九校戦編に入ります。
九校戦は実力重視の選抜なので当然ブチ抜けた性能をしている主人公にもお鉢が回ります、達也の様に魔法に制限はありませんので。
まぁふんわりした感覚や理解で魔法を使える規格外な男っすからね(白目
そして安定の短め。
#15 スポーツの夏!!
僕の中では夏=スポーツの大会、と言った印象があったのだけれど、この時代でもその認識で良かったらしい。
九校戦、全国に九つある魔法科大学付属高校が集まって実力を競い合う大会なんだとか、一般家庭出身の僕にはあまり馴染みが無い話だけど、なんとその九校戦にエントリーすることになりました。
実力重視の選抜だったので一年の選手枠に入ったんだけど、僕の参加に色々揉めたとか。
それは僕が二科生だから、とかじゃなく僕のトラブルメーカー度が問題なんだって、能力に関してはかなり知れ渡っているので反発は無かったらしい、『あいつ絶対問題起こすって!!』とか『我が校の恥を晒す気ですか!?』とか『むしろあの
……おかしいな? 風紀委員として真っ当に活動してるのに評価が上がるどころか下がりに下がってるんだけど(震え声
まぁ何故かトラブルメーカー扱いされてるけど、風紀委員活動で僕の能力はみんな理解しているし、僕が参戦すれば確実にテスラも参加するので、色々メリットデメリットを差し引いた結果が僕のエントリーに繋がった。
参加競技は『スピード・シューティング』と『モノリス・コード』、アイス・ピラーズ・ブレイクとかも興味があったんだけど、適性を考えるとこの二種目に落ち着いた。
一応僕も色々手札もってたりするからアイス・ピラーズ・ブレイクに出れなくは無いんだけどね、前の世界の砲撃魔法をコッチに合わせたものとか、テスラが作った街一つ軽く消し飛ばせる弾丸とか。
使ったら確実に目立つだけじゃ済まないから絶対使えないけどね、特に最後の弾丸(白目
ま、まぁ、ともかく選手に選ばれた僕は今スピード・シューティングの練習を行っています、練習する意味があるのかって思うかも知れないけど、この大会じゃマーロン製のCADは性能が高過ぎて使えないんだ。
つまり僕は大会用に調整したCADを使わなきゃならないので、その為の練習だ。
マーロンのCADは起動式が0.1秒、普通の特化型が0.5秒で術者へ返される、マーロン製なら引き金を引くとほぼタイムラグ無しで魔法を起動出来るんだけど、特化型のCADだと0.4秒もラグが生まれてしまう。
対処出来ないほどじゃないけど、イメージよりもラグのある魔法で狙いを定めるのが中々に骨だったりする。
射撃場でテスラに調整して貰った競技用CADを使いながら自分の狙いと実際の判定のズレの多さに肩を落としていると、視線を感じた。
気配のする方へ目を向けると女子の方からの視線だったらしく、黒髪の少し感情が乏しそうな少女と目があった。
達也君と深雪さんの友人だったはずだから彼女の顔に見覚えはあるのだけど、正直友達の友達といった関係なので名前が思い出せない。
軽く会釈をした後、一旦テスラにCADを渡してベンチに座っていたら、彼女の方から僕へと近づいて来た。
「……こんにちは」
「うん、こんにちは、初めましてって訳じゃないけど一応自己紹介しとこうかな?」
「大丈夫、貴方は森崎君と一緒で有名人だから……」
「どう有名なのか非常に気になるんですが……」
「
「ちょくちょく罵倒が混じってるのは僕の気の所為かな?」
「大丈夫、私は一高の恥晒しなんて呼んでないから安心して?」
「何一つ安心できないんだけど!?」
上級生に煙たがられてるのは知ってたけど、まさかここまで言われてるとは思わなかったです(震え声
彼女は北山雫、テスラと同じA組で僕の射撃性能に以前から興味があったらしく、一度話してみたかったらしい。
彼女に僕の腕を見せた事あったっけ? などと考えていたら、初日の森崎君とのイザコザの時に彼女もその場に居たらしい、それ関連で達也君とも仲良くなったとか。
……うん、あの時僕だけ連行されてたからねー。
「……ところで、一つ聞きたいんだけど大丈夫?」
「ん? 何かな?」
「昔、銀行強盗を捕まえた事ない?」
…………アレ? あの時僕はちゃんと印象操作して僕の印象を薄くした筈なんだけど、なんでだろ?
とりあえずとぼけながら彼女の頭を覗くと、ちゃんと僕の顔に覚えはないんだけど、代わりに僕のCADと射撃技術に覚えがあったらしい。
会話を聞いていたテスラの視線が僕に刺さる、完全に忘れてた事だから捨てられた子犬みたいな泣きそうな目やめて?
『どうなの?』と顔を覗き込む北山さん、あの、顔近いよ? こんな調子だとテスラに後ろから刺されるよ?
「覚えが無いかなー、なんて……」
「本当に?」
「ほ、本当に」
「…………あの後、ドーナツは如何したの?」
「えっ? ドーナツ? 勿論買い直したに決まって……ハッ!?」
「やっぱり、あの時助けてくれたのは貴方だったんだ」
そう言って北山さんは納得したような様子を見せた後、『また今度、あの時のお礼はするから』と言って自分の練習へと戻って行った。
…………よ、良かった、変な研究所とか派閥の勧誘とかじゃなくて、下手したら同級生を殺さなきゃならなかったし、助かった。
「……ねぇ俊」
「な、なに? テスラ」
彼女が去った後、今度はテスラがCADの調整を終わらせて僕の横に座った。
テスラは僕並みに独占欲があるので真っ先に北山さんを牽制しに行くと思ったんだけど、彼女は一応クラスメイトだからか僕の方に来たようだ。
「俊、私はあなたのプラント、あなただけのプラント、あなたが望むならなんでも創るし、なんでもする、黒髪になるまで力を使っても構わない、だからお願い、私を捨てないで……」
そう言って彼女は僕の胸に抱き付き離れなくなった、この上なく嬉しい言葉だし、それ以前にテスラを捨てるなんて発想そのものは無いんだけど、彼女は時折人間とプラントという種族差に不安を感じる時があるらしい。
そんな時は強めに抱き締めて慰めるんだけど、今この場所は選手が沢山いる訳で……。
この日から僕は新しく女泣かせとも呼ばれる様になってしまった(白目
テスラを泣き止ませた後、僕は改めて練習を再開する。
スピード・シューティングは現代で言うところのクレー射撃の様な物だ、拳銃型のCADでやるものじゃないとは思うけど、小銃型じゃしっくりこないんだよね……。
照準性能を考えると小銃の方が向いてるんだろうけど、肉眼でクレーの動きを追えるから問題は無いんだ、この身体ほんと便利。
クレーが射出され、有効範囲内に入った瞬間に片っ端から撃ち落として行く、百枚落とせば勝ちなんだけど今回は弾数制限が無いので行けるだけ行ってみよう。
「……おい関根?」
「ん? どったの森崎君?」
「僕の隣で練習するのやめてくれないか?」
「えっ? なんで?」
「頼むからやめてくれ、僕の自信が音を立てて消えていくから……」
「森崎君、腕に自信が無いなら練習付き合おうか?」
「……………………え、遠慮する、二科生に学ぶなんてのは僕のプライドが許さないからな」
その割には沈黙が長かったのには突っ込まない方が良いのだろうか? そんな事を考えていたらCADの調子が悪くなってきたので練習を切り上げてテスラと帰宅する事にした。
モノリス・コード? 僕は殆どワンマンアーミーだからね、細かな作戦は同じ出場選手の森崎君に丸投げするのが一番だ、使うより使われる方が楽だしさ。
こうして、僕は今回の人生において一番の山場を迎えようとしている事にまだ気が付かないのだった……。
主人公にフラグが立ちました。
九校戦+森崎組モノリスコード=?
ついでに地球にも死亡フラグが立ちました。