インフィニット・ストラトス F   作:スカイマーク

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どうもスカイマークです。
この小説は書き溜めて元々完成していたものなんですが、突然一夏が学園に入学した冒頭(セシリア戦)からそのデータが消えていました。
マジショックです。
今後については後書きの方で書かせていただきます。
それでは本編どうぞ!


戦場での再会

 

 

アメリカ ハワイ

ミッドウェイの海でラビットハウスが錨を降ろし停まっていた。

ヘリで来たデルタナイトの三人とミミ、ミハエル、クロエは急いでいた。

デルタナイトの三人は控え室でパイロットスーツに着替えバルキリーが置いてあるハンガーへ、残りの三人は司令室で自分の持ち場についた。

風馬のバルキリーはオレンジカラーのラインを持つVF-25S。

空は赤のラインカラーを持つVF-25F。

前(発表会見)に二人は量産機で登場していたが本命はこのSとF。

もちろん翼は全身ブラックのVF-27 ルシファー。

空と風馬はバルキリーに通常パック(スーパーパック)を装備した。

それぞれ自分のバルキリーに乗り込みシステムを起動させエンジンを起こす。

そして異変がないかチェックし空へと上がった。

ラビットハウスから1キロ離れたところでミミから連絡が入った。

 

ミミ『よーし!そろそろジャンプしていいよ三人とも!』

 

ジャンプ

ジャンプクォーツを研究員と束とが研究し開発したテレポーテーションシステム。

バルキリーに搭載されているフォールドクォーツの代用ジャンプクォーツを使って行われる。

各バルキリー1機ずつシステムに搭載されている。

もちろんルシファーにも。

 

クロエ『今回ジャンプの操作は此方で行います。』

 

コックピットの横窓に映る立体モニターが起動し世界マップが表情され少しずつ中国の上海へと縮小されマッピングされる。

 

クロエ『ジャンプ先をセットしました。』

 

翼「了解した。ナイト1より各機へ、ジャンプ後直ぐ戦闘だ。ここで安全装置を解除しろ。」

 

空『了解、安全装置解除。』

 

風馬『同じく安全装置解除。』

 

三人は安全装置を解除しバルキリーがいつでも攻撃出来るようになった。

 

クロエ『ジャンプ開始まで3秒。3、2、1、ジャンプ開始。』

 

すると翼たち目の前に大きな青い渦が出現した。

まるでフォールドのようだ。

これがジャンプの入り口。

翼たちは吸い込まれるようにジャンプした。

 

 

 

 

 

 

 

 

あたしの目の前でISに乗っている先輩や隊員たちが次々とミサイルや機銃から出てくる弾丸で悲鳴を上げ黒焦げになって下に堕ちて行く。

「ISには絶対防御があるんでしょ!?なんでみんな死ぬのよ!?」とチャンネルで叫ぶ者もいた。

攻撃してもF-22に避けられ逆に攻撃される。

ISは戦闘機よりも機動性が高い、それに武装の数が多い。

けどベテランのパイロットならどうだろう?

機動性が高くなくても相手の攻撃を避ければ、武装が少なくても確実に狙えば話は別だろう。

あたしは必死に両肩に搭載されている衝撃砲で戦った。

しかし全て避けられる。

同時に四発のミサイルを放ちこっちに向かって来る。

甲龍にはフレアやチャフは付いてない。

回避し次の攻撃をと思ったその時。

航空要塞から大型ミサイルが発射された。

大型ミサイルは真上へ飛ぶ。

そして爆発した。

爆発は大きく狐色のようで赤色のような色で空を染める。

信じられない事が起きた。

航空要塞の撃墜に向かっていた隊員たちが「溶けて」しまった。

巨大な爆発を起こした大型ミサイルの熱によってISごと溶解してしまった。

その影響はあたしのところまで来た。

 

鈴「きゃっ!」

 

ふたつの衝撃砲が少しずつ溶けてゆく。

同時に甲龍のシステム回路がショートしスパークが飛び散る。

影響を受けたあたしは落ちていった。

ああ、これがあたしの最期なのね。

やっとあんたのところに行けるわ、一夏。

あたしは目を閉じ死を待った。

 

 

けどあたしは死ななかった。

誰かが優しく包むようにキャッチしてくれた。

それは大きな黒い手だった。

大きな黒い手の正体は黒い戦闘機だった。

 

 

 

 

上海にジャンプしたデルタナイトの三人が最初に見たのは空の色だった。

 

空『まだ現地時間じゃ昼前なはず、なんで夕方みたいに空の色が………』

 

何かが爆発した事には違いない、と翼は思い。

辺りを見渡す。

するとヴァラヒアの航空要塞を見つけた。

その上にミサイルか何か発射した雲の後があった。

 

風馬『どうやらあいつ(ヴァラヒアの航空要塞)が原因だな。』

 

翼「だとしたら周囲を高熱で溶かす反応弾みたいなミサイルを放ったな……ん?」

 

翼は視線が止まった。

視線の先には黒煙を上げる壊れかけたISを纏った少女が落ちている。

このままでは地面に激突する。

翼はフルスロットルで少女の方へと向かった。

少女に近づきバルキリーをガウォークに変形し左手で落下する少女を受け止めた。

翼は目を疑った。

助けた少女が幼馴染の凰 鈴音だったから。

目を閉じていた彼女は目を開けこっちを見る。

外見が変わっているがはっきり鈴だとわかる。

その時、コックピット中に警報アラートが鳴り響いた。

2機のF-22が此方に接近し機銃で襲い掛かってくる。

がしかし翼の後を追ってきた空と風馬がガンポッドで撃墜した。

二人はバトロイドに変形し周囲を警戒しながら翼に近寄る。

 

風馬『大丈夫か翼?』

 

翼「ああ、大丈夫だ。」

 

空『全く、いきなり飛び出したと思えば人助けか。』

 

風馬と空は翼が助けた相手が鈴だと気付かない。

するとまた警報アラートが鳴り響く。

敵も此方に気付きこっちらに向かって来た。

風馬と空はガンポッドで弾幕を張り近付けないようにする。

鈴を地上に降ろす暇がない翼はコックピットを開け鈴を乗せたルシファーの左手を近付ける。

 

翼『乗れ!』

 

スピーカーで声を掛け手を差し伸べてる。

鈴は返事も頷きもせずISを収納し翼の手を握って後ろの席へと入った。

コックピットを閉め再び翼は操縦桿を握り締める。

 

翼「ナイト2(空)、ナイト3(風馬)移動するぞ。後に付いて来い。」

 

空『了解。』

 

風馬『了解。』

 

ルシファーをファイターに変形させる。

 

翼「揺れるぞ。」

 

スロットルを上げる。

 

鈴「えっ?いまなんt……きゃぁぁぁ!」

 

ルシファーは急上した。

弾幕を張っていた空と風馬もファイターに変形し後を追うように飛翔した。

 

 

 

 

あたしはバルキリーの後席に乗っている。

落ちているところを助けられたのだ。

このバルキリーは「英雄の騎士」と呼ばれそれを操っているのが社長の翼・リーゼ・バーフォード。

つまり翼・リーゼ・バーフォードが操縦している。

SMSの最高責任者が自分の部隊を連れてやって来たのだ。

ヘルメットで見えないけど髪型と体型以外全て一夏に似ている。

けど今はそんな事考えていられない。

急上昇しているバルキリー。

あたしはGに耐え切れず悲鳴に近い声を上げてしまう。

10秒間ぐらいだったか。

急上昇を終えたのか機体が水平になった。

Gに解放されたあたしは息荒れていた。

すると翼・リーゼ・バーフォードはヘルメットを外し後席にいるあたしに話しかけてきた。

 

翼「大丈夫か?」

 

やっぱりあいつに似ている。

 

鈴「はぁ…はぁ…あたしを見て言える?……」

 

翼「大丈夫じゃない……か。」

 

当たり前よ!

初めて戦闘機(バルキリー)に乗って体験した事もないGに襲われたって言うのに。

次に彼は視線をコックピットの外に向け敵の様子を伺い始めた。

すると左右からバルキリーが下から現れた。

 

空『此方ナイト2、で?どうするの。』

 

風馬『此方ナイト3、敵さん此方の存在に気付き始めたぜ。全力で俺たちを排除する筈だぜ。』

 

この二人の声、似てる…

まさか…じゃあやっぱり……

 

 

 

 

 

 

敵の様子を伺っていた翼は空と風馬に命令を下した。

 

翼「見た所、25機のF-22は此方に接近してくるが航空要塞は上海を襲撃中………このままだと上海が堕ちるのも時間の問題だ。ナイト2、ナイト3、敵戦闘機を各個撃破しろ。俺は彼女を置いてから敵航空要塞に乗り込んで海に進路を変えさせる。いいな?」

 

空『了解!』

 

風馬『了解!』

 

翼「全機っ!プラネットダンス!」

 

翼の声と同時にVF-25F、VF-25Sがルシファーから離れヴァラヒアの戦闘機(F-22)を撃破しに向かった。

翼は前を向いたまま後席にいる鈴に言葉を話しかけた。

 

翼「今からお前を地上に降ろす。」

 

鈴「……いいえ、このままあんたとあの馬鹿でかい飛行船に乗り込むわ。」

 

鈴は拒否した。

 

翼「お前何を言っているかわかるのか。いくら何でもー…」

 

鈴「あたしは軍人よ。国民を守る、それが義務なのよ!昔あたしは誰一人守れなかった。けど今は…力がある、みんなを守れる!」

 

鈴は頭の中に一夏を思い浮かべた。

彼女の思いが伝わったのか、翼は考えるのをやめた。

 

翼「まぁいい。途中何を言っているのかわからなかったが軍人としての意志はよくわかった。だが航空要塞に乗り込むんだ。お前のISはボロボロ、どうやって戦うつもりだ。」

 

鈴は小さく笑った。

 

鈴「大丈夫よ、部分展開すればいい話よ。」

 

鈴の口調が変わった。

とても明るく嬉しそうだった。

まるで子供だ、と翼はそう思いため息を付き再びヘルメットを被りルシファーを操縦する。

そしてルシファーは敵航空要塞に彗星の如く向う。

それに気付いた敵航空要塞は対空機銃や対空ミサイルで近づけさせないように弾幕を張る。

だが翼にとって、ルシファーにとって弾幕は無意味。

全ての対空機銃、対空ミサイルをマイクロミサイルとライフルポッドで無効化した。

ルシファーはライフルポッドで敵航空要塞中央の上部に貫かない程度に一発穴を開け、入り口を作りガウォークで上部に着陸した。

 

翼「行くぞっ!」

 

鈴「ええ!」

 

翼はコックピットからルシファーの左手に乗り後席にいる鈴に手を差し出す。

鈴はその手を掴みコックピットを降りルシファーの左手に乗った。

猛烈な突風が鈴を襲いバランスを崩す。

翼は急いで鈴の腕を掴み突風で吹き飛ばされないよう右手で彼女を抱きしめる。

鈴も翼に抱きつく事しかできなかった。

ルシファーの左手はゆっくりと下がり敵航空要塞の装甲へ着いた。

翼は鈴を抱きしめたまま持ち上げライフルポッドで穴を開けた場所へと向かった。

 

翼「中に入るぞ!」

 

鈴「もーいいからはいってー!」

 

突風で目が開けられない鈴は大声で叫ぶ。

ISなら絶対防御で遮ってくれるが彼女は今ISを展開していない。

彼女にとって突風に煽られるのは初めての事だろう。

翼は穴の中へと飛び降りた。

 

 

 

「くそ!どこへ隠れやがった!探せ!見つけ次第殺せ!」

 

「「「はっ!」」」

 

廊下でファマスを構え赤いベレー帽を被り戦闘服を身に纏っている男は彼方此方で散らばっている部下たちに苛立った口調で命令を飛ばす。

探しているのは自分たちの航空要塞「スピリタス」に乗り込んで来た敵、即ち翼と鈴。

スピリタスに乗り込む事が出来た翼と鈴はある部屋に隠れている。

急いで入ったから真っ暗で何も見えなかった。

 

鈴「何でこんなに暗いのよ!」

 

小さな声で叫ぶ鈴。

 

翼「仕方ないだろ、元はと言えばお前が原因だ。」

 

冷静な声で鈴にそう言う翼。

 

翼(あんな事にならなかったらこんなに敵が素早く警戒態勢にはならなかったんだ。)

 

少し遡る事数分前。

穴から飛び降りた翼と鈴は着地した。

鈴は翼が抱えていたため何も怪我をしていない。

翼も同様、サイボーグの彼は何階から飛び降りたって平気である。

周りを見渡す翼。

どうやらここは廊下。

ライフルポッドのビームで周りは黒焦げ、遠くから警報音が鳴り響く。

ここは何階かわからない。

とりあえず右腕で抱きかかえていた鈴を解き。

ガンボックスからM4を展開する。

がしかし、それは鈴の怒鳴りで止められた。

 

鈴「何で飛び降りるのよ!普通ラペリングとかするでしょうが!」

 

翼「静かにしろ、敵の中だぞ。」

 

翼はパニック状態の鈴を小さな声で止める。

その時、遠くから奥から荒々しい足音が複数翼の聴覚が捕らえた。

鈴の大声で敵に気付かれた。

ガンボックスから即座にM4を二丁召喚し足音が聞こえる方へ連射した。

すると角の左からヴァラヒアの兵士たちが次々と現れる。

そして翼が放ったM4の銃弾が兵士たちの脳や心臓を開ける。

一方の鈴はいきなり翼がM4を取り出しそして発砲した事に驚き蹲る。

今度は反対側から敵が現れた。

左手に持つM4を反対側の敵兵に向け連射する。

 

翼「おい、いつまでそうしているんだ。お前も反撃しろ。」

 

鈴「だってあたしの武器全部剣だもん。」

 

鈴の言葉に心の中で大きくため息を吐く。

その間に二丁のM4は弾切れになった。

直ぐにM4を放り捨てガンボックスからグレネードを2個展開し素早く敵の方に投げる。

再び二丁のM4を展開する。

 

翼「移動するぞ。」

 

鈴「えっ⁉︎ちょっ待ってよ!?」

 

鈴は翼を追いかける形で共にブリッジに向かった。

しかし敵の対応が早く中々ブリッジにたどり着けず今に当たっている。

 

鈴「言い忘れてたけど、何であたしが原因なのよ!」

 

翼「お前がギャーギャー騒いだ所為で敵に見つかった。それが原因だ。」

 

本当なら敵に見つからないようにやりたかった。

 

鈴「そりゃああそこから飛び降りたら誰でもなるわよ!」

 

翼「……お前本当に軍人か。」

 

よくやっていけれたな、と翼は思いため息を吐く。

部屋が暗い中、翼は辺りを見渡す。

 

翼(まずは明かりが必要だな。)

 

此処の安全確保と此処がどんな部屋なのか、翼はガンボックスからライト付きのM4を展開しライトを点け電気を探し始めた。

 

鈴「ちょ…ちょっと、どこ行くのよ。」

 

さっきとは一変、鈴は弱々しい声で翼に訪ねた。

 

翼「電気を探してる。」

 

そう言っている間に扉の横壁に電気を点ける電源レバーを見つけた。

翼はレバーを掴み上に上げた。

暗かった部屋が一瞬で明るくなった。

コンピュータや実験用器具が沢山ある。

此処は実験や研究をする部屋だと翼は判断した。

すると奥にガラスで覆われた2つ円柱型のカプセルが視界に入った。

2つとも人間がひとり入れるサイズで中身は緑色の液が入っている。

だがその中に人影があった。

翼はカプセルに近づく。

そして人影の正体が明らかになった。

 

翼「なんだこれは………」

 

少年だった。

2つのカプセルの中に酸素マスクを付け目を閉じている二人の少年が緑色の液に漬けにされていた。

ひとりは黄色い髪をしておりもうひとりは茶髪だった。

とてもヴァラヒア兵とは思えない。

むしろ平凡に暮らしている民間人だ。

だが少年たちは人外骨格のようなものを装着していた。

まるで人造人間だ。

 

鈴「対IS兵器……サイボーグ……」

 

 

 

 





今後の事について話します。
小説は普通に続けるつもりです。
ですが半分データが消えている以上、ストーリーをもう一度見直し、組みあわさなければなりませんので時間がかかります。
なので投稿が遅れる事がありますのでご理解申し上げます。
次回もお楽しみに!

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