コズミックプリキュア   作:k-suke

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第35話 「マルチハンド強奪作戦 (前編)」

 

 

 

 

 

 

海底 Dr.フライ秘密研究所

 

 

 

 

Dr.フライ「パーフェクト!! パーフェクトはどこにおる!?」

 

 

数日ぶりに、この海底の秘密研究所に帰還したDr.フライは開口一番そう叫んだ。

 

 

ゴーロ「なんだ、まだ生きてやがったのか。しぶとい奴だ」

 

ファル「それは当たり前だ。何しろ天才様だからな」

 

嘲笑うようなファルの言い方に、ゴーロもまた同調して嘲笑った。

 

 

ゴーロ「へっ、それもそうだ」

 

 

 

そんなファルとゴーロに対して、Dr.フライはイラついたように返した。

 

Dr.フライ「やかましいわ!! 貴様らなどに用はない! パーフェクトはどこにおる!!」

 

 

その言葉に、ファルとゴーロの顔色が変わった。

 

ゴーロ「テメェ、今なんとぬかした? あぁ?」

 

ファル「貴様ごときが偉大なる次元皇帝パーフェクト様を呼び捨てにするとはどういうつもりだ!」

 

 

Dr.フライ「だ、黙らんか!! どうしても聞きたいことがあるのじゃ!! 居場所を教えろ!!」

 

そう怒鳴りつけたDr.フライだったが、ファルに胸ぐらを掴みあげられてしまった。

 

ファル「でかい口をたたくな。貴様ごときに教えてやる義理はない、身の程をわきまえろ!!」

 

 

Dr.フライ「ぐ…」

 

首を締め上げられたDr.フライだったが、冷静になると違和感を覚えた。

 

Dr.フライ(やはりおかしい。こやつらの力で締め上げられているのに特に息苦しさも感じんとは…)

 

 

そんな中、黒い靄のようなものが立ち込めるとドスの効いた低い声が響いた。

 

パーフェクト「やめろファル」

 

ファル「はっ、パーフェクト様」

 

 

 

 

 

パーフェクトの静止に、ファルは一切の口答えをすることもなくDr.フライを解放した。

 

 

Dr.フライ「チィッ、おのれ…」

 

 

自分の抗議には耳を貸そうともしなかったくせに、パーフェクトの言葉はあっさり聞くファルを咳き込みながらも睨みつけていたDr.フライだったが、思い直すとパーフェクトに向かい合った。

 

 

Dr.フライ「貴様に聞きたいことがあるのじゃ」

 

パーフェクト「なんだDr.フライ」

 

 

Dr.フライ「わしの体のことじゃ。空飛ぶ火の車の墜落に巻き込まれ、土手っ腹を鉄パイプが貫通したにもかかわらず、死ぬどころか血も出なかった。おまけにその傷もすぐに治った。何か知っているなら答えろ!!」

 

 

凄まじい形相で迫ったDr.フライだったが、パーフェクトは冷ややかに答えた。

 

パーフェクト「貴様が知る必要はない。貴様はただこの世界を暗黒に染めるために次の作戦を考えていればいい」

 

 

 

Dr.フライ「そんな言葉で納得できるか!! 知っていることを答えろ!! さもなくば…」

 

そこまで言って、Dr.フライははたと気がついた。

 

 

パーフェクト「さもなくばなんだ?」

 

明らかに怒気を含んだ声にDr.フライは息がつまるような思いをし、冷や汗を吹き出しながら言葉を絞り出した。

 

 

Dr.フライ「い、いや。そ、そうじゃ。あの忌々しいコズミックプリキュアを始末するアイデアがあるのじゃ。奴らを始末できれば、知っていることを教えてもらえんかのう…」

 

 

必死に下手に出て、もみ手をしながらの言葉にパーフェクトも幾分か怒りが和らいだようだった。

 

パーフェクト「よかろう考えてやる。奴らを始末できればな」

 

 

そう言い残すと、黒い靄の姿をしたパーフェクトは消えていき、Dr.フライはホッと胸をなでおろしていた。

 

 

 

ゴーロ「けっ、くだらん見栄を張りやがって。本当に連中を始末できるのかよ」

 

 

見下したようなゴーロの言葉に、Dr.フライは躍起になって反論した。

 

 

Dr.フライ「わしをなめるな。奴らの戦力をダウンさせ、お前らをパワーアップさせるいい方法があるのじゃ」

 

 

ファル「ほう?」

 

 

Dr.フライ「奴らのボディはおそらく遠藤が作ったものじゃ。それにこの前アメリカで奴らの片割れを捕らえた時に、内部構造は一応スキャンしてある。それを使えば…」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、テレビ局内では今まさに特番のニュースが放送されんと慌ただしく動き回っていた。

 

 

 

「いやぁ、節子ちゃん。こないだアメリカで捕まったって聞いたときはどうなるかと思ったけど、よくこんなネタ仕入れてきたね」

 

「全くだ、これを公表したら世界中が大パニックになるぞ」

 

口々に褒め称えられる言葉を聞いて、甲斐 節子は得意の絶頂にいた。

 

 

節子「なーに、運が良かっただけですよ。一時はこっちもどうなるかと思いましたから(ふっ、なめんじゃないわよ。休日もクリスマスも返上した私の血の滲むような努力の賜物よ)」

 

 

 

 

 

 

先日のアメリカ占領騒ぎの後、節子はアメリカ全土を取材して周り、復興しつつあるアメリカの報道をしつつ、Drフライの情報を仕入れていたのだ。

 

 

15年前にDrフライが起こしたらしい研究中の事故。そのことをDrフライ本人から聞いていた節子はその情報を必死に探し、ついに大スクープという事実をつかむことに成功したのだ。

 

 

節子「私はジャーナリストとして世界にこの事実を報道する義務があるのよ。このことが世間に知れたら…」

 

 

グフグフと不気味に笑いながら、節子は近い将来の輝かしい栄光を夢想していた。

 

 

 

一方、会見場の外では万が一に備えて警察が重々しく警備に当たっていた。

 

 

河内「いいか、会見の内容が内容なだけに次元皇帝パーフェクトどもが襲ってくる可能性は十分ある。気を引き締めて警備に当たれ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 

パーフェクトの事件に遭遇する率が高いため現場をよく知っているだろうということで警備の総指揮を任された河内警部は、気合を込めて警備に当たっている警官に下知した。

 

 

 

 

 

 

 

 

遠藤平和科学研究所

 

 

 

ラン「おじいちゃん!! 早くこっち来てよ!!」

 

ランが遠藤博士の手を引きながら今のテレビの前に連れてきていた。

 

 

遠藤「一体なんじゃいきなり? 騒々しいのう」

 

年末の掃除をしている最中、いきなり地下の研究室から引っぱり出された遠藤博士は迷惑そうな顔をしていた。

 

豪「のんきなこと言ってる場合じゃないよ、じいちゃん」

 

 

リーフ「あ、博士。この番組みてください」

 

遠藤「ん? 緊急記者会見? しかも全世界同時放送? なんの記者会見じゃ」

 

 

ラン「Drフライの重大秘密ですって。もしかして何かわかったのかも」

 

 

必死の形相でそう告げたランだったが、遠藤博士は冷め切った様子だった。

 

遠藤「なんじゃ、くだらん」

 

 

豪「何言ってんだよ!! くだらないわけないじゃないかよ」

 

まるで興味を示さない遠藤博士に豪は怒鳴ったが、遠藤博士自身はどこ吹く風というようだった。

 

 

遠藤「だってそうじゃろうが。フライの事など、わざわざ聞く必要もないほどわしは知っておる。おまけにやつならこないだの火の車の墜落に巻き込まれておそらく… 今更な…」

 

 

少しばかり暗い顔になった遠藤博士をよそに、テレビの中では会見が始まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

節子『みなさん、今日は重大な事実を発表いたします。 ここ数ヶ月世界中でテロ活動を行っているDr.フライと名乗る人物のことについて、衝撃的な事実が判明いたしました』

 

 

節子は冷静かつ真面目な顔で会見を行いつつも、カメラのフラッシュに全身を焚かれる高揚感に満ち満ちていた。

 

 

節子(くっくっくっ、この発表で世界は蜂の巣を突いたみたいな大騒ぎになるわ。そうなれば私の名前も歴史に刻まれることに…)

 

 

そんな気持ちを顔に出さないよう必死にこらえつつ、節子は続けた。

 

 

節子『Dr.フライ、本名フライ=ストラクアウトですが、彼は20年前他人の研究を盗用した咎で学会を追放されました。しかしその後も研究を続けていたある日、実験に失敗して爆発事故を起こしました。そして現在に至るまで行方不明になっていたのですが…』

 

 

 

そこまで会見を行った途端、突如として会見場が大きく揺れたかと思うと突如として画面がブラックアウトした。

 

 

 

 

ラン「えっ? 何?」

 

テレビを見ていたラン達が驚いたのと居間のマイナスエネルギー検知器がけたたましく鳴り響いたのはほぼ同時だった。

 

 

ダイーダ「まさか!!」

 

 

 

次の瞬間、再び映ったテレビにはDr.フライがアップで出ていた。

 

 

遠藤「なっ!? フライ!? あやつめ、あの大爆発の中で生きておったのか!!」

 

ダイーダ「よくあの状況で脱出できたものね。しかもほとんど無傷みたいだし」

 

 

てっきり空飛ぶ火の車とともに死んだと思っていたDr.フライが生きていたことに一同が驚く中、Dr.フライは芝居掛かったように喋り始めた。

 

 

Dr.フライ『聞こえるかコズミックプリキュア。 この会見場にいる間抜けどもはわしらが預かった。 助けたければ板当城まで来るがいい。 ヒャッヒャッヒャッ』

 

 

 

その挑戦状とでもいうような言葉を最後に、再びテレビはブラックアウトした。

 

 

 

ダイーダ「あいつ性懲りも無く!!」

 

リーフ「ぐすぐすしてられないよ。すぐ行こう!!」

 

 

至急出撃しようとしたリーフとダイーダだったが、豪が慌てて引き止めた。

 

 

豪「待った待った。これ完全に罠だよ」

 

ラン「そうよ、きっと連中何か企んでるわ」

 

 

だが、リーフとダイーダは首をゆっくりと横に振った。

 

 

ダイーダ「それぐらいは私たちにもわかるわ。でもだからって放っておけない」

 

リーフ「こうしてる間にも、連れ去られた人達はきっと不安と恐怖でいっぱいなんだよ。そんな人を少しでも早く助けてあげたい」

 

 

その言葉に豪達は何も言えなくなってしまった。

 

 

遠藤「よし、コズミックプリキュア。至急さらわれた人々を救助に向かえ。ただし、十二分に注意するんじゃぞ」

 

 

リーフ・ダイーダ「「了解!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃会見場であったビルの一室は、蜘蛛のように六角形の目が三個ついた顔に、蜂のように黒と黄色のストライプの入った体の全長20メートルというサイズの合体メイジャーが吐き出した巨大なネットに入れられていた。

 

もちろん、節子をはじめとした会見場にいた人はそのまま閉じ込められており、危険を察し会見場に飛び込んだ河内警部もまた同様であった。

 

 

節子「私、突撃レポーターの甲斐節子です。先日のアメリカ騒ぎに引き続き再びパーフェクト達の手に捕らえられてしまいました。しかしこれはおそらく私が掴んできていた情報が都合の悪いものだということの証左なのでしょう。ジャーナリストの一人として私は必ずや…」

 

河内「あの嬢ちゃんもプロ根性というか職業病というかよくやるね〜」

 

パニックを起こしている人や恐怖に震えている人が大半で、撮るものも聞くものも全くと言っていいほどいない中一人レポートを行う節子を見て、河内警部は感心と呆れの入り混じったような声を漏らしていた。

 

 

河内「っと、こっちも負けてられんな。みんな必ず助かる希望を捨てるんじゃないぞ!!」

 

 

河内警部もまた、警察官として捕まっている人々を必死に励ましていた。

 

河内(やっててなんだが、この程度のことしかできん自分が情けない。結局頼みの綱はコズミックプリキュアか。警察官失格だな)

 

 

自分自身の無力さに半ば嫌気がしながらも、河内警部はできることを懸命に行っていた。

 

 

 

 

 

板当城跡

 

 

ここはとある平原にある古い城跡であるが、名所としての価値はほぼゼロに等しく訪れるものもほとんどいない。

 

 

だが、今現在この城の地下はDr.フライ達の秘密基地と化していた。

 

先ほどの蜘蛛・蜂合体メイジャーの能力で土蜘蛛や蜂が巣を作るように改造させたのである。

 

 

Dr.フライ「ようし、人質の確保はできた。あとは連中が来るのを待つだけじゃ。貴様らも準備はいいか?」

 

蜘蛛・蜂合体メイジャーが帰還したのを確認すると、Dr.フライはゴーロとファルに確認した。

 

 

ゴーロ「そりゃこっちのセリフだ。俺達の改造の方は本当に大丈夫なんだろうな?」

 

疑惑の目を向けてきたゴーロにDr.フライはカッとなって言い返した。

 

 

Dr.フライ「いい加減にしろ!! このわしの技術が信用できんのか!?」

 

ゴーロ「出来るわきゃねぇだろ!! 大体ただのパクリじゃねぇか!! プリキュアの腕を使えるようにしたってだけだろ!!」

 

ファル「そもそも、連中のものと同じかそれ以上のものを作ろうとなぜしない? おかげで手間がかかって仕方がないだろう」

 

 

不満ばかり口にするゴーロとファルにDr.フライはイライラしながら怒鳴った。

 

Dr.フライ「やかましい!! 説明はしたはずじゃ!! 連中の最大の武器を奪ってしまえば、プリキュアは弱くなりこちらは強くなる。そんな簡単なロジックもわからんのか!!」

 

 

実のところを言うと、Dr.フライもこんな手間のかかることはしたくはなかった。

 

しかし、先日のアメリカ占領の時に撮影していたダイーダのレントゲン写真からでは、マルチハンドの瞬間換装システムを解析するだけで手一杯であり、彼自身の技術ではマルチハンドそのものの製造も不可能だったからの措置である。

 

 

もちろん、そんな自分の無能さを認めるようなことはおくびにも出さず怒鳴りつけた。

 

 

Dr.フライ「ほれ、ブツブツ言っとらんと手筈通りにやるんじゃぞ」

 

 

ゴーロ「チッ、わかったよ」

 

不服そうな顔をしつつも、とりあえず作戦を遂行するべくゴーロとファルは所定の場所に向かおうとした。

 

 

Dr.フライ「あ、待て」

 

ファル「なんだ、まだ何かあるのか?」

 

 

Dr.フライ「ゆめゆめ忘れるでないぞ。プリキュア二人から二種類ずつ計四本。全てを奪い取るのじゃぞ」

 

 

 

 

ちょうどその頃、リーフとダイーダそれに豪を乗せた三冠号が板当城跡付近の上空に到着していた。

 

 

豪「あれがあいつらの言ってた板当城跡だよ。ここから見る限りただの石垣だけだけど…」

 

 

ダイーダ「たぶん地下に基地が広がってるんでしょう。私とリーフで潜入するから豪はこのまま上空で待機してて」

 

豪「わかった。人質を救助したらすぐ逃げられるようにだね」

 

 

ダイーダ「ふふっ、だいぶわかってきたじゃない」

 

豪「まぁ、長い事やってるからね」

 

 

微笑みながら褒めてきたダイーダに豪は少し得意になって返した。

 

 

ダイーダ「本当に立派よ。長い事やっててもなかなか出来ない子もいるんだから」

 

リーフ「ぶーっ、それ誰の事?」

 

ダイーダ「さぁ?」

 

 

豪「ははは…、それより頼むよ姉ちゃん達」

 

 

リーフ「うん!!」

 

ダイーダ「行くわよ!!」

 

 

力強い返事と共に、リーフとダイーダは三冠号から飛び降り板当城に向けて降下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

板当城

 

 

 

リーフ「ダイーダちゃん。あそこ」

 

ダイーダ「さらわれた人達ね。気絶はしてるみたいだけどとりあえず無事みたいだわ」

 

 

板当城跡の周囲にうまく着地し、連れ去られた人達を発見したリーフとダイーダだったが、見張りらしいものがいない事に首をかしげていた。

 

 

ダイーダ「おかしいわね、マイナーの一人や二人いても良さそうなものだけど」

 

リーフ「来いって言ってたから、見張る必要もないって事かな?」

 

 

そんな事を話していると、地面に蜘蛛の巣のような影が映った。

 

リーフ・ダイーダ「「!!」」

 

 

それに気づいた二人が即座に飛びのいたのと、巨大な蜘蛛の巣が降ってきたのはほぼ同時だった。

 

 

ダイーダ「くっ、やっぱり!」

 

リーフ「メイジャー!!」

 

 

 

上空に現れた蜘蛛・蜂合体メイジャーは蜘蛛の巣が命中しなかったと見るや、さらに続けて刺し箸ほどのサイズの針をマシンガンのように彼女達に目掛けて発射してきた。

 

 

リーフ「あいつが会見場の人をさらったんだね」

 

ダイーダ「ぐすぐすしてられない。行くわよ!!」

 

その針をなんとかかわすと、リーフとダイーダは頷き合い距離をとった。

 

 

リーフ・ダイーダ「「ゴー!!」」

 

 

 

ジャンプしてトンボを切ったその瞬間、二人の体は光に包まれ、着地した時には姿が大きく変わっていた。

 

 

ショートカットだったリーフは、ボリュームのある濃いピンクの髪に変化し、着用している服も、ごく普通の服からフリルのついた赤を基調にしたドレスのようなものになっていた。

 

 

 

ダイーダのポニーテールは、一本から五本にまで増え、背中にかかるかかからないかだったそれも、腰まで伸びて金色になっていた。

 

 

そしてリーフ同様のデザインの純白を基調にしたフリルのついたドレスを着用していた。

 

 

 

そして怪物をキッと睨むと二人は名乗りをあげた。

 

 

リリーフ「闇を吹き消す光の使者 キュア・リリーフ!!」

 

ダイダー「悪を蹴散らす光の使者 キュア・ダイダー!!」

 

 

リリーフ・ダイダー「「ピンチ一発、大逆転! コズミックプリキュア!!」」

 

 

 

 

リリーフ・ダイダー「「ハアアア!!」」

 

 

勢いよく飛びかかったコズミックプリキュアだったが、その途端蜘蛛・蜂合体メイジャーは、小さな蜂に分裂して二人の攻撃をかわした。

 

 

ダイダー「なっ!?」

 

驚くダイダーをよそに、無数の蜂に分裂した蜘蛛・蜂合体メイジャーはしばらく二人の周囲を飛び交ったかと思うと、どこへともなく飛んで行ってしまった。

 

 

ダイダー「えっ? 逃げた?」

 

リリーフ「と、とにかく今のうちにさらわれた人達を」

 

 

ダイダーは戸惑いつつもリリーフの意見に賛成し、さらわれた人達の元へと向かった。

 

 

 

リリーフ「大丈夫ですか? しっかりしてください!!」

 

ダイダー「もう安心ですよ。東の方に行ってください。救援が来ていますから」

 

 

「おおっ、ありがとう助かったよ」

 

「でも、何人かはあいつらに連れてかれて…」

 

 

リリーフ「えっ?」

 

リリーフがその言葉に反応したのと、悲鳴が聞こえたのはほぼ同時だった。

 

 

節子「キャー!! 助けてー!! こら離せー!!」

 

振り返ると、ファルが節子を捕まえて枯れ井戸らしきものに押し込もうとしているところであった。

 

 

リリーフ「!! やめなさい!!」

 

それを見るや否やリリーフは飛びかかっていったが、一瞬遅くファルは枯れ井戸の中に入ってしまった。

 

 

ダイダー「待ちなさい!! 深追いしちゃダメ!!」

 

しかし、ダイダーの懸念も虚しくリリーフも躊躇なくあとを追っていった。

 

 

やむなくダイダーもあとを追おうとしたが、すでにその入り口はふさがっていた。

 

ダイダー「まずい!! 分断された」

 

 

敵の狙いを察知したダイダーだったが、そこにゴーロの声が響いてきた。

 

ゴーロ「へっ、単純なやつだぜ」

 

 

その声に振り返ると、ゴーロが気絶した河内警部を肩に担いで立っていた。

 

 

ダイダー「河内警部!! あんたその人に何したの!?」

 

ゴーロ「ちょっと眠ってもらっただけだ。こないだ世話になったからな」

 

ダイダー「ゴーロ!!」

 

そのまま地面に開いた穴に飛び込んでいったゴーロを見て、ダイダーも後先考えずその穴に飛び込んでいった。

 

 

 

 

第35話 終

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