コズミックプリキュア   作:k-suke

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第9話 「深海基地SOS (前編)」

 

 

 

遠藤平和科学研究所

 

 

 

 

リーフ「ねぇねぇ、前から気になってたけど、この外にある大きな水たまりってなんなの?」

 

 

ある日リーフがふとそんな事を尋ねた。

 

 

豪「水たまりって… ああ海のこと?」

 

ダイーダ「ウミ? 確かそれは傷口が化膿した時に出てくる液体の事よね」

 

 

そのダイーダのセリフに脱力しながらランが答えた。

 

 

ラン「それは膿。海っていうのは、この星の表面のほとんどの部分を覆ってる水の部分のこと。 ほら世界地図で青く塗られてるところがあるでしょ」

 

 

リーフ「へぇ〜、あれが全部水なんだ」

 

ダイーダ「そっちで生きてる生き物も多くいるんでしょうね」

 

 

遠藤「もちろんじゃ。なにせ海は地球の生命の母でもある。今の地球の生き物はみな元を正せば海の中で生まれたのじゃ」

 

 

 

リーフ「じゃあ、そこの生き物を助けに行くこともあるかもしれないね」

 

ダイーダ「ええ、どんなところにだって助けに行くわ」

 

 

力強くそう語った二人に、みなは頼もしさを感じていた。

 

 

遠藤「実に頼もしいのう。無論わしとてそのつもりじゃ、そのための研究も進めておるぞ」

 

 

そんな会話をしていると、マイナスエネルギー検知器がけたたましい音を立てた。

 

 

遠藤「むっ!! これは」

 

リーフ「またパーフェクトが!?」

 

 

豪「えっと、テレビテレビ」

 

 

慌ててテレビをつけると、そこでは臨時ニュースが流れていた。

 

 

 

『臨時ニュースです。東京湾沖の海底で海底資源を採掘している基地から先ほど巨大な怪物を撮影したとの連絡が入りました』

 

 

ラン「えっ、怪物…ってまさか!?」

 

遠藤「うむおそらく、いや間違いなく連中じゃろう」

 

 

 

『日本アカデミーは、海底に生息している未知の生物ではないかと判断し、直ちに調査団の派遣を決定しました』

 

 

そのニュースに遠藤博士は驚いた。

 

遠藤「いかん、何を考えとる!! のこのこ調査なんぞに行ったら、連中に殺されてしまうぞ!!」

 

 

そう叫ぶと慌てて、車のあるガレージへと走って行った。

 

ラン「待っておじいちゃん」

 

豪「俺逹も行くよ。姉ちゃん達も早く」

 

 

 

リーフ「うん!」

 

ダイーダ「ええ!」

 

 

 

 

 

 

東京湾

 

 

 

 

 

今まさに、潜水艦が調査団の科学者達を乗せ、海底基地へ向け出航しようとしていた。

 

 

そんな港の放送をしようと、レポーターの甲斐 節子が忙しく走り回っていた。

 

節子「もうすぐオンエアよ。カメラの準備はいい?」

 

 

そして港の警護に、河内警部が部下の警官を引き連れてきていた。

 

 

警官「しかし警部。我々が出張る必要があるんでしょうか? たかがこれしきのことで」

 

欠伸混じりにそう疑問を口にした部下を河内警部は一喝した。

 

河内「たるんどる!! いいか、たとえ無意味かも知れずとも、あらゆる任務に全力であたり、人々の安全を守る。それが警察官というものだ!!」

 

 

「なるほど、すばらしいですね」

 

 

河内「そう、人々のために献身的に尽くす警察官。たとえ報われずとも俺逹の働きはお天道様だけがご存知よ」

 

と、そこまで言ったところで、河内警部は今自分に話しかけてきたのが、女の子の声だと気がついた。

 

河内「ん? お前確か… まさか!?」

 

 

リーフ「ダイーダちゃん、先に行かないでよ〜」

 

遠藤「まったく年寄りのことをもう少し考えい」

 

 

そうやって駆け寄ってきた遠藤博士を見て、河内警部の目つきが変わった。

 

 

河内「遠藤!!」

 

遠藤「げっ!!」

 

豪「河内警部!!」

 

 

 

河内「ごらぁ!! 社会の敵がこんなところに何しに来た!?」

 

ものすごい剣幕でそう詰め寄った河内警部だったが、遠藤博士も負けじと言い放った。

 

 

遠藤「調査団の命を救いに来たんじゃ!!」

 

河内「なにぃ?」

 

 

 

ダイーダは空を見上げて先ほどの河内警部の言葉を噛み締めていた。

 

リーフ「どうしたの、ダイーダちゃん?」

 

ダイーダ「いえね、お天道様だけが知っている…か。 いいこと言うなぁ、あの人」

 

 

そんなリーフとダイーダを視界の隅に捉えた甲斐 節子は

 

節子「何あの子達? 顔はまあまあだけど、なんかトロそうね」

 

 

そんな感想を一人つぶやいていた。

 

 

 

 

 

 

河内「Dr.フライ?」

 

遠藤「そうじゃ、調査団の派遣など今すぐ中止させるのじゃ!!」

 

 

事情を説明した遠藤博士だったが、それを聞いた河内警部は大笑いした。

 

 

遠藤「何がおかしい!?」

 

 

そう詰め寄った遠藤博士の胸ぐらを掴んで、河内警部が低い声で言い放った。

 

河内「ふざけるなジジィ。下手な嘘を並び立てて何を企んどる?」

 

遠藤「この目を見ろ!! わしの言うことが信じられんというのか!!」

 

 

その腕を振りほどきながら、そう怒鳴った遠藤博士だったが一蹴された。

 

河内「犯罪者の言うことが信じられると思うのか!!」

 

遠藤「黙れ! 人聞きの悪いことを!! それこそ、お主のくだらん妄言じゃろうが!!」

 

 

 

そんな二人の言い争いにランはため息をついていた。

 

ラン「んもう。だんだん話がずれていってる」

 

 

 

そんな中、遠藤博士は潜水艦に乗り込もうとしている調査団の姿に気がついた。

 

 

遠藤「ん? あ、あれは」

 

河内警部を突き飛ばすと、調査団のところに声をかけながら駆け寄っていった。

 

 

遠藤「おーい!! 不破くん、瀬古くん、佐渡くん。わしじゃよ、大学で同じ研究室にいた遠藤じゃよ!!」

 

 

すると、調査団も遠藤博士に気づいたらしく声をかけてきた。

 

 

不破「お〜、遠藤くんじゃないか」

 

瀬古「いつも変な発明ばかりしていた遠藤くんか」

 

 

遠藤「な、何?」

 

 

佐渡「変なものばかり作るから研究室でみんなから仲間外れにされた遠藤くん、まだ生きとったのか」

 

 

遠藤「く、くぅ…おのれ…」

 

そのコメントに悔しそうに歯噛みした遠藤博士を、河内警部は大笑いしていた。

 

 

河内「はっはっはっ。随分立派な科学者だなジイさん」

 

 

豪「馬鹿にすんな!! じいちゃんはスゲェ科学者なんだぞ!! 世界平和のために頑張ってるんだ」

 

続く遠藤博士への侮辱に、いい加減頭にきた豪はそう怒鳴った。

 

 

河内「世界平和? また随分大きくでたな。一体何をしてるんだ?」

 

豪「聞いて驚くな!! じいちゃんは…モガ」

 

売り言葉に買言葉といった感じで話そうとした豪の口を慌ててランが塞いだ。

 

 

ラン「馬鹿、プリキュアのこと話しちゃうつもり? リーフさんやダイーダさんに迷惑がかかるじゃない」

 

その言葉に冷静になった豪は悔しそうに黙りこくってしまった。

 

 

河内「どうした坊主? 言えないほど恥ずかしい研究か?」

 

その小馬鹿にしたような言葉とともに、嘲笑の渦が一面に巻き起こった。

 

 

遠藤「ええい!! 引き上げじゃ!! もうこんなやつらなどどうなろうと知らん!!」

 

 

いい加減我慢の限界に達した遠藤博士はそう叫び引き返していった。

 

 

リーフ「あなた達、笑っている場合じゃないですよ!! 博士のいうことは本当です。 このままあんなところに行けばただでは済みませんよ」

 

リーフは最後の忠告と言うようにそう訴えた。が

 

 

 

不破「ご忠告感謝するよ」

 

瀬古「いい話のネタができた」

 

佐渡「危険な任務に行く前に気分が紛れたよ。ありがとう」

 

 

まるで真剣に取り合わず調査団は潜水艦に乗り込んだ。

 

 

リーフ「そんな…」

 

ダイーダ「はぁ、仕方がないわ。言うべきことは言ったわけだし、一旦引き上げましょ」

 

そうして止むを得ずリーフ達も引き上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

海底 Dr.フライ秘密研究所

 

 

 

 

 

節子『つい先ほど、日本アカデミー選りすぐりの調査団を乗せた潜水艦が出港し、海底基地へと調査に向かいました。 件の怪物の正体が明らかになるのも時間の問題と言えるでしょう』

 

 

その放送を見たDr.フライはゴーロに怒鳴りつけた。

 

Dr.フライ「あれほど見つからんようにしろと言ったではないか大バカ者が!!」

 

 

ゴーロ「けっ、メイジャーを連れていきゃ目立つのは仕方ねぇだろ!!」

 

そうふて腐れるように怒鳴ったゴーロを、ファルが馬鹿にするように言った。

 

 

ファル「ならば連れて行かなければ良かっただけだ。頭の回転の悪さは変わらんな」

 

 

ゴーロ「んだと、このやろう!!」

 

 

 

口論を始めたところに、パーフェクトのドスの効いた声が響いた。

 

 

パーフェクト「やめろ、仲間割れをしている場合ではない」

 

 

ゴーロ・ファル「「はっ」」

 

 

Dr.フライ「そうじゃ、この二人によく言ってやってくれ。わしの命令に従えとな」

 

 

尻馬に乗りそう言ったDr.フライだったが、それに釘をさすようにパーフェクトは告げた。

 

 

パーフェクト「Dr.フライ、貴様は作戦だけを考えていればいい。命令を下すのはこの次元皇帝パーフェクトだ」

 

 

その雰囲気に気圧されたDr.フライは、冷や汗をかきながらも、作戦を改めてゴーロに説明した。

 

 

Dr.フライ「良いかよく聞け、資源採掘用の穴から地底ミサイルを打ち込む。すると海底火山の噴火を誘発させられる。その巻き上がった火山灰で地上には何年も日が差さなくなる。おまけに大地震、大津波。地上は壊滅状態に陥る。まさに完璧な作戦というわけじゃ」

 

 

Dr.フライは得意そうに作戦の概要を説明した。

 

 

Dr.フライ「…なのに、あっさり見つかった上、何もせずにおめおめと戻ってきおって!!」

 

 

そう怒鳴ったDr.フライにゴーロは反論した。

 

 

ゴーロ「ふざけんな、何が完璧だ。その穴は基地の真下につながってんだぞ。どうやってミサイルを打ち込めってんだ!?」

 

 

Dr.フライ「それぐらいは自分で工夫せい!! 貴様の頭が飾り物でないと証明してみろ!!」

 

 

ゴーロ「ちっ!! わかったよ」

 

 

悔しそうに舌打ちをして、ゴーロは出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

海底資源採掘基地

 

 

 

 

ここ、深度3,000メートルにある海底資源採掘基地では、派遣された調査員達が、撮影された怪物の姿を見てしかめ面をしていた。

 

 

不破「ざっと全長40メートル。生物学的にどう考えてもこんな巨大な生物が深海に生息しているとは思えん」

 

瀬古「環境学見地から見ても同意見じゃな。 こんな巨大な生物が生息していれば、この海域にもっと影響が出たはずじゃ」

 

佐渡「わしの科学的見地からしても同意見じゃな」

 

 

そんなことを話し合っていると、突如基地が大きく揺れた。

 

 

不破「な、なんだ?」

 

基地作業員「で、出ました。例の怪物です!」

 

瀬古「何? そんな馬鹿な、そんな生物などいるはずが…」

 

 

しかし、そこには巨大な海蛇のような怪物が彼らをあざ笑うかのように存在しており、基地に体当たりを仕掛けていた。

 

 

そして、その海蛇怪物の口から、ミサイルを携えたゴーロと大量のマイナーが泳いできた。

 

ゴーロ「へっ」

 

ゴーロは、壁をパンチ一発でぶち破ると基地内部に力任せに侵入して行った。

 

 

「浸水だー!!」

 

「隔壁を閉めろー!!」

 

突然のことに基地作業員はパニックになりながらも、必死に浸水を防ぐべく尽力していた。

 

 

ゴーロ「けっ、身の程もわきまえずこんなところにのこのこ来るからだ」

 

そんな作業員達を馬鹿にしたように見ながら、ゴーロはマイナーにドリルミサイルを運ばせた。

 

 

そして資源採掘用のドリルを取り外し、代わりにドリルミサイルを設置させた。

 

 

ゴーロ「これでよし。あとはこの機械を起動させれば勝手にミサイルを地面の底に運んでくれる。人間どもが自分の作ったもので自滅するのは面白い」

 

 

司令室でマイナーの作業状況を確認しながら、ゴーロは一人下劣な笑いを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠藤平和科学研究所

 

 

 

 

 

節子『臨時ニュースを申し上げます。数分前、怪物が出たとの通信を最後に、海底基地からの連絡がぷっつりと途絶えてしまいました。調査団や現地作業員の安否が気遣われます』

 

 

その臨時ニュースを聞いて、豪とランの顔色が変わった。

 

ラン「怪物って、やっぱり!?」

 

豪「襲われたんだ。大変だよ!!」

 

 

しかし、遠藤博士はどこ吹く風というように、何かの製作に没頭していた。

 

 

遠藤「ほーれ見たことか、わしの言うことを聞かんからじゃ」

 

 

 

豪「そんなこと言ってる場合じゃないよ、助けに行かなきゃみんな溺れ死んじゃうよ!!」

 

ラン「おじいちゃん、世界の平和を守るんじゃないの?」

 

豪とランは必死にそう訴えたが

 

 

遠藤「知らん知らん。あやつら揃いも揃ってわしをコケにしおって。今更助けてやる義理などない」

 

 

遠藤博士は動こうとしなかった。

 

 

 

豪・ラン「「おじいちゃん!!」」

 

すると、豪達の肩に優しくリーフ達が手を置いた。

 

 

ダイーダ「二人とも、心配しなくて大丈夫よ」

 

リーフ「そんなこと言いながら、博士はさっきから何を作っているんですか?」

 

そんなダイーダとリーフの微笑みながらの質問に、遠藤博士がガチャガチャのカプセルのようなものを手に説明した。

 

遠藤「ふん、小型特殊酸素ボンベじゃ。これ一つで一般的なボンベの約100本分の圧縮酸素が詰まっとる。 十分な量もすでに完成しとる」

 

 

豪「じいちゃん…」

 

ラン「もう、素直じゃないんだから」

 

 

遠藤「やかましい!! とにかく三冠号を潜水艦モードで出撃じゃ」

 

 

リーフ・ダイーダ「「了解!!」」

 

 

遠藤博士の作った小型圧縮酸素ボンベカプセルを鞄いっぱいに詰め込み、豪達三人は三冠号に乗り込んだ。

 

 

ダイーダ「三冠号発進準備完了」

 

豪「よーし、発進!!」

 

そのかけ声と共に、崖の一部の岩肌が開き三冠号は発進した。

 

 

 

 

リーフ「三冠号、潜水艦モード起動」

 

 

ある程度進んだところでリーフは三冠号の第三のモード、潜水艦モードを起動させ、海中へと潜行させた。

 

 

ダイーダ「よし、動作良好。減圧をしながら最高速で海底基地へ向かうわよ」

 

ダイーダの指示通り、三冠号は既存のあらゆる潜水艦を上回るスピードで海底基地へと進路を向けた。

 

 

 

 

 

海底基地周辺

 

 

リーフ「見えた、あれが海底採掘基地だね」

 

ダイーダ「この近辺にメイジャーの反応はないけど、いつ襲ってくるかわからないわ。私達は小型艇で海底基地の救助に向かうから、リーフあなたは三冠号で近辺を見回って」

 

 

リーフ「オッケー!! 豪くんお願いね」

 

豪「もっちろん!!」

 

力強く頷くとダイーダと豪は三冠号に搭載されている小型艇に乗り込み、海底基地の壁にあいた穴から内部へと入っていった。

 

 

 

 

リーフ「よし突入成功。穴を塞ぐよ」

 

それを確認したリーフは、三冠号から弾を発射した。

 

その弾は以前の接着剤を元にした速乾性セメント弾であり、穴を一瞬で塞ぎ浸水を食い止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

海底基地内部

 

 

 

 

ダイーダ「突入は成功したけど、思ったより浸水はしていない… ここからは小型潜水艇じゃ無理ね。降りて走るわよ」

 

豪「うん。どっちに逃げ遅れた人達がいるかわかる? 早くしないとみんな溺れちゃうよ」

 

ダイーダ「もちろんよ、任せなさい。この基地の内部構造は前もってリーフが調べてあるし、集音器の感度を最大にあげて…と。 っ!! いけない!!」

 

 

小型艇から降りて海底基地内の物音を拾おうと、耳の集音器の感度をあげた瞬間、マイナーが向かってきている足音がダイーダには聞こえた。

 

 

そしてそれに気づいた瞬間、マイナーが二人に襲い掛かってきた。

 

ダイーダ「ええい、邪魔よ!! 時間がないんだから」

 

 

そう叫びつつマイナー達と戦いながらも、ダイーダは基地内の逃げ遅れた人の声を拾おうと集中していた。

 

 

ダイーダ「聞こえた!! 豪、負ぶさって」

 

そして、マイナー達を叩きのめし終わったのとほぼ同時に、逃げ遅れた人達の声をダイーダはキャッチした。

 

豪「うん。おっと、じいちゃんの作った酸素ボンベ忘れないようにしなきゃ」

 

そして圧縮酸素ボンベの詰まったカバンを持った豪を背負い、ダイーダは猛スピードで走り出した。

 

 

 

 

その頃、作業員や調査団はなんとか一室に逃げ込んだものの、その部屋にも浸水が始まっていた。

 

 

不破「水が!! 水が!!」

 

瀬古「くそ、水圧でドアが開かない!!」

 

佐渡「誰か助けてくれ!! このままじゃ溺れ死ぬ!!」

 

 

迫り来る水に、科学者としての恥も外聞もなく皆パニック状態であった。

 

 

その時、遠くで壁を力強く叩く音が響き、それがだんだんと近づいてきているのに気がついた。

 

 

作業員「な、なんだ? この音は?」

 

作業員「まさか、救助隊!?」

 

 

次の瞬間、壁をぶち破って両腕をレッドハンドに換装したダイーダが突入してきた。

 

 

ダイーダ「みなさんご無事ですか?」

 

豪「もう大丈夫だよ」

 

 

 

不破「おおっ、君達は!!」

 

瀬古「最近噂の!!」

 

ダイーダ達を見て、閉じ込められていた人々にも安堵の表情が浮かび、多少なりとも冷静さを取り戻したようだった。

 

 

だが、その光景は監視カメラを通し、ゴーロにも知るところとなっていた。

 

 

ゴーロ「へっ、来たかプリキュア。じゃあちょっとゲームを面白くしようか」

 

ニヤリと笑うとゴーロは指令室の機械を操作し、あちこちの隔壁を開き始めるとともに、外部ハッチをも開き、基地内に大量の海水を流し込んだ。

 

 

当然その光景は、周辺の探索を行っていた三冠号のダイーダからも確認できた。

 

リーフ「ダイーダちゃん、大変だよ!! 基地内に大量の海水が流れ込んだ!! すぐ避難して!!」

 

 

その叫びは、二人の通信機能を通じて、ダイーダに届いた。

 

 

ダイーダ「なんですって? 皆さん、また浸水してきます!! 急いで避難を!!」

 

そう叫ぶとともにダイーダは、レッドハンドの超パワーで壁を次々と破って避難ルートを作り、作業員達は全員大慌てでダイーダの後を追った。

 

 

 

一方、リーフは三冠号でなんとか基地内への浸水を食い止めようとしていた。

 

 

リーフ「なんとか、この出入り口のハッチを閉じられれば…」

 

 

何発か先ほど穴を塞いだ特殊セメント弾を発射したものの、水流に流されてしまい、ほとんど効果がなかった。

 

そうしていると、三冠号のレーダーが警戒反応を示した。

 

リーフ「これは!?」

 

 

次の瞬間、海蛇怪物が体当たりを仕掛け、三冠号は大きく揺れた。

 

 

リーフ「キャアアア!!」

 

 

なんとか体勢を立て直したものの、武装と呼べるものが搭載されていない三冠号では、体当たりを繰り返すだけで精一杯であった。

 

 

リーフ「くっ、海中じゃ水圧でハッチが開かない。外に出られないからまともに戦えない。まずいよこれは…」

 

しかし苦戦しつつも、リーフは投げ出すつもりはなかった。

 

 

リーフ「今こいつが海底基地に攻撃したらダイーダちゃんや豪くんだけじゃなくて、大勢の人が危険なことになる。それだけは絶対に避けないと…」

 

 

そう決意の表情で呟くとリーフは果敢に操縦桿を握り、三冠号で怪物の侵攻を防いでいた。

 

 

第9話 終

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