宇宙
とある天才中学生の少年は言った
『何の装備もなく宇宙に出れば、真空の宇宙空間と、無茶苦茶な温度で生きていられない!!!』
空気も水もなく温度も無茶苦茶なこの空間で生物が生きることは出来ないにも関わらず
数人の男女は平然と佇み地球を見下ろしていた…
男女の服装はそれぞれ異なっており、何れもそれぞれの個性を表現したようなものだった
彼らは地球で起こっている一連の闘いを見て会話を弾ませていた
「なぁ、知ってるか?闇マナユイ復活に貢献した挙句、ザンギャをパワーアップさせた間抜けなヤツが居るってよぉ。」
「うわ、何それダッサ~い!」
「名字も堕神とか言ってたどすな。」
「それ、駄目な神、略して駄神の間違いですわね?」
「ギャハハハハ!言えてる言えてる!」
「冥瑠助けて~、だって!もう笑っちゃうわよ!」
「うわ、声真似そっくり~!」
「アハハハハハハハハハハ!!!」
謎の人物達は、高らかに笑っていた・・・
宇宙空間で平然と会話できる常識外れの連中・・・正体は知っているであろうが・・・
「それにしてもザンギャ・ゴクアーグンか・・・あの女狐が中々な力を手に入れるとはな・・・」
(ククク どうやって奪ってやろうかな~)
男性は心の中で密かに悪意を漂わせていた
闇マナユイとはそもそも何なのか
マクーティアスプリキュアの一人、切裂冥瑠曰く
当時世界には組織なんてものは存在すらしていなかった。
真名呼は数多の男女を集め戦士としての力を授け、教育し時には自らが鍛錬の師となった・・・そして月日は流れ、通称マナ・ユイ、フルネームはマナリス・ユーグリッド・イージスがこの世に生を受けた。
あたし達は交代交代で彼女の世話をし、教育の師となって日々を過ごしていた・・・そしてある時、マナリスにとある人格が芽生えた という
それこそが邪悪な性格 謂わば闇のマナリス 彼女はただ勉強するだけでは飽き足らず、時折実技訓練を周りのプリキュアや戦士達に要求し、彼女達と戦った・・・死にはしないものの怪我人が続出し、民は真名呼やアタシ達に救いを求めてきた・・・
あたし達はマナリスの闇の人格を倒そうと考えた。しかし当時既に彼女はあたし達の個々の実力を軽く凌駕していた・・・普通に戦っても、勝つ見込みは薄い。」
そこであたし達は真名呼が開発した古の古文書に、マナリスの闇の人格を封じた・・・そしてそれを5つの小さな本に分け、それぞれが管理する事にしたの
兵堂院真名呼、月黄泉魅影、垂水音射子、九頭竜雅姫、切裂冥瑠達5人は話し合った末、3つの組織を立ち上げる事に決めた・・・真名呼はマナリスを保護するための組織、オーダーオブプリキュア
魅影はマナリスを表向き監視するための組織としてダークハンタープリキュアを立ち上げ、自分が頭首となり音射子を副官に添えた。
雅姫はマナリスを補佐し、世界を守護するための組織としてマクーティアスプリキュアを立ち上げ、冥瑠はその副官に任ぜられたという
時が経ち邪竜神輝魅/キュアテリダックスが生を受け、マクーティアスに所属し『キュアマナユイの妹』と呼ばれる程(血の繋がりなどはない)の働きをしていたが、何らかの理由で反逆を企て冥瑠の妹である斬裂結理花の命を盾に副官である冥瑠を殺害して雅姫をも殺し(実際は裏切りの際にテリダックスから処刑するように命じられた結理花/クリカと光峰転歌/スピナーの慈悲により処刑は免れるも、遥か南方にある火山島に幽閉されていた)首領の地位を手に入れた
その後輝魅は初代ジュラシックハートプリキュアとの戦いで追い詰められ封印されるが紆余曲折を得て復活し、闇マナリスが封印された古の古文書を手に入れる為部下を集め力を蓄え続け暗躍した(この時テリダックスによって力を与えられた者は『純黒の闇別』を用いてその者が死した時与えられた能力と肉体、そして魂魄をテリダックスに吸収されてしまう呪いにかけられた)
撃鉄爆羽/キュアエクスプロード曰く「あたし達には幸せになる資格なんてないのよ…」虐島殺璃/キュアオーヴァーキラー曰く「オレ達はマクーティアスだ。マクーティアスは幸せになっちゃいけねぇのさ」ということだ…
その話を聞いた理世は自分がマクーティアスのメンバーをテリダックスの呪いから解放すると宣言するが…切裂冥瑠はプリキュア史上最強にして現存する大魔女、魔堂院魔導歌/キュアウィザードリィを呼び戦死したマクーティアスのメンバーを蘇らせ、復活させた子達と今迄に復活した子達全てに『テリダックスによる純黒の闇別の効果を完全無効化する』魔法をかけた
そして古文書の最後の一欠を奪うべく、鬼薔薇斬刃/キュアザクタン、伊達影刃/キュアレイヴン、松永ほむら/キュアウィドー、無理矢理従わされてる今川流奈/キュアストリームが理世の元に現れ、理世は撃退しようとするが斬刃の卑劣な策略により身動き取れず拘束されてしまう…
音射子曰く「ヴィラカナイツプリキュアは元々はダークハンタープリキュアの一員だった6人が脱退した後に名乗ったチーム名です」
音射子やエミリー・エシャロットが語るには
そしてこの5人を纏め上げるのが、
理世をして「今迄に戦ってきたどの連中よりも性格がイカレてる」と言わしめ
エミリー曰く斬刃は「ヴィラカナイツどころか、ダークハンターの中でも残虐さだけなら最強だ」
「そういうこった。この赤ん坊をオレ様の3刃バサミで斬り刻まれたくなけりゃ・・・おとなしくしやがれ。」
「ク・・・ソ・・・この卑怯者が!!」
「ハッハッハッ!!卑怯で結構。オレ様はこういう手段が一番得意なのさ。さぁてほむら、理世を捕縛しな!!」
クロスオーバー学園 会議室
「とここまでが今起こっている闘いの流れですが」
会議室では一連の闘いの様子が映像として映されていた
「鬼薔薇斬刃…コイツマジで碌な死に方しないんだろうなぁ」
武田竜次という男は3枚の金色のコアメダルを見ながら呟く
「続けます」
そういうと引き続き映像が映し出される
理世を人質にとられた冥瑠は取引場所である聖夜桜の森にリーダー格のプリキュア達を同行させ、封印の古文書の最後の一欠けらを渡す代わりに理世を返してもらったが…
『クックックッ・・・遂に解けるぞ・・・マナ・ユイの邪なる人格・・・『闇マナユイ』の封印が・・・!!さぁ、封印の古文書よ・・・今こそ、再び1つとなれ!!!』
テリダックスの手から離れた封印の古文書の欠片が、1ヶ所に集まっていく。
『ここにたどり着くまでに幾千年・・・途方もなく長い時間であった・・・だが、その苦労ももう終わる・・・さぁ、封印の古文書よ・・・マナ・ユイの闇人格を解放せよ!!!』
封印の古文書が開くと、中から巨大な煙が現れた。
やがてそれは、人の形を形作っていく。
『輝魅よ・・・我を解き放ったご褒美だ、何でも願いを申せ・・・』
『ハッ・・・この世をマクーティアスの支配下に置くため、義姉上のお力を貸して頂きたく・・・』
『ホゥ・・・我の本体に呪いをかけておきながら、我の力を借りたいと申すか・・・相変わらず面白いヤツよ・・・良かろう。だが、我は封印から解放されたばかりで力が回復しておらぬ・・・そこでだ。我をそなたの体に取り込み、そなたを強化してやろう・・・これで、何人たりともそなたに敵う者はこの世に存在しなくなる・・・』
『クックックッ・・・残念だったな、プリキュア共よ・・・これで、妾は今迄よりも更に強くなる・・・これで、妾を止める事は・・・』
闇マナユイがテリダックスに取り込まれたその時
『はいは~い、お疲れ様でした~っ。』
ザンギャ・ゴクアーグンがテリダックスの背後から腹部を貫いたのだった
(コイツは・・・?)
ザンギャの狙いは闇マナユイの力を奪う事でありその為テリダックスに従順な素振りを見せつつその機会を伺い、そしてまんまと出し抜いてみせたのだ
『だから待ってたのよ。闇マナユイが誰かさんの体に取り込まれ、一瞬でも無防備になるその時を。アタクシの思惑通り動いてくれてお疲れ様~♪だからさぁ、テリダックス・・・イヤ、邪竜神輝魅・・・アンタ、もう・・・要らない。』
ザンギャはテリダックスの全てと闇マナユイを存在毎取り込み、ザラッキ達を仲間に引き入れるが影刃達は冥瑠側に付いた
『プリキュア・・・マクーティアストリーム!!!』
そしてザンギャは変身道具を取り出すとロックマンエグゼのフォルテとロールを組み合わせプリキュア要素を取り入れた姿に変身した
『アタクシの名は・・・混沌と無帰を支配せし破壊の超魔神・・・キュアブリュータリティ。』
(…ブリュータリティは残虐の英語…名は体を表すとは良く言ったものだね…)
ブリュータリティは、凄まじい速度で魔力を込め始める それと同時に理世が先頭に立ち少ない精神力を振り絞り
(皆を守らないと・・・!!)
巨大なバリアを展開すると同時にブリュータリティから魔力弾が放たれ森一帯を破壊する程の大爆発を引き起こした
『帰るわよ、あなた達。』
『ハッ!』
ブリュータリティは斬刃やシャクティ達部下と共に撤退した
(どうにか・・・護りきれた・・・)
体中がボロボロになりながらも被害を最小限に抑えたゴフォルドは安堵した
「理世!?オマエ、ここにいた全員を防御技で守ったのか!?何て無茶な事を・・・!!」
「だって・・・しょうがない・・・じゃん・・・私の・・・せいだから・・・私・・・しばらく戦線離脱するから・・・後は・・・よろし・・・く・・・(分身置いてく・・・私・・・一旦帰るよ・・・)」
変身が解けた理世は倒れてしまった
「理世!!しっかりしろ!!この野郎・・・無茶しやがって・・・」
デスフィラは無理をしたゴフォルドを怒号する
「理世さんは無事なんですか!?」
「いや大丈夫だろう・・・ただ・・・」
「あいつはどうしてるんだろうな・・・?」
会議室では映像を見終えた者達が騒めいている
海が星屑で敷き詰められたかのように輝きを放ち、砂浜もまた同様に輝いている・・・その場所では・・・
「クッ・・・」
「おやぁ?」
「ハアハア・・・この・・・」
「フォッフォッフォッ どうしたのかえお嬢ちゃんや?」
理世は謎の老人と対峙し、息を切らして膝をついていた
(この爺さん・・・色々と気になるけど・・・)
理世は老人の顔のある部分が気になっていたのだ 長く生やしたものに
(それは髭なの?それとも・・・・・・・・・・・・鼻毛!?)
『残虐なる死の依頼人』にして『混沌と無帰を支配せし破壊の超魔神』のザンギャ・ゴクアーグン/キュアブリュータリティ
だが彼女にも優しい時があった・・・そこで起こった悲劇とは?
そして自身の無力さを痛感し壁にぶち当たる理世の前に現れた謎の老人
果たして理世は「答え」を見つけることが出来るのか?
次回、第四(三十七)話「語られし過去と私のやりたい事」