科学的な魔法を使う世界で筆記ワーストというおかしな事をやってる主人公(白目
魔法の理論に関してはテスラに丸投げてるので発動のさせ方をふんわりとしか理解してなかったり、他の世界の魔法を知ってる所為で感覚的に魔法使っても何とかなってしまってるのが理由だったりします。
ps
お兄様、人外化。
#9 司波達也人外説
第三演習場、達也君と服部副会長の勝負の場所なんだけど、観客である僕達は何とも言えない瞬殺劇を見せられてしまった。
開幕数秒で達也君が服部先輩の背後に回り込み、そのまま彼に魔法を使用して気絶させるという非常にシンプルな決着、実に一方的だった。あの後僕も模擬戦をしたらどうかと会長に言われたので一応CADは受け取って来たんだけど、使う事無さそうだね。
倒れた服部先輩には見向きもせずにCADをしまう達也君、そんな彼に色々と疑問をぶつけて行く生徒会メンバーを意識から追いやり、あっさり伸されてしまった副会長にどうやって僕の実力を納得して貰おうかと考えていたんだけど、生徒会長達がさっきの魔法に首を傾げていたのが気になった。
「アレってそんなに難しい魔法ですかね?」
思わず口に出してしまったんだけど、その瞬間その場の視線が集まった、えっ? 何か変な事言ったかな?
「振動数の違うサイオンの波を三連続で出して、それを丁度服部副会長の上に重なる様にしてあの人酔わせたんでしょ? 別に難しい事でもない様な……」
「……お前は、それだけ理解できながら何故二科生なんだ、俊」
「魔法の理論を大概『そういうもの』で納得しちゃってるからじゃないかな? 今回だって思った事を言っただけだし」
呆れながら肩を竦める達也君に一応の弁解をしたけれど、何とも言えないため息を貰ってしまった、前の世界の魔法と似てる部分があったりなかったりするからこんがらがるんだよ、だからその辺は全部そういうものって事で片付けなきゃやってられないって(白目
「要は振動数変えて3発撃てば良いんでしょ? 何でそんなに難しい顔してるんですか?」
「俊、私は俊のその単純なところ好きだよ?」
何だろう、今テスラに脳筋認定された気がする(白目
ま、まぁ、口だけなら何とでも言えるし? 実践してみせた方が早いかな?
そう考えた僕は服部副会長が秒殺されたおかげで使い所が無かったCADを抜き、中の弾薬の起動式をサイオン波を放つ物へ変える。
そして演習場中央に向けてほぼ同時に3発発砲、座標、強度、持続時間、振動数をそれぞれ変数化しながら銃声が一つになる速度で撃ち出し、先ほどの達也君を再現してみせた。
そして僕は皆に向かって『ねっ? 簡単でしょ?』と笑顔を見せたのだけど、渡辺先輩に『出来るか!!』とツッコミを入れられた、何故に!? 早撃ちは兎も角原理は単純でしょうに?
といったところで服部副会長が起き上がった、会長に心配されて飛び起きる辺り分かりやすい人だこと。
とりあえず副会長も起きたので、空薬莢を入れ替えて達也君の前に立つ、テスラ以外の人が首を傾げたけど、僕は構わずに達也君にCADを向ける。
「じゃあ達也君、観客が一人起きた事だし、僕とも模擬戦しようよ」
「……何故そうなる?」
「ん? ほら、僕の実力も見て貰っとかないとフェアじゃないでしょ? 服部副会長を死体蹴りする真似はしたくないし」
「…………」
「それに、深雪さんが言ってたろ? 君は実戦なら誰にも負けないって。 テスラの前じゃ僕は最強で居たいんでね、折角の機会だ身勝手だけど受けて貰うよ?」
「……拒否権は無さそうだな、断った瞬間引き金を引く気配だ」
「もちろん」
そんな訳で始まった第2戦目は呆れた顔でジャッジを買って出た渡辺先輩の合図で始まった。
ルールは相手を死傷させる術式、直接攻撃は捻挫以上の怪我で無ければ可能、武器の使用は禁止、勝敗は戦闘不能かギブアップ、つまり死なせなければOKなのだ。
僕は開幕に二発、達也君の手からCADを弾き落とす事を目的として回避先を含めて衝撃を与える術式で狙い撃ったが、一発目を見切られ二発目を僕の懐へ飛び込む事で素通りして見せた。
膝を突き上げて彼の首から上を弾き上げようと足を浮かせ掛けた僕は、達也君の視線が僕の軸足に向いている事に気が付き震脚へ切り替える。
軽く床が踏み砕かれ、周りが揺れた事で達也君はバク転しながら距離を取りつつ、僕のCADを逆に撃ち落としに来た。
コレを回避するとその先に飛び蹴りが飛んできそうな気がした僕は、そのまま彼の魔法自体に干渉する弾を作って魔法自体を撃ち落とす。
同時に案の定踏み込んで来たので床を蹴って天井に飛び上がり、天板の溝に握力だけで捕まりながら上空から達也君の頭部を狙い撃つ。
しかし単純な射撃では掠りもしなかった、僕は高低差のアドバンテージを生かしてリロードを試みたものの、達也君が壁を走って僕の元に来たのでリロードは断念。
かと言ってそのまま下に降りたら着地狩りされるのは明白、残弾も残り一発なので壁を走ってきた達也に魔法を撃たれたら撃ち落としきれない。
仕方ないので腕の力だけで自分を持ち上げ、天井に自分の足を加重魔法で固定し、スピードローダー(リボルバーに六発弾入れるアレ)を達也の前へと投げ付け、其処に込められた弾薬を起動出来る様に調整したサイオン塊を打ち込み、衝撃弾を空中で六発纏めて暴発させる。
流石の達也君も空中じゃ避けれない、そう思っていたらまさかの残像だった、この人本当に人間なんですか?(震え声
思考がそれたけど気配的に背後にいるのが分かる、多分さっき僕がスピードローダーを投げた瞬間、身体の向きを変えながら壁を蹴り、天井の溝につま先を引っ掛けて反対側の壁へ飛び移ったあと、三角飛びの要領で僕の背後を取ったのだろう、気が付いた時には服部先輩を沈めたアレを食らっていた。
流石に見破ったこの技でやられたくは無いので強烈な揺れを無理矢理抑え込む振動を自分の頭に打ち込み、力技で達也君の即死コンボを打ち破る。昔研究していたミッドバレイ関連の事が役に立つとは思わなかった。
しかし一時的にとはいえ僕の意識は揺れていたので加重魔法が途切れ、床へ頭から落ちそうになっていた。
なのでレガ様の魔技を模倣した魔法糸を展開して壁に移動しようとしたら、その瞬間に起動式が潰された、おのれ達也君。
泣く泣く着地した僕は片腕でバク転をしつつ、上空からライダーキック打ち込んでくる達也君の着地点に空薬莢をばら撒き、一瞬体勢が崩れたところを蹴り飛ばして弾をリロードする。
蹴り飛ばされた達也君は空中で軽く受け身を取り、壁に着地してそのまま突っ込んで来た。
迎撃は無理だ、彼は頭部を守る様に手を十字形にクロスしながら特攻している、CADは交差した下の手が握っているので撃ち落そうにももう片方の腕でカバーされるだろう。
なので彼の下を滑る様にスライディングし、すれ違いざまに腹部目掛けて衝撃弾を叩き込む。
今度こそクリーンヒットしたんだけど、逆に身体が浮くほどの衝撃を利用され、彼が天井の溝に僕と同じ要領で掴まった、忍者か君は。
彼と同じ方法で上に行く事は出来るけれど、それをした瞬間待ってましたと言わんばかりに撃ち落とされそうだ、僕のCADと違って弾切れの心配が無いからね。
かと言って上からバカバカ撃たれたくは無い、なので一定回数跳弾する様に術式を加えた衝撃弾を二発づつ左右の壁へ撃ち込み、不規則な弾道で達也君を落としにかかる。
設定した跳弾回数は六回で、最後の一回に達也君目掛けて跳ね返る、彼は二つの不規則な弾道を目で追いながら回避するタイミングを計っている様だったが、僕の本命は残した二発の方だ。
彼が六回目の跳弾に反応し、身体を持ち上げようとした瞬間に彼の手元の天板に衝撃を与えて一時的に達也君の握力を奪い、それによって落下する彼の手元からCADを撃ち落とす。
しかし、達也の反応が思いの外早く、自分のCADが撃ち落とされる前に魔法を何発か撃ったらしく、僕の手からもCADを撃ち落とされてしまった上にかなり遠くまで弾かれた。
舌打ちしたくなる気分を堪えながら体術勝負に挑みはしたけど、二手打ち合った時点でこの条件では一切勝ち目が無いと理解させられ、CADの回収をしなくてはならなくなった。
僕の拳は見切られた上にカウンターが飛んでくる、今は自前の動体視力と反射神経で補っているけどそれにすらカウンターを合わせられる可能性がある。
一度思いっきり後ろに飛んでみたけど、それに合わせる様に達也君も飛び込んで来たので離れられそうに無い、身体能力自体は負けていないんだけど、技の差が如実に出ているねこれ。
魔法じゃない方の糸を使えば勝ちは拾えるだろうけど、アレは正真正銘の切り札だし、それを今この模擬戦で使用した場合、二度と達也君には通用しなくなるだろう。
なので別の方法を考える、魔法戦でなければ僕には勝ち目が無いので何とかCADを回収したい、しかし僕が一歩でも引こうものなら回し蹴りが僕の首に振り抜かれる、寸止めはされるだろうけどそれをされたら負けを認めるしか無い。
ならばCADの方を僕へ近づける、達也君との乱打戦の最中に震脚を入れる事で落としたCADを僕の近くに弾き上げる。
それを見た達也は伝播した揺れで、自分のCADも弾き上がっている事を確認すると、僕が落下地点へと飛び退くのと同時に自分のCADの下へと飛び退いた。
僕らは互いにCADを回収すると同時に相手側へと飛び込んだ。
理由は僕の場合、残弾が0の状態で弾き飛ばされているのでリロードが必要不可欠だった事、達也君は魔法の展開速度的に僕から後の先を取ることが不可能だという事、だから僕らは演習場の中央で互いの額に銃口を押し当てた状態となった。
注視するべきは相手の指の動き、それさえ見えれば引き金を引いた瞬間に避ける事が出来るので彼の動きを待っていたら、僕らの視界を遮る様に渡辺先輩の手が差し込まれた。
「こ、この辺りで良いだろ? 両者引き分けで手を打て、な? これ以上は演習場が持たん」
そう言われて気が付いたけど、あちこちボロボロになってる、足型とか平気でついてるし、達也君の壁走りの痕跡もバッチリだ。
「……二科生って、何だ?」
服部副会長の呟きは、生徒会の総意なのだろう、皆遠い目をしていました(震え声
この作品のお兄様はこんな感じにナチュラルな人外です、気の狂った身体能力で壁や天井を走り上がるくらいは余裕で出来ます(白目
このお兄様なら多分サブマシンガンの掃射食らっても銃弾全部素手で取るくらいはやれる(確信