シリアスな部分が多いですな…
奉仕部のドアを開けると冷たい風に押し戻されるような感覚がした。3月にはいっているが、まだ寒さは残っているようだ。
あぁ、寒い。
そんなことを考えながら誰もいない廊下を進んで行く。時刻は午後5時夕日がかろうじて校舎を淡く照らしている。窓の外からは部活の精を出している生徒の掛け声が聞こえてくる。
俺はマッ缶を買うためにグラウンドにある自販機に向かった。
「こんな寒い時はマッ缶に限るぜ」
そんなことをぼやきながら糖分だらけのマッ缶を一口。暖かさと糖分の甘さが全身に染み渡っていく。生き返ったとはこのことだろうか。すると前から見覚えのあるやつがこっちに向かってきた。
「やぁ、比企谷」
「…葉山か、何の用だ」
「たまたま君を見つけてね、話があるんだ」
「あー、心配すんな。一色とはもう何もない」
だからお前が俺に関わることもない、そう言おうとした時、
「比企谷」
「あ?」
「歯、食いしばれ」
「は?お前何言って…」
ドゴッ!!!!!!!!!
鈍い音がした、最初何が起こったのかわからなかった。気がつくと空を見上げていた、いや、体ごと空に向いていた。そして遅れて左頬に痺れるような痛みが走る。俺は恨みのこもった目で葉山を睨みつける。
「痛ってぇ、てめぇなにしやがる…」
「それは、こっちのセリフだ、比企谷」
こいつ一体何言ってんだ。人を殴っておいて相手のせいとか、俺より根性腐ってんじゃねぇのか?
「比企谷、お前いろはを突き放したそうじゃないか」
「それは、お前らのために…」
「君は、何もわかってないんだな」
「なに言ってんのかさっぱりだ、大体お前が俺が周りにどれだけの影響力を与えてるのかって。だからお前と一色のために関わらないように…」
「そんなの嘘に決まっているだろ!!!」
…は?嘘?なにがだよ。あぁ、俺が周りに与える影響なんてないってことか。いや、そんなことわかって…
「俺といろはが付き合うとかそんなことは一切ないんだよ」
…どゆこと?え?まさかのドッキリでしたーってパターン?俺をドッキリにかけたって撮れ高0に等しいぞ?自分で言って悲しくなってきた…
葉山は続けた
「君はどうして気づかないんだ、いろはの気持ちに。いろはは君に、君の気持ちに一歩でも踏み込もうとしているんだ。そして君の特別になろうと必死なんだ。あんな必死な彼女は見たことがない。バレンタインの日、必死に彼氏のふりをしてくれ、って頼まれたよ」
ますます訳がわからん。一色が葉山に彼氏のふりを?なんのために
…え?それってつまり
「君は自分を犠牲にすることでいろはの事を守ろうとした、違うか?」
「そ、そんなことあるわけ…」
「比企谷、逃げるのはもうやめないか。言ったはずだ、君という存在が周りにどれだけの影響を与えているのか、と。それはいろはだけに限ったものじゃない。君の周り全てだ」
「お、俺は…」
「じゃあな比企谷」
葉山はグラウンドへと戻っていった。しかし数歩進んだところで振り返り
「殴って悪かった」
そういって再びグラウンドへと歩みを進めていった。
葉山2回目の登場!
結構重要な役割果たしてますね笑
少しずつですがお気に入りしてくださる方も増えていて感激です!