それはあり得たかもしれない召喚。
今となってはあり得ない可能性。

向かい合うことのなかった可能性。

運命は再び動き始める

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これは初期のステイナイトのアニメ内で出てきたモードレッドを召喚したらどうなった?
と思ったので書いたものです。


モードレッド(旧)を召喚しました

わかっていても止めることは出来なかった。

認められないと知っていた。言えば壊れていくと知っていた。

それでも言わずにはいられなかった。

 

その人は王だった。尊敬している王だった。憧れている騎士だった。

だから貴方が私の父だと、自分のことを息子だと後継者だと認めて欲しかった。

だから自らの兜を外し、顔を、灰色の髪以外は瓜二つの外見を見せて貴方の息子だと訴えた。

なのに

 

「お前は私の息子ではない」

 

そう告げられた。

だから、この国が壊れた。

いや、私が壊した。

 

「貴方の国はこれで終わりです、アーサー王」

 

カムランの丘でただ無関心に聞く王に私は告げる。

 

「私が勝とうと貴方が勝とうと――最早、何もかもが滅び去った!」

 

周りには戦争の後が残っていた。今のブリテンや残った円卓でもローマや蛮族を追い返すことも出来ないだろう。

 

「こうなる事は分かっていたはず! こうなる事を知っていたはずだ!私に王位を譲りさえすれば、こうならなかった事くらい……!」

 

そんな簡単なこと、アーサー王にはわかっていたはずなのに。

 

「何故です!何故私に王位を譲らなかった!?」

「理由はただ一つ、貴公には王としての器が無いからだ」

 

つばぜり合いの中でも王の表情は動かない。

仕切り直すように離れ、クラレントを振りかぶる。

それでも王に剣は届かない。

右手の聖剣が兜を切り裂き、左手に持った槍が胸を貫く。

体を槍に貫かれたまま左手はクラレントを王の腹に突き刺す。

「ち、父上・・・・・・」

最後に言おうとした言葉がなんだったのか私自身にもわからなかった。

 

どこまでも無関心な父に、王に反逆した私はカムランの丘でロンゴミニアドに貫かれて死んだ。

アーサー・ペンドラゴンという王に認められず、見ていた世界に入ることもできずただ円卓を終らせて死んだ。

それがモードレットという騎士の最期だった。

 

そして時は流れ、2016年。

 

特異点に変化した冬木という土地にレイシフトしてきた人物達がいた。

赤茶色の髪の少女、藤丸立香。デミ・サーヴァントとなったシールダーの少女、マシュ・キリエライト。

霊脈の上で怪物に襲われかけていたカルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィア。

この3人のみが今のこの冬木という特異点の生存者だ。

オルガマリーの言葉に従って霊脈にマシュのシールドを置き、召喚サークルを設置する。

そして立香はオルガマリーに教わりながら唱える。

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。(みたせ。みたせ。みたせ。みたせ。みたせ)

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する」

「―――――Anfang」

「――――告げる」

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者」

「汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

そして英霊の座より、円卓を媒介としてその青年は召喚された。

カムランの丘で戦って居た時と、普段円卓で過ごしていた時と同じように鎧兜の姿で。

 

「サーヴァント、セイバー。契約に従い参上した」

 

聖杯戦争ではマスターに真名を教えるものだ。なら顔も見せた方がいい。

そう考えて兜を脱ぎながら言うセイバー。

そして凛とした声で続ける。

 

「問おう。貴方が私のマスターか」

 

立香はその顔を見て固まった。

周りで燃え盛る炎がその姿を照らす。

怖い訳でも訳がわからなかったわけでもない。

目の前の姿があまりにも綺麗で言葉を失っていた。

それでも夢中で頷いた。

灰色のはずの髪がその時には銀色に輝いて見えた。

 

「ーーこれより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。

ーーここに、契約は完了した」

 

その日少女は燃え盛る町で運命に出会う。

 

「これからよろしくお願いします、マスター」

 

彼らの人理修復の旅がいま、ここから始まった。




並行世界のアーサーがいるのだから旧モードレッドが聖杯戦争に参加してもよくない?

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