迷宮内に入り込んだシンと紅は大型モンスターであるゴリラと戦っていた。暴れまわるゴリラはつかれはて、シンがゴリラに一撃をお見舞いしようとするが、それはあっさりかわされ、ゴリラは槍を回収しに走っていってしまった。
「紅さん、まずいことになった紅さん?」
シンは紅が固まって動かないことに疑問を覚え、紅の目線の先を見る。そこにはシャベルで掘り返した土の中に剣やら盾が埋まっていた。おそらくだれかの遺留品であろうことが容易に想像ついた。シンは最初落とし穴ではめる計画をたてていたが、武器があるなら話は別で、真っ向から勝負に挑むことにした。
「これがあれば勝てる」
シンはゴリラがこっちに向かってきているなか逃げずに立ち向かう。そしてゴリラとの決着の時が近づいていた。
「うぉぉー、見える。見える。お前の動きがとるようにわかるぞ。でやぁぁぁ」
シンはゴリラの持つ槍と剣とで切り合いをしており、ゴリラの怯んだすきに切りつける。シンは初めてゴリラにまともなダメージを与えた。ゴリラは切られたことで悲鳴をあげて苦しそうに悶え出す。シンはゴリラの手を切りつけ、武器を落とし、その槍をも使い、ゴリラの脳天を突き刺すため腕を振り上げる
「これで終わりだ」
振りかざした槍はゴリラの脳天につきささり、ゴリラは動かなくなった。首もとにあった鍵を回収し、紅のもとに戻る。
「なんとか無事に鍵を回収できたよ」
シンは紅にヒラヒラと鍵を見せる。紅はほっとした。まさか本当に倒せるとは思っていなかったので、この結果に素直に喜べないでいた。でも生きているという実感はしたようだ。
「じゃあ、扉をあけるよ」
シンは鍵を開けて中に入る。紅も後からついていき、光の中へと消えていった。扉を潜り抜けた先には広々とした部屋があり、それらはすべて石でできていた。
「何もないわね」
「いや、そうでもなさそうだ」
シンは中央に置いてあるランプにふれた。するとランプから稲妻が出て辺りにあったものが全て黄金に輝き、終いにはランプから聖霊が出てきたのであった。
「我は憤怒と英傑のジン、バアル。王になるのはどっちだ」
シンと紅は訳がわからなかった。いきなりランプから出てきたと思ったら王になるとかよくわからないことをいうからだ。紅はシンを見る。シンはずっとあのバアルを見ているようだった。
「どうしたの?シン君」
「いや、どっかで会ったことがあるようなこの光景を見たことがあるような気がして」
どうやらシンも混乱しているのだと紅は思った。するとバアルはシンを見て何かを語り出した。
「ん?お前は、お前の中にかつての主の面影があるな。そうか、そういうことか、ハハハハハハハハ」
バアルは突然笑い出した。それには二人も驚く
「いったいどうしたんだ」
「そうか、戻ってきたのか主よ。この時を何千年と待ったことか」
突然話を進めるバアルにシンもさすがについていけない。
「ちょっとまってくれ、バアル。聞きたいことがあるんだが」
「ん?なんだ主よ。」
「いったいここはなんなんだ?」
バアルはその質問から彼はまだ覚醒してないのかと少し落ち込む。それでもこの迷宮を突破した彼に対しては答えねばならない。
「ここは第一の迷宮 バアル。王の力を手に入れることのできるダンジョンだ。かつては何万人もの人が挑み、命を落とした。まぁ、この時代に合わせて少し難易度は落としたが」
迷宮、それは王の力を手にすることができるダンジョン。そこにはジンと呼ばれる聖霊がおり、力を手にしたものは絶対者となる。力とは金属器のことであり、己が武器にジンの力を宿すことで扱えるものである。かつての主がそうであるかのように
「で、なんで俺をみて戻ってきたなんていったんだ?ここには初めて来たはずだが」
バアルはなんだそのことかというふうに語り出した
「お前の名はなんという」
「海王シンだ」
「シンか、似ているなやはり。答えを言おう。シンは昔の我が主の生まれ変わりなのだ」
シンは生まれ変わりというのは信じていなく、率直に信じることができないでいた。それは紅も同じである。
「信じておらぬな?まぁよい。昔の主の名はシンドバッド。かつて七海の覇王と呼ばれた男だ。シンはその生まれ変わりなのだよ。もっともまだ目覚めてはおらぬようだがな」
シンはそういうオカルトな話は信じていないのだが頭のなかではかなり混乱していた。見たこともないような記憶が鮮明に見えるのだから
「そしてこれが昔の主の武器だ。これに我が力が宿っている。使いたいときに使うがよい」
そういってシンの目の前にシンドバッドが使っていたバアルが宿った大剣を差し出す。
「これは」
シンがその武器を手にしたときまばゆい光が辺りを照らす。紅も目を手で隠し光をさえぎる。光がおさまるとシンは剣を手にして目を閉じていた。
「そうか、これはシンドバッドの記憶なのか。だけどなんで今の時代に迷宮が」
「それは我にもわからん。だが、よくないことが起ころうとしているのかもしれん。十分に気をつけることだな」
紅はシンのもとに行く。
「シン君大丈夫?」
「あぁ、紅さんにもこれについて後で説明しなきゃいけないな」
紅はこれについて知っているのかと驚きの表情である。紅からするとこの意味不明な出来事の数々はまったく理解できていなかった。シンとバアルのやりとりに完全に置いていかれており、何もしゃへることができなかった。
「そろそろ時間だ。我が主よ。他の者たちも待っておる。主が戻ってくるのを。では去らばだ」
また辺りがまばゆく光り、視界が完全になくなった。二人が目を覚ますとそこはあの橋の下であった。辺りには財宝が袋に詰め込まれており、それが何個もあったのだ。それをどうやって持ち帰ろうかと悩んでいるとき、二人の前にある人物が姿を現したのであった。
次回もお楽しみに