コズミックプリキュア   作:k-suke

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第22話 「揺れる世界 (後編)」

 

 

 

火口付近へと向かっていたリーフとダイーダも、近づくにつれて表情が険しくなっていった。

 

 

リーフ「やっぱり間違いないよ。振動が火口の方に向かってる。それもだんだん地上に近づきながら…」

 

地面に耳を当て、リーフは地中を移動しているものの音を聞きながらそう言った。

 

 

ダイーダ「地上に出てきてくれるなら却ってありがたいわね。火口に先回りして迎撃しましょう」

 

リーフ「うん」

 

 

そう頷くと二人は猛烈なスピードで火口へと走って行った。

 

 

 

 

 

 

銀傘山 火口

 

 

 

活火山でもあるこの銀傘山の火口では、連日の地震で噴煙が上がっており危険性が増していた。

 

そんな火口に地響きが起き、手足の生えた巨大なナマズといった怪物が地中から姿を現した。

 

ファル「さてと、この火山を噴火させるのはいいとして巻き込まれないようにしないとな」

 

 

そんなことを呟き、ナマズ型メイジャーに地震を起こさせようとしたその時だった。

 

 

ダイーダ「待ちなさい!!」

 

リーフ「地震を起こして、多くの人を傷つけようだなんて絶対許さないよ!!」

 

先回りしていたリーフとダイーダが凛とした声でそう言い放った。

 

 

 

 

ファル「貴様ら… 黙れ!! 許してもらうつもりもない!! 行け、メイジャー!!」

 

 

 

立ちはだかったリーフとダイーダにそう吐き捨てたファルは、ナマズ型メイジャーに指示した。

 

 

命令を受けてメイジャーは、雄叫びをあげると無理やり取り付けられたような機械の前足を何度も地面に叩きつけ、地震を発生させた。

 

 

ダイーダ「キャア!! っ!! しまった!!」

 

 

地震に足を取られてしまい、揺れとともに発生した地割れにダイーダは足を挟んでしまい身動きが取れなくなってしまった。

 

ダイーダ「く、くそ! これじゃ…」

 

 

 

そしてそんなナマズ型メイジャーは大ジャンプして、そんなダイーダを踏み潰した。

 

ダイーダ「ぐああっ!!」

 

しかもただ踏み潰すだけでなく、何度もスタンピングを繰り返しており、その度に地震が発生していた。

 

 

リーフ「ダイーダちゃん!! って、わっわっわっ!」

 

そのためリーフも揺れに足を取られてしまい、ダイーダを即座に助けに行けなかった。

 

 

 

 

リーフ「な、なんのこれしき!!」

 

それでもなんとか根性で大ジャンプして飛びかかったが

 

 

ファル「甘いぜ!!」

 

ナマズ型メイジャーの生やしているヒゲに弾かれてしまい、大きく吹き飛ばされた。

 

 

なんとか受身を取って着地したものの絶え間なく続く大きな揺れに、リーフも身動き取れなくなってしまった。

 

リーフ「ま、まずい。こんなに地震が続いたら麓の人達も危険だし、何より火山が噴火しかねない…」

 

 

 

 

 

 

銀傘山 麓

 

 

 

 

 

リーフの懸念通り、麓の町では今まで以上に大きな地震が発生したため、建物という建物が大きく軋み、パニックになりかけていた。

 

 

河内「みなさんお気をつけて。慌てずに避難してください!!」

 

京香「服を頭からかぶるなどしてください。頭上にはくれぐれも中止してください!!」

 

 

そんな中、河内警部と京香先生が必死に付近住民の避難を行っていた。

 

さすがというべきか、的確な指示を行ったため、なんとか大混乱になることだけは避けられていた。

 

 

河内「先生、病院内の患者は部下に最優先で避難させました。そろそろ我々も」

 

京香「ええ」

 

 

あらかたの避難が終わったことを確認すると、彼らもまた続けて避難していった。

 

 

 

 

 

 

 

銀傘山 火口

 

 

 

リーフ「なんとかあいつの動きを止めないと… チェンジハンド・タイプブルー!!」

 

リーフは両腕を稲妻模様の走った青い腕に換装し、電撃光線を発射しようとした。

 

 

 

リーフ「わっわっ。だ、だめだ。揺れで狙いが定まらない!! 下手したらダイーダちゃんに直撃しちゃう」

 

 

 

うかつに攻撃することができず躊躇していたリーフだったが、あることを思い出した。

 

 

リーフ「あっ、そうだ!! あれを使えば… 三冠号!!」

 

 

その呼びかけに応え、三冠号が飛来しあるものを投下した。

 

 

リーフ「遠藤博士の作った避難所、この中なら揺れずに済むはず。持ってきてよかった」

 

リーフはその免震避難所の中に入ると、狙いを定めて右手をかざした。

 

リーフ「よしこれなら… ダイーダちゃん行くよ、エレキ光線発射!!」

 

 

その電撃光線は一直線にナマズ型メイジャーに向かっていき直撃、感電させることで動きを一時的に止めた。

 

と同時に、機械の足もショートどこか配線がいかれたらしく動かなくなった。

 

 

ダイーダ「しめた!! チェンジハンド・タイプレッド!!」

 

 

一瞬動きが止まった隙に、ダイーダは両腕を一回り大きなゴツゴツした赤い腕に換装した。

 

 

ダイーダ「ここは危険だから、麓まで降りなさいね!!」

 

そう皮肉たっぷりに言うと、その腕の生み出す超怪力でナマズ型メイジャーを持ち上げ麓めがけて投げ飛ばした。

 

 

 

ファル「うおおおおっ!!」

 

ファルの悲鳴を聞きながら、ダイーダは地割れにパンチを叩き込み挟まっていた足を抜いた。

 

 

 

ダイーダ「よし、うまくいったわ。ここで戦うわけにいかなかったしね」

 

リーフ「うん、下手に爆発させちゃうと火山が噴火しかねないし」

 

 

ダイーダ「ええ。じゃあ、後始末いきましょうか」

 

リーフ「オッケー!!」

 

 

そして

 

 

リーフ・ダイーダ「「ゴー!!」」

 

その掛け声とともに、二人はジャンプしてトンボを切った。

 

 

 

 

 

 

 

投げ飛ばされたナマズ型メイジャーは山道を転がっていき、中腹あたりでなんとか止まったもののかなりダメージを受け、取り付けられた機械の足は折れてしまい、頭に乗っていたファルに至ってはボロボロになっていた。

 

ファル「くっそ、プリキュアどもめ。やってくれる…」

 

そんな愚痴を漏らしながらもなんとか立ち上がろうとすると、目の前にファルにとっては不快感を感じる暖かな光が差した。

 

 

 

 

次の瞬間、光に包まれた二人の少女がファルの前に舞い降りてきた。

 

一人はボリュームのある濃いピンクの髪に、赤を基調にしたドレスのようなものを着用していた。

 

 

今一人は、腰まで伸びた五本の金色のポニーテールに、純白を基調にしたフリルのついたドレスを着用していた。

 

 

 

そしてファルと怪物を険しい顔で睨むと二人は名乗りをあげた。

 

 

リリーフ「闇を吹き消す光の使者 キュア・リリーフ!!」

 

ダイダー「悪を蹴散らす光の使者 キュア・ダイダー!!」

 

 

リリーフ・ダイダー「「ピンチ一発、大逆転! コズミックプリキュア!!」」

 

 

 

 

 

ファル「黙れ!! まだ、こっちにも奥の手はあるんだよ!! やれ、メイジャー!!」

 

 

ファルの命令に、ナマズ型メイジャーは口元の髭を伸ばしてリリーフとダイダーを絡め取った。

 

リリーフ「えっ?」

 

ダイダー「何?」

 

 

戸惑う間も無く、ナマズ型メイジャーはその髭から電撃を流し込んできた。

 

 

リリーフ・ダイダー「「キャアアアア!!」」

 

ナマズ型メイジャーの電撃に悲鳴をあげたリリーフとダイダーを見て、ファルはニヤリと笑った。

 

 

ファル「お返しだ!! 投げ飛ばしてやれ!!」

 

 

その指示にナマズ型メイジャーは雄叫びを一つあげ、首を振り回すようにして口元の髭で絡め取った二人を力任せに振り回した。

 

 

リリーフ・ダイダー「「うわあああ!!」」

 

そしてそのままの勢いで、地面に思い切り叩きつけた。

 

 

 

つもりだったが

 

 

 

ダイダー「なんてね♪」

 

リリーフ「よっと」

 

二人はあっさりと受け身を取り着地した。

 

 

 

ファル「なぁ!?」

 

 

 

驚愕しているファルをよそに、二人は自分達を絡め取っていた髭を引きちぎった。

 

そしてその髭を掴んで逆にナマズ型メイジャーを高速で振り回し始めた。

 

 

リリーフ・ダイダー「「うおおおおお!!」」

 

 

散々に振り回され、目を回していたメイジャーをその勢いのままに近くで呆然としていたファルに向かって叩きつけた。

 

 

ファル「があっ… どういうことだ… なぜ…」

 

 

メイジャーの攻撃が通用しなかったことが理解できなかったファルは、ボロボロになりながら絞り出すようにそう言った。

 

 

ダイダー「あんな電撃、リーフのブルーハンドの方が強力よ。ダメージになんかなるもんですか」

 

リリーフ「いつもいつも生き物をいいように扱って、ちょっとした仕返しだよ」

 

 

 

そのセリフにファルは悔しそうに唇を噛んだ。

 

 

ダイダー「とどめよ、リーフ!!」

 

リリーフ「オッケー!!」

 

 

 

光のスティックを取り出したダイダーの呼びかけにリリーフは大きく振りかぶると虹色の玉を手に輝かせ始めた。

 

 

リリーフ「ダイーダちゃん!!」

 

 

そしてそのまま、その虹色の玉をダイダーに向けて亜音速で投げつけた。

 

 

ダイダー「ナイスボール!!」

 

 

ダイダーはそれを驚異的な視力で捉えると、光のスティックで打ち返した。

 

打ち返された虹色の玉はひとまわり大きくなり、ナマズ型メイジャーに直撃すると全体を包み込んだ。

 

 

リリーフ・ダイダー「「プリキュア・レインボー・ツインバスター!!」」

 

 

そう二人が叫ぶと、ナマズ型メイジャーを包み込んだ光は目も眩まんばかりに激しく輝き始めた。

 

 

 

リリーフ・ダイダー「「ゲームセット!!」」

 

 

そのかけ声とともに、ナマズ型メイジャーは一際大きな爆発を起こし、その後にはピクピクと跳ねるナマズがいただけだった。

 

 

リリーフ「ふう、やれやれだね」

 

ダイダー「この魚はすぐに川にでも放してあげましょう。でもその前に…」

 

 

 

 

 

 

 

ファル「く、くっそ…」

 

 

必殺技の直撃こそ免れたものの、今の大爆発に吹き飛ばされたファルは、両腕がおかしな方向に折れ曲がり、全身傷だらけの上あちこちから火花を吹いていた。

 

 

リリーフ「ファル!! もう逃げられないよ!!」

 

ダイダー「そのアンドロイドのボディごと拘束させてもらうわ」

 

そう言い放ったコズミックプリキュアだったが、次の瞬間ファルの頭上の空間に裂け目のようなものができ始めた。

 

 

リリーフ「え?」

 

ダイダー「何?」

 

 

驚いたのもつかの間、その裂け目から黒い靄のようなものがあふれだすと同時に、どす黒い光弾が発射された。

 

 

リリーフ「!!」

 

ダイダー「まずい!!」

 

危険を感じとっさにその光弾をかわした二人だったが、その判断は正しかった。

 

 

光弾は二人のはるか後方の地面に着弾し、先ほどの二人の必殺技を彷彿とさせるような大爆発を起こした。

 

 

 

 

リリーフ「な、なにあれ?」

 

ダイダー「とてつもない威力… まさか!!」

 

 

そうしているうちに、ファルの姿は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

銀傘山 麓 避難所

 

 

 

 

河内「やれやれ、とりあえずひと段落ついた。避難も無事完了したし、まずはよかった。しかし、事件があるたびにあの二人を見かけるような気がするな…」

 

 

どうにか落ち着いた中、河内警部はふとそんなことを考え始めていた。

 

 

 

一方

 

 

京香「あのリーフって子、もしかしてここしばらく頻発しているおかしな事件と関係があるのかしら? 一度話を聞いてみたいわね…」

 

 

京香先生もまた、避難した怪我人の手当をしながらそんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

三冠号で帰還しながら、リーフとダイーダも今後のことを考え始めていた。

 

 

ダイーダ「あの攻撃、ほぼ間違いなくパーフェクトだね。いよいよ本格的に攻撃を始めたみたいね…」

 

リーフ「うん、それにメイジャーもだんだん強くなってきてる。私達もパワーアップできないか、遠藤博士に相談してみようよ」

 

ダイーダ「そうね、それがいいわ」

 

 

 

 

 

第22話 終

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