不遇な朝田詩乃に寄り添いたい   作:ヤン詩乃ちゃん( _´ω`)_

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が、がんばるます……
連日投稿3日目……

ちなみに原作B.o.B予選では相手の名前がわかるようになってましたが、今作では終わってみないと分からない仕様になってます。


朝田詩乃とB.o.B予選第3回戦「墓地」

パチリ

 

「……ここは……墓地、か」

 

 降り立った地は、まず硬質な石畳。そして英語で名前らしきものが書かれた十字の石が点在している場所。

考えるまでもなく、墓地であった。

所々にはこれから棺を入れます。というような穴ぼこと、何も入っていない棺などが転がっていた。もしかしたら墓荒らしなのかもしれない。

巨大な協会が中央らしき場所にそびえ立ち、その周りをぐるりと囲うように墓石が並べられている。

 

「こりゃまたどーしたもんかね」

 

 ステージ的には悪くない。所狭しと並んでいる訳ではなく、等間隔に、走って通れるくらいの間はある。優れたAGIを生かし走り回りながら弾道予測線をかわすことも出来そうだ。

しかし、これではもしも相手が中距離のアサルトライフルか遠距離のスナイパーだった場合、接近することが困難になる。

赤く濁った空の下で不気味に照らされる墓石のひとつに腰掛けながら、作戦を立てる。

 

「……中央の教会に陣取るだろうなぁ。相手が僕みたいなサブマシンガン使いじゃない限り……」

 

 とりあえず中央の教会を取られたら厄介だと判断を下し、教会目掛けて走る。

約100mを3秒で走り切り、教会の前まで来る。

 

 シュウこと柊出雲は、GGOの中でも2つ名を得る程のトッププレイヤーである。そのやり込み度・経験値は凄まじい物がある。一重にシノンと一緒に何かを積極的にやる事が楽しかったのと、殆ど覚えていない前世でのガンマニア癖が加重して、所謂「プロプレイヤー」になっていた。

その中でも「超AGI特化型」のスキル構成をしているシュウは、振れるステータスは殆どAGIに振り、最早その速度はGGOトップと言える。比較的軽いサブマシンガンと、予備マガジン、グレネード、小型ナイフ、後は殆ど重量を持たないポンチョ等の布製品ぐらいしかストレージに入れておらず、大事なものは《結婚》で得た容量無制限の共有ストレージに入れている。1度(ホーム)に帰らなければ共有ストレージは開けないのだが、基本使うことは無い(レアドロ品やコレクション品ばかり)ので意味は無い。

防御力という点ではプレートアーマーぐらいしか付けておらず、その他はもう殆どか布。まるで暗殺者(アサシン)かのような出で立ちだ。GGOでは珍しい。これも一重に、筋力に全くステータスを振っていないからだ。

「銃弾より早く走れば当たらないんじゃね?」なんてバカげた思想を現実にするレベルの速さだ。

 

「さてと敵は……居ないな」

 

 巨大な教会の中は実にアメリカ式で、巨大な一部屋になっていた。ガワは立派だが中身は椅子と十字架、神父台くらいしかない。

素早く神父台まで上り、その後ろに隠れる。

すると、外よりカッカッカッという石畳を蹴る音が聞こえてくる。どうやら同じ考えに至ったようだ。GGO随一のAGIを持つシュウには適わなかったようで、1歩出遅れて教会へ到着。

豪快に扉を開ける。そこにシュウが居るとも知らずに。

 

「(このまま来るか……?)」

 

 絨毯が足音を吸収し、相手のブーツの音は殆ど聞こえない。今どこまで近づいているのか。獲物はなんなのか。敵は誰なのか……

そんなことを考えていたら、神父台が破壊され、襟首を拳で捕まれ引きずり出された。

 

「ヴェっ!なんだァ!?」

 

 兎に角敵を倒そうと銃を構えるも、蹴り上げられスリングごと吹き飛ばされる。そこで初めて相手の顔を見る。

 

「お前……サトライザーか!」

 

 GGOにして異質の徒手格闘最強の男。第1回B.o.B優勝者。プロ中のプロ。彼の呼び名は多い。

その中でもやはり異質なのが徒手格闘による超近接戦闘スタイル。第1回B.o.Bをナイフとハンドガンだけで優勝した功績から見ても、油断も隙もない相手。

そんなサトライザーは筋力中心のバランス型。AGIにも多少振っているが、それよりも筋力や体力に多く振っている。

 

「シュウか……予選で相見えるとはな。」

 

「こちらこそだ。戦いたくない相手NO.1だぜお前は」

 

 先程「弾丸より早ければ〜」と語ったが、弾丸を(基本)使用しない相手となれば話は別だ。もちろんシュウにも徒手格闘スキルはプレイヤースキルとして持っているが、サトライザーのそれはまさに規格外。正面切っての戦いは殆ど勝てないと思った方がいい。

 

「お前とは本戦で戦いたかったが……残念だ。ここで散れ。シュウ」

 

「やなこった。僕には勝たなきゃ行けない理由があるもんでね」

 

「理由?」

 

「あぁ」

 

 精一杯の作り笑いで、相手を挑発するように、

 

「僕が勝たなきゃ、僕の女神に怒られる」

 

「フッ……シノンか。懐かしいな」

 

 先程から知り合いのように話しているが、実の所……結構ズブズブの友達である。めっちゃ仲良しである。サトライザーのフレンド枠は寂しいが、シュウとシノンだけは入っている。

何を隠そうシュウとシノンに徒手格闘術を教えたのはサトライザーなのである。プレイヤースキルと言えるまで教え込み、サトライザーの全てを叩き込んだ、シュウから言わせれば師匠的ポジションに当たる。

そんな相手とこれから拳を交えなければ行けない。サブアームに拳銃なんて付けてないし、メインアームのP-90(P)は吹き飛ばされ椅子と椅子の間に落ちている。拾いに行こうものなら腹を蹴り挙げられそこからの連撃であっという間にヒットポイント全損だろう。体力にステ振りをしていないシュウなら尚更早く倒される。

 GGOにおいて体術はあまり期待できるものでは無い、という前提を真正面から文字通り力と実績でねじ伏せたのがこのサトライザーである。彼を慕い、GGOで徒手格闘に目覚める輩も少なくない。

 

「さぁ来い。お前の実力を見せてみろ」

 

 黒のスーツに緑のギリージャケットという……はっきり言って異質な格好をしたサトライザーが言う。

 

「俺の実力ね……確かにあれから結構経つもんなぁ……見たけりゃ……お前から来い!」

 

 バッ!と身を翻し、扉に向けて残像が見えるほどの速さで走り抜けるシュウ。

 

「おまっ……!逃げるのか!卑怯者ォ!」

 

「なんとでも言いやがれ!お前と正面切って戦うなんざごめんなんだよォー!」

 

 1秒足らずで教会をとび出たシュウを追うように、ギリージャケットをはぎ取ったサトライザーが追う。

サトライザーが外に出た時、そこにはびゅうびゅうという強めの風が頬を撫でるだけで、シュウの姿は見当たらない。

 

「クソッ。何処へ行きやがったあの速度バカは……」

 

 大きめのサバイバルナイフだけ足から引き抜き、構えながら墓地を見渡しながら教会回りを歩く。サトライザーのコツコツという足音だけが響く。このステージは教会を中心に円を書くように墓石が設置されており、隠れる場所も多くない。見つけるまでそう時間はかからないだろう……そう思っていると、唐突に感じる右頬へのダメージ。しかもそのまま教会の樹壁にぶつかり、双方でダメージを食らう。が、1割も削れていない。

 

「がっ……なんっ」

 

 一瞬視界が途切れ、殴られた右の方向に振り向いた時には、もう居ない。

 

「奴め……塵も積もれば山となる。か」

 

 今回シュウが取った作戦は簡単。神速で近付き、殴り、神速で逃げる。至極単純なヒットエンドラン戦法である。速度にものを言わせ、サトライザーの射程内に入ってから出るまでを0.5秒以内にこなす。

 

「待たせてくれたなと思ったらこれか……随分と舐め腐った真似をしてくれる……!」

 

 サトライザーはその端正な顔を歪ませ、ナイフを握りしめる。相手がヒットエンドランをするならこちらもするまで。視認したら即ナイフを振るい、ダメージを与える。筋力もろくに鍛えていない男のパンチと筋力バランス型のナイフではダメージに明確な差が出る。10発に一刺しでもお釣りが来るくらいだ。

 

「ぐっ」

 

 墓地の方に歩き始めたサトライザーを再度パンチが襲う。いくら弱いとはいえ拳1つ分の質量をぶつけられるのだから、それなりに体が引きはする。この隙に視界の外へと走って逃げる。

 

「がっ」

 

 再度、今度は右の腹へ蹴りが叩き込まれる。少しくの字になったサトライザーは今度こそと思ったが、もう居ない。まさに神速。目には目を。歯には歯を。規格外には規格外をと言わんばかりにその神速っぷりを遺憾無く発揮するシュウ。

しかし、未だヒットポイントは1割も削れていない。精々が4%程度だ。

 

「いつまで遊ぶッッッッッッッッッッつもりだ!」

 

 そんなやり取りを何度か繰り返し、10分以上総勢60発以上(分に直せば10秒に1発)食らったところで、サトライザーの眼がシュウを捉える。

 

「ぬおっ!?」

 

 等々サトライザーのナイフがシュウの脇腹を抉り、ヒットポイントを2割削る。サトライザーの残りヒットポイントは7割ほど。いくら軟弱な拳や蹴りとは言え、60発以上も喰らえばそれだけ削れる。いや、それしか削れていないと言える。

腹にナイフを食らったシュウは少しよろめき、体制を崩した。そこを見逃すサトライザーではない。即座に得意な徒手格闘に持ち込む為、腕を掴む。

 

「クソッ!離せや!」

 

「いい加減うんざりだ!予選でここまで時間を使っている暇はない!」

 

 心底イラついているという様子のサトライザー。もちろんだ。前も言ったが与えるダメージ量に関係なく痛みは等しく訪れる。じーんとした強めの指圧程度の痛みだが、それを60回以上も繰り返されればイラつかない方がおかしい。

 

「捕まえたぞシュウ!もう離さん!」

 

 グイッと掴んだ手首を引き寄せ、体に密着するんじゃないかという程の距離で渾身の膝蹴りを腹に叩き込む。

 

「ぐぇっ」

 

 シュウのヒットポイントが8%ほど削れる。

 

「もうっ!逃がさんぞ!この手離してなるものか!」

 

 左手に握ったナイフで心臓を突刺す。しかしそれは寸でのところで躱され、左肩に突き刺さる。シュウのヒットポイントが1割削れる。しかし、肩の力を抜かないようにグッとこらえる。

 

「いってぇなぁもう!」

 

 悪態をつきながらも、身動き出来ないシュウは精々がナイフで急所を刺されないようにするのが精一杯だ。

反撃とばかりに握り拳で腹を殴るが、1mmたりとも動じない。さすがの体幹である。

 

「もう逃がさないと言っているだろう!」

 

 まだ反抗するか!と激高するサトライザー。

 

「いーや!逃げるね!じゃなきゃ死ぬから!心中はシノンちゃんとじゃなきゃやーだ!」

 

 は?と思ったサトライザーだが、もう遅い。シュウはマガジンポーチの後ろに隠すように付けられていたカランビットナイフですかさず自分の肘から先を切り落とし、虫か!?と思う程のカサカサ後ろ走りでその場を去る。

 

「貴様ナイフを持っていたのか!?なんのつも(ry」

 

 瞬間、サトライザーを中心に半径2mの爆発の奔流が襲う。見えない程バラバラのポリゴン片になったサトライザーは、状況を呑み込めぬまま、B.o.B予選から弾き出された。

 

 トリックは簡単だ。右手首を捕まえられた瞬間に、シュウは既に行動に出ていた。見えない左手で背中にあるウェストポーチからプラズマ・グレネードを取り出し、握り続けていたのだ。左肩を刺された時に痛みで落としそうになったがグッと堪え、反撃と見せかけた腹へのパンチでスーツの中にスイッチを作動させたプラズマ・グレネードを入れた。

そして、今まで殴る蹴るしかせず、「コイツは近接戦闘の手段が生身しかない」と相手に無意識下のうちに思わせ、隠し持っていたカランビットナイフで手ごと脱出。

見事プラズマ・グレネードを忍ばせながら戦線離脱に成功したシュウは、そこで勝ちを確信していた。

サトライザーは油断ならない男だ。だからこそ、10分もの時間をかけ無意識下に体術しかないと刷り込ませる必要があったし、とっておきのグレネードも最後まで隠し持っていた。P-90(P)を弾き飛ばされた段階でここまで考え、あえて「腰抜け」を演じ切ったシュウの勝ちと言える。

 

「はぁ……短いけど……疲れる戦いだったな……」

 

 10分間走り続けた精神的疲労がドッと押し寄せ、その場に座り込む。ヒットポイントは残り5割を指していた。

転送の光がシュウを飲み込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったわね。連戦お疲れ様……んっ」

 

 帰るなり女神のキスで精神的疲労がぶっ飛んだシュウであった。

 

「んっ……ただいま。」

 

 スルりとシュウの腕に絡み付き、恋人繋ぎをしてから話し始める。

 

「にしても、あのサトライザー相手に近接戦で勝つとはね。Fブロックに入ってたのは知ってたけど、まさかP-90(P)なしで勝つとは思わなかったわ」

 

「まっ、俺の器用さ(プレイヤースキル)がなし得た技だな」

 

「ふふ。そうね」

 

 大人な対応でシュウをあしらい、アイスコーヒーを飲む。

 

「そういうシノンちゃんはどうなのさ」

 

「ん〜?なんか……ごっつい、両足に拳銃付けて、ショットガン背負って、ドラムマガジンのアサルトライフル?を持ったポニーテールの人が相手だったけど、狙撃で1発。おわり」

 

「うひー。本戦が怖いな」

 

「楽しみにしてなさい」

 

 そんな他愛ない会話とイチャイチャをし、周りの本戦出場候補が血涙を流しながらその光景を見つめる。

 

 この時、待機エリアにいる全ての本戦出場候補(キリトと死銃は居ない)はこう思った。

 

 

 

 

リア充、滅べ……と




原作との違い

オリ主超強化によりシノンちゃんも超強化
その気になればバレットサークルなし射撃も出来るくらい。
出雲と二人きりの時や切羽詰った時にしか使わないが。
サトライザーの第3回B.o.B参戦(予選敗退)
出場させるか悩みましたが、やっぱGGOといやサトライザーやろ!ってことで。


サトライザー好きだけど扱いムズいから本戦じゃなくてここで消費しました。
強いのに。かわいそ(他人事)
強いからこそ扱いがムズいんだよなぁ。口調とかさ。サイコパスの口調って何?
倒し方はバイオハザード・ザ・ファイナルのラストを思い浮かべて下さるとわかりやすいです。


両足に拳銃……
背中にショットガン……
ドラムマガジンのアサルトライフル(?)……
鳥……うっ頭が……


この度R18ver.を投稿しました!
成人済みの方はぜひ目次からご賞味あれ。

サブヒロイン候補

  • ピトフーイ
  • レン
  • フカ次郎
  • 銃士X
  • 要らない!ヤン詩乃ちゃん一筋で行け!
  • 閲覧用(作者の好きにしたらいい)
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