2017年
とある大学のゼミ室内ではいきなり意味不明な事態となっていた。その中心人物である男、海王シンとモデル体型で美人の大森紅である。この部屋には他にもゼミの先生、生徒が二人いるが、あまあまな状況を見せられ、おいてけぼりになっていた。
「ごほん、それでは人も集まったことだし、まずは自己紹介を始めるぞ」
ゼミの先生と思われる人が支持し始める。
「俺はこのゼミを担当する藤堂だ。よろしく。主に歴史学を専門としている」
どうやら藤堂と呼ばれる先生もとい教授は歴史学専門であった。藤堂教授は次にシンに自己紹介するよう促す。
指名を受けたシンはいやな顔をすることなく素直に自己紹介を始める。
「俺の名前は海王シン。みんなも知ってのとおり、海王グループ会長の一人息子だった男だ。今は、海王家から自立しているから海王グループとは関係はないが、まあなかよくしてくれ。好きなことは自由。そして今後は旅にでたいと思っている。そのために歴史をもっと知りたいと思いこのゼミに入った。以上です」
シンはどや顔で教授の方を向きどうだったとアイコンタクトを送る。もちろんそのアイコンタクトを受けた藤堂は苦笑いするだけだが。
「次は私ね。私は大森紅。シン君とは婚約関係にあって将来を誓った仲でもあります。シン君は覚えてないと思いますが。好きなことは剣道です。一応小、中、高ではなんどか優勝しています」
シンは剣道ときいて考えをめぐらせる。けどなかなか出てこないのか考えこんでいる。その間にも自己紹介は続いていく。
「やっとしゃべれるよ。僕は佐藤大輔。まあそこのお二人と比べたらただの一般人です。好きなことや得意なことは特にありませんが将来は歴史を専門とした教授になりたいくらいですね。後、海王君みたいに世間知らずにはなりたくないですね」
メガネをかけた真面目そうな人の自己紹介はまあなんというか普通であった。そして最後に強面の男の自己紹介となる。
「海王グループの一人息子がいるからどんなぼっちゃまかと思えば、ただのばかだったとは。俺は石田剛。得意なことはとにかく掘ること。親父の発掘の手伝いをしていたらこんな感じになっちまったが、恐竜の骨とか発掘したときはなんともいえねえ。将来は考古学者になりたいが、まずは歴史をしらなければと思い、このゼミに入った。よろしくたのむぜ」
これで全員の自己紹介は終わったが、シンはまだ考え込んでいた。さすがに一人上の空というのも藤堂は見過ごせないので呼び戻そうとするが。その前にシンが思い出したというように声を張り上げた。
「思いだした。あのときの剣道大会で倒した子か。あぁ確かにそんなこと言ったような。でもよく覚えていたな。そんな昔のこと」
紅は自分のことを思い出してくれたことと約束を覚えてくれていたことが嬉しかった。次の言葉をきくまでは
「けどあれって告白とかそういうもんじゃないけどな。おまえと勝負する際に言った言葉は全力で勝負して負けた方が相手の言うことを聞くっていう約束だろ?」
「えぇ、それで私が負けてシン君に俺のものにならないかって」
紅の衝撃発言によりゼミ室にいるだれもがシンを冷たい目でみる。藤堂や石田、佐藤はこいつ最低だとか言っている。
「ま、まて誤解だ。それは言葉が抜けている。このストラップ俺のものにならないかといったんだ」
「へっ?」
紅は嘘?という戸惑った顔をする。
「嘘じゃないぞ。あの大会の直前でおまえと俺でどっちがこのストラップにふさわしいか勝負してたじゃないか。勝負に負けたおまえはなにやらぶつぶついっていたが」
「えぇっええええええええええ!?」
「まああのあと親の都合でいろいろなとこいってたからおまえとこうして再開するのも10年以上ぶりなわけでってきいてます?」
紅は顔を真っ赤にしてショートしてしまった。こうして歴史ゼミ初日はあっけなく終わってしまったのである。ただ紅は心の中でシンに対する思いは変えずにいた。まあ10年以上も思ってきた相手に対して簡単にあきらめられないからである。これからどうなるのか続く。
次回もお楽しみに