「ワァオ!これは、イメージ通りと言うか、期待通りと言うべきか!」
食堂に着いたドクターは嬉しそうに全体を見渡して大声を出した。
「ちょっと!ドクター、もう!恥ずかしいから、そんな大声出さないでよ!」
朝食中の生徒達が何事かと、一斉に視線を向ける中でルイズは赤面してドクターに注意する。
「だって、ルイズ!見なよ!広々とした立派な空間に長いテーブルが連なって豪華な料理が並んでいるこの空間!正に映画で見た通り!」
「ハァ?エイガ?何よ、それ!それより、静かにしてよ!恥ずかしいんだから!」
注意されて、わかったよと苦笑しながら手前の椅子を引き、ルイズをエスコートするドクター。
それに満足して、ルイズは椅子に座る。
「あっ!そうだ、ルイズ!」
「今度は何よ、ドクター?」
「僕の席は何処かな?君の隣で良いかな?」
「あっ!」
ルイズは、ドクターに言われて初めて気付いたと言う様に眉を寄せて少し考え出した。
「ごめんなさい、ドクター。ここは貴族専用で貴方の席は無いのよ」
「え~、そんな!僕は腹ペコなんだよ!」
お腹を押さえて抗議するドクターにルイズはちょっと待ってと声を掛けて周囲を見渡す。
「ねぇ、ちょっと、そこの貴女」
「ハイ。何でしょうか、ミス・ヴァリエール」
ルイズは直ぐ近くに居た黒髪のメイドに声を掛けて呼んだ。
「やあ、シエスタじゃないか!」
「あら、ドクターさん」
すると、そばに来たメイドにドクターは親しげに手を振った。
「ドクター、彼女を知ってるの?」
「ん?ああ、彼女はシエスタ。僕がルイズの洗濯物を持っていく時に案内してもらってね。久しぶり、シエスタ!」
「フフフ。久しぶりって今朝、会ったばかりじゃないですか」
二人のやり取りにルイズはそれじゃ頼みやすいわねと言うとシエスタにドクターの食事を厨房で賄いでも良いから用意してもらいたいと頼んだ。
「わかりました、ミス・ヴァリエール。さぁドクターさん、こちらですよ」
「ありがとう、シエスタ。それじゃルイズ、行ってくるよ!」
「行ってらっしゃい。そうそう、授業には遅れないでね。場所は」
「大丈夫だよ。この学院は昨日、探検してある程度は把握してるし、第一に教室がある塔の設計担当したのは僕だからね! 」
「そう、なら大丈夫ね・・・。ちょっと、ドクター!今、何て言ったの!?」
ルイズはドクターの不穏な一言に遅れて反応して慌てて振り返るが、当のドクターはシエスタに早く行こうと促して厨房へと行った後だった。
「もう!昨日はいったい、何してたのよ!」