IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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これは本編が100話、アムドライバー編終了を記念して書いた閑話です。



幕間《EXTRA》
EXTRA-01 天災と兎の出会い


これは異世界から戻った直後ぐらいのお話。

 

「ん?俺と束さんの出会った時の話?」

 

「うん、前にEOSの訓練してた時に言ってたよね?」

 

「その話を詳しく」

 

メタな話をすれば56話で雪兎はそんな事を口にしており、その話を聞いて是非とも話を聞きたいというカロリナと気になってはいたが中々聞けずにいたシャルロットの二人が雪兎に訊ねる。

 

「そこまで面白い話って訳でも無いんだがなぁ・・・・仕方ない話してやるよ」

 

そう言いつつも雪兎は当時の事を語り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは雪兎が小学1年生の頃まで遡る。雪兎が一夏や箒と知り合ったのは入学式の事だ(ISの世界だと知ったのはその少し前)。当時から雪兎はメカオタクとして様々な物を作っていたのだが、その極めつけと言っていいのが後に弾が使う事になるアーマードギアのプロトタイプである作業補助外骨格(パワーローダー)だ。

 

「今日は良いシリンダーが見つかったな」

 

その日、雪兎はいつものようにスクラップ置き場から大小様々なまだ使えそうな部品を自作の搬送台車で持ち出し、ホクホク顔で家の裏にあるガレージを改造した自分の工房へと戻ってきた。だが、工房の主たる雪兎以外には姉である雪菜でも、少し前に工房を見せた一夏や箒でもない見知らぬ(正確には雪兎は知っているがあちらは知らない)人影があった。その姿は獣耳付の赤い頭巾を被り、淡い紫色の肩掛けという一人赤ずきんという格好の少女・当時中学生の篠ノ之束の後ろ姿だった。

 

「・・・・何でさ?」

 

それを見て雪兎は思わず某赤い弓兵の若かりし頃の彼と同じツッコミをしていた。そのツッコミを聞き、束が振り返りジト目で雪兎を睨みながら近付いてきた。

 

「・・・・これ、作ったのお前?」

 

そう束が言い指差したのは雪兎が組み上げていた作業補助外骨格(パワーローダー)だ。どうやら束はどうやって知ったかは不明だが、雪兎がそれを作っている事を知り興味を抱いたらしく、確かめに来たようだ。

 

「うん、それは僕のだけど・・・・」

 

「何でこの子のこの機構は◯◯式なの?」

 

「△△式だと細かい動作は出来るけど、こいつにはそんな細かい動作必要無いから」

 

「ふ~ん、ならこれは?」

 

その後も束の質問は続き、束の表情も険しいものからにこやかなものへと変化していった。

 

「フムフム・・・・成る程ね。流石は我が友・ユッキーの弟だよ!」

 

「ユッキー?もしかして雪菜姉さんの事?」

 

「Yes!今年たまたまクラスが同じになったんだけど、ユッキーは平々凡々の凡人共と違って私の夢に賛同してくれた同志だからね」

 

「(あ~、そういや春に新しい友達出来たとか言ってたっけ・・・・名前くらい確認しとくんだった)」

 

それがまさかの篠ノ之束と思ってもいなかった雪兎はこの場にいない姉にちゃんと確認しておけばよかったと後悔する。

 

「夢ですか?」

 

一応は原作を読んで知ってはいるが、その事を怪しまれないよう雪兎は上機嫌の束に訊ねる。

 

「うん!それはね・・・・この天才たる束さんの理解も及ばない星の海・宇宙に行く事なんだよ!」

 

そのキラッキラと目を輝かせて話す束を見て雪兎は面白そうだな、と思った。原作では多くの事に阻まれ宇宙に行く為に開発したISを兵器扱いされてテロリストのようになってしまった束が障害を乗り越え宇宙へと旅立つ事になったらどうなっていたのか。見てみたくなったのだ。

 

「うん?どしたの、ゆーくん?」

 

「ゆーくん?」

 

「うん、雪兎だからゆーくん。それで、どしたの?ものすっごく楽しそうな顔してるけど?」

 

「えっ?僕、そんな顔してます?」

 

「うん、新しい玩具貰った子供みたいな顔してるよ」

 

どうやら思っていた事が顔に出てしまったようだ。

 

「束さんも同じ顔してますよ?」

 

それは束も同じだった。

 

「ねぇ、ゆーくん」

 

「何でしょう、束さん?」

 

「君、私の弟子にならないかい?」

 

「えっ!?」

 

どうやら束は自身の夢に好意的で、人並み以上の機械知識を持つ雪兎を気に入ったらしい。

 

「だって、ゆーくんを凡人共の中に置いておくの勿体ないじゃん!だから、この天才たる束さんが色々教えてあげようと言うのだよ!」

 

「マジで!?」

 

雪兎が驚くのも無理はない。何せこのISの世界で最高峰とも言われる天才から直接教えを受けるチャンスが降って湧いてきたのだ。

 

「ぜ、是非御願いします!師匠!!」

 

「師匠・・・・うん、何か良い響きだね!これからよろしくね、ゆーくん」

 

こうして兎師弟は誕生した。そして、束に付いて篠ノ之神社を訪れた際に千冬や道場の師範だった篠ノ之柳韻(りゅういん)に目を付けられ一夏や箒達と道場に通う事にもなり、準束級の天災が誕生したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、まあこんな感じかな?」

 

そこまで話し終えると、用意していた珈琲を飲み一服する雪兎。

 

「その結果が今雪兎って事なんだ・・・・」

 

「だな。まさか俺自身がIS動かしてこの学園に入るとは思ってもみなかったがな」

 

本当にそれだけは雪兎の想定外の出来事だった。しかし、束は雪兎の設計した雪華を専用機として用意していたりと前もって知っていたようではあるが・・・・

 

「まあ、そのおかげでシャルと出会えたんだから文句はねぇけどな」

 

「ゆ、雪兎!?」

 

「・・・・ご馳走さまです」

 

そんな雪兎の言葉に顔を真っ赤にするシャルロットとやれやれと言わんばかりのカロリナ。そんな甘い空気を変えるべく、カロリナはずっと気になっていた事を雪兎に訊ねる。

 

「師匠は白騎士の搭乗者については知ってるの?」

 

「知らないな。白騎士に関しては俺もノータッチだったからな」

 

流石に弟子と言えど白騎士の正体に関しては束も雪兎には教えてくれなかったらしい。まあ、雪兎も雪兎なり白騎士の正体については察しているが、本人が隠しているようなので口にはしない。

 

「それに当時はISの基礎理論を覚えるので精一杯だったし」

 

「いや、普通は小1でISの基礎理論覚えるってだけで異常だから」

 

それを言えば中二でISを作り上げた束はもっと異常なのだが・・・・

 

「ちなみに姉さんが俺をゆーくんと呼ぶのも束さんがそう呼んでるのを知ってからな」

 

どうも束と雪菜は互いに波長の合う友人だったらしく、この世界の束が原作よりまともなのは彼女の功績と言っても良い。

 

「ところで師匠、当時に作ってたものってまだ残ってる?」

 

「あるぞ?というかstorageにあるけど・・・・」

 

「見たい!」

 

「わかったわかった、ここじゃ出せないから格納庫辺りにいくか」

 

「うん!」

 

「シャルはどうする?」

 

「それじゃあ僕も一緒に行こうかな?」

 

その後、雪兎達が格納庫で昔作った発明品を広げていると途中一夏達も加わり、各発明品にまつわる思い出話で大いに盛り上がったのであった。




改めて思うが中二でIS作った束って・・・・
この作品で束がマイルド仕様なのは雪菜のせいというかおかけというか。

また何かの機会があればこのような閑話を書こうと思います。

ABの新キャラのブラジルの代表候補生グリフィン=レッドブル、この娘もまた濃いキャラだなぁ、とか思いながらピックアップガチャ一回引いたら星5来てビックリした。
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