バスコといっしょに外見至上主義   作:マリシャス

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第二話 転校初日は悪運強く二枚の弾幕

 

 四宮真琴は転校生である。

 

 ファッション課であり、そのクラスにはもう一人話題の転校生が居たため真琴の存在感は若干薄かった。

 

 その注目の転校生は蛍介といい、喧嘩も強くハンサム、そしてイジメられっ子を気遣う優しさを持っていた。

 男性からは一部を除き敵対しないよう注意を向けられながら密やかな嫉妬心を育て、女生徒からは純粋に異性としての人気を集めていた。

 

「あいつやべぇよ。あのコーデ、百万越えてるって」

 

「あのスペックの高さで金持ちとかって、神様ざけてる」

 

「ああ。目の前に神様居たら顔面ぼっこぼこにしたるよ」

 

 蛍介の一週間後に転校してきた真琴は注目はあまりされなかった。

 

 転校生なら必ず誰かが話しかける。それは好奇心だったり調査だったり牽制だったりと、人間も生物の群である以上は習性からの行動である。

 真琴という人間は()として見た場合は身長百六十五cmと小柄で中学生くらいに見える美少年(・・・)である。よく見れば、だが。パッと見た印象では根暗な少年に見えてしまうあたり、真琴の性格がにじみ出てしまっていると言える。

 

 性格を除いて真琴を見れば、多少身長が低めだが、それでも女子生徒に囲まれ、男子生徒からは嫉妬を買うだけのスペックはある。

 

 

「四宮?」

 

「四宮って、四宮?」

 

「あ、似てる? かも?」

 

「綺麗ぇ」

 

美男(ビーメン)だぁ」

 

 

 周囲の人間からするとそんな判断に困る転校生の真琴は一瞬で治外法権となった。

 

 それは誰よりも先に四宮紅輝が机の前に立ったためである。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

 見つめ合う四宮紅輝と四宮真琴。

 端から見ると数秒の無言の後、こくりと頷きあう。

 

 

(何か困ったら言え)

 

(お兄ちゃん、ありがと)

 

 

 二人は従兄妹である。

 そして、雰囲気、顔立ちから、周囲も理解する。というよりも解らなければ頭の心配をされるレベルである。

 

 

(絶対親戚じゃん)

 

 

 と。そして

 

 

(四宮と同じで喋らないのね)

 

 

 という認識が広がる。

 

 

「さて、授業を始める。全員席につけぇ~」

 

 

 真琴は昨日からずっと、初めての恋に浮かれていた。ほかの生徒との交流など頭に浮かばないほどに。

 

 真琴という人間は、とある点において従兄妹の四宮紅輝に性格のそれも癖の強い部分が非常に似ていた。

 

 

(ああ……バスコ……バスコ……バスコ……あぁあ)

 

 

 

 

 ブルッ

 

 

 

 

「どうした、バスコ」

 

「……悪寒が」

 

「上着着ろよ。今日寒いだろ」

 

「……」ほろり

 

「泣くなよ!?」

 

 四宮真琴の七転八倒七転八起でトリプルループにアクセルからの四回転ジャンプ失敗な学校生活がこうして始まったのであった。

 

 

 

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