この魔王討伐後の日常に祝福を!   作:くらむちゃうだー

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挿絵のようなものを追加しました!あくまで挿絵の【ような】ものですけど。
描いてくれた友人のAくん…ありがとう!
色ぬりは私がしたのでちょっと…ね?
それと、少しだけ編集しました!


このお屋敷に居候を!(挿絵?付き)

「や、やあ…」

俺は、目の前で少し驚いている紅目の女の子に声を掛けた。

「えっと…今日、路地裏で会った冒険者志望の方ですよね?何故あなたがカズマを?」

彼女は俺の背中で眠っているカズマと俺を交互に見ながら怪訝そうな顔をした。

俺には、ここで嘘を吐く理由が見当たらないのでとりあえずカズマを降ろすと俺がここに来るまでにどんな事があったのか、俺がカズマをおぶっていた理由などを軽く話した。

「つまり、あなたが馬小屋の前に居たらそこにカズマが来て、急に倒れた…と、そう言う事ですか?」

俺が無言で頷くと彼女は優しく笑いながら礼を言って来た。

「カズマを連れてきてくれた事、感謝します。ありがとうございました」

女の子に笑いかけられる事に慣れてない俺は、それだけで顔が熱くなってしまう。

「えっと…じゃ、俺はこれで…」

「あ、待ってください!」

赤くなった顔を見られないようにさっさと立ち去ろうとする俺の手を、彼女は急に掴んできた。

あぁ!もう!駄目だって、思春期の男子にそんな事したら‼︎簡単に感違いしちゃうでしょ‼︎

俺がそんな事を考えていると、紅目の彼女は場合によっては更に感違いをエスカレートさせる事を言ってきた。

「あの…お名前を聞いてなかったので…聞いてもよいでしょうか?」

ふっ、そんな事でこの俺は感違いなど…感違いなど…感…違い…な…ど…。おぉっと!しまった!心の声に振り回されている暇があったら彼女の質問に答えてあげなくては!よし、ここはクールに、動揺せずに…

「よっ…、夜間 祐樹…です」

動揺丸出しじゃねーか!何やってんだ俺!名前聞かれただけだろ!

「ユウキ、ですか…」

えっ…あれ?いきなり名前呼びっすか?というか…

「あの…、キミの名前を聞いてもいいかな?」

俺が、まだ名前を聞いてない事を伝えると彼女は少し慌てた様子で自己紹介を始めた。

「あっ…そうでしたね。では……、我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして爆裂魔法を操りし者‼︎」

あっ…痛い子だ…ってか名前!

「あだ名かな?」

「本名です」

即答するめぐみんを前に俺は思わず黙ってしまった。

「………」

「おい!私が両親から貰った名前について言いたい事があるのなら聞こうじゃないか‼︎」

本名がアレとか…、異世界コワイ……

「えっと…、俺を止めた理由って名前だけ?ならもう帰るけど…」

俺が聞くとめぐみんはまだすこし頰を膨らませたまま聞いてきた。

「帰るとこ、あるんですか?先程の話を聞く限りではそんなところ無さそうですが」

そうだった……戻っても帰るとことかなかった…

「よければ今日は泊まっていって下さい。カズマ達には明日、私から説明しますので」

何故だろう、先程まで痛いロリッ子にしか見えなかっためぐみんが仏様に見える。

「良いのか?勝手に…」

俺が聞くとめぐみんは当たり前の様に

「外で寝落ちしたパーティーリーダーを届けてくれたんですから恩返しは当然でしょう?」

状況が特殊すぎて当然かどうかは分からないが、せっかく泊めてくれると言うのだから泊まらせて貰おう。

「なら、泊まらせてもらう事にするよ。俺はどこで寝たらいい?」

 

 

カズマside

「ふぁーあ」

目が覚めるとそこは俺がいつも寝ている、自分の部屋のベッドだった。

「俺いつの間にベッドに?ダメだ…、飲み過ぎで全然思い出せん……」

まぁ過ぎたことは気にしても仕方がないので、なんとなく一階に降りることにした。

「すー…すー…」

居間に降りると、ソファから寝息が聞こえてきた。

まあ、普段ならソファで寝るのはアクアくらいなのだが…

アイツはちょっと女としてダメなくらいいびきをかくからな…めぐみんかダクネスのどっちかか?

「えっと…、こいつ誰…?」

ソファの上では、全く知らない男が丸まって眠っていた。

 

 

ユウキside

「……ろ、……きろ!起きろ不審者が!」

「ふぁっ⁉︎」

俺は、朝から誰かの怒鳴り声で目が覚めた。

「やっと起きたか、この不審者め!」

不審者?何の話だ?……っ痛!

不審者と呼ばれ困惑している俺を、身体を締め付ける様な痛みが襲う。

どうやら俺は拘束されているらしい。

目の前には、昨夜俺がここに届けてやった男、カズマと険しい顔をした金髪の女性がいた。

このままでは警察に引き渡されかねないので説明しないとマズイかもしれない…

おかしいなあ…めぐみんが説明してくれる筈じゃ…

仕方がないので説明することに、

「あの、多分誤解してると思うから少し説明させてくれないか?」

俺が誤解を解くために話し掛けると金髪の女性が威圧的に睨みつけてきた。

「ほう…、私達がどのように誤解しているか言いたい事があるのなら言ってみろ」

怖ぇぇぇ!超怖ぇぇぇ‼︎

警戒心に歪められたその顔は、もとが端整な顔立ちのためか、やましい事など何もない俺でさえ恐怖を覚えるほど怖かった。

「あの…説明するのはいいんだけどめぐみんを呼んできてくれな…くれませんか?説明の裏付けに彼女が必要だか…ですから…」

畜生!怖すぎてどうしても敬語になっちまう!俺、何も悪い事してないのに‼︎

すると、それまで黙っていたカズマが急に口を開いた。

「なら…ダクネス、お前がめぐみんを呼んできてくれ。俺は、先にこいつの話を聞いとくから」

…あの人ダクネスって言うのか。

俺が、目の前の金髪碧眼の女性の名前を脳に焼き付けているとカズマに指示を出されたその人は「分かった」とだけ言って二階に上がっていった。

ダクネスが見えなくなると、カズマが小さな声で聞いてきた。

「な、なぁ…もしかして、お前が昨日俺をここまて運んでくれたのか?」

そんなカズマの問いに、俺は黙って頷く。

「そうだったのか…、いや、実はな…俺、昨日のこと全く覚えてないんだよ」

当たり前だ。屋外でぶっ倒れてそのまま寝落ちするほど酒を飲んでいたのだから。

…しかし、こっちの世界でさ未成年でも酒を飲んで良いのか?そもそもこっちの常識なんて全く知らないんだけど、

これって大丈夫なの?

俺が自分の情報不足を再確認していると、カズマが申し訳無さそうに謝ってきた。

「なんか色々すまなかったな……えーっと、じゃあとりあえず話を…」

そこまで言って彼の声は遮られた。

俺も聞き覚えのあるあの女の声に…

「ちょっとー!カズマー!カズマさーん‼︎私のお酒が無くなってるんですけど‼︎まさかあんた、尊い女神様の物を勝手に飲んだり…ってあら?その人誰?」

女神⁉︎なんでこんなところに⁉︎

「なんだよ駄女神!今からこいつに聞くことがあるんだから邪魔すんな‼︎」

俺があまりに急な展開に困惑していると、カズマに怒鳴られたアクアがしばらく俺の顔を凝視した。

そして、急に何かに気付いた様に手を打つと、

「はは〜ん、曇りなきまなこを持つ私は気付いちゃったわよ!私のお酒を飲んだお酒泥棒はこの人ね!そしてツンデレなカズマさんは、私のお酒を盗んだこの人を捕まえて私に対しての謝罪と慰謝料を要求していた……こんなところであってるかしら?」

「「違うよ‼︎」」

俺とカズマの声が重なったが、今の俺にはそんな事を気にしている余裕は無かった。

「おい、ふざけんなよクソ女神!百歩譲って不法侵入者に間違われるのは良しとしよう、でも泥棒扱いとなれば話は別だ!言っとくけど俺じゃないぞ‼︎そもそも、何で昨日ここに送ったばっかの俺の事忘れてんだよ‼︎」

「はぁー⁉︎誰がクソ女神よ!あんた、バチ当てるわよこの無礼者‼︎…ああ、思い出した!思い出したわよ‼︎あんた、特典で魔法作成の才能を選んだ人ね!せっかくチートを持たせて異世界に転生までさせてあげたのに、なんて恩知らずなの!謝って!私をクソ女神なんて呼んだこと謝ってよ‼︎」

こいつ…!!

「何で俺が謝らなきゃならないんだ!大体、この能力のどこがチートなんだよ!魔力が上がっただけじゃねーか、このズボラ女神‼︎」

アクアは俺の怒声にピクリと反応すると、みるみるうちに顔を歪め女神とは思えない目つきで、

「ほー!あんたさっきから私のこと散々言ってるけれど、今の状況分かってるの?あんたは、身動きとれないのよ?今更許してって言っても無駄だからね!」

俺に殴りかかって来ようとしたが…

「やめとけ、こんな喧嘩めぐみんに見られたら俺が監督責任で怒られるわ」

カズマに止められていた。

だが俺の視線はもうカズマ達からは離れており、二人のかわりに俺の視線の先に居たのは…

「ほう…、誰に見られたらマズイのですか?カズマ、もう一度言ってみてください」

呆れた顔をしてこちらを見ているめぐみんだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「全く、こんな朝早くから近所迷惑にもほどがありますよ!特にアクア、身動きがとれない相手に対して殴りかかるのは女神としてどうなんですか!」

めぐみんに呆れた目を向けられてから十数分間…、俺とアクアはめぐみんの説教を受けていた。

ちなみに、カズマに説明したことにより俺の拘束は既に解かれていた。

「だってだって!ユウキが私のことをクソ女神って呼んだのよ!その後、ズボラ女神とも言われたわ!これは私が怒るのもしょうがないと思うの‼︎」

アクアのその返答を聞き、めぐみんがこちらに顔を向け聞いてきた。

「後者はともかく、何故ユウキはアクアのことをクソ女神なんて呼んだのですか?私には、ユウキはそんなヒステリックな人には見えないのですが…」

「ねぇ、めぐみん?今、後者はともかくって言わなかった?」

軽いフォローを込めためぐみんの問いに、俺は思ったことを素直に答える、

「俺だっていつもはこんなんじゃないんだ。ただ、アクアが俺を泥棒だと決め付けたり、やたら態度がデカかったりしたからちょっと頭に血が上っちゃって…」

めぐみんは、俺の意見を聞くと俺とアクアにお互いの手を握らせ仲直りするように言ってきた。

「ほら、これで仲直りしてください」

ここまでめぐみんがやってくれたんだ、仲直りしないとマズイだろ。

そう思ってアクアの方を見ると、どうやら向こうも同じ気持ちらしく、俺より先に謝ってきた。

「あの、勝手に泥棒なんて決め付けちゃってごめんね」

「こっちこそ、クソ女神は言い過ぎた…ごめん」

はぁ…こうやって大人しくしてたらアクアだって相当な美人なのになぁ…

「なあめぐみん、そろそろ私達にこの男がなんなのか説明して欲しいのだが。」

俺が、アクアの残念美人を改めて認識していると、ダクネスさんが俺を睨みながらめぐみんに話掛けていた。

そういえば、この人にはまだ説明してなかったな。

こちらには害意なんてものはないのだから睨むのはやめて欲しい。

すごく怖い。

 

【挿絵表示】

 

「ああ、説明がまだでしたね。その人はですね…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はー、やっと解放されたー。」

「いや、すまなかったな。カズマから不審者がいると聞いて少し警戒しすぎてしまったようだ。」

「良いんですよ別に、勘違いしても仕方がない状況でしたから。」

うん、確かに警戒するのも無理はないよな…。

だって俺、服装からしてここら辺の人間じゃないもん。

そんな事を考えていると、ダクネスさんが声を掛けてきた。

「なぁ、ユウキ」

「何ですか?ダクネスさん」

俺がさん付けで呼ぶとダクネスは少し赤い顔で…、

…赤い顔で?

「私も、カズマ達と同じように呼び捨てで構わないぞ?敬語も必要無い。それと…、それとだな……先程の無礼は、私の感違いの所為だ。だから…だから…、私を強めに罵ってくれて構わない!いいや!むしろ罵ってくれ‼︎」

俺の目の前の火照った顔の美女は、火照った顔の変態へと進化したようです…

「い…いや、さっきもいったように勘違いしてもおかしくない状況だったから、流石にそんな事は…」

「いや、先程の状況がどんなものであろうと私のしてしまった事には罰が必要だ。さぁ!私に罰を与えてくれ!」

なんだか言っていることはとても立派に聞こえるが、顔が明らかに喜んでる人のものだ。

とりあえずカズマの方に避難しよう…

俺は、危なそうな顔で色々言ってくるダクネスを無視してカズマの方に避難した……が、無視されたダクネスが自らの身体を抱きしめて「ほっ…放置プレイだと…⁉︎」とか言っているのが少し気になる。

アレはただのドMだな、美人なのに残念だ。

…というか、

「なぁカズマ、お前こんなパーティでどうやって魔王に勝ったんだ?…と言うかそもそも、こんなまとまりの無いパーティでどうやって冒険したんだよ。」

俺が、ただ何と無く疑問に思ったことをポロっと口に出すと、カズマは苦笑をもらしながら話し出した。

「言われてみれば俺たちのパーティーは冒険らしい冒険はほとんどした事が無いんだよなぁ…、魔王の幹部との戦いもほとんどが巻き込まれて仕方なくって感じだし」

マジかよ…魔王の幹部との戦いに何度も巻き込まれて生きてる最弱職とか…運よすぎだろ…

「カズマって…運がいいんだな…」

カズマの驚きのカミングアウトに、俺はまたも心の声が漏れてしまう。

「ん?ああ、俺って幸運のステータスだけ飛び抜けて高いんだよ。まぁ、アクアの幸運が最低レベルだからいつもは相殺されてるらしいんだけどな。……なぁ、話変わるけどさ、ユウキって泊まるとこ無いんだろ?それって大丈夫なのか?」

カズマの言葉に俺はピクリと反応した。

そうだった…、朝からドタバタしててすっかり忘れてた。俺、宿が無いんだった…

「あの…その事なんだけど…、カズマ、どうか俺をここに置いてくれないか?もちろん無理にとは言わないし、置いてくれるのであれば家賃と生活費はちゃんと払う。だから……!」

俺がそこまで言うとカズマは、

「分かった、そう言う事ならここにいてくれて構わないぞ。あ、そうだ、家賃は払ってくれなくてもいいからな?大家さんの好意で格安で済んでるから。あ、けどその代わりに少し頼みがあるんだ。後でいいから聞いてくれるか?」

思いの外、簡単に了承してくれた。

「いいのか?そんな簡単に決めて。置いて貰えるなら頼みは聞くが」

「いいんだよ、多分皆んなも別に文句はないだろうしな」

カズマが言うと他の三人が『別に文句はない』と言う意思表示のためか頷いていた。

「じゃあ…いいのか……、えっと、めぐみん、ダクネス、アクア、今日から一緒に住む事になったからこれからよろしくな」

よっしゃぁぁぁ!宿ゲットぉぉぉ!よっしゃぁぁぁ‼︎

俺は、心の内で小躍りしそうなほど喜びながら三人に声を掛けた。




ここまで読んでいただいてありがとうございました!
前書きにも書きましたが、挿絵のようなものを追加しました。
あ、カラーものっけときますね。

【挿絵表示】

はい…どうせ白黒にするからって色ぬり手抜きしました…。
ごめんなさい…。
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