新約 やはり俺の青春ラブコメは間違っている SAO篇   作:gakinaga

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お久しぶりです。相変わらず低クオリティでお届けしてます!!
それでも、読んでくださるなら是非読んで下さい!!


第5話

[chapter:少女は絶望する 後編]

 

人生の終わりを考えた事はありますか?

まあ、考えたことなんてないよね?

大体、そんな瞬間、普通の生き方していたら、考える日なんて来るはずなんてない。

私は、ただの女子中学生。そうだったはずだった。

普通に生きて、お母さんの言う通りに順調にやってきた。

そのつもりだったのに、何でこうなっちゃったんだろう・・。

何で、私は今戦っているのだろう。

何で、私はこんなに苦しんでいるのだろう・・・。

自問しても答えは返ってくるはずがなかった。

今日は、大切な模試だったはずなのに・・・。

こんなところで、期待を裏切るわけには行かないの・・。

先ほど、噂話で西の洞窟の奥に、≪隠しログアウトスポット≫があるととある男性プレーヤーから聞いた。

噂話と言われれば、そうなのかもしれない。もしかしたら、誤った情報なのかもしれない。

それでも、そんな信憑性のない情報にすがってでも、このゲームを出たかった。

そうしないと、私の立場が・・。また母さんを失望させちゃうから・・。

ただひたすら私は、暗い洞窟を走り続けた。

 

「やあ、もしかして君が噂のフードかい?」

「・・・・・。貴方は誰?」

 

ふと声をかけられて、私は声が聞こえた方向へレイピアを構えた。

 

「おっと、モンスターに向けるならまだいいにしろ、[[rb:人間 > ・・]]にそれを向けるのは、どうかな?」

 

その人は、不敵な笑みで私に言った。身長は170くらいかしら。体形は細目だった。

私と同じフードを羽織っているものの、顔は隠していなかった。

確かに、武器は装備してはいなさそうだし。武器を構えるのも失礼よね。

だけど、それほど心の底ではこの男を信用できていなかった。

 

「誰?」

「まあ、そう警戒しないでよ。そうだね?名乗るとするなら、ラビとでもしとこうかな?」

「ラビ、そんな名前あるわけないでしょ」

 

ラビなんて名前、有り得るはずがない。

ここは日本よ。見た目は外国人でもないし。

すると、彼は、笑い出した。何で、笑っているのかは分からなかったけど、これだけは分かる。

彼が異常である事ぐらいは。

 

「なるほど、そう言う事か。君もしかして初心者?」

「ええ、それがどうしたの」

「いや、びっくりしたよ。噂では洞窟にこもり電光石火のごとく敵を倒しまくるフードって聞いたから、僕は初めβテスターだと思ってたけど・・。」

 

彼の態度に、イラついてきた私は、彼に怒りの一言を浴びせようとした。

 

「・・・・。あなた」

「もしかして、今私を馬鹿にしていると思った?まさか?君は僕の予想大きく超えたんだよ!!βテスターでもないのに、ここで勇敢と戦っているんだ!!

でもねここで僕から一つアドバイスしておくよ。そんな戦い方してたら、いつか限界が来るんじゃないの?」

「貴方には、関係ないのよ。倒せれば、何でもいい。≪隠しログアウトスポット≫に早く行きたいの!!早く帰らなきゃいけないの・・。」

「へえ、≪隠しログアウトスポット≫ねえ・・・。君は本当にそんなあると思ってるの?」

 

すぐに反論はできなかった。何故なら、自分でも確証は得られなかったから・・。

でも、すがるしかなかった。希望を見出すためには、そうであるというしかなかったのだ。

 

「あるわよ・・。だって情報屋の鼠って人が流したって言ってたもの」

「そうだね、これからいう言葉は君にとって面白い事実を知るとともに絶望を知ることになるだろうよ」

 

何を言いたいのか、分からなかった。

そして、意地悪そうな笑顔で言った。

 

「そうだね、まずは残念ながら、≪隠しログアウトスポット≫なんて存在しないよ」

「えっ・・・。」

 

今、何て言った・・・。≪隠しログアウトスポット≫がない・・。

嘘よ・・。だって有名な情報屋が流しているなら、嘘なはずない。

本当は分かっていたのかもしれない。それが真実でないという事を。

でも、認めたくなかった。それを認めてしまうと、自分の今まで人生を無駄にしてしまう事になるから。

認めるわけにはいかなかったのだ。それでも、『真実とは残酷だ』というのは、本当なのかもしれない。

そのラビという男はさらにつづけた。

 

「そして、その噂を流したのは、僕だからね?」

「はっ?」

「何で?って思った?そうだね、それに対する答えは君には理解不能かもしれない。

単純に言うと、現実に帰る為なら、死ぬ気で戦って、こうやって事実を突きつけられて絶望している君の顔が見たかったかな?」

 

言っている意味が分からなかった。

今まで、自分は何のために、ここまで戦ってきたんだろう・・。

 

「そうだね?誤解招きかねないから、正確に言わせてもらうと、さっき君が男性プレーヤーから得た情報は、僕が個人的にそう教えるよう指示した。」

 

嘘っと心の中で思ってしまった。

実は、その情報すべては、街で会った男性プレーヤーに聞いたものだった。

優しそうな人だったから、そのまま飲み込んでしまった・・。

まさか、そう言うよう指示されていたと誰が思うだろうか・・?

 

「いやあ、面白いデータが取れて良かったよ・・・。さて、もう現実には帰れない・・。それで君はどうするの?」

「どうしようもないわよ・・・。」

「方法はなくもない。ボス部屋の攻略に参加するという選択肢はないのかい?」

「ないわよ!!だって100層よ!!クリア何て無理に決まっているじゃない!!」

「へええ・・・じゃあ、このまま君は死ぬのかい?」

 

一瞬、動揺していたのだろう・・。返す言葉すら思いつかなかった。

それでも、この人にこの人だけには、言われっぱなしは嫌だった私は、こう答えた。

 

「別にいつか死ぬなら、ここで死んでも問題ないわ」

「へえ・・・。まるで自殺志願者だね・・。」

「自殺志願者なんかじゃない。ただ私はこの世界に負けたくないの・・。自分が満足するまで戦うの・・・。」

「フフフ、君の健闘に敬意を表して、一ついい情報を教えておこう。この先には、手ごわいモンスターうじゃうじゃ居る・・。そこなら君の望むような狩ができる。ついてきな」

 

その人は、背を向けて歩き出した。ここで、ついて行きたくないという思いもあったが、体が勝手に動いていた・・。

彼の思い通りになりなくなかったからかもしれない・・。この世界そして彼の言う事だけには負けたくない。そう思えた。

今まで走り続けた疲れそして、家に帰るという目標を失った絶望で重くなった体を私はただ引き釣りながら歩いていた。

そして、心にあることを一つ決めた。それは、せめて死ぬ前に果たしたい事だった。

それさえ果たせれば、死ねると思った自分が居たのだ・・。

 

 

[chapter:少女は再び立ち上がる]

 

ここまでの顛末を全て話し終えると、アルゴさんは更に情報を求めてきた。

はじめは、何で詳しく聞いてきたのかが分からなかったけど・・・。

実は、ラビのやり口で被害に遭っていプレーヤーが多いそうだ。

どうやら、アルゴさんはその情報屋を探していたらしい。

その話を聞くと、真剣な表情で考え始めた。そしてメニューを開き、パパッといじると、私の方に向き直った。

 

「貴重な情報、ありがとうナ。」

「いえいえ、アルゴさんに助け貰ったお礼にでもと思って・・。」

「あんたの名前聞いていいカ?」

「結城明日奈です。」

 

そう言うと、アルゴさんは焦った表情をしていた。

どうやら、この世界では実名は禁句だそうだ。お互いにプレーヤーネームで呼び合うらしい。

つまり私の名前は『結城明日奈』でなく『アスナ』になってしまう。

一応初歩的な情報を教えてもらった。

それなり仲良くなったのか、分からないけど、アルゴさんには『アーちゃん』と呼ばれるようになった。

今までそう言う呼び方されたことなかった私は、少し照れ臭かった。

最後に、アルゴさんは私に一冊の冊子を渡した。

そして、苦笑いで私に言った。

 

「アーちゃんがこれからどうするかは知らないけド。これ役に立つと思うから、大事に使ってくレ」

「はい、ありがとうございます。あの・・・いくらですか?」

 

冊子とはいえ、それなりの厚みはあった。恐らくアルゴさんが作り上げたものなのだろう。

ここで、情報はとても貴重だと言ってたし・・。さすがに無料で貰うのは、虫がいい話だと思った私は、いくら聞くと、アルゴさんは私の肩に手をのせて言った。

 

「今回、タダにしてあげるヨ。オレッチのせいで巻き込まれた同然だしネ」

 

そういうと、アルゴさんは急いでどこかに行ってしまった。

『オレッチのせいで』という言葉に違和感があったが、あまりにも急いで行った為、引き留めなかった。

とりあえず、受け取った冊子を読むことにした。その表紙を見ると、そこにはSAO第一層攻略本と綴られていた。

ページをめくると、私の知らない情報がびっしり記載されていた。一通り、記載されていた情報を読み、頭で整理していった。

とても分かりやすく、詳しく書かれていた為、アルゴさんの努力に感動してしまった。

私の剣についてのソードスキルはおおまかに頭に入れた私は再び立ち上がった。

本の裏も最後に確認すると、情報屋『鼠』と書かれていた。

アルゴさんって・・・・。そう言う事なのね・・・。

どうして彼女は私に謝罪したのか、その理由が分かって安心した。

更に『P.S. アーちゃんまた会おうネ。後ハッチーにはお礼言っとくんだヨ』と書かれていた。

私もまた時間があれば、お話してみたいと思っていたので、少しうれしかった。

ハッチーって人が誰なのか?そういえば、倒れる前に声をかけられたような・・。

また聞けばいいかな。ああいう時間も悪くないなと思いながら洞窟の出口に向かって歩き始めた。

 

 

 

さき程から視線感じるんだけど、気のせいかしら・・・。

後ろを振り返っても誰もいなかった。気のせいだと思った私は洞窟の外へ出ていった。

 

もう少しがんばってみようかなと心の中で重いながら

 

 

 

[chapter:2人の情報屋は犬猿の仲である]

 

出会いとは素晴らしいものだ。何かしら新しい発見がある。

発見して、また新しい何かを見つけたがる。それが僕なのだ。

ボク事、情報屋ラビは、裏情報屋でもあり、表ではでっち上げのプレーヤーで動いている。

基本的には、僕の持ちうる情報を依頼者に教え、報酬を得るの連続だが、捜索の依頼があれば、可能な手で調べ上げる。

そう言う仕事をしている。そして、僕にはある趣味いや楽しみがあるんだ。

そうだね、一般的言えば、人間観察というのかな?

勿論、その観察対象は一つ。人間だ。まあここではプレーヤーの事を指す。

NPCでもモンスターでもない僕は人間に興味があるんだ。

後、昔尊敬していた人が人間観察が得意だったのが、影響なんだけどね

 

そうだ、僕の観察はただ見ているわけではない。正確に言うと、人間関係において生じる爆薬もしくは、その人間自身が持つ爆薬がどう破裂するかを見ることだ。

人間とは、行動ではパターン化されてはいるものの、実際に思考は異なっていることが多い。

一つの要素で大きく揺れ動くんだ。中には予想通り過ぎてつまらない物もあるけど・・。

それでも僕の予想を遥かに超えてくる人間がいるんだ。

だから、僕はやめられないんだ。人間は面白く、興味深くて、不思議な存在なのだ。

彼らの思考が、特定の状況いや窮地に陥ったこの世界でどう動くかを見るのが、とても楽しみなんだ。

洞窟で出会ったフードの細剣は、あそこでは見殺しするにはもったいないからな・・。今日は特別サービスを施しておいた。

 

まあそのことはいい。何故なら、また僕にとって興味深い出来事が起きた。僕が一番尊敬する大先輩である情報屋『鼠』が僕の事務所に足を運んできた。

はじめ彼は、僕を見ると、キッと猫でもにらみつけるまるで鼠のような眼差しで見てきた。

さて、今日はどんな面白い事が起きるんだろうな・・。

楽しみだなあ・・・。

 

sideout

 

ここは、情報屋ラビの事務所。薄汚れた机そして部屋自体明るくなく暗かった。

暗闇の奥で、フードを被った二人が対峙していた。

片方は、身長はそこまで高くなく、もう片方は情報屋ラビだった。

身長が低い方は、ラビを睨んでいた。それを見てラビは言った。

 

「これはこれは、僕が慕うかの有名な情報屋≪鼠≫じゃありませんか?こんな未熟者の事務所にわざわざ足を運んでいただいて光栄だねえ。今日は一体何の御用時で」

 

ラビは、そいつを鼠と呼んだ。そして、鼠は同じく情報屋のようだ。

 

「へえ、君が問題児情報屋ラビカ。悪事を犯すプレーヤーにも金さえ払えば、どんな情報も教えてしまウ。β時代から有名だもんナ」

「へえ、良く調べてるようですね・・。」

「相手の事は、よく調べてから対面するようにしてるからナ」

「それなら、まだ情報不足ですよ」

 

すると、ストレージから短剣を取り出して、鼠に向けた。

 

「こう見えて、僕は身辺には敏感でね・・。あまり派手にやられると、現実に帰れなくなりますよ」

「フン・・。オレッチを殺せば、どうなるかも分かっているよナ?計算が出来ない男でない事ぐらい分かるゾ」

 

そう言うと、ラビは手の上で軽快に遊ばさせて短剣をしまった。

短剣の扱いから、鼠は彼が、単なる情報屋でない事は確信した。

そして鼠もこれ以上の長居は自分の素性を曝す事になると考え、用事を早く終わらせることにした。

 

「まあいイ。実は、オレッチの名前を借りて≪隠しログアウトスポット≫があるとほらを吹いたニセモノがいるらしイ」

「へえ、それは大変ですね」

「それだけじゃなイ。そのせいで今SAOでの犠牲者が増えているんダ。」

「まさか、僕を疑っているんですか?」

「さあな、ただ被害者は口を揃えてこう言っているらしイ。『黒いフード被った男に騙された』とナ」

「つまり、僕がその『黒フード』で、そこらへんにいるプレーヤーたちに貴方の名前を使って嘘の情報を流し、騙された人たちで犠牲者を出してしまった。

確かに面白い話ですねえ。」

 

確かにラビは、基本的に黒いフードを被っている。『黒フードのラビ』という名を知らない人は少ないほどに・・。

ただここに来る前から、引っかかる点はあったのだ。確かにラビは黒いフードを装着しているが、これも有名な話だが、彼は一度もフードを頭にかぶらないのだ。

しかし、被害者は口を揃って、間違いなくフードは被っていたと、証言している。そして去る際に、ラビと言う名を敢えて記憶の中に残すように・・。

 

ラビという奴は、知らないような口調で話し続けるも、どこかわざとらしく感じた。

鼠は畳みかけるように話をつづけた。

何故なら、何よりの証拠を持っていたからだ。

 

「お前、アーちゃんに手をかけようとしたのが、何よりの証拠だ。お前のせいでアーちゃん死に」

「はいはい、確かに鼠先輩の言うように、僕が例の情報をそのフードの少女に教えたの認めます。」

 

認めただト・・。心の中で、驚いた。

鼠は、こいつが確信犯であり、全ての元凶はラビと言う一人の男だと思っていた。

だから、彼が持つ言葉の操りで最後までしらを切るのではないかと思っていた。

分からなくなった。こいつが本当に何をしたいのかが・・。

人を情報と言う道具で貶め、混乱させ、最終的には死へ至らしめようとする。

それを観察することを楽しむ。それが情報屋ラビだとベータ時代から聞く。

ただし、情報に関して、信憑性はかなり高く、色んな人から重宝されてきた。

裏をかこうとも、読めない人間。それがラビの本質なのかもしれない。

 

「ただ、他の連中にはそのような情報は一切渡してません。」

 

ラビは両手を挙げ、無罪を主張するかのようにアピールした。

だが、鼠は信用できなかった。

 

「ほう、証明できるのカ・・・?」

「もしも僕が本当に彼女を例の手で殺そうとしたのであれば、僕は救済の手を出したりしなかったと思うけどなあ。」

 

その一言で、一気に繋がった。

何故、彼が彼女を助けたのか?

何故、いつもは攻略に行かない彼が、洞窟に居たのか

 

「まさカ・・・。ハッチーを呼んだのハ?」

「正解・・。そして僕が彼女に教えたのは安全圏がかなり近い場所だ。彼女が死にかけたのは、それを知らなかったからでしょうね」

「・・・・・。」

 

彼に言われてみれば、確かに間違ってはなく、筋は通ってはいた。

ハチが彼女の安全圏にすぐに移動させることが出来たわけも、彼女が倒れてても生きていたわけも・・。

鼠が言葉を返すことをやめたのを確認したラビは、ホットした表情で言った。

 

「ようやく、分かってくれましたか?情報屋ラビは人を殺すような悪人ではない事を宣言しておきますよ。」

 

その言葉は決して嘘ではない・・。

ただ、その言葉からは暖かさや優しさは感じられなかった。

淡々と言葉を並べているようにしか鼠には見えなかった。

少し顔に影がかかった表情でラビは更に言った。

 

「ただ・・・・・・・自殺志願者を止めるほど善人ではないけれど・・・」

「そうカ、でも、これ以上変な真似したら、黒鉄牢に送るゾ」

「そうですね・・。これ以上疑われるのは癪なので、協力しましょう。万が一、何か分かれば、お教えいたします。」

「信用できるのカ?」

「信用できないなら、先輩が二重で確認すればいい」

 

これ以上は、無駄だと思った鼠は、ラビに忠告だけして、去って行った。

急に、姿を消したため、≪隠蔽≫というスキルを使ったのだろう。それも熟練度かなり高い。

その様子を見て、ラビは口角を釣り上げて呟いた。

 

「楽しかったぜ・・。先輩」

 

彼は、窓から見えた月を見ながらいつも通り意地悪そうな表情で嗤った。

ただどこか寂しそうに見えたのは気にせいなのかもしれない・・。

 

 

[chapter:比企谷八幡はやはり優しい]

 

とりあえず、フードの人が洞窟の外から出た事を確認すると、俺はアルゴの奴にメッセージを送った。

おい、お前帰ったんじゃねえのかよって思ったやつもいると思うが・・・・。

これには訳があったんだよ・・・。アルゴから帰ろうとした瞬間、メッセージで脅迫文がきたのだ。

とてもシンプルな内容だった。『ハッチー帰ったら、これ一斉にばらしちゃうよ?』

怖いんだけど・・。もはや素の状態で語りかけられているようで恐い・・・。

更に、記録結晶でばっちり俺がフードの人運ぶところ撮られてました・・・。

何、あいつ完全に見てたのかよ・・・。これストーカーか!?何かすごい寒気してきた・・・・。

まあ、主な内容はフードの人が無事外に出るまで見守れと言った感じの内容だったから、良かったのだが・・。

それでも、恐い・・・。

 

「鼠もそうだが、お前も律儀だな・・・。」

「なっ・・・。」

 

いきなり声をかけられ、咄嗟に振り返った。

まあ声からして、一人しかいない。

 

「お前いつから居たんだよ・・。シンジ」

「そうだな。お前があのフード少女を運んでいるときからだな」

「それなら早く言えよ・・・。」

 

危うく、目撃者が居ないと思っていたんだが・・・。

よりによって見られたくない奴に見られていた・・。

 

「ちなみにあの時の写真を売ったのは、俺」

 

こいつ・・・。ムカつく・・。

何がムカつくって?Vサインで勝ち誇った顔をされてるからだよ・・。

個人情報保護法お願い仕事して!!っと言いたいところだが・・。

この無法地帯ともいえるアインクラッドにそれは無理な話なのだろう・・。

それでも、許さん・・。

それにしても、本来ならこいつはこんな所に居ないはずだ・・。

 

「この野郎・・・。お前クエストこなしに行ったんじゃなかったのか?」

「そのはずだったんだがな・・。ちょっとあってな・・。後でお前にも話す」

「そうか・・・。」

「ほんじゃ、帰りますか・・。あ、そういや、丁度うまそう飯屋見つけたんだったー、でも一人行くのは正直あれだしなーーどーしようかーなー」

 

突然、棒読み感満載な台詞を吐き出すシンジだが・・。

いつだって超クールな俺は、騙されない。

これは俺が奢らされると結末が見えてる。

人から施しを受けるつもりはないが、人に奢るつもりなど毛頭ない・・。

 

「いや、いいよ・・・。俺疲れたから宿に帰りたいし・・。」

「つれないな・・。いいから、来いって・・。時には腐った植物にも光合成は必要だぞ?」

「もう夜だぞ・・・。後、腐った植物ってなんだよ・・。」

「じゃあ、目と根が腐っているグール」

「変わってねえよ!!」

 

さっきから、俺にダメージしか与えてこないんだけど・・・。

何なの・・。俺のハート壊したいの・・。

ちなみにだが、ハートはガラスではなくダイヤモンド級を誇る俺だが、ダイヤモンドは引っ掻き傷に対して強いだけであって、

ハンマーでガツンとやると実は割れやすいのである。ダイヤモンドは砕けないと言ったな。あれは嘘だ

シンジは、思いっきり溜息をつき、言った。

 

「俺の奢りだから、そこに気にしなくていいぞ。」

「はあ、お前が?おごり?」

「とりあえず、会わせたい奴が居るのと・・・。」

 

ふざけた表情から一変したシンジの口から恐らくいずれ出てくるだろう単語が出てきた。

 

「遂に、第一フロアボスが見つかったらしい。」

 

そろそろ、見つかっておかしくないとは思っていたからな。

ベータ時代を経験した人間によって発見されたのだろう・・。

第一回攻略会議が≪トールバーナ≫で始まるらしい。

 

「遂に、始まるか」

 

俺達の物語はようやく第ニフェーズに移るのであった。




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