関東に住んでいる近鉄ファンです。今回から、近鉄電車をモチーフに小説をやっていこうと思います。
拙い出来ですが、皆様に楽しんでいただければと思っています。
なお、登場人物の苗字は、近鉄の駅名をモチーフにつけています。物語は架空です。
最初は南大阪線系統からスタートです・・・・。
私は古市早苗。近鉄南大阪線に乗って通学している高校生だ。
高校に入って数カ月たつけど、仲の良い友人とは別の高校になり、滅多に会えなくなった。
そんな私にも趣味がある。
「鉄道研究」だ。
私はいわゆる「鉄子」で、幼少期からお人形遊びよりも鉄道を見ることが好きだった。
まあ、父親が近鉄で働いているから、しょっちゅう見に行っていたのもあるからだろう。
そして今日も、高校での一日を終え、阿部野橋駅にやってきた。
私は部活には入っていない「帰宅部」だ。
高校の鉄道研究部にでも入ろうかと考えたが、私みたいな女が一人じゃ、浮いてすぐに辞めてしまうだろう。
そんなことを、阿部野橋駅の特徴的な配線を眺めながら思う。
やがて列車が入ってきた。折り返し、16:50発、吉野行き急行4623列車。まだそれほど混んでいないので4両編成だった。車両は、私のお気に入りの6620系だった。あの日立GTOの音が堪らないのだ。
しかもラッキーなことに、トップナンバーのMT21編成だ。今日は学校でいろいろあったけど、最後に嬉しいおまけだ。
そして、近鉄独特のあのブザーが鳴り響き、列車は阿部野橋駅を定刻通り出発した。
阿部野橋を出てすぐ、40km/h制限があるため、6620系も余力を残した走りを見せる。
河堀口を通過すると、最高速度の100km/hまで一気に加速した。モーターもうなり始める。これこれ!この音が聞けるから私は6620系が好きなのだ。
藤井寺駅の手前で先行が詰まっているからか、少し減速し始める。
「ATS、45」と速度照査の音声がかすかに聞こえる。
近鉄ATSは1km/hでも速度オーバーすると非常ブレーキがかかるうえ、近鉄車両の非常ブレーキは一度かかると緩解に時間がかかる。それだけで遅延が発生してしまう。だから、乗務員も真剣だった。
私の父も近鉄南大阪線の乗務員で、橿原神宮前まで気を抜けないよとつぶやいている。その言葉の意味が本当によくわかった気がした。
どんな感じなんだろう。ファンから人気の「丸屋根」と「シリーズ21」を併結した時のブレーキの癖は。
今度、奈良線に乗りに行ってみようかな。「丸屋根」、「角屋根(私は1981年製以降、シリーズ21以前までの世代の車両をこう呼んでいる)」、「シリーズ21」の3世代混結を見てみたいし。これもブレーキの癖が違うのだろうな。
そんなことを考えていたら、降りる駅が近づいてきた。
「まもなく、古市、古市です。河内長野方面ご利用のお客様はお乗り換えです。右側の扉が開きます。ご注意ください。古市の次は、尺土に止まります。」
さあ、我が家の最寄り駅、古市に到着だ。自分の一族と同じ名前という事もあり、結構思い入れのある駅だ。
そんな駅が最寄りというのも、この路線との縁を感じれずにはいない。
駅前に出て家への道を歩こうとすると、声をかけられた。
「おっ、早苗!お帰り!」
父だった。父も乗務を終え、今から帰るところだとのことだ。
帰り道、父といろいろな話をしながら帰った。この年頃で父と話が出来るのも珍しい話だけどね。
「父さん、もう少し朝のラッシュ時に増結できないの?(笑)」
「しょうがないよ、車両足りないし。でも、増発したらまた詰まるしな~。」
こういう他愛のない話が出来るのも、日本が平和だからかもしれない。
明日もまた、私は近鉄南大阪線で通学し、出かける時も、南大阪線に乗る。昭和の香りを随所に残しつつ、進化する所は進化しているこの路線で。
いかがでしたか?初めて故、下手ですが次回以降はもっと改善できればなと思います。
主人公の名前の由来は「古市駅」と「東風谷早苗」(東方project)からです。
大体各路線、7話くらいを目安に区切ろうかなと思っています。
1~7話:南大阪線系統
8~14話:大阪線系統
15~22話:奈良線系統
23~30話:京都線系統
31~最終話:名古屋線系統
を予定しています。
けいはんな線は番外編と言うことで。