東方Project×ウルトラセブン (小説版) 作:泉シロー(旧柊太)
見やすいようになるべく行間を開けるようにしました。
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その後ダンは霊夢に連れられ、博麗神社へと戻った。そこには正気に戻った魔理沙と、復
活した三妖精の姿があった。
「おお、君達、無事だったか」
「お前こそな」
魔理沙は怪訝な表情で答える
「はい!それじゃあじっくりと聞かせてもらうわよ。あんたには聞きたいことがたくさんあ
るんだから!」
「いや、そんなことをしている時間はない、今がクール星人を倒すチャンスなんだ!」
「クール星人?」
魔理沙がすかさず尋ねる。
「奴らはかつて地球を侵略しようとやってきた宇宙人だ。奴らの星は資源に乏しいから、他
の星の動物やら資源やらを集めている。だがまだ奴らは捕まえた人間や動物を殺してはいな
いはずだ。生け捕りにして円盤の中に隠しているに違いない。」
「チルノや大妖精はその中にいるのね!」
三妖精達は少し安堵した表情になる。
ダンは更にその宇宙人の円盤らしきものが魔法の森に落ちたことを全員に伝えた。
「奴らの円盤は保護色を使って姿を隠しているんだ。だが今はあのロボットのおかげで円盤
から煙が出てる。これは敵の位置を特定できるチャンスなんだ!」
そう言うとダンは立ち上がり、元来た道を戻ろうとする。
「ちょっと待ちなさい!まだ話は終わってないわよ!」
「しかし…。」
「ああ、もう!分かったわ!私もついて行くわ!話はそのクール星人とか何とかを、倒して
からじっくり聞くことにするわ!
異変解決は巫女の仕事だしね!」
「おっ!それなら私も行くぜ」
さっき気絶したことに全く懲りていない様子の魔理沙も行く気である。
「いや…。さすがに君はさっきの怪我では…。」
「もう大丈夫だぜ!魔法で回復したし!それに私の住んでいる所にそんなものが落ちたと
なっちゃ、黙っている訳にはいかないぜ!」
「それなら私達もいくわ!」
「えっ!」
「ちょっと何言ってるのサニー!?」
突然一緒に行くと言い出したサニーミルクに驚くスターサファイアとルナチャイルド。
「相手は危険な奴なのよ!」
「分かってるわよ!でも、チルノまでやられたのよ!
このまま黙ってる訳にはいかないじゃない! それに私達の能力はそいつに近づくのに役に
立つはずよ!」
「そりゃそうかもしれないけど…。また1回休みにされるのは嫌だし…。」
行く気満々のサニーミルクと乗り気でないルナチャイルドとスターサファイア。
「とにかく!私達も一緒に行く!これは決定事項よ!」
「ええー!」
「勝手に決めないでよ!」
「あんた達……。一緒に来る、と言った以上は最後まで来てもらうからね。
途中で逃げるなんて承知しないから」
相変わらず恐ろしい巫女である。
「もー」
「何でこんな目に」
「2人共、いつまでもグズグズしないで行くわよ!」
結局全員が落下現場までついていくことになった。
(…。無理に来るなといっても後からついてきてしまえば同じことだ。こっそりついてこら
れるよりは協力した方がましか…。)
「しかし危険な宇宙人だからな、どんなことをしてくるか分からない。落下現場では俺の指
示に従ってくれ。」
ダンは皆にそう言い聞かせたが、自分勝手な人間2人と妖精3匹がそれを聞くかどうかは甚
だ怪しいところである。
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サニーミルクとルナチャイルドによって姿と音を消し、煙の上がっている方へと3人と3
匹は接近する。
そして暗い森の中に不自然に煙の上がっている場所を発見した。
スターサファイアがレーダーで辺りを探る。
「変ね、10以上の生物がここにいるみたい」
「この空間に10人以上の宇宙人?がいるのかしら?」
「恐らく捕まえた人間や妖怪がこの中に閉じ込められているんだろう」
そしてこっそりとダンが透視能力を使用すると、二階建ての家一つ分はあるであろう大き
さの円盤が横たわっていた。
「不用意に近づくのは危険だ。外から攻撃して中の敵をおびき寄せるんだ。まず俺が円盤の
後ろに回る。円盤が俺に気づいて攻撃し始めたら君達は後ろから攻撃してくれ」
ダンがそう指示すると魔理沙が口を挟む。
「アンタは攻撃する手段あるのかい?」
「僕にはこれがある。」
そう言うとダンはポケットからウルトラ・ガンを取り出す。
ダンがウルトラ警備隊にいた時使っていたものと同タイプのものである。
「そんなオモチャみたいので大丈夫なの?」
霊夢がジトっとした目で尋ねる。
「これで十分さ。
それじゃ、僕が向こうに現れるまで、君達はここで大人しくしててくれよ」
そう言うとダンは森の中へと入っていった。
「あっ!ちょっと!」
霊夢が呼び止めようとするが、既にダンは妖精達の能力の範囲外に出てしまっており、範
囲内にいる霊夢の声が聞こえるはずもなかった。
「ああもう!なんで勝手に指示して勝手に行っちゃうのかしら!」
「それより、あいつ大丈夫か?人間が1人で森の中に入るなんて」
魔理沙が少し他人事のように言った。
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ダンは1人森の中を走って進んで行く。
すると
「!?何だ!」
突如ダンの視界が闇に包まれた。
昼間とは思えないほどの暗闇で視界が覆われている。
「お前は誰だ!」
「あなたは食べられる人間?」
どこからかそんな声が聞こえてきた。
一方、待機している霊夢達は、ダンが闇に飲み込まれているとも知らず、
「なあ、少し遅くないか。」
「森の中の妖怪にでも食べられたかしら、もしくは、胞子にやられたとか。」
いい加減待ちくたびれている様子の魔理沙と霊夢である。
そもそもこの2人にはコソコソとしたことが性に合っていない。
するとその時
「!?」「えっ!」
何も見えなかった空間から入口らしきドアが現れ、扉が開いた。
「これは…」
「あきらかに私達を誘っているわね」
2人は視線を合わせる。
「魔理沙」「ああ、行くか霊夢!」
「えっ!」
「罠かもしれないのよ!」
「上等よ!」「どんな奴が来てもこの霧雨魔理沙様が退治してやるぜ!」
三妖精が引き止めるのを無視して、2人は扉の中へと入っていってしまう。
「ああ、行っちゃた」
「もう能力解除しちゃっていいよね、何かもうバレてるっぽいし」
「うん…。」
サニーミルクとルナチャイルドはそれぞれの能力を解除してしまった。
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その頃ダンは、闇の中にいた。
「!君は誰だ!」
ダンは声のする方へ呼びかける。
「私はルーミアなのだー」
闇の中から再度声がする。
どうやらルーミアは煙が上がっているのを見て人間を探しにここまでやってきたようだ。
「早く食べたいのだー」
どうやら自分を食べようとしているらしい、とダンは理解する。
(とすると…こいつは妖怪か…。何とか撒いて円盤の所に戻らなくては)
そうするとダンは透視能力を応用して闇の中を探る。すると金髪の少女のような妖怪がうろ
うろとあたりを探しまわっているのが見えた。
(こいつか…。よし!)
ダンはルーミアのいる方へと近づいていく。
ダンはルーミアに充分に近づいた後、腹に思い切り拳をお見舞いする。
「ガハっ!」
まさか闇の中で自分の姿が見えているとは思わなかったルーミアは、拳を喰らい一瞬怯
む。
すると能力が解除され、ダンの視界に元の森の木々が広がる。
「今だ!」
ダンは一目散に逃げていった。
「ううー痛いのだー」
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円盤の中へと入っていった霊夢と魔理沙は、辺りを見回す。
そこは不思議な空間であった。
幻想郷では見た事もないような金属で作られた、よく分からない器具や装置が並んでいる。
「へえ、これは本当に宇宙船なのかもしれないぜ!」
「……。」
呑気な魔理沙とは対照的に静かに警戒を強める霊夢。
2人が奥へと進むと、やがて広い制御室のような場所に出る。
「ヤア、ヨクキタナ、博麗ノミコヨ」
「「!?」」
2人が振り返ると、そこにはシラミを逆立てたような黒い風貌の、六本の鎌のような腕を
持ち、浮遊する生物がいた。
そいつは腹部にある二つの目からこちらをじっと見ている。
その姿はとてもこの地球のものとは思えないものであった。
2人はその姿に少しギョッとする。
「アンタは誰?」
「私ハクール星人ダ。コノ星ノ生物ヲ採集シニキタノダ」
「採集だと!?」
魔理沙が驚く。
「ソウダ、コノゲンソウキョウのセイブツハ、珍シイモノバカリダ。コノトチニハ妖怪、妖
精、他ニモ能力ヲモツ生物ガ沢山イル。私ハソノ珍シイ生キ物達ヲクール星ニ持チ帰リ、ス
ミズミマデシラベアゲルノダ」
「勝手にこの土地の生き物を連れて帰るなんて、私がゆるさないわ!」
「私もだぜ!」
霊夢と魔理沙がいきり立つ。
「ソコデダ、博麗ノミコ、キミヲココニ呼ンダノダ」
「私を?」
「ソウダ、コノ土地ヲ調ベルウチニ、オマエガコノゲンソウキョウノ治安ヲ守ッテイルコト
ガワカッタ。ダカラオマエサエ倒セバ、コノゲンソウキョウデ自由ニ生物採集ガ行エルトイ
ウワケダ」
「私を倒すですって!」
霊夢は既に襲いかかろうかとお祓い棒を構える。
「オマエラハ珍シイ人間ダ、私ノ標本ニナッテモラオウ」
「昆虫みたいなお前に標本にされてたまるかってんだ!」
そう言うと魔理沙は八掛炉を取り出し、マスタースパークを放とうとする。
しかし
「うっ…あっ…」
「動け…ない…」
2人は不思議な力で動けなくなっていた。
よく見るとクール星人は手元にある機械で何かを操っている。
この機械から発する力で2人の動きを止めているようだ。
「無駄ダ。オマエラノヨウナ人間コソワレワレニトッテハ昆虫ノヨウナモンダ。」
霊夢と魔理沙はそのまま宇宙船の中に捕らえられてしまった。
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なんとかルーミアから逃げおおせたダンは、円盤の所へと戻ってきた。
しかしそこには能力を解除した三妖精の姿があった。
そこに霊夢と魔理沙の2人姿は見えない。
「おーい!他の2人はどうしたんだ!」
本当はここでダンが囮となる予定であったが、能力を解除してしまった上、2人がいないと
なれば作戦どころではない。
「扉のようなものが現れて、中に入っていっちゃったのよ!」
サニーミルクが叫ぶ。
「なに!迂闊に近づいては危険と言っておいたのに…あの2人は…。」
すると、それまで静かだった円盤の方向から急に光弾が発射される。
「「「きゃあ!」」」
妖精達は咄嗟に森の中へと逃げていった。
ダンの方向にも光弾が降ってくる。
「くっ!何とかあの2人を救出しなくては!」
ダンは光弾をよけ、木の影に隠れる。
そして胸ポケットから赤いメガネのような物を取り出す。
それはウルトラ・アイであり、モロボシ・ダンが、ウルトラセブンになるための変身アイテ
ムである。
「デュワッ!」
ダンがウルトラ・アイを目にかざすと、目が光出し、体が赤と銀色のボディに変わってい
く。
「ジュワァ!」
ここに赤と銀色のボディが特徴のM78星雲の宇宙人、ウルトラセブンがここに参上した。
セブンは光弾を避けながら、空中に現れている円盤のドアへ向かっていく。
「デュワァァ!」
セブンが思い切り体当たりすると、既に閉まっていたドアが倒れる。
セブンは円盤の中に侵入した。
円盤の中を進むセブン。
奥へ進むと、そこには怪しげな機械を操るクール星人がいた。
「ウルトラセブン!ナゼココニイルンダ!」
突如現れたセブンに焦るクール星人は、手元の機械をいじってセブンを押さえつけようとす
る。
「デュッ!」
少し苦しそうな表情になるセブン。
「デュワァァ!」
その時、咄嗟にセブンは額のビーム・ランプからウルトラビームを放つ。
ドゴォォン!
機械から煙が上がり、セブンが解放される。
それを見てすかさずクール星人が浮遊して逃げようとする。
「デュッ!デュワァァ!」
逃さない、とばかりにセブンは頭のアイ・スラッガーを放つ。
シャキン!
セブンのウルトラ念力によって操られたアイ・スラッガーはクール星人の頭を真横に真っ二
つにする。
そのままクール星人は動かなくなり、絶命した。
セブンはそのまま宇宙船の奥へと進む。
セブンはやがて部屋の中に監禁されている人達を見つける。
部屋の中は無重力のようになっており、中では人間や妖精、妖怪がフワフワと浮いている。
クール星人はこの中に捕まえた物を閉じ込めていたようだ。
その中には見覚えのある姿もある。
「このサイキョーのアタイを捕まえておいてたたですむとおもうなよ!」
「あんたこの状態で何が出来んのよ」
「くっ!動け、動けよ!」
「博麗の巫女さんも捕まったんじゃ…。もうおしまいだぁ…」
チルノ、霊夢、魔理沙、大妖精達はこの中に捕らえられていた。部屋の中では体の自由が効
かないようだ。
セブンが部屋のドアの隣のスイッチを押すと、無重力が解除され、部屋の中の人達の浮いて
いた体が落下する。
「うわっ!」ドテッ
「おっと!」
その後すぐセブンがドアを開ける。
「さあ!早く出るんだ!」
セブンはそう言って中にいる者を外へと誘導する。
「アンタは誰なの?!」
霊夢が宇宙船の中を進みながらセブンに聞く。
「君達の味方だ。さあ、早く!」
セブンは捕らえられていた妖怪と人間達を宇宙船の外に逃がした後、中に残っている者がい
ないことを確認する。
そしてセブンは腕を振り上げるようにして巨大化する。
「なんだありゃ!」
捕らえられていた里人が興奮したように叫ぶ。
そのままセブンは宇宙船を持ち上げ、遥か上空まで持ち去る。
そこでセブンは宇宙船を前に投げ、胸に手を掲げて光線を発射した。
ドカーン!
クール星人の円盤は光線が命中して爆発し、残骸は粉々になった。
「ジュワッ!」
セブンは空の彼方へと飛び去っていった。
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「さっきの赤いやつは何だったのかしら。突然現れて巨大化したと思ったら、円盤をあんな
激しい光線で粉々にしてしまうなんて」
「でも敵じゃなさそうだし、あんまり気にし過ぎなくてもいいんじゃないか?宇宙人もあい
つが倒してくれたみたいだし」
博麗神社に戻って来た霊夢と魔理沙は、今日のことを振り返っていた。
「まったく、あの風来坊もどっか行っちゃうし!今日は不可解なことばかりだわ!」
「まあまあ、分からないことを考えても仕方ないぜ」
「あらあら、霊夢、今回の異変解決ご苦労様。といっても、解決したのはウルトラセブンみ
たいだけど」
その時、突如空間に現れたスキマから西洋の貴婦人のような格好をした女性が現れる。
彼女は八雲紫。この幻想郷を結界で外の世界と隔離し、この理想郷を作り上げた妖怪の賢者
の1人である。今はその結界の管理と監視をしている。
「紫!あんた今まで何してたのよ!宇宙人が現れて大変だったんだから!まさか寝てたとは言わせないわよ…」
「別に寝てたわけじゃないわ、私にもやることがあったんだから」
紫はホホホと笑って答える。
「あと、アンタこの異変解決したのウルトラセブン?とか言ってたわね。アンタあの赤いヤ
ツについて何かしってるの?」
「…その説明をする前に、貴方に紹介しておきたい人がいるの」
紫は障子の外に声を掛ける。
「入ってちょうだい」
すると障子が開き
「やあ、久しぶりだね」
そこには昼間会った件の風来坊が立っていた。
「あっ!お前はさっきの!」
魔理沙が声を上げる。
「紹介するわ。外の世界でウルトラ警備隊に入っていた、モロボシ・ダンさんよ」
「改めてよろしく、二人共」
この出会いの後、霊夢をはじめ幻想郷住民達は、新たな外来者、宇宙人達による騒動に巻き
込まれていくのであった。
次話以降は追加エピソードも加えていきたいと思っています。
よろしくお願いします。