今回は戦闘メインとなります!
これまでの作戦により、フォン・ブラウンでの敵の戦力はかなり少なくなっていた。
途中までの道のりは、特に敵も出現せずに、目的地までは楽に到着できた。
「以外と楽に到着したわね」
「レーア、フラグになること言わない方が…」
俺の予感は見事に的中し、上空からベースジャバーに乗った、アストレイレッドドラゴンが降りて来た。
「こいつ!エースか!」
今までの敵とは違う威圧感に、俺は多少後ずさりする。
インフラックスの動きを見たレッドドラゴンは、凄まじい速度で間合いを詰め、カレトヴルッフを振り下ろして来た。
インフラックスはすぐさまビームサーベルでカレトヴルッフを受け止めるも、威力の違いに吹き飛ばされてしまう。
「うッ!」
インフラックスは後ろの岩に当たり、凄まじい衝撃がコックピット内部に届いた。
「タツヤ!」
レーアは素早くGNソードを展開し、レッドドラゴンに斬りかかった。
「逃すか!」
GNソードを避けたレッドドラゴンに、間髪入れずにウイングがバスターライフルを放つ。
バスターライフルの巨大なビームはレッドドラゴンの左肩に命中し、損傷させた。
「タツヤ!連携してやつを倒すわよ!」
レーアからの通信を聞き、俺はインフラックスを立ち上がらせた。
「了解、俺がやつを引きつけるよ」
インフラックスはビームサーベルをもう1本取り出し、二刀流で攻撃を開始した。
「これでどうだッ!」
攻撃は、ある程度システムが自動で行なっており、マニュアルで操作することはあまり無い。
二刀流での連撃が終わり、若干の硬直に襲われた。
「レーア!頼んだ!」
「任せて!」
エクシアの出力を最大まで上げ、レッドドラゴンの右肩からGNソードを振り下ろした。
レッドドラゴンは避けられずに、コックピットを切断され、動かなくなった。
「はぁ…なんとか倒したわ…」
3人とも一安心し、先に進もうとしたその時、上空から大量のMSが降下してきた。
ザクⅡやドム、グフなどが俺たちの目の前に立ちはだかった。
「おいおい勘弁してくれよ…」
カレヴィが嫌がるのも無理はない、こちらはレッドドラゴンとの戦いで消耗しており、その状態からの連戦となればかなりの苦戦が予想される。
「カレヴィ、もう1踏ん張りだから頑張ろうぜ」
「…はぁ…」
俺がカレヴィを勇気付けている間に、レーアはすでに戦闘を始めていた。
「ほら2人とも、早く進むわよ」
レーアはGNソードを巧みに使い、次々と敵機を倒していった。
「レーアだけに戦いは任せられないからな!」
インフラックス、ウイングもビームサーベルを取り出し、戦闘を開始した。
一機のグフがヒートサーベルでエクシアに斬りかかる。
それをエクシアはGNブレイドで受け止め、はじき返した。
「タツヤ!今!」
「ハァァァッ!」
ビームサーベルでコックピットを貫き、機体を停止させる。
「次!」
エクシアの機動力を生かし、存分に溜めを入れたGNソードでドムを真っ二つにした。
「オラァァッ!」
カレヴィも負けじとビームサーベルを振るう。
ウイングのビームサーベルは二機のザクⅡの頭部を貫き、間髪入れずに機体を蹴り飛ばす。
「これでどうだッ!」
バスターライフルを放ち、周囲のザクやドムも巻き込んで爆発する。
30機ほどいた敵機も、だんだんと少なくなっていき、とうとう全滅した。
「はぁ、はぁ、頼むからもう出てくるなよ…」
カレヴィの願いを踏みにじるかのように、再び機体が出現した。
エール、ランチャー、ソード、すべてのストライカーを併せ持つ、パーフェクトストライクが立ちはだかる。
「エース、くるぞ!」
俺の警告とほぼ同時に、パーフェクトストライクはランチャーを放った。
「ッ!危ない!」
エクシアとウイングはすぐさま避け、攻撃体制に移行する。
「これならッ!」
エクシアはGNソードを振り下ろし、攻撃を仕掛けるも、パーフェクトストライクの大剣に受け止められてしまう。
「キャッ!」
エクシアは力で負け、後ろに吹き飛ばされた。
「こいつをくらえ!」
インフラックスのビームサーベルは、パーフェクトストライクのストライカーをかすった。
体勢を崩したインフラックスのコックピット部分に、強烈な蹴りが炸裂した。
「がぁっ!」
「ガラ空きだぜ!」
入れ替わりでバスターライフルを放ったウイング。
パーフェクトストライクはランチャーで迎撃しようとするも、バスターライフルには勝てず、ランチャーが破壊されてしまう。
「何ッ!?」
パーフェクトストライクはランチャーを破壊されたにも関わらず、ウイングに向かって大剣を振るった。
大剣を避けるも、蹴りをくらってしまったウイングは、後方に吹き飛ばされる。
「…強い…!」
レッドドラゴンよりもこの機体ははるかに強かった。
「はぁ、はぁ、負けるもんかァァァァァァァッッッッ!!!!!」
俺の叫びに反応するかのように、モニターに『CRIMSON COMET』の文字が浮かび上がり、インフラックスは真紅の光に包まれる。
CRIMSON COMETによる機体性能の上昇により、インフラックスはパーフェクトストライクの動きについていくことができた。
「ウオオォォォォァァァァッ!!!』
インフラックスの振るう二本のビームサーベルは、パーフェクトストライクの装甲に次々と傷をつけていった。
同時に、パーフェクトストライクの振るう大剣により、インフラックスも傷を負っていく。
「これでッ!とどめダァァァッ!」
パーフェクトストライクの大剣を片方のビームサーベルで弾き、隙ができたところでもう1本のビームサーベルでパーフェクトストライクのコックピットを貫いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「お疲れタツヤ、扉が開いたけど少し休んでから行く?」
扉がのロックが解除され、先に進めるようになった。
すると、アークエンジェルからの通信が入った。
「みなさん、補給装置を起動させました、期待修理と補給を行なってください!」
元気いっぱいなルルの声がコックピット内に響き渡った。
扉の横を見てみると、コンテナがあり、その中にエネルギーパックやガスなどの補給物資が入っていた。
「じゃあありがたく使わせてもらうとするか」
「賛成ね」
タツヤ、レーア、カレヴィはコンテナ内の物資を使用した。
数分後、各機体の補給及び修理が完了し、扉を開けて先へ進んだ。
「…やけに静かだな」
ひらけた場所で、敵の気配もなく、嫌な静けさだけが広がっていた。
突然、地面の揺れを感じ、すぐさまコックピット内に警報が鳴り響いた。
「何!?」
振動はだんだんと機体に近づいていき、とうとうその正体を見ることができた。
「…まじかよ!?」
モビルアーマー、ビグ・ザムがそこで、俺たちの機体を破壊せんとカメラアイを光らせていた。
今回のエース機のパーフェクトストライクはかなり強くしちゃいましたね。
次回のビグ・ザム戦をもって月の中立都市は終わりになります。
これからもガンダム CRIMSON COMETをよろしくお願いします!