壊れかけの誇りと気高き鶴   作:ポテチ096

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二話

「ん?」

いつもと違う天井……そういえば昨日は外泊したんだった。

時計を見るともうすぐ正午、日が昇るのを見た記憶はないから結構な時間寝ていたことになる。

しかし汗やらなんやらで気持ち悪い、シャワーも浴びずに寝てしまったのが悪いんだが。

こんな状態では二度寝する気にもならないわ、さっさと起きてお風呂に入ってしまいましょう。

 

ホテルのチェックアウトを済ませると玄関に迎えの車が来ていたので、それに乗って鎮守府へと帰ってきた。

起きてから何も食べてないので空腹が限界、ということで自室に帰る前に食堂へ来たのだが、昼食の時間はだいぶ過ぎていたため客は私だけ。

おかげで注文したカレー(特盛)とラーメン(特盛)がすぐに出てきた、待たされたら倒れていたかもしれないのでついている。

料理の美味しさに幸せを感じながら食べていると、半分ほどたいらげた頃に食堂へとやってきた子がいた。

「赤城さん、ご一緒してもいいですか?」

カレー(私のと比べると1/10程度の量しかない)をのせたお盆を手に持ち、相席の許可を求めてきたのは吹雪さん。

当鎮守府において最古の艦娘で提督の信頼も厚く、自身の出撃時以外は秘書艦を務めている子だ。

「ええ、喜んで」

「ありがとうございます」

吹雪さんはそう言って私の対面に座った

「随分遅い食事だけど、何かあったの?」

「午前中に少しやることがあったので処理をしなければいけない書類が溜まっちゃいまして、それを片付けていたらこんな時間になってました」

前に臨時で秘書艦をしたことがあるが、その仕事量の多さには驚かされた。

あの時は不慣れなことだったとはいえ一日中それだけに専念しても全てを終わらせることができず、結局出撃から帰ってた吹雪さんに手伝ってもらうことに。

戦闘で疲れていただろうに付き合わせてしまい、本当に申し訳なかった。

あれだけの仕事を毎日こなしながら、平行して自分の訓練などもしっかりやっている彼女は本当にすごいと思う。

「やることって?」

「新人の方が来たのでその方を迎えに。といっても鎮守府の入り口までですけどね」

「あら、新しい人が来たの」

「瑞鶴さんのお姉さん、翔鶴さんですよ」

へぇ、空母が増えたんだ。

私、加賀さん、瑞鶴さん、翔鶴さんで合計四隻。

練度も上げなくていけないしすぐにとはいかないが、一人あたりの負担が減るのはありがたい。

いずれは瑞鶴さんと姉妹揃って艦隊の中心を担っていくような存在になってくれるといいわね。

もちろん、私も負けないように頑張らなきゃいけないけど。

「同じ空母同士、仲良くできるといいけど」

「きっと赤城さんなら大丈夫ですよ」

「そう願うけど、加賀さんと瑞鶴さんみたいな例もあるから」

「あの二人だって仲悪そうに見えるだけで、実際はいい関係じゃないですか」

「ふふっ流石は吹雪さん、よくわかってるのね」

そう、あれだけわかりやすければほとんどみんな気付いてるんでしょうけど、本当に険悪なわけではないのよね

 

 

残念ながら

 

 

「赤城さん?」

「っ!!」

「急にうつむいちゃいましたけど、大丈夫ですか?」

いけない、一瞬とはいえ態度に出してしまった。

「ええ。飲み込んだカレーが変なところに入ってしまっただけよ」

咄嗟に出てきたのは苦しすぎる言い訳。

「そうてすか」

こんなものに騙されるわけはないのに、信じたふりをしてくれる吹雪さん。

「ありがとう」

「何がですか?変な赤城さん。おっと少し話こみ過ぎちゃいましたね、冷めないうちに食べなきゃ」

彼女はあくまで気付いていないという風を装っている。

その心配りに感謝しながら、私も食事を再開するのだった。

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