ガンダム CRIMSON COMET   作:レイター
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PS4とバイオハザード7を購入し、ずっとプレイしていたのでかなり投稿遅くなりました。
今回はタツヤの葛藤が入りますね。


5話『月の中立都市part4』

「カレヴィ機、タツヤ機、発射してください」

 

ルルの指示に従い、発射の合図をする。

 

「カレヴィ・ユハ・キウル、ウイングガンダム、出るぞ!」

 

「沙月タツヤ、Hi-νガンダムインフラックス、出撃する!」

 

それぞれのハッチから出撃し、目的地を目指した。

 

「タツヤ、調子はどうだ?」

 

「ああ、絶好調だよ、こいつも調子良さそうだし」

 

今回はいつになくインフラックスが動いてくれる様な気がした。

 

「へぇ、じゃあ俺も負けるわけにはいかねーな!」

 

ウイングとインフラックスはそのまま目的地に飛んだ。

 

到着したのは数分後のことだった。

 

「民間人の避難はまだ終わらないのか!」

 

カレヴィが通信でアークエンジェルに問いかける。

 

「急いではいるが、厳しいな」

 

「だよなぁ…俺たちが暴れて時間を稼ぐ!その間に早く避難を!」

 

「さぁて、じゃあやるか!」

 

敵機の数は目に見えるだけでおよそ15ほど。

数では圧倒的に不利だが

 

「戦いは数より質だからな!」

 

先制攻撃を仕掛けたのはカレヴィだった。

バスターライフルから放たれた黄色いビームは、いともたやすくザクのコックピットを蒸発させた。

 

「やる気満々だな」

 

俺も負けじと、インフラックスの出力を上げて敵機に近づいた。

 

「せぇい!」

 

ビームサーベルで敵のザクⅡのコックピットを焼いた。

倒れたザクⅡのコックピットからは血が滴っているのが見える。

 

「俺も、戦争に慣れたのかな…」

 

本来ならこの様なものを見せられて平常でいることは不可能だろう。

しかし今の俺は、平常でいられることができた。

今俺の中にある感情は、敵を倒したという達成感と安心感、そして純粋な殺意だった。

 

「おいタツヤ!あんまり出すぎるな!」

 

「なっ!?」

 

しばらくぼーっとしていたことで周りを見ておらず、インフラックスは知らぬ間に敵機に囲まれていた。

 

「こんな所で…俺は死ねない!」

 

モニターに『CRIMSON COMET』の文字が表示され、インフラックスは真紅の光に包まれる。

ザクマシンガンを構えていた機体が少し怯んだのを見逃さずに、その機体に向かって全速力で距離を詰める。

 

「はぁっ!」

 

「ばかなぁぁ!!」

 

ザクは一瞬でビームサーベルによって切り裂かれた。

 

「次はどいつだ?」

 

「タツヤ!離れろ!」

 

カレヴィからの通信を受け、インフラックスを全力で戦場から遠ざけた。

直後、ザクやドムの集団にバスターライフルのビームが直撃した。

 

「うわ、すげーな」

 

集団は見事に蒸発し、今いるエリアの制圧が完了した。

 

「すまんがエネルギー切れだ、一旦アークエンジェルに戻るぞ」

 

「了解」

 

カレヴィの指示に従い、アークエンジェルに一時帰還した。

 

 

 

「はぁ…疲れたな…」

 

俺はコックピットを降り、真っ直ぐ自室に向かった。

扉を開け、スーツを脱いでシャワールームに入った。

 

「俺の手、また汚れたな…」

 

戦闘中で仕方がないこととはいえ、俺が人を殺したことに違いは無かった。

別にインフラックスで戦うことの後悔は無い。

 

「戦争を終わらせる、か…本当にできるのか?」

 

あの時、俺にインフラックスを託した老人は、俺を信じてインフラックスを託したに違いない、俺にできることは、その期待に応える事だけだ。

 

「タツヤ、いるか?」

 

扉をノックし、声をかけてきたのはカレヴィだった。

 

「カレヴィ、ちょっと待ってくれ」

 

シャワーを止め、体を拭いてからスーツを着て、扉のロックを解除した。

 

「なんか用?」

 

「いや、お前と話がしたくてな」

 

カレヴィは俺の部屋の椅子に腰掛け、真剣な表情で話を始めた。

 

「なぁタツヤ、インフラックスに乗ってて、なんか変わった事とかあるか?」

 

「変わった事…」

 

「例えばだな、人を殺したときに何も感じなくなったり、とかだ」

 

やはりカレヴィは分かっていたらしい。

俺が殺人鬼になろうとしていることを。

 

「ああ、確かに何も感じなくなったよ」

 

「なぁタツヤ、ひとつ言っておくが、俺たちは兵士であって殺人鬼じゃない、そのことをよく覚えておけ」

 

俺は心の奥深くで、殺人を楽しんでいたのかもしれない。

敵だと思ったやつを殺すことが、本当は楽しかったのかもしれない。

 

「うん…分かった」

 

カレヴィはそっと部屋を後にした。

 

 

レーアサイド

 

「なんであんなことしちゃったのかしら…」

 

金髪の少女、レーアがため息をつきながらアークエンジェルの廊下を歩いていた。

少し前に、何か悩んでいたタツヤを、そっと抱きしめて慰めた事を、今になって引きずっていた。

 

「でも…少しだけ、姉さんに近づけたかな…」

 

気合いを入れ直し、レーアはガンダムエクシアの元へ向かうのであった。

 

 

カレヴィサイド

 

「殺人鬼か…昔の自分を相手してるみたいだな…」

 

カレヴィは昔、ある機体のあるシステムによって、大勢の人間を殺してしまったことがあった。

 

「だけど、今の俺は違うからな、もうあんなヘマはやらかさないさ」

 

自分の頬を軽く叩き、気合いを入れたカレヴィはウイングガンダムの元へ向かった。

 

 

タツヤサイド

 

「今の俺にできること…インフラックスを動かすこと…」

 

自問自答を繰り返し、俺の頭の中は混乱している。

 

「インフラックスを動かしてすること…敵を殺すこと…」

 

殺人鬼とは何なのか?兵士とは何なのか?ふたつの違いは何なのか?

 

「俺のやりたいこと………」

 

しばらく答えは出なかった。

 

「……みんなを…守りたい……戦争を…終わらせたい……!!」

 

ようやく答えを出せた。

ようやく兵士としての在り方を捉えられた気がする。

 

「爺さん、分かったよ、俺にできること!」

 

俺はヘルメットをかぶり、あの漆黒の機体の元へ向かった。

 

 

機体格納庫へ到着したのは、数分後のことだった。

驚くべきことに、そこにはカレヴィとレーアの姿もあった。

 

「遅いわよ、何してたの?」

 

軽い微笑を浮かべたレーアが俺に言葉をかけてくれた。

 

「どうやら俺の言葉の意味がわかったようだな」

 

カレヴィも俺に言葉をかけてくれる。

 

「2人とも、俺、できることが見つかったんだ、でももし、俺がつまずいた時とかがあったら、少しだけ力を貸して欲しい」

 

「ええ、もちろん手伝うわ」

 

「遠慮なく頼ってくれて構わないぞ!」

 

2人の返答に、俺は過去最大の笑みを浮かべた。

 

「ありがとう!2人とも!」

 

俺の笑みに、レーアとカレヴィも笑みを浮かべた。

 

「さて、じゃあタツヤのためにも、さっさと戦争を終わらせようぜ!」

 

「まずはここを救わないとね」

 

「それじゃあ2人とも、出撃しよう!」

 

3人は、それぞれのコックピットに乗り込み、出撃体制に入った。

 

「カレヴィ・ユハ・キウル、ウイングガンダム、出るぞ!」

 

「レーア・ハイゼンベルグ、ガンダムエクシア、出撃するわ!」

 

「沙月タツヤ、Hi-νガンダムインフラックス、行きます!」

 




次回は戦闘メインになりますね。
投稿遅くなると思いますので、気長にお待ちください。
ご観覧ありがとうございました!







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