新約 やはり俺の青春ラブコメは間違っている SAO篇   作:gakinaga

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久々の投稿ってやっぱ緊張しますよね。
投稿暦ざっと一年なのに、何故かソワソワするなんでだろうね・・・。
というわけで本編どうぞ!!


第3話 

 

[chapter1:やはり比企谷八幡にはろくな出会いがない]

 

『プレイヤー諸君はすでにメインメニューにあるログアウトボタンが消滅していることに気付いてきると思う。

しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これはゲームの不具合ではなく、《ソードアート・オンライン》本来の仕様である』

『そして今、全ては達成せしめられた。以上でソードアートオンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。』

『プレーヤー諸君の健闘を祈る』

あれは夢では無かった。あの悪夢からほぼ2週間経とうとしている。犠牲者は1000人を超えようとしていた。

情報によれば、大量のβテスターが亡くなっているらしい。

恐らく、情報変更でもあったのだろうと言われているのだが・・。

それには気を付けながら、俺たちは取りあえず、ひたすらレベル上げした。

現在俺はレベル11であり、武器は片手剣 スキルスロットは一応《片手剣》、《探索》、《隠蔽》を取得した。

いや、別に人に見つかりたくないとかじゃないからな・・。そもそも俺探す奴なんていなかっただけだからな!!

ハチマンウソツカナイ!!

 

 

犠牲者は日々増えていく一方だが・・・・。

 

 

未だ第1層は誰もクリアできていない。

 

 

 

 

 

 

俺達は、始まりの街を去り、次の村であるホルンカ村近くの宿屋に泊っていた。

互い別々の部屋に宿泊している。

窓から差し込んでくる日光、周りを見渡しても現実と何も変わらない。

むしろ区別何てできないほど、似すぎている。

しかし、これは全て茅場晶彦によって創られた『偽物』なのである。

現実では俺は恐らくこうやってずっと眠っているのだろう・・。

小町とか戸塚とか元気にやっているだろうか・・。

雪ノ下は、こんな状態の俺でも恐らく罵倒してそうだな・・。

ていうか、あいつに感情何てあったっけ・・・。

由比ガ浜は帰ったら、色々と言われそうだな・・・。

材木座は・・・・。そんな奴しらん・・・。

平塚先生は、戻ってるまでに結婚相手が見つかっていれば、幸いです・・。

てか本当誰かもらってやれよ・・・。

ベットから起き上がった俺は鏡を見た。ここにうつっている俺は本物なのか偽物なのか?

そんなどうでもいい事を考えながら、俺は装備整え、フードを被り、外に出た。

そしていつも通り俺は攻略に向かうのであった。

 

さすがはホルンカには、たくさんではないが、何人かすでにプレーヤーがいた。

恐らく、彼はβテスターの連中だろう。情報を持ってなければ、ここには来ないだろうからな・・。

何故、俺たちはこの町に来たかというと、単純だ。敵が一番少ないルートをたどれば、ここにたどり着くからだ。

つまり、俺にとっては、一番最適なルートなのだ。

シンジは、武器やポーションの調達に出かけて居ない為、俺は一人で行動している。

まあ、本来なら宿に籠っている俺がめずらしく外に出ているのには訳がある。

それは、情報収集だ。そうこの世界は情報で勝敗を喫する。

βテスターによる攻略が第8層までだったといえ、それまでの情報つまりイベントやアイテムなどの情報は確実に分かっているはずだ。

まあ、自分で一つ一つ探すというのが、定石であり、ゲームの醍醐味と言われてはいるのだろうが、正直今の俺では確実に死ぬ。

自分の命が懸かっている状態で、下手な行動はできない。となると、俺のやれる事は二つに絞られる。

一つ目は、俺が掲示板に共有サイト擬きをでっち上げ、そこに情報提供の暁には報酬があると釣る。

勿論、報酬なんてあるわけもないし、責任追及されても管理人は匿名だから、俺がやったとは分からない。だが、これにはデメリットが一つ。

そもそも掲示板を開いたところで誰も書いてくれないという事だ。

二つ目は、情報屋に、聞く。こいつはシンジからの情報だが、この世界には、なんと情報を金で売るブローカーがいるのだ。

何それ、俺もなりたいんだけど・・・。だって情報売れば、バカ儲け出来るんだろ。

あ、情報入手できるような相手なんていなかった・・・。

ボッチのばっか野郎!!くそ・・。俺のアイデンティティーが仇になるとは・・。

 

「やあ久しぶり、βテスト振りだね?」

 

にしても、情報どうやって集めようか考えても仕方ないよな・・・。

 

「あは、それはわざと無視しているのか?それとも構ってほしく無視しているのか?」

 

あー、今日は歩き回って疲れたし・・・。

帰って寝よう。うん。

これは決して惰眠むさぼるわけではない。

人間だれしも睡眠は重要だというしな。

腹が減っては戦が出来ないのであれば、睡眠なくして戦はできないはずだ。

よし、俺はベットに寝る。誰に言われようが、俺は寝るんだ!!

「よし帰ろう」

「おいおい、帰っちゃうの?ハチマン君?」

 

ちっ、無視してたんだけどな・・。名前を呼ばれてしまっては無視できねえじゃねえか・・・。

本来こいつの職ならば、頼りたいところだが、正直頼りたくない・・。

一番、関わりたくない奴にまるで遭ったかのように大きなため息をした。

 

「何その溜息、いいかハチマン。君はわざと溜息をして俺に関わるなと思ってはいるが、実は君が俺に情報教えて欲しいとも思っている。

だけど君は俺の事が嫌いすぎて、近づくどころか話しかけたくもない。よって黙り込むんだ。どうだね?」

「そうか、それなら一つ訂正しろ。嫌いすぎてじゃなくて死ぬほど嫌いに変換しとけ」

 

こういう面倒な場合は俺の日常物凄く稀だ。

基本的に絡んでくる奴なんてこいつかシンジか材木座ぐらいだ。

この三人以外は基本はなすどころか、関係すらない。

だが、こういう場面は相手に嫌悪の意思を見せれば、きまづくなって確実に去っていく。

よって、ハチマンはそいつを全力で睨んだ。

 

「うわう、怖いな?そんな睨まないでよ・・・。」

 

攻撃は外れたようだ・・・。

どうやら、こいつに精神攻撃は聞かないらしい。

 

「ハハハハハ、全く、君は面白いね。今まで俺が見てきた人間でもかなり異質な存在だよ。」

「帰る」

「まあ待てよ。この俺が無償で情報を渡すと言っているんだぜ。悪い話ではないだろ」

 

大抵こういうのは、罠だ。いい話なんて存在

 

「今君は俺がいい話なんて存在するはずがないって思ったな。(・∀・)イイネ!!いいよーそういう懐疑的な所」

 

うぜえ・・・。半端なくうざい。ただこれ以上の抵抗は無駄な体力を使うばかりであり、帰ろうとしたところで意味がない。

押しても引いても無理なら諦めろがモットーである俺は潔く抵抗をやめたのであった。

 

「なんだ、手短に終わらせろ」

 

いつも通り面倒くさそうな態度で、いう。

自称情報屋と唄っているこいつは、まるで上から目線で、嘲笑うかのような笑みで答えた。

 

「ああ、君ならそう言ってくれると思ってたよ。」

 

これが、SAOに来て、俺と情報屋ラビの初の会話だった。

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[chapter2:桐ケ谷和人は仲間を見つける]

 

ホルンカにたどり着いた俺だが、とあるクエストを受けていた。

実は、これはβテスターでしか知らない情報なのだが、ここら辺は大量のリトルペネントがホップする。

初心者からしたら、何でそんな危ない所に行くのかと思うっかもしれない。確かに圏内つまりモンスターが全くホップしない所に居れば、少なくとも命だけあるかもしれない。

だけど、それは命を大事にすることは可能だけど、クリアする事は出来ない。クリアをするには、闘う必要がある。命が懸かっても圏外に出ないといけないんだ。

そして、闘って勝つには、レベルアップもそうだがスキルの習得そしてアイテムと武器の調達が必要となってくる。

勿論レベルアップには、経験値が必要となってくる。そして、その経験値を得るには、情報が必要なのだ。

つまり、NPCのクエストやイベントなどを知っている元βテスターが今一番有利なのだ。

村の奥へ行くにつれ、暗くなってくるものの、木の葉っぱの間から零れる光がかろうじて俺の視界を明るくした。

今回のクエストは、NPCクエストであり、≪アニール≫という武器が報酬としてもらえるらしい。

設定としては、ある村人の娘が重病になってしまった為、治療薬の材料として≪リトルペネントの胚珠≫が必要らしい。

よって、それを村人に持って行けば、クエストは初めてクリアできる。まあ、よくあるRPGゲームみたいなもんだ。

そして、SAOでは、こういうイベントは多く存在する。こういうイベントは数が限られているから、早い者勝ちになってしまう。

だから、こういうクエストは、今のうちにやってしまう必要がある。

どんなモンスターが出るのか、少しワクワクしている反面、この世界に来て、不安がないかと言われると、そうでもない。

実際に、死者は出始めているらしい。まあ、いい。βテストで何回かやったんだ。パターンも頭に入っている。

このクエストでは、ひたすらポップしてくるリトルペネントをただ倒していく。ただずっと倒しているわけではない。

恐らく、倒していく最中に、1%以下の確率で口の上に大きな花を咲かせたリトルペネントが現れる。

そいつを倒すことが出来れば、クエストクリア同然なんだ。もしかして1%の確率を気にしてる人もいるだろうが、実はひたすらリトルペネントを倒し続けることで

見つかる確率が各段に上がるんだ。だから、そこまで難しいクエストではない。ただ注意すべき点が一つ。

それが、丸い実をつけたリトルペネンだ。これを攻撃してしまうと、広範囲から仲間を呼び寄せてしまう。

それさえ、注意していれば、後は簡単だ。そう思いながら、俺はリトルペネントをポリゴンにかえしていった。

一通り、自分の周りに群がっていた敵を駆除した俺は、次の集団を探す事にした。

 

「あの・・・・。」

「さてと、次はどこに行けば?」

「あのおおお!!」

「うわあ、誰だ?」

 

情報を頭で整理していたため、全くもって気づかなかった。

 

「すっすいません・・。驚かせるつもりはなかったんです・・・。」

「いや、俺こそ・・・過剰反応しすぎた・・・。」

 

驚いた。正直、何人かβテスターがホルンカにたどり着いてもおかしくはないくらいの時間は経ってはいるが、

ここまで来ているプレーヤーがいるとは、想定外だ。

そして、恐らくここまで早い時間でこれたという事は、この人は俺と同じなのか?

「そっその・・よければ、一緒にクエスト受けませんか?」

 

一瞬、考え込んだ。正直言って、このままひたすら倒していっても時間がかってしまう。

人手が増えれば、時間短縮にはつながるけど・・。

 

「え、これ一人用だと思うんだけど・・。」

 

そう、確かにものによってはパーティ全体が報酬をもらえるクエストもあるけど、このクエストは違った。

 

「知ってるよ、でもこれって《花つき》はノーマルを狩れば狩るほど出現率が高くなるんだろ?だったら、

二人でやれば更に高くなるんじゃない。それに最初に獲得したアイテムは君に譲るよ、ただその後出てくるまで手伝ってほしいから、それでいいか?」

「ああ、それで・・・頼む・・・」

 

多分、どこかしら罪悪感がまだ残っていたんだと思う。あの日クラインを置いて行った俺に、人と組むという事が許されるのだろうかと・・。

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[chapter3:それはまるでジャンプの主人公ヒーローのようだった。]

 

ちなみに余談だが、そいつの名前は『コペル』というらしい。俺と同じ元ベータテスターだ。

その後は、リトルペネントの集団を見つけては、闘うの連続だった。

さすがは、元βテスターなだけある。ソードスキルの使い方から敵との間合いなどを熟知している。

コペルがタゲをとり、俺が弱点をついて倒していくことをつづけた。

ただ、ここで問題が発生した。あれから一時間は経っただろうか、100体以上のリトルペネントを倒しているのだろう。

それでも《花つき》は出てこなかった。正直言って体力が消耗し始めており、限界に近づいてきた。

 

「なかなか出てこないな」

「ああ、もしかしたらβ時代から出現率が変更されているんだろうな」

 

ライフゲージを見れば、赤色になっており、時間的にも一旦街へ戻っていいと思えた。

基本的に、SAOではライフゲージ制度であり、まあこの世界ではHPバーともいうが、とにかく、これが無くなる、つまり0になった瞬間、ゲームオバーだ。

敵からダメージを喰らえば、ライフゲージは減っていく。HPバーの示す色によって、自分がどれくらいHPが残っているかが大まかにわかる。

八割がた残っていれば緑、半分に差し掛かると黄色、そしてほとんどない場合は赤色とバーの色が表示される。

すでに俺もコペルもHPはわずか、ここまで倒して出ないとなると、諦めるしかないか・・。

そう思っていた。俺は剣をしまい、ホルンカに戻ろうとしたその時、コペルが驚いたような目をしていた。

どうやら、何か発見したらしい。まさかと思い、振り返ったら、そこには花を咲かせたリトルペネントが立っていた。

気付けば、俺たちは目を合わせ、剣を抜き駆け出していた。そして全力で近づき、振り下ろそうとした瞬間、

 

「キリト待てえええええええええええ」

 

コペルの一言で、俺の剣は止まった。

一旦、敵から距離を置くために、離れた。

そして背後を振り向いた。その時のコペルの顔から焦りのせいか表情がこわばっていた。

 

「何で、止めるんだ?」

 

そう言うと、コペルは俺を止めた理由の正体に指さした。

そこには、≪実≫のリトルペネントが居た。

その≪実≫をわずかでも傷つければ、すぐに破裂して臭い煙をまき散らす。

それだけならまだいいのだが、最悪なことにその煙がほかのリトルペネントを呼び寄せるのだ。

どうする・・・。元ベータ時代を体験している俺達なら、倒す事は出来なくもない。

だが、慢心一つで、戦況は変わるものだ・・・。その≪実≫を誤って切ってしまえば、死ぬ可能性は更に高くなる。

 

「ボクが≪実≫のタゲを取る。だからキリトは≪花つき≫をその間に倒してくれ」

「分かった」

 

俺は、剣を握りしめ駆け出した。

そして、自分の持つベータ時代での経験をもとに、敵をどんどん切り倒していった。

相手を動きに合わせ、刀を振るっていく。

気付けば、周囲は青いポリゴンがいっぱいだった。

そして、落ちていた≪リトルペネントの胚珠≫を拾い上げた。

未だ、戦い続けているコペルの元に向かおうとした時だった。

一瞬の違和感を感じたのは、このころからだった。

いや、もっと前からあったのかもしれない。コペルの事だ。

別に誰かとクエストをこなしたことがない為、不慣れだったとか、そういうのではない。

彼に背中を預けた以上、無駄な詮索もしたくなかったから、敢えて気にしないことにした。

普通に考えれば、こんなクエストに二人で挑むことは異例なのだ・・・。

頭の中でよぎった疑念を振り払い、俺はコペルの元に向かった。そして、彼に声をかけた。

 

「おい、コペル、こっちはもう・。」

「ごめん・・・・。キリト」

「はっ?」

 

コペルは、俺が戻ってきたタイミングで相手にしていた実付きのリトルペネントの実を持っていた剣で切り刻んだ。

そして、≪実≫が破裂したことを確認すると、森の中へ走って行った。

コペルの後を俺は、急いで追いかけようとしたが、気づけば、リトルペネントの集団に囲まれていた。

 

「くっそ・・・。きりがない・・。」

 

正直言って、β時代からソロでやってはいたものの、やはりきつくなってきた。

そして、目の前にいる敵を一通り倒し、これでようやく終わったっと・・。そう思っていた。

一瞬安堵してしまった時、気が抜けてしまい、俺は勢いよく前に飛ばされていた。

後ろを振り返れば、まだ生き残っていた敵が数匹立ちはだかっていた。

倒そうと、立ち上がったが、手にあったはずの剣がなかった。

恐らく、先ほどの攻撃でどこかに飛ばされてしまったのだろう・・。

このまま行けば、俺は死ぬのか・・。死ぬのか・・。こんなところで・・。

直葉、母さん、父さん・・。死ねない・・。こんなところで俺は死ぬわけには行かないんだ・・。

気が付けば、急いで起き上がり落とした剣を取りに戻ろうとした。

 

頼む、間に合ってくれ・・。

剣に手が届いた瞬間、後ろからパリーンと砕ける音がした。

 

「さて、ギリギリセーフってところかな?」

 

誰の声だ?一瞬俺は思考を巡らせた。ここに居るのは、俺とコペルだけのはずだ。

ただ、この高い声は、コペルの物ではない。俺の、その正体を確認すべく振り返ると

 

「大丈夫か、あんた?まあ見た感じ、生きてはいるみたいだな」

「あんたは誰だ?」

 

おかしいとは思わなかったが

 

「そうだな、一言でいうなら、ジャンプの主人公とでも呼んでくれ」

 

手にした日本刀を肩に当てて、怯えもなく満面の笑みをしたその男の堂々と俺の前に立っていた。

その姿は、まるでヒーローだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter4:シンジは彼を気になっている。]

 

あの後、俺はとある奴の言われた通りの場所にきて、クエストをこなそうとしたんだが・・・。

クエストおろかキリトというイケメン少年を救ったわけだが・・・。どうやら、この少年もクエストを受けに来たんだろう・・・。

本来なら、夜通しで狩り続けようと思ったが、俺の気が変わった。

とりあえず、俺は一旦街に戻って、ハチマンの生存も確認しようと思った。ついであいつにも報告しておきたいしな・・。

そして帰り際、キリトにも何があったのか話だけでも聞こうと思った。

ただ、本人もかなり疲弊していた為、近くの木にもたれかかり、休憩していた。

今まで何をして、何があったのかを詳しく聞いた。

 

「なるほどね。片手剣がもらえるクエストかあ・・。知らんかったな」

「ああ、そう言えばさっきは助けてくれてありがとうな」

「いや、気にするな。まさかクエストをやろうと思ったら、リトルペネントの大群に囲まれてるのを見つけてな」

 

そうなのだ。本当に偶然だったのだ。

まあ、俺としては正直クエストをやりたかったが、半分の目的は達成したから良しとしよう。

キリトは少しワクワクとした表情ていうか、全身から効果音が聞こえてくるんだけど・・。

 

「にしても、あんた強いんだな?」ワクワク

「実は、俺には超能力が・・。」

「あるわけないだろ!!SAOだぞ!!」

「ちっ、空気よめよ、キリトくん・・。助けなきゃよかったぜ」

「今、ジャンプの主人公とは思えない台詞言ったよ!!この人」

 

はあ、テンションだだ下がりだぜ・・。

まあ、先ほどよりかは元気そうになったみたいだし・・。

 

「まあいい。そんな事によりだな。俺の言いたい事分かってるな」

「ああ・・・。」

 

やはり分かってはいたみたいだな・・。

正直ここに来て初ケースだからな・・。

 

「そいつは紛れもなく『MPK』だ」

 

そう言うと、キリトは黙り込んでしまった。

まさか思いもしなかっただろうな、先ほどまでは一緒に戦っていた仲間が自分を殺そうとしたんだから・・。

『MPK』モンスタープレーヤーキルという長ったらしい名前はついているが、簡単に言えば殺人だ。

この世界には、法もモラルも倫理などは、基本的にはない。なんなら無法地帯と言っても過言ではない。

だから、いずれこういう事も起こるだろうとは思っていたが、こんなに早く起こるとはな・・。

 

「なあ、そいつは・・・。」

 

そいつとは、恐らくキリトが一緒に戦い、そしてキリトを殺そうとしたコペルと言う奴の事だろう・・。

答えようとした瞬間、口から言葉を発する事が出来なかった。

まるで、金縛りにあったかのようだった・・。

黙っていても、キリトはただ俺の目を見つめていた。

 

「・・・・・。」

「・・・・・。」

 

正直に言って、答えていいのか?躊躇した。ここで黙っていて、こいつにいいのか?

たとえ殺されそうになったとはいえ、こいつはそいつの事を大切な仲間だとおもっていたはずだ・・。

だけど、ここで黙っている事を俺は何故か許せなかった。

それにここで言わなくともいずれは真実を知ることになるのだろう・・。

偽って、取り繕っても、化けの皮はいずれはがれてしまう・・。

そんなものに意味がない。そう言えばあいつそんな事言ってたっけな・・。

 

「そいつは死んだよ・・・。」

 

ほんと、真実とは残酷だ・・・。

そんな酷く、悲しい真実を俺は彼に突き付けていた。

 

「そうか・・。」

 

彼はその一言だけ言って黙り込んでしまった。

複雑な気持ちでいっぱいだったのかもしれない。

彼に殺されかけたというコペルへの失望そして守れなかったという自分への失望

 

「そう言えば、こんなもんが落ちてたな」

 

ストレージからシンジが取り出したのは、コペルが装備していた盾と剣だった。

キリトはそれを受け取ると、近くにあった丘に突き刺した。

そして、しばらくそれを見つめると、シンジのほうに向きなおった。

その顔は未だ真っすぐだった。そして迷いのない目をしていたの言うまでもなかった。

 

「この後、どうするんだ?キリト」

「とりあえず、このクエストを終わらせる。今後の事はまた考えるさ」

「そうか・・。ほなここで別れよう。俺もやることあるしな」

 

シンジもホルンカにさえたどり着けば、後は大丈夫だろうと思った。

それよりも他の連中の事も気になっていた。だからキリトとは暫く別行動をしようかと考えた時にふと思い出した。

盾なしのソードマンの噂を・・・。β時代にソロで狩っていたプレーヤー。

最近とあるプレーヤーから得た情報を元にあることを思いついた。

多分これは詭弁だ・・・。どこか昔の自分を自己投影して放っておけなかった自分がどこかに居た気がした。

 

「おい、キリト・・・。お前、ボス攻略に興味ない?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[chapter5:それでも桐ケ谷和人は戦い続ける]

 

「おい、キリト・・・。お前、ボス攻略に興味ない?」

 

そう言われた時は、少しうれしかった。だけどどこか断ろうとしている自分が居た。

確かに、いずれはボス攻略には参加したいと思っていたし。

いずれはボスの部屋も見つかると思っている。

だから、断る理由はない・・。そのはずだった。

それでも躊躇している自分が居た。β時代を経験しているため、足を引っ張ることはない。

それでも、コペルのように自分をPKしようとするのではないか・・。

そして、自分はシンジの事を本当に守れるのか・・・。

一見矛盾している二つの思いが込みあがった。

更に、クラインを見捨てた俺に彼と戦う資格はあるのだろうか・・。

 

「もしも、コペルの事を気にしているのか?」

「・・・・。」

 

何も返すことが出来なかった。これまではずっとソロを続けていた。

誰も頼ってこなかった。頼る相手が居なかったのだ。

そのせいか、守るべき人が居なかったのかもしれない・・・。

コペルの死は、自業自得であり、むしろ俺を殺そうとしたのだから当然なのかもしれない。

それでも守りたかった・・。クラインを連れてきても守れることを証明したい自分が居たのだと思う。

言葉にしようと深く考えていた俺の頭をシンジはポンと手をのせた。

 

「はああ、別に俺の事を信じろとは言わねえし・・。別に無理して来いとは言わねえ・・。だけど、死んだ奴を思っているなら、一つだけ言ってやる。生きろ、生きてそいつの分まで生き延びろ!!もう死んだ奴には何も出来ねえんだよ!!生きている俺たちが出来ることなんざ皆無みたいなもんだ!!だからせめてそいつの分まで生きて現実に帰ろうぜ」

「ああ・・・。」

 

ほんとだ・・。シンジの言う通りだ・・・。

死んだ奴にできる事なんてない・・。

だからと言って、何もしないわけにもいかない。

 

「もしも、二度とこんなことになりたくなければ、方法は一つだ・・。」

「強くなれ、キリト」

 

シンジは力強く言った。

その言葉に俺は触発されて気がした

 

だから

 

だから

 

だから俺はそれでも戦い続けるのだと思う。

 

きっといつか守りたい人を守れるために・・。




次回 赤ずきんをリアルにやってみてもやっぱ俺って敗者ですか?

何か意見感想(誹謗中傷のぞいて)であれば、ウェルカムです!!
というより、よろしくお願いします。
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