コズミックプリキュア   作:k-suke

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第33話 「激闘!! 驚異の火の車 (前編)」

 

 

とある山奥

 

 

 

電車を乗り継ぎ、到着した山の中を豪と右京は歩いていた。

 

 

しかし道は舗装されているわけではない獣道であり、しかもそう呼ベそうなところもほとんどない文字通り道無き道といった有様であった。

 

道無き道を歩き続けることしばらく、サッカーで鍛えたこともあり同年代の中では体力に自信のあった豪だが、さすがにへとへとになっていた。

 

 

 

豪「あ、あとどのぐらいなの?」

 

息を切らせながらそう尋ねた豪に、まったく疲れた様子を見せずに右京が答えた。

 

右京「この先に大きな木があるんだ。それを曲がってしばらく歩くと沢があるから、それを上流に向かって行くと、小さな崖が…」

 

 

 

その言葉に豪はへたり込んでしまった。

 

豪「ちょっ、ちょっとタンマ。少し休ませてくれよ。でも右京、すごい体力だな」

 

 

汗ひとつ掻いていない右京に豪は感心するように言った。

 

 

右京「俺はずっと山の中で生活していたからね。これぐらいはなんてことないさ」

 

 

そんなことを話しながら笑いあっていると、突如として周辺の木々がざわめき始めた。

 

 

右京「!!」

 

ただならぬ気配に右京が顔をしかめた瞬間、ファルに率いられたマイナーが何体も出現し豪達に襲いかかってきた。

 

ファル「見つけたぞ。捕まえろ!!」

 

 

 

豪「こ、こいつら!!」

 

右京「逃げるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、左京から改めて村の場所を聞いたリーフとダイーダはライナージェットを急行させ、村の近くの山脈上空に到着していた。

 

 

 

ダイーダ「左京さんに聞いた限りだと、この山脈の中にあるらしいけど、上からだとわからないわね」

 

 

リーフ「なんとか豪くんを探してみるよ。チェンジハンド・タイプイエロー!!」

 

その掛け声とともに、リーフの両腕が小さなロケットが装備された黄色の腕に変わった。

 

 

リーフ「センサーアイ、発射!!」

 

そう叫ぶと、リーフは右腕を空にかざしセンサーアイを発射し、山中の探索を開始した。

 

 

そして数秒後

 

 

リーフ「いた!! 豪くん達だよ。マイナーに襲われてる!!」

 

ダイーダ「!! なんですって!! 急行するわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

突如マイナーに襲いかかられたものの、戦うすべのない豪達は必死に逃げ出したが、体力的に余裕のあった右京はなんとかマイナーをかわしつつも逃げ出せたものの、疲れ切っていた豪は走ることもまともにままならず捕らえられてしまった。

 

 

右京「豪くん!!」

 

 

ファル「小僧。このガキの命が惜しかったら宝玉を渡せ。そうすればこいつは解放してやる」

 

豪「俺はいい、早く行ってくれ!! お父さんの仇を取るんだろう!!」

 

 

そのファルの言葉と豪の叫びを聞いた右京は苦悩していた。

 

確かに自分が戻ってきた理由は父親の仇討ちである。

 

だが、だからと言って出来たばかりの友達を見捨てるような真似はできない。

 

 

 

しばらく悩んだのち、やむをえないとばかりにポケットから宝玉の入った袋を取り出した。

 

豪「右京!!」

 

右京「豪くん。やっぱり君を見捨てられない」

 

 

 

そんな右京の姿を見たファルは冷めた風に吐き捨てた。

 

ファル「友情劇か、くだらんものだな。まぁいい、宝玉さえ手に入ればな」

 

 

 

しかし次の瞬間、ファルは後頭部に膝蹴りをくらい地面に倒れ伏してしまった。

 

 

ファル「がはっ!!」

 

 

突然のことに戸惑っていると、間髪いれず蹴り飛ばされてしまいダメージをさらに食らった。

 

 

ファル「ぐっ、貴様ら!!」

 

 

顔をしかめつつようやく前を向くと、ファルはすべての事情を理解した。

 

 

 

リーフ「ファル!! 豪くんは返してもらうよ!!」

 

ダイーダ「豪、無茶しすぎよ!!」

 

 

豪「姉ちゃん、ごめん」

 

 

リーフ「ここは私達が引き受けるから」

 

ダイーダ「早く宝玉で火の車を停止させて!!」

 

 

その言葉に豪と右京は頷き、リーフとダイーダに後を任せて走り出した。

 

 

豪と右京が行ったのを確認すると、リーフとダイーダはそれを追いかけようとするマイナー達を片っ端から蹴散らしていった。

 

 

 

ファル「行かせるか!!」

 

後を追おうとしたファルだったが、その進路はリーフ達に妨害されてしまった。

 

 

リーフ「行かせないってば!!」

 

ダイーダ「あなたの相手は私達よ!!」

 

 

 

その状況にファルは歯ぎしりをすると黒いダイヤモンドのようなものを二つ取り出し周りに投げつけた。

 

 

すると、周りにあった木と岩がどす黒い稲光と共に、岩石の巨人の全身に蔦が絡み合っているというような合体メイジャーとなった。

 

 

リーフ「ええっ!!」

 

ダイーダ「くっ!! またこんなものを!!」

 

 

 

 

あっけにとられているリーフとダイーダに、合体メイジャーは雄叫びをあげると口から石飛礫の弾丸を雨あられと浴びせてきた。

 

リーフ「イタイ痛いイタタタ」

 

ダイーダ「くっ、やってくれる!!」

 

 

 

ファル「やれ、合体メイジャー!! プリキュアを片付けろ!!」

 

目の前の二人が一瞬ひるみ、突破口ができたことを確認すると、そう言い残しファルは豪達を追っていった。

 

 

リーフ「こら待ちなさ… うわっ!!」

 

そんなファルを追いかけようとしたリーフだったが、岩・木合体メイジャーが伸ばしてきた蔦に全身を絡め取られて持ち上げられてしまい、身動きが取れなくなってしまった。

 

リーフ「ぐああっ!! 動けない…」

 

 

 

ダイーダ「リーフ!!   チェンジハンド・タイプグリーン!!  超高熱プラズマ火炎発射!!」

 

 

リーフの危機に、ダイーダは両腕を噴射口のようなもののついた緑色の腕に換装すると、右手をかざし火炎を発射しリーフを絡め取っていた蔦を燃やし尽くした。

 

ダイーダ「リーフ、大丈夫?」

 

リーフ「ありがとう。でも、できればもうちょっと穏やかに助けてほしかったかな…」

 

 

さっきの火炎は当然のようにリーフにも浴びせられたため、服はもちろん全身が黒焦げになっていた。

 

 

ダイーダ「仕方なかったのよ。それより行くわよ!!」

 

リーフ「うん!! 早くしないといけないしね」

 

 

二人は頷きあうと大ジャンプしてトンボを切った。

 

 

リーフ・ダイーダ「「ゴー!!」」

 

 

その掛け声とともに二人の体は光に包まれ、着地した時には変身完了していた。

 

ショートカットだったリーフは、ボリュームのある濃いピンクの髪に変化し、着用している服も、ごく普通の服からフリルのついた赤を基調にしたドレスのようなものになっていた。

 

 

ダイーダのポニーテールは、一本から五本にまで増え、背中にかかるかかからないかだったそれも、腰まで伸びて金色になっていた。

 

そしてリーフ同様のデザインの純白を基調にしたフリルのついたドレスを着用していた。

 

 

 

 

 

リリーフ「闇を吹き消す光の使者 キュア・リリーフ!!」

 

ダイダー「悪を蹴散らす光の使者 キュア・ダイダー!!」

 

 

リリーフ・ダイダー「「ピンチ一発、大逆転! コズミックプリキュア!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

豪「く、くそ… パーフェクトのやつらめ。こっちはもうヘトヘトだってのに…」

 

まともな道路ではない山道を逃げ続けたこともあり、すでに疲れ切っていた豪は肩で息をしながらそう愚痴った。

 

 

しかし、後ろからはマイナーやファルが来るであろうことは想像がつくため、足を止めるわけにもいかず、必死に鞭打って前に進んでいた。

 

 

右京「豪くん。しっかりして」

 

 

こちらも豪よりはマシとはいえ、やはりかなり疲弊しており、走って逃げるということは難しそうだった。

 

 

 

そんな時、突如爆音が響き、しかも何かが向かってくるような音が聞こえた。

 

 

右京「何だ!? またあいつらか!?」

 

 

身構えた豪と右京だったが、次の瞬間、林の中を突っ切って一台の車が現れた。

 

 

ラン「豪!!」

 

京香「豪くん!!」

 

左京「右京!!」

 

遠藤「見つけたぞ!! 二人とも無事か!?」

 

 

 

右京「姉さん!?」

 

豪「じいちゃんにラン!? 京香先生まで、どうしてここに!?」

 

 

豪の疑問に、こっちのセリフとばかりにランは怒鳴りつけた。

 

ラン「何言ってんのよ!! ウチで落ち合おうって言ったのに勝手なことして!!」

 

遠藤「リーフ達から、お主達を見つけたと通信が入ってな。近辺を探しとったんじゃ。 それより二人とも乗れ、石板のところまで急ぐんじゃ」

 

 

左京「右京、あんたって子は!!」

 

右京「姉さんごめん。でも俺どうしても父さんの仇を…」

 

 

そんな右京を左京は力一杯抱きしめた。

 

左京「気持ちはわかるわ。でもあなたが死んだら、私は一人ぼっちになっちゃう。お願いだから無理しないで」

 

 

その言葉に右京は何も言えなくなってしまった。

 

 

遠藤「水を差すようで悪いが、話は後にしてくれ。石板のところまで道案内を頼む」

 

左京「わかりました!!」

 

 

 

 

そして山道を進み多少開けた河原に来ると、ふと京香先生が尋ねた。

 

京香「しかしすごいですねこの車。こんな山道を問題なく走破できたなんて」

 

遠藤「フォッフオッフォッ。これはこのわしが作り上げた、ボンドカーも真っ青な万能カーです。これぐらいは朝飯前ですぞ」

 

京香「そ、そうなんですか…(やっぱり変だわ。どこにそんなお金があるのかしら)」

 

 

遠藤「しかしかなり来たが、あとどのぐらいで石板のところにつけるかのう」

 

左京「あと少しです。この川を遡れば」

 

 

 

そんな話をした時、ランが空を指差して叫んだ。

 

 

ラン「!! ちょっと、アレアレ!!」

 

豪「あれは!!」

 

右京「火の車!!」

 

そこには黄金の龍を象った乗り物が悠々と飛行し、自分たちを獲物と見定めたように向かってきていた。

 

 

 

 

 

 

その上空の火の車の中ではDr.フライがゴーロに命令を下していた。

 

 

Dr.フライ「ガキどもめようやく見つけたぞ。宝玉が奪えなくとも、もろともに殺してしまえば問題ない。さぁやってしまえ!!」

 

ゴーロ「チッ、テメェ誰に口きいてやがる。あぁ?」

 

 

Dr.フライ「黙らんか!! 元はと言えば貴様が雑な仕事をしたからじゃ!! 責任を取れ責任を!!」

 

ゴーロ「くそっ!! わかったよ」

 

 

目に見えて不快そうに吐きすてると、ゴーロは渋々ながら火の車で爆撃を開始した。

 

 

 

 

 

ラン「キャアアア!!」

 

遠藤博士の車の周りでは絶え間なく爆発が起こり、爆煙が上がり轟音が鳴り響く中ランは耳を塞いで悲鳴をあげていた。

 

 

 

遠藤「ええい、なんのこれしき!! みんな姿勢を低くしとれよ」

 

 

遠藤博士は、車を必死に左右に切り返して爆撃を必死にかわしていたが、悔しそうに顔を歪めた。

 

 

遠藤「くぅっ。林の中に逃げ込めば蒸し焼きにされかねんから、川沿いを逃げ回るほかはない。こいつに搭載させとる障害物回避センサーのおかげでなんとかなっとるが、これだとジリ貧じゃぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、岩・木合体メイジャーと戦っていたコズミックプリキュアも苦戦を強いられていた。

 

 

 

リリーフ「ヤアァァ!!」

 

大ジャンプして飛びかかるも、岩・木合体メイジャーは突如として景色に溶け込むように姿を消してしまった。

 

 

リリーフ「また!! くそ、どこに」

 

 

耳のセンサーを最大にして周囲を警戒するも、全く気配らしきものが感じられず焦っていると、リリーフの足元の地面が突如として大きく隆起し、上空に吹き飛ばされてしまった。

 

 

ダイダー「リーフ!!」

 

そんなリリーフを助けるために大ジャンプしようとしたダイダーだったが、足に蔦が絡みついてジャンプの勢いを殺され、ひっくり返ってしまった。

 

ダイダー「く、まるで思うように動けない!!」

 

そう舌打ちをした瞬間、リリーフが上空から降ってきて地面に叩きつけられた。

 

 

リリーフ「イタタ。このメイジャー、この周りの土や木と同化できる能力を持ってるよ」

 

 

リリーフは地面に打ち付けたところをさすりながら、岩・木合体メイジャーの能力を分析していた。

 

 

ダイダー「つまり私達は、あのメイジャーの中で戦っているといったほうが正確なようね」

 

 

そんな分析をし合っていると、再度出現した岩・木合体メイジャーは岩石の塊である両腕をロケットパンチの要領で打ち出してきた。

 

 

リリーフ・ダイダー「「!!!」」

 

 

間一髪で直撃はかわしたものの、着弾による爆発の衝撃波は二人の予想を上回っており、大きく吹き飛ばされた。

 

 

ダイダー「がはっ… 参ったわね。 こんな山の中じゃあまり無茶に暴れられないし」

 

リリーフ「うん、山火事になったりしたら大変だよ。でもあまり時間を取られるわけにいかないよ、火の車が近づいてきてるのも見えたし。早く豪くん達を追いかけないと…」

 

 

こうしている間にも、豪達が襲われているかもしれない。

 

それを思うとリリーフは気が気でなかった。

 

 

ダイダー「こうなったら一気に決めるわよ。来なさい、ライナージェット!!」

 

そのダイダーの呼びかけに応え、空を切り裂いてライナージェットが飛来してきた。

 

 

岩・木合体メイジャーはそれに気がつくと、ライナージェットを撃ち落そうと石飛礫の弾丸を発射しようとした。

 

ダイダー「させないわ、チェンジハンド・タイプレッド!!」

 

ダイダーは両腕を一回り大きなゴツゴツした赤い腕に換装すると、力任せに合体メイジャーを投げ飛ばした。

 

 

さしもの合体メイジャーも、レッドハンドの怪力の前にひっくり返ってしまい、なかなか起き上がれないようだった。

 

 

それを確認すると、二人は大ジャンプしてライナージェットの両翼を肩に担ぐ格好で保持した。

 

 

すると、するとライナージェットの機首が開き、何かの発射口のようなものが現れた。

 

リリーフ「ライナージェット、カノンモードスタンバイ!!」

 

ダイダー「ターゲットロック!! プラスエネルギーチャージ!!」

 

 

 

リリーフとダイダーは、ライナージェットの照準を合体メイジャーを中心とした周辺一帯にセットし、自分達のプラスエネルギーをチャージしていった。

 

 

そして倒れていた合体メイジャーがなんとか動けるようになり、ジャンプ中の二人に岩石の両腕を発射しようと構えたのと、二人が発射トリガーを引いたのはほぼ同時だった。

 

 

 

リリーフ・ダイダー「「プリキュア・ウォークオフ・ブラスター!! ファイヤー!!!!」」

 

 

 

ライナージェットから放たれた光の奔流とでもいうかのような、眩しくそして温かいエネルギー波は、合体メイジャーはもちろん周辺を飲み込んで行った。

 

そしてその光が収まったときには、合体メイジャーは跡形もなく浄化されており、山林は何事もなかったかのような静寂を取り戻していた。

 

 

リリーフ「ふう。マイナスエネルギーだけを完全に浄化できるのは便利だね。被害を気にしなくていいから」

 

ダイダー「それはいいけど、チャージ効率をもう少しアップさせましょう。これじゃ緊急時に使うのが大変だわ」

 

 

 

何はともあれ、合体メイジャーを浄化させたリリーフとダイダーはライナージェットに乗り大急ぎで、豪達の後を追っていった。

 

 

 

 

 

 

豪「じいちゃん!! 今度は右!! 早く早くハンドル切って!!」

 

 

遠藤「がなりたてるな!! わかっとる!!」

 

 

身を守るものが何もない河原では逃げ回るほかはなく、必死に火の車からの爆撃をかわしていた遠藤博士だったが、ついに限界がきた。

 

車のすぐ横を爆撃されてしまい、その爆風に車が吹き飛ばされてしまった。

 

 

遠藤「どぅおおおお!!!」

 

ラン・京香「「キャアアア!!!」」

 

 

車内に悲鳴が響く中、車は横に転がっていき、ついには横倒しのまま止まってしまった。

 

 

 

遠藤「くそ、これ以上は無理じゃ!! みんな降りて走るんじゃ!!」

 

左京「幸いもう少しです。急ぎましょう!!」

 

 

横倒しになった車から、大慌てで全員降りて走り出したところに、火の車からの爆撃が降り注ぎ、直撃を受けた車が大爆発とともに炎上した。

 

 

その爆風に吹き飛ばされ、ひっくり返ってしまった遠藤博士は火の車を睨みつけて叫んだ。

 

遠藤「わしの車が!! おのれ、フライのやつめ!! 覚えとれ、請求書を送りつけてやるからな!!」

 

 

豪「それどころじゃないってば!! じいちゃん早く!!」

 

 

愚痴っていた遠藤博士を急かすと、一同は必死に駆け出した。

 

 

その光景を上空から見ていたDr.フライは目を見開いた。

 

Dr.フライ「ぬあっ、遠藤!? ちょうどよいわ、あいつをここで片付けてしまえばワシの研究に対抗できるものはいなくなる。まとめてやってしまえ!!」

 

 

ゴーロ「ったく、ウルセェ、な」

 

傲慢に命令をしてくるDr.フライにイライラしながらゴーロは火の車で爆撃を続けた。

 

 

 

執拗に爆撃を繰り返してくる火の車から必死になって逃げていた遠藤博士たちだったが、車でも逃げきれなかった爆撃を、走って逃げきれるはずもなくたちまちのうちに周囲を炎に囲まれてしまった。

 

 

ラン「アチチ! これじゃ逃げられないわよ!!」

 

右京「くそぅ、ここまで来て…」

 

悔しそうに歯ぎしりをしつつ、上空の火の車を右京は文字通り親の仇のように睨みつけると、火の車はトドメとばかりに龍を象ったその口から特大の火の玉を放たんとカッと口を開いた。

 

 

 

 

しかし火の玉を発射しようとした瞬間、何かが火の車に横から体当たりを食らわせた。

 

 

そのため、一瞬とはいえバランスが崩れ発射しようとした火の玉は狙いを外れ、川の中に着弾してしまった。

 

もっとも、その火の玉の威力で川の水は根こそぎ蒸発してしまい、一面にもうもうと水蒸気が立ち込めていたが。

 

 

 

そして次の瞬間には上空からガスが噴霧されて、たちまちのうちに遠藤博士たちを取り囲んでいた火と立ち込めていた高熱の水蒸気は消失した。

 

 

 

 

豪「ダイーダ姉ちゃん。サンキュー!!」

 

遠藤「グッドタイミングじゃ! 助かったぞい」

 

 

目の前の光景に上空に目を向けた豪と遠藤博士は、ライナージェットを操るリリーフとダイダーを見て、そう礼を言った。

 

 

ダイダー「お礼はいいわ。それより早く行って!!」

 

両腕をグリーンハンドに換装したダイダーは、ライナージェットを操りながら皆にそう促した。

 

 

リリーフ「あの火の車は私達が食い止めるから!!」

 

 

そう叫んだリリーフに、ランは思わず驚きの声をあげた。

 

 

ラン「大丈夫なの!? さっきやられたばっかりじゃない!!」

 

リリーフ「時間稼ぎぐらいならなんとかなるよ!! でも長くは持たないから急いで!!」

 

 

京香「わかったわ!! みんな急ぎましょう!!」

 

遠藤「うむ、ぐずぐずはできん。わしらは今やるべきことをやるんじゃ!!」

 

左京「あともう少しで石板があります。この川の源流です」

 

右京「絶対にあいつらに一泡吹かせてやる! 見てろよ!!」

 

 

 

リリーフの返事に、一同は時間を無駄にできないとばかりに走って行った。

 

 

それを見届けたリリーフとダイダーは、ライナージェットを操り火の車に向かっていった。

 

 

 

 

先ほどのプリキュアたちの会話は、火の車の中にも伝わってきておりDr.フライが歯ぎしりをしていた。

 

Dr.フライ「おのれ遠藤め! プリキュアどもとつるんでおったのか!! ぐわぁ〜っ、やれ、連中を殺してやるのじゃ!!」

 

 

ゴーロ「うるせえってんだ!! いちいち怒鳴るな、このくたばりぞこないが!!」

 

 

そう怒鳴りながら、ゴーロは火の車で、ライナージェットを操るコズミックプリキュアに攻撃を開始した。

 

 

 

 

第33話 終

 

 

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