空前絶後のぉー!
超絶孤高の就活生ぃ!
睦月型を愛し、睦月型に愛された男! (大嘘)
4単位・必修・未履修
すーべての単位不足の生みの親ぁー!
イエェェェェェ~~イ!!
ジャスティス!!
(上記約 人生お先真っ暗で現実逃避のためにまた新作の小説書いたゾ)
20XX年 千葉県 館山市 大山防衛陣地
『こちらオーバーロード、現在、深海棲艦の艦隊は東京湾内に侵入、機雷網を無傷で突破。空自による大規模爆撃も効果なし、したがって、作戦計画をCに移行。現時刻をもってオリンピック作戦参加中の全部隊はNBC装備着用後、退避行動に移れ、繰り返す全部隊、NBC装備着用ののち、退避行動に移れ。なお、現時刻をもって師団司令部を木更津から霞ヶ関に移行する。以上。幸運を』
燃え盛るトーチカの脇に投げ出された広帯域無線機を背負った陸自の隊員の遺体のそばで、その無線を聞いた日米特別混成旅団第四大隊所属、24特別狙撃小隊の神崎二士は泥と血糊で汚れた顔をしかませた
「プランCって……やばい!」
東京湾に進行する深海棲艦の艦隊を日米連合艦隊で迎撃。失敗したら東京湾内に引き込み、機雷で足止め、そこへ戦車と重砲、さらには日米混成の爆撃連隊が猛攻をしかける
しかし、それでも深海棲艦が引かなければ、米軍の核がすべてを薙ぎ払うのである
「くそったれ!味方の爆撃で死んでたまるかよ!」
神崎二士は死に物狂いで駆け出し、深海棲艦の艦砲射撃で壊滅した陣地をかける
途中、原形をとどめていないような死体やら砲台やら車両をかいくぐぐり、退避豪のある場所にたどりついた
「閉めるぞ!早く来い!」
先に逃げていたと思われる士官が神崎を手招きした
残された力の限りを振り絞り、退避豪にむけて走る
神崎の耳にも悪魔の口笛のような嫌な風切り音は聞こえた
瞬間、退避豪は炎に包まれ、有り余る爆風は神崎を吹き飛ばした
爆炎を背景に悠々と飛び去るのは空母型深海棲艦が飛ばす艦載機だった
「くそ!ちくしょう!」
神崎は転がってきたひしゃげたUCPのヘルメットを殴りつけ、空を我が物顔で飛び去る深海棲艦の艦載機を恨めし気に睨んだ
そのとき、くぐもった砲声が神崎の耳に響いた
「街が!」
なんと東京湾に侵入した戦艦型深海棲艦や巡洋艦型深海棲艦が海保の巡視船に向けていた砲を東京の街に向けて一斉射撃を開始したのだ
住民の避難は完了しているものの、今日という日まで日本人が心血注いで築き上げたシンボルとも呼べる東京の街並みがあっという間に瓦礫になり、日本の空を守ってきた空自の戦闘機は圧倒的物量を誇る深海棲艦の艦載機に叩き落され、追い打ちをかけるように深海棲艦の爆撃機が爆弾を投下していく
「……負けない、負けるもんか!ふざけんじゃねぇ!」
神崎は喉が張り裂けんばかりに叫び声をあげ、立ち上がり走り出した
退避豪はまだ他にもあるが、核攻撃まであと数分しかないので間に合わない
そこで神崎が目指したのは陣地の中心、大隊司令部に近いところに設置された対NBC部隊の装甲車である
爆撃によって二台あった装甲車のうち、一台は炎上していたがもう一台はひっくり返っていた
神崎は転げるように装甲車の扉を開き、中にいた乗員の死体から防護服を剥ぎ取り、自分に装着する
『核攻撃まで1分!神のご加護を!』
装甲車の無線からB-2のパイロットの声が聞こえた
「くそ!くそ!くそ!」
防護服を着こみ、扉を閉め、シートベルトを着ける
「ちくしょう……母さん……」
頭を抱え、目を強くつぶった
その瞬間、閃光が瞬いた
東京湾決戦から数年後、人類はいまだ深海棲艦の恐怖におびえていた
まず、深海棲艦は謎の生命体で、見た目はクジラや深海魚に人間を足したようなグロテスクな外見をしている。それらが突如、世界中の海から現れ、船舶や飛行機を軍民問わず攻撃したのである
最初は軍事大国の秘密兵器だのエイリアンの侵略だのと騒がれていたが、やがてそうも言ってられなくなる事態が訪れた
深海棲艦は上記の通り、世界中の海に現れ無差別に破壊活動をおこなう。そのことにより各国のシーレーンはズタズタにされ、さらに海底ケーブルや海上プラントなどの海のすべてを失っていったのである
近代国家からしてみると海上輸送のほぼすべてを封じられるというのはまさに首にナイフを突きつけられるのと同義である
この未曾有の危機に際し、人類は国連というつながりを中心に各地で深海棲艦に戦いを挑んだ。しかしそのすべてが惨敗に終わったのだ。原理や仕組みは不明だが、深海棲艦にはミサイルや砲弾といったあらゆる兵器が効かないのである。直撃でも装甲を削る程度であり、現状では大質量の砲爆撃を浴びせるか、戦術兵器、俗にいう核攻撃をするしかすべがないのである。
そのように、おびただしい敗北と物量をぶつけながらも、努力むなしく人類は日に日にその生存圏を狭めていったのである
やがて、人類が放棄した島々からは深海棲艦の艦載機や長射程の陸上砲台がすがたを表し、人類の生存域を着々と侵攻していったのである
しかし、ここである事件が人類に希望をもたらした。艦娘の登場である
きっかけは東京湾決戦から一年後、防衛相が総力を結集して人型の強化外骨格という装備の実用に成功したということから始まった
まず、この装備は体の関節や重要個所を保護すると同時に小型の圧力装置や油圧サスペンサーを併用し、生身でありながら重機並みの馬力と作業効率を発揮できるという新兵器である
だが、この兵器、開発当初問題があった。力の下限がうまくいかないのである。外骨格も機械である以上外部リソースがある。車でいうところのアクセルであり、この外骨格スペースの関係上、出力の調整が腰元のリモコンでいちいち操作するシステムであり、復興作業用には十分使えるが、兵器としては中途半端な出来であった
しかし、ある科学者が人間の神経系に接続し動かすことができる義手を開発したことを発端にこの外骨格は画期的な進化を遂げた
しかし、それだけではただのバカ力を発揮できる人である。そこにイギリスとアメリカの技術が加わったのだ
イギリスでは元々海軍は軍縮傾向にあり、そこへこの深海棲艦の攻勢が来たため、使える艦艇は少なかった
そこで、イギリス国防省は大型艦船ではなく、水上を高速で移動できる人型兵器の開発に着手した。ラジコンのように操作する無人高速艇に始まり、最終的には人間の両足に”艤装”と呼ばれる水上を高速で移動可能することができる人型決戦兵器の開発に成功。水上で複数人の部隊が深海棲艦に対し、通常火器により遅滞戦闘を繰り広げることに成功した
だが、それでも水上での機動力を確保したにすぎず、決定打を与えるに至らなかった
なぜなら深海棲艦の装甲は現在の科学技術では解明できない未知の物質で構成されており、加工や破壊は不可能だった
だが、アメリカでは東海岸で激戦が繰り広げられる中、多量の放射線を浴びた深海棲艦の装甲の強度が落ちることが判明し、それを応用して深海棲艦の装甲に放射線を浴びせて加工、砲弾にしたものを実践投入。加工した装甲板はレーダーや無線を妨害する謎の電波を発する点を除けば深海棲艦に致命傷を与えることに成功した唯一の兵器である
着々と反撃の手立てを整える人類に、謎の事件が起こった
世界中で年齢も国籍もバラバラの女性や少女が昏倒する事件が起きたのだ
幸いにも昏倒した女性達はすぐに目覚めたが、事件はそこから始まった
目を覚ました女性達は皆記憶を失っていたのだ
正確には記憶を失って、新しい記憶が芽生えていたのだ
この事件を目の当たりにした世界の科学者は一様に頭を抱えた
これが一人二人ならその人のなりきりと切り捨てる事ができるが、あいにく世界中のあらゆるところで起きているのだ、規模が違う
おまけに変なのはその新たに芽生えた記憶というのが第二次大戦で沈没した軍艦なのだ
その軍艦の所属や種類はもちろん、排水量、戦歴、あだ名、どこで建造されたのかなどなど、公表されていることからされてないことまでその女性や少女達はスラスラと見てきたかのように答えてみせた
科学者の一部には船には昔から魂があるとされており、その魂が女性達に宿ったのでは?という説が大真面目に議論されだした
そしてその女性や少女達はテレパシーのような物を持っており、当人達の間で会話する事が可能という事以外は大して変わらない人たちだった
そしてこの事件をきっかけに、各国首脳は残された衛生電話を使い、対策会議を行った
その際、ある案が挙げられた
「昏倒した女性や少女達はテレパシーで意思疎通が可能であり、深海棲艦に対して強力な切り札になるのではないのか?」
その一言に首脳陣は一同首を捻った。しかしその者の案を聞くと皆がうなづいた
日本が開発した強化外骨格は対深海棲艦向けに開発されておらず、強力な馬力を発揮できるものの、海の上の敵には無力だ
イギリスが開発した水上を滑る艤装は水上での高い機動力、更にフル装備の兵隊が来ても問題ないほどの高速移動を可能にしているものの、深海棲艦には通常兵器は効かず、アメリカが開発した深海棲艦の装甲板を加工した銃弾なども試されたが、無線が無力化され、効率的な攻撃が行えず、しかも小銃弾では効果が薄かった
そしてアメリカが開発した深海棲艦の装甲板(以下深海鋼)は戦車砲クラスなら深海棲艦には致命傷を与えられる事が判明しているが、小銃クラスでは歯が立たない事が判明している
オマケにコストがとてもかかる。ただでさえ原材料は鹵獲品であり、不安定。おまけに加工にもコストがかかり、とても艦砲クラスを大量に用意できるほどアメリカも余裕があるわけではなかった
そして、その案はすなわち、強化外骨格と艤装の補助で強化した砲で深海鋼の武器で戦闘するというものだ
昏倒した女性や少女のテレパシーは深海鋼の妨害電波とは関係がなく、れっきとした戦闘行動がとれると見ての案である
この案は直ちに採用され、のちの艦娘として陽の目を見るのである
20XX年 日本 広島県 呉市
日本でも有数の港町にしてその歴史は古く、明治の頃から日本防衛の要として存在した伝統ある街である
その呉市にある休山、海上自衛軍呉軍港を見下ろす場所に一軒の孤児院があった
古びた教会を改築したその孤児院は建物の至る所が煤けて崩れており、永くこの地の発展を見守ってきた事が伺える
その教会の脇に増設された粗末な一軒屋、これまた煤けた木と煉瓦、そしてトタンの屋根でできた一軒屋から一人の青年が出てきた
身長は170cm程、日に焼けた肌に細いながらも引き締まった肉体、手には洗った洗濯物の山
「今日もいい天気だ」
青空に向けてそう呟いたのは神崎≪かんざき≫覚≪さとる≫。東京湾決戦の数少ない生き残りで、陸上自衛軍の少尉である
神崎が所属した大隊は全滅したため、神崎は復興要員として西部方面隊に移動となった
その際、この呉で戦災孤児や、労働で子供の世話ができない親から子供を引き取って面倒を見る(深海棲艦の攻撃は日本全国に及び、このような託児所兼保育園のような形態の施設は全国に多くあった)孤児院を運営する人と知り合い、縁があって手伝うようになっていた
神崎は東京会戦で神奈川に住む家族を亡くしており、ここに住む孤児達が亡き妹と弟に見えて仕方なく、給金の一部を寄付していたり、休日もよくここに足を運んでいた
「さとるおにいちゃーん!」
洗濯物を干している神崎の腰に飛びつく二つの影
「うぉっ!花梨にエレナちゃん!危ない!危ない!」
「えへへ、ごめんなさい!」
謝ったのは小鳥遊《たかなし》花梨《かりん》。今年で小学生四年生の女の子で、茶色い髪をショートボブにし、ゆるふわで穏やかな性格の子である
「サトル、ごめん、なさい」
一方片言の日本語を話すのエレナ・ヒューストン。アメリカ海兵隊の大尉だった彼女の父親が戦死し、母親は仕事で留守にしがちなので、学校が休みの日はこの孤児院によく遊びに来ているのである
「いいよ、二人とも。これが終わったら遊ぼうか」
「サトル、優しい!」
父親譲りの金髪をポニーテールにしたエレナはひまわりのような明るい笑顔で、サトルの腰に抱きついた
色々グロテスクな被災地での瓦礫撤去作業で荒んだ神崎の心が洗われるようだった
二人と約束し、洗濯籠を片付けに孤児院の水洗い場に戻ると、見慣れた二人を見かけた
「おっ、多恵子に幸じゃないか」
「おっサトルにぃじゃん!」
「サトルお兄さん、きてたのか」
先に反応したのは花咲《はなさき》多恵子《たえこ》。空襲で両親を失い、ここに預けられた一人である
茶色い髪を背中に流したロングヘアーで、赤縁の眼鏡を掛けた女の子である
もう一人は寿≪ことぶき≫幸≪さち≫。この孤児院で暮らす孤児の一人である
孤児の中では最年長の少額六年生に当たる彼女は、長い黒髪をツインテールにして肩のあたりでかわいくリスのワッペンが付いたシュシュで結んである
みんなの長女としてしっかりしているが、神崎には甘えたい年頃の女の子である
「みんな元気そうにしてるな。二人はなにしてるんだい?」
「お夕飯の準備です。お母さんに頼まれてじゃがいもの皮むきをしてました!」
「あたしはにんじん、つまり今日はカレーってこった」
幸は最年長ということもあり、率先して孤児院の手伝いなどをする、大変できた子でもあり、多恵子は若干めんどくさそうにしながらも文句言わずに幸につきあう空気の読めるいいこである
「サトルお兄さんもいつもありがとうございます。自衛軍のお仕事もあるのに毎回お仕事をやらせてしまって……」
「幸ちゃんはいいこだな、こういうのはお互い様だよ。幸ちゃんたちが困ってるならお兄さんが助けてあげるから、幸ちゃんは孤児院の子たちをたすけてあげるんだよ」
「…はい、本当にありがとうございます!お兄さん大好きです!」
皮むき器をおいて、そのままサトルの腰に抱き着く幸。彼女が唯一気が抜けるのが覚がいるときだけなのだ
「あいかわらずサトルにぃはモテるねぇ、そのまま結婚したらいいのに」
「たえちゃん!へ、変なこといわないでよ!」
「まぁ、いいけどさ。サトルにぃは人気だから、あたしも手伝うよぉー」
「もぉ!たえちゃん!」
頬を赤く染めた幸が多恵子を弱く叩く
「二人は仲がいいな」
「サトルにぃも罪な男だねぇ、幸ちゃんみたいな理想的なお嫁さんに好かれてるのに、答えないとは」
多恵子が面白がってさらに覚を煽る。幸は俯いて多恵子をバシバシ殴ってる
「……その気持ちは嬉しいな、よしこうしよう!」
そういうと覚は幸の前にしゃがむと自分が身につけていたミサンガを幸の手首に巻いた
「これは……?」
「俺が自衛隊に入るときに親父から貰ったミサンガだ」
「えっ!?そ、そんな大事なもの!」
「貰ってくれ」
幸が喋る前に覚が少し大きめの声でそういった
「幸ちゃん、俺みたいなのを好きでいてくれて嬉しいよ。でも、こういうことはもっと慎重に考えなきゃダメなんだ。苦しいかもしれないけど、いっぱいいっぱい悩んで、幸ちゃんが大人になってミサンガを返しに来てくれ。そのときになっても俺のことが好きっていってくれるなら……」
「なら……?」
夢見心地な、何かを期待する乙女の顔で幸は覚の目を見つめる
「……結婚しようか」
覚がそういうと幸は顔を綻ばせ、しかし多恵子が見てることを思い出して再び顔を赤くして俯いた
(まぁ、それまで生きてればの話になっちゃうけどなぁ)
なかば告白もどきをされて幸せそうな幸を見てるのが辛くなり、どこか遠くをみるような、虚ろげな視線を漂わせていると、多恵子と目があった
どこか覚を非難するような、そんな目だった
小学四年生に看破されていた。覚が守れるかどうかも危うい約束をして幸を悲しませるかもしれない綱渡りのような行為を
あるいは自暴自棄になりかけていた自分を責めていたのかもしれない
幸を泣かせたら許さんからな。多恵子は自分よりはるかに年上の成人男性に目だけでそう訴えていた
覚も多恵子もこの未曾有の危機によってそこそこな修羅場をくぐって来たのだと理解させられた
(……諦めない、か……)
まさか小学生に勇気付けられる日が来るとは、そう考えるとおかしくなって来た
まだ、自分はまだ、やれる。東京湾決戦以降、初めてそう思えた覚だった
その日、所属する駐屯地での勤務を終え、孤児院に顔を出してから帰ろうとした覚
孤児院につくと、空気は暗く、中には何人の子が泣きじゃくっていたりしていた
「あぁ!覚さん!」
覚に声をかけたのはこの孤児院の運営者の深堀である
孤児院の子供全員からお母さんと呼ばれるこの人は深海棲艦の攻撃前の経歴こそ不明だが、高い教養を感じる上品な喋り方と下品に感じない程度の美しさ、さらに攻撃の的で物価が下落しているとはいえ、建物ごと土地を買い取って孤児院を運営するほどの資金力という謎が謎を呼ぶ美魔女である
しかし今はだいぶ慌てているというか混乱していた
「あぁ!あぁ!どうしましょう、幸ちゃんが、いや幸ちゃんだけじゃないけども……」
「深堀さん!落ち着いて、深呼吸、深呼吸して……」
覚の言う通り、二、三回深呼吸してとりあえずの落ち着きを取り戻す深堀
「何があったんです?」
「大変なんです、夕飯にしようとしたら、急に、幸ちゃんと多恵子ちゃんと花梨ちゃんにエレナちゃんが倒れたんです」
「倒れた!?それで、四人は!?」
「お医者様を呼んだら、四人ともなんだか変なことを言い出して、お医者様はそれをみて自衛隊の人を呼んだんです。そしたら海軍の偉い人が来て、私もう何が何だか……」
「……なんてこった!」
自衛官である覚にはこの現象の正体がわかってしまった
つまり、四人は艦娘になったのだ