久々にトライガン読んだので投下、劣等生はアニメしか知らないのでアニメ基準で行きます。
トライガンを読んでいる事前提の作品なので未読の方にはネタバレ祭りです(白目
#1 全ての始まり
目が覚めたら別の誰かの身体だった、なんて経験は無いだろうか?
うん、意味が分からないと思うだろうけど聞いて欲しい。
以前僕は目が覚めたら何故かリリカルな世界にレガート・ブルーサマーズに取り憑いた状態で居たんだ、俗に言う憑依系って奴だね。
でね? それだけなら別に良かったんだ、特に原作介入とかする気無かったし、問題は憑依したレガ様にも余裕で意識があったんだよね……、そしてその所為で大きな被害を出す事になってしまった。
具体的には無印が一週間で終わり、A'sが一時間で終わり、stsに至っては始まる前に終わった(白目
プレシアをアリシアの遺体使って殺害するわ、猫姉妹はバラバラになるわ、戦闘機人を完全に掌握してしまうわで散々だった……。
悲しいかな、レガ様と僕じゃレガ様の方が力関係的に強くてね、無気力じゃ無かったら肉体奪い返された上に消滅させられる程差が有ったんだ。
いやー本当に辛かったですよマジで、だってね? 行動の一つ一つがレガ様の尺度で行われるから会話すらままなら無かった、僕ってかなりお喋りなのに……。
自分の体が元に戻った事に気がついたのは今朝だ、体がミニマム化してたから『あぁ、またか……』って達観してたんだけど、部屋の姿見を見たら僕が僕だった。
この時朝の早い時間だったのにも関わらず『いよっっっっしゃぁぁぁぁぁあ!!』と全力で叫んでしまった僕は悪くない、考えてみ? もし自分の憑依先が超光速の攻撃を見切って避けた上にそれを追い抜いて相手の裏取り出来るドチート悪党で、大都市丸々が射程範囲のナノサイズの糸を正確に操れて人間操作も余裕、半身縦に潰されても自分の身体操って戦えるようなトチ狂った人物に憑依したとする。
そのイカれた人が意識無いと思ってたら普通に意識あったんやで? プラス肉体の主導権は僕じゃなくレガ様、例えるならガチ勢の友人とゲームしてたら選択肢しか選ばせて貰えず、戦闘時はコントローラーを取り上げられる感じかな? そもそも生かされてること自体が奇跡に近い気まぐれだったんだ、やはり自分の肉体がNo.1(震え声
涙を流しながら喜びに打ち震えて居た僕が『さぁ今日から平和にスローライフを送るぞー!! 可愛いお嫁さん貰うんだー!!』と気を取り直し、意気揚々と部屋から出ようとした瞬間だった。
部屋の隅っこで金髪の女の子が怯えた目をしながら僕を見ていた。
いや、まて、落ち着け僕!! 今は自分の身体だ、以前の世界の様に一家惨殺とかして無い筈、万一殺ってるとしても一人だけ生き残りを作るとか言うヘマはしない筈だ!!
と、一通り混乱していた僕だったけど、よーく彼女の顔を見たら何処か見覚えがあった、いや、別に知り合いって訳じゃないんだけどね?
––––この子、テスラだわ(震え声
テスラ、自立型プラントの一人でヴァッシュとナイヴスが決定的に道を違えた原因の人物だ。
彼らよりも先に産まれ、人間の好奇心と言う狂気によって一年も経たずに実験動物として殺された悲劇のプラント。
しかも怯えきってるって事は実験後のテスラだろう、しかもね? この子ね? 尖翼が出てるの、つまり
(あっ、僕死ぬ)
その予感は正しく、僕目掛けて尖翼がすっ飛んで来た。
(急展開過ぎやしませんかねぇ!?)
この時点で死を覚悟した僕は、ほぼヤケクソ気味に飛び退いて回避を試みる。
その判断は幸か不幸か正しく僕の真上から超光速の何かが振り下ろされたがギリギリ皮一枚斬られる程度で済んだ、レガ様ボディならこの状態から彼女を取り押さえられるんだろうけど、この身体じゃさっきの奇跡的回避が限界だった。
どうやって対処するべきか、そんなことを考えていたら斬られた場所から一気に血が噴き出した、皮一枚に見えていただけらしく思ったより傷が深い、本格的にどうしようもない。
彼女の様子からして二発目は直ぐに来る、さっきはレガ様ボディだった時の感覚でよけたから何とかなったけど、この状態であの速度の攻撃を回避する事は僕には出来ない。
「待ってくれ!! 僕に君へ対する害意は無い!!」
二発目の尖翼が狙いを定める間に僕は両手を広げ、敵意が無いことを示す、そのおかげかどうか分からないけれど彼女の二の太刀は僕の首元に押し当てられた状態で止まる。
自分の死を覚悟していただけにこの反応は意外だったけど、僕は彼女の躊躇いに踏み入る様に言葉を重ねた。
「僕は君に対して何もしないしする意味が無い!! 何だったら僕の記憶と心を覗いても構わない、僕は君を傷付けない!!」
そう言い切った後、僕は彼女の目を真っ直ぐに見て嘘偽りの無い事を示す、命乞い目的だけど実際僕は自立型プラントに対する興味なんてものはないから大丈夫だろう。
少し尖翼の刃が僕の首に食い込んだけど、それと同時に僕の額に刀身から伸びた羽根が一枚触れた。
記憶の読み取り、と言うよりは共有なのかな? 思いを繋げる為のその羽根は僕の頭の中にテスラの記憶を再生する。
心の底から震える様な外道な実験、身体中、細胞中を調べ尽くされ、実験し尽くされた彼女の痛みと苦しみが津波の様に押し寄せて来た。
一年にも満たない僅かな時間の記憶、けれど休まる暇のない恐怖しか彼女は知らなかった。
今なら分かる、いや共感してしまう、ナイヴスと言う男が人類を滅ぼそうとした事に。
けど僕はその人間だ、彼らとは違う存在だとは言え、同じ人類なのだ、尻拭いは同じ人類のする事だろう。
正直柄じゃない、だけど僕は言わなくてはならない、彼女や
僕は首筋の尖翼を押し当てられたままゆっくりと彼女へと歩み寄る。
命の手綱を握らせた状態で歩み寄って来る僕に彼女は恐怖、というよりは困惑した顔を浮かべていたけど、僕は構わずにそのまま彼女を優しく抱きしめた。
「大丈夫、僕は君の事を知ったとしても君を傷付けたりしない。受け売りな言葉で悪いけど、未来への切符は白紙らしいんだ、だから一緒に生きよう。 君の知らない事を教えてあげる、君が悲しむ事はさせない、君は僕が守るから」
「…………まもる?」
「約束する、僕は君を傷付けない、傷付けさせない、生きるって事は辛いことばかりじゃない事を教えてあげる」
「…………」
彼女の羽根はまだ僕の額に当たったままだったけど、僕の首に食い込んでいた尖翼は解除された、信用して貰えたらしい。
…………さて、最大の脅威は何とか出来たし、まずは医者に行こう(震え声
▽
あの後、リビングに出たら母親が気絶し、父親が大慌てで救急車を呼んでいた。
この世界の両親は元々の僕の両親と同じ人で安心した、代わりに時代が百年くらい違う事と魔法が体系化されてる事が判明したから丸っ切り同じって訳じゃ無いらしいけどね。
テスラは僕の部屋の屋根裏に隠れて貰った、不安そうだったけど多分両親は彼女が居る事を知らないだろうし、僕を信用したからって僕以外の人を信用した訳じゃない、彼女の人間へ対する悪感情はナイヴス一歩手前だし暫くは秘密にした方が良いだろしね。
レガ様が憑いてたなら余裕で両親の記憶改変をして貰ったんだけど……まぁ自分でやるしか無いか。
一応、僕は魔法が使えるらしく魔法演算領域と言う魔法使い(この世界じゃ魔法師らしい)に必要不可欠な物も人よりは多少有るらしい、そのおかげで自作の魔法が失敗して大怪我したって言う言い訳も出来た。
と言っても我が家は曽祖父が魔法師だったと言うレベルの伝統も何も無い家柄らしく、両親や祖父母も魔法が使えないため伝来の魔法とかは無いんだそうな。
少々残念に思ったけど、よくよく考えたらどんな魔法が使えたとしてもGUNG-HO-GUNSの連中を知ってる僕からしたら何か一つの得意技を徹底して磨いた方が良い気がするし、秘伝や血筋の様なものに縛られないのはある意味利点かな?
病院の治療中にそんな事を考えながらテスラと夢のスローライフを送る為、魔法師になる事をさりげなーく決めた僕は治療が終わった後そのまま自分の足で帰宅した。
出血量的に普通の人間なら暫く安静にしなきゃならないだろうに、何故か身体が動いたのだ。
……多分僕も魔人に片足突っ込んでるんだろうねー、レガ様と肉体共有してた名残かな?(白目
帰宅した僕は両親からかなり心配されたけど、『血が足りないだけだから』と誤魔化して部屋に戻る、ちゃんと入ってこない様に釘は刺したのでテスラが見つかる事は無い、はず。
部屋に入ると僕の気配に気が付いたのか屋根裏からテスラが顔を覗かせる。
「ただいま、退屈させて悪かったね」
「…………だいじょうぶ」
そう言った後彼女はベットの上に飛び降り、僕の側に座った。
懐かれた、という感じじゃない、多分僕が守ると言った事を素直に受け止めて側から離れない様にしているんだと思う。
じーっと無言で見つめる彼女に何の話題を振ったものかと考えていると、部屋の机に何かのカタログがあった。
手に取ってみると、CAD前の世界で言うデバイスの様な物のカタログだったらしい、凡用型、特化型、武装一体型など色々と載っている。
別にCADが無くても魔法は使えるっちゃ使えるらしいけど、ある方が非常に楽だとか。
値段もお年玉なりお小遣いなりを貯めていけば買えないレベルでは無いし、ある程度どのメーカーにするかとかを決めておいた方が良いのかな?
そんな事を考えていたら、横合いから覗き込んでいたテスラが急に僕の顔を見て口を開いた。
「…………ほしいの?」
「CADの事? そりゃあまぁ、欲しいけど……」
「…………わかった」
「へっ?」
僕が疑問の声を上げると同時に彼女は屋根裏へと登って行った、何気無く部屋を見たら魔法師関連の本が並んでいる事に目が行き、それが読まれた形跡がある事に気がついた。
そう言えば今朝の騒動から半日くらいは立っている、暇つぶしに本を読んでも不思議じゃない、かな? けどなんであんな事聞いたんだろ?
と、考えているとテスラが降りて来た、小さな手には似合わない特化型のCADを持って。
「あげる」
「…………どっから持って来たのかな?」
「つくった」
「自作っすか……」
流石プラント、何でもありか(震え声
遠い目をしながらえらいえらいとテスラの頭を撫でながら貰ったCADのスペックを自分のPCで調べ……即返却した。
「これ、使えないっす、テスラ先生」
「……なぜ?」
即返却した理由? オーバースペックだからだよ!! 何だよコレ!? 今の最新型の八、九世代は先の性能だぞ!? しかもどんな理屈でそうなってるのか分からないけど僕が
内心でツッコミの嵐を入れまくったけど、テスラに悪気は無いのは分かる、なのでやんわりとスペックが高過ぎると説明したんだけど、また『わかった』と言って彼女は屋根裏へと行ってしまった。
デザインは良かったんだ……ヴァッシュの銃だったし、性能まで似せなくても良いんだ、テスラ……。
この後、テスラの持って来る物が悉くオーバースペックな物ばかりだった為、此方から性能を注文して作って貰う事で漸く落ち着いた。
何だろう、子育てしてる気分だ……。
主人公……苦労人、その苦労は前作参照。
テスラ……トライガンにてヴァッシュとナイヴスの人生に大きな影響を与えた人物、ステラではない(戒め