コズミックプリキュア   作:k-suke

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第49話 「大爆発!! 富士山麓 (後編)」

 

 

 

富士山頂

 

 

 

ファル「ふっ。以前にやった時よりはるかに大量のマイナスエネルギーが集まっている。デビルの塔が完成するのも時間の問題だ」

 

ゴーロ「そうなったら奴隷どもを供物に捧げて、暗黒世界とこの世界をつないでやる。そうすればパーフェクト様は真の次元皇帝となり、永遠にあらゆる次元を支配し続けられる。楽しみだぜ」

 

 

奴隷としてさらってきた人間達の放つマイナスエネルギーの量と質にファルとゴーロは満足そうに嗤っていた。

 

 

Dr.フライ「うむうむ。間もなく真の次元皇帝が誕生するというわけじゃな。わしも楽しみじゃて。  ぐえ!!」

 

Dr.フライもまた満足げに頷いていると、上空から何かが急降下してきて踏み潰された。

 

 

 

 

 

 

 

ゆう「質問する。わざわざ呼びつけるとは何の用だ」

 

自分を踏み潰したまま、淡々と質問をするゆうにDr.フライはわめき散らした。

 

 

Dr.フライ「いきなり何じゃその態度は!? まずは降りんか!!」

 

 

ゆう「拒否する。時間の無駄だ。このままでも要件は口にできるはずだ」

 

Dr.フライ「えぇい、ならばはっきり言っておく。この世界を暗黒に染める最終作戦を実行中じゃ。わしらのやることにいちいち反発するでないぞ!!」

 

 

歯ぎしりをしながらも釘を刺したつもりだったDr.フライだったが、当のゆうはくだらない話だと言わんばかりに立ち去っていった。

 

 

ゆう「時間の無駄だったな。貴様らのようなくたばりぞこないとガラクタが何をしようが関係ない。私の邪魔をくれぐれもするな。その足りないメモリーに記憶しておけ」

 

 

明らかに侮蔑を含んだそのセリフを残して。

 

 

 

ゴーロ「あのアマ!! ぶち壊してやろうか!!」

 

ファル「放っておけ。この世界が暗黒世界となればどうせあいつは用済みだ。コズミックプリキュアを抑え込む時間稼ぎになればそれでいい」

 

 

ゆうに対して怒り狂っていたゴーロを、ファルはそう言ってなだめていた。

 

もっとも当のファルもかなり恨みのこもった目をしていたが。

 

 

 

ファル「それに、コズミックプリキュアがこの辺に近づけば…」

 

ゴーロ「ああ、連中はバラバラだぜ。 ついでにあいつも吹っ飛んじまうかもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、到着した三冠号は、ステルス機能を駆使して富士山の付近を飛行していた。

 

リーフ「えーっと、まずいな。あのフジサンから妨害電波みたいなのが出ててセンサーがうまく働かない。ぼんやりとしか情報が収集できないよ」

 

三冠号の上に乗り、イエローハンドに換装して発射したセンサーアイで警備の手薄なところや人々が捕らわれたところを探っていたリーフだったが、うまく探査できない状況に顔をしかめていた。

 

ダイーダ「確かにね。三冠号のモニターも乱れてるわ」

 

河内「連中め。外界の情報を遮断することで捕まえた人達の不安をより一層煽ってるな」

 

 

苦々しそうに呟いた河内警部は、仕方ないとばかりに持ってきていた双眼鏡で周辺を見回していた。

 

 

河内「あの兵隊どもはぐるりと富士山を一周して警備してるな。このままこのジェット機で中に突っ込んでもすぐに取り囲まれるがオチだ。 近くの樹海に着陸してそこから歩いて侵入した方が良さそうだ」

 

河内警部の案にダイーダも賛成だった。

 

ダイーダ「それが一番良さそうですね。さすがです」

 

 

河内「ハハッなぁに。じゃあ行こうか」

 

リーフ「はい!!」

 

 

 

かくて、ステルス機能をオンにしたまま静かに樹海に降りた三冠号を、地上スレスレでホバリングさせたまま待機させ、三人は樹海を進んでいた。

 

 

河内「しかし、なんで着陸させないんだ?」

 

リーフ「一度着陸させちゃうとまた飛び上がるのに時間がかかるんです」

 

ダイーダ「幸いこの三冠号は垂直離着陸が可能ですので、こうしておけば捕まってる人達を救出した後すぐに飛び立てます」

 

 

 

実に合理的に物事を考えている二人に、河内警部は改めて感心していた。

 

河内「はあ〜考えるね〜。 っと、じゃまあ、あの兵隊どもの隙をついてうまく潜入しないとな」

 

ダイーダ「ええ、その秘密兵器もうまく使わないと…」

 

 

河内警部に背負ってもらっているカバンを見て、ダイーダは作戦を考え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜♪〜♫〜♪〜〜♪〜♫〜♪〜♫〜♫〜♪〜♪〜♪〜

 

 

 

すると樹海の中に似つかわしくないハープの冷たくも美しいメロディーが流れてきた。

 

 

河内「!! このメロディーは!!」

 

リーフ「四季ゆう!!」

 

ダイーダ「出てきなさい!!」

 

 

その呼びかけに応えるかのように、近くの樹の上から、ゆうが透けるような白い肌にプラチナブロンドの髪をなびかせて飛び降りてきた。

 

 

ダイーダ「…あくまで私達と戦うつもりなのね」

 

ゆう「肯定する。スリープ状態が解除されたばかりの今こそ決着をつけさせてもらう」

 

 

ゆうは、淡々としたそのセリフとともに、まるで感情を感じさせない赤と青のオッドアイでリーフとダイーダを見据えていた。

 

 

河内「本当にあいつがロボットなのか? どう見ても人間だがな」

 

 

話は聞いていたが、髪や目の色そして纏う雰囲気は人間離れしているものの、見た目はまごうことなき人間であるゆうに河内警部は改めて驚いていた。

 

 

リーフ「まぁ私達のボディもそうなんですけどね。それより刑事さん、あなたは先に行ってください。アンチマイナーガンは持ってますよね」

 

河内「あ、ああ。出てくるときに遠藤博士から渡された。しかし…」

 

ダイーダ「大丈夫です。すぐに私達も行きますから」

 

 

ダイーダの決意に満ちた言葉に、河内警部も力強く頷いた。

 

 

河内「よしわかった。先に行ってるぞ!!」

 

 

 

駆け出していった河内警部を見送ると、ゆうはリーフ達に尋ねてきた。

 

ゆう「質問する。これで憂慮なく戦えるか」

 

 

リーフ「ええ」

 

ダイーダ「いつでもいいわよ」

 

 

その言葉を最後に、三人はしばらく微動だにせずにらみ合っていた。

 

 

空気が張り詰めていく中、リーフとダイーダがトンボを切ったのとゆうが左手を親指・人差し指・中指の三本を立てて前に突き出したのは同時だった。

 

 

 

リーフ・ダイーダ「「ゴー!!」」

 

ゆう「チェインジ!!」

 

 

その二つの掛け声とともに、三人の少女達の姿は大きく変わっていた。

 

ショートカットだったリーフは、ボリュームのある濃いピンクの髪に変化し、着用している服も、ごく普通の服からフリルのついた赤を基調にしたドレスのようなものになっていた。

 

 

 

ダイーダのポニーテールは、一本から五本にまで増え、背中にかかるかかからないかだったそれも、腰まで伸びて金色になっていた。

 

 

そしてリーフ同様のデザインの純白を基調にしたフリルのついたドレスを着用していた。

 

 

 

ゆうの着ていた黒いスーツは、フリルのない落ち着いたデザインのロングスカートの黒一色のドレスに変わっており、同じく黒一色の肘まである手袋とブーツを着用していた。

 

 

 

 

リリーフ「闇を吹き消す光の使者 キュア・リリーフ!!」

 

ダイダー「悪を蹴散らす光の使者 キュア・ダイダー!!」

 

 

リリーフ・ダイダー「「ピンチ一発、大逆転! コズミックプリキュア!!」」

 

 

 

二人の名乗りに応えるように、デッドもまたデスサイズを手に宣告した。

 

 

デッド「破壊する。ターゲット、コズミックプリキュア」

 

 

 

 

 

 

 

デスサイズを手に突っ込んでいったデッドだったが、ダイダーは即座にマルチハンドを換装した。

 

 

 

ダイダー「チェンジハンド・タイプレッド!!  ダァアアア!!」

 

 

レッドハンドの怪力をもってしてもデッドの突進は止まらなかったが、ダイダーはデスサイズをなんとか奪い取って投げ捨てることには成功した。

 

 

ダイダー「ヤァアアア!!」

 

そして即座にデッドの土手っ腹にパンチを食らわせて殴り飛ばした。

 

 

 

しかし、吹っ飛んでいったように見えたデッドだったがさほどダメージを受けたようには見えず、倒れこんだりうずくまることもなかった。

 

 

ダイダー「くっ、当たる直前自分で後ろに飛んだ!?」

 

 

戸惑う間もなく、デッドは左手のワイヤー型ロケットパンチを射出しダイダーの首をつかんできた。

 

ダイダー「ぐっ!?」

 

 

そしてそのままワイヤーを巻き取ることでデッドはダイダーの方へと飛びかかっていった。

 

 

リリーフ「ダイーダちゃん!!」

 

危険を察知し飛びかかろうとしたリリーフも、デッドに行動を先読みされてしまい、右手のマシンガンを足元に打ち込まれて足が止まってしまった。

 

 

 

ダイダー「がふっ!! ゲフッ!! ゴフッ!!」

 

ダイダーの懐に飛び込んだデッドは、さっきのお返しとばかりに首をつかんだまま膝蹴りを何発も叩き込み、その度にダイダーはうめき声をあげた。

 

 

 

 

リリーフ「ダイーダちゃん!! チェンジハンド・タイプブルー!! エレキ光線発射!!」

 

ダイダーのピンチに、リリーフはブルーハンドに換装すると、なりふり構わず電撃光線を発射した。

 

 

電撃の直撃を浴びたデッドは感電し、一瞬動きが止まってしまったため、それを見計らってリリーフはデッドに飛びつき大きく投げ飛ばした。

 

リリーフ「大丈夫!?」

 

 

同じく電撃の直撃を浴びたダイダーだったが、コーティングを施しておいたことでダメージは少なくて済んでいた。

 

ダイダー「な、なんとかね。チェンジハンド・タイプグリーン!! 超低温冷凍ガス発射!!」

 

そして、両腕を噴射口のようなもののついた緑色の腕に換装すると、左手から真っ白い超低温の冷凍ガスがデッドに向けて噴射された。

 

 

電撃のショートと冷凍ガスの凍結というダブルパンチに完全に動きが止まってしまったデッドを見ると、リリーフとダイダーは頷き合った。

 

 

リリーフ「よし、これで時間は稼げるよ。今のうちに!!」

 

ダイダー「ええ!! 行きましょう。河内警部が秘密兵器を持って行ってくれてるわけだし急がないと」

 

 

 

動けなくなってしまったデッドを置いて、リリーフとダイダーは風のように走り出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河内「ようし。ここからならうまくいきそうだ。作戦通りにこいつを…」

 

マイナーの見張りの状態を調べた河内警部は、突入場所を見定めると背中のカバンを下ろして中を確認していた。

 

 

ダイダー「警部」

 

河内「おお来たか。ここならうまくいけそうだ」

 

リリーフ「さすがですね。じゃあ行くよダイーダちゃん」

 

追いついてきたダイダーとリリーフは頷き合うと、河内警部の持っていたカバンを手に、樹海から飛び出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい轟音とともに大爆発が起こった。

 

 

河内「うおっ!! 地雷かこれは!?」

 

 

目の前で突如起きた大爆発に河内警部は驚き、とっさに腕で顔をかばったが、それで正解であった。

 

 

今目の前にはかなりショッキングな光景が広がっていた。

 

 

大爆発により、機械の部品が辺り一面に飛び散っていたのである。

 

その部品の中には少女の顔らしきものまであった。

 

 

それはもちろん、リリーフとダイダーの顔である…

 

 

 

 

 

第49話 終

 

 

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