しに来たんです」

「怪しくないって……。あなたその格好どう見ても外来人じゃない!」

 

 

 霊夢が指摘するように、青年の格好は黄色のジャンパーにジーンズという出で立ちで、どう考えても里の人間の格好ではなかった。

 

 

「まあとにかく、命が惜しかったら、ここから先へは進んではいけません」

「ただの人間に命の心配をされるほどヤワじゃないわ。

 とりあえず、あんた怪しいから気絶してもらうわ」

 

 

 そう言うと霊夢はお祓い棒を降って弾幕を出す。かなりの数の弾幕で、普通の人間には避け切れそうもない。

 

 青年は避けようとせず、青年のいたあたりからは土煙があがり、視界が悪くなる。

 

 

 

「オイオイ、いくら怪しいからってただの人間にいきなり弾幕打たなくても」

 

 魔理沙が呆れたように言う。

 

 

「大丈夫よ。死なない程度には加減してあるわ」

 

 砂埃が舞って視界が戻ってくる。

 

「……あれ?」

「……いない?」

 

 サニーとルナが言った。そこには倒れている人影一つなかった。

 

「多分吹き飛ばされたんだろ、そのへん探せばいるでしょ」

 

 霊夢が面白くなさげに言った。

 

「しっかしいかにも怪しそうだったのにただの人間か〜」

 

 魔理沙は残念そうである。

 

 

「!?みんな後ろ!」

 

 その時黙っていたスターサファイアが叫んだ。

 

「「!?」」

 

 一同が驚いて振り向くと、

 

「ハッハッハッ!!」

 

 あの青年が岩の上で高笑いをしているではないか。

 

「嘘だろ……。あれを避けて後ろに周りこむなんて」

 

 魔理沙が驚いたように言った。

 

 

「ようやく話を聞いてくれる気になりましたか」

 

 青年は岩から降りる。

 

「あんた何者?」

 

 霊夢が切り出す。

 

「ご覧の通りの風来坊です。」

「風来坊、ねぇ。名前は?」

「名前。そう、モロボシ・ダンとでもしておきましょうか」

「とでもしておきましょうって何よ!」

 

 怪しすぎるダンの反応に霊夢が痺れを切らして突っ込む。

 

「この先には何があるんだ?」

 

 今度は魔理沙が聞く。

 

「この先には恐るべき宇宙人、クール星人が見張っています。近づいちゃいけません」

「宇宙人?はん、そんなの永遠亭にいるやつらで十分だぜ」

 

 信用していない素振りの魔理沙にダンが真剣な表情で続ける。

 

「今あなた達が相手にしているのは、恐るべき宇宙人です。

 やつらはかつて地球を侵略するためにこの星へとやってきたんです。

その時は何とか撃退することができました。

 …だが、今度はどんな恐ろしい手段を使うかもしれない。気を付けて下さい」

 

「……霊夢、こいつ信用できるか?」

「……いきなり出てきて宇宙人とか言われてもねぇ」

 

 霊夢と魔理沙は疑り深げにダンを見つめる。

 

 

「おーい!そんなとこで集まってなにしてるんだ?」

「あっチルノ!」

 

 そこに消える生物を探していたチルノが、通りかかった。

 

「変なやつに捕まったりしてないよね」

 

 サニーミルクが心配そうに尋ねる。

 

「ううん、全然見つけられてない」

 

 チルノがそっけなく返す。

 

「そこの君もこっから先は危険だ。早く引き返したほうがいい」

 

 すかさずダンが注意する。

 

「アタイは見えない物を探すのに、忙しいんだから。邪魔しないでよね」

 

 見えないのにどうやって探すというのか…。

 

「やめなさい、ワナに落ちるようなもんだ」

「にんげんに止まれと言われて止まるアタイじゃないわ!」

 

 そう言い終えるとチルノはどんどん先に進んでしまう。

 

 

「危ない!行っちゃいかん!」

 

 

 ピー

 

 すると突然!何も無いはずの空から光線が発射される。

 

「!?わ!」

 

 

 チルノがその光線に当たると、姿が消えてしまった。

 

 

「「!?」」

 

 

「見つかったか、君たち、ここから直ぐに離れるんだ!」

 

 

 ピー ピー

 

 何も無い空間から今度は次々光弾が発射される。

 

 

「きゃあ!」ピチューん

 

「いやっ!」ピチューん

 

「あっ!」ピチューん

 

 

 スピードの早い光弾が次々と三妖精達に命中し、妖精達は一回休みにされてしまう。

 

 

「こっちも反撃よ!」

「おう!」

 

 

 霊夢と魔理沙が光弾が発射された方向へ弾幕を放つ、しかし、如何せん姿が見えないので当たったのかどうかすら分からない。

 

 

 ピー!ピー!

 

 

 その時!別の方向から光弾が発射される。

 

 

「「!?」」

 

 

 二人はとっさに避ける。

 

 光弾は二人の背後の岩山にぶつかり、岩が激しい音を立てて弾ける。

 

 

「痛っ!!」

 

 魔理沙は弾けた岩の一片に当たってしまう。

 

「魔理沙!?大丈夫!」

「ううっ……。油断した……ぜ」

 

 

 魔理沙は、そう言うと気絶してしまう。

 

 その間にも、光弾が降り注ぐ。

 

「くっ!」

 

 

 霊夢はとっさに魔理沙を抱えて光弾を避ける。

 

 しかし、このままでは二人共被弾は避けられない。

 

 

 

 その時、岩場に隠れていたダンがカプセルを取り出す。

 

 

「ウィンダム、頼むぞ!」

 

 

 ダンは二人に見つからないようにカプセルを投げる。

 

 

 ボーン!

 

 グワワァァァ!

 

 

 ダンと二人の前に銀色の巨大なロボットのような物が現れる。

 

 彼はダンの指示で戦うカプセル怪獣ウィンダムである。

 

「今度は何!?」

 

 霊夢は突然現れた巨大なロボットに驚く。

 

 ウィンダムは額のランプから光弾の降ってくる方向へ闇雲に白いビームを乱射する。

 

 ビーー!

 

 当たってはいないようだが、降り注いでいた光弾が一時的に止む。

 

「今だ!その子を抱えて逃げるんだ!」

 

 ダンが叫ぶ。

 

「でもあんたは!」

「俺は直ぐに後を追う!」

「……分かったわ」

 

 霊夢はただの人間をこんなところに置いていくのは不味いと思ったものの、魔理沙を抱えていてはいずれにせよ連れて帰れないと判断し、その場を離れる。

 

 

 霊夢が離れていくのを見送った後、ダンは目を光らせて上空を探す。

 

 ダンの透視能力である。

 

 すると森の上空に浮遊する円盤を発見する。

 

 

「ウインダム!あそこだ!」

 

「グワワァァ!」

 

 すかさずその方向にウィンダムは光線を放つ。

 

 ゴォ!

 

 

 すると鈍い音が起こり、何も無い空中から煙が上がる。

 

 

 煙は段々と落ちていき、魔法の森の中に落ちていった。

 

 

「ウインダム!戻れ!」

 

 

 深追いは無用、とダンはウィンダムをカプセルへと戻す。

 

 

 スイッと巨大なウィンダムが小さなカプセルへと戻っていく。

 

 

 ダンは煙の上がっている方へと向かって行こうとした。

 

 

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

 

 

 ダンが振り返ると、そこには霊夢が立っていた。

 

 

 

第1話2/2に続く




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