それと、1ヶ月以上放置になってしまい申し訳ない・・・・
お菓子対決の翌日。兎一味は近くのスキー場を訪れていた。
「ヒャッハー!」
その日の雪兎は先日までの鬱憤を晴らさんとばかりにスノーボードでゲレンデを疾走していた。
「何だあの白髪!?コークスクリューを平然と決めたと思ったら次はロデオ!?」
その様子を常連客達は唖然としながら見ていた。
「よっぽどストレス溜まってたのね、あいつ・・・・」
「ご主人楽しそう!ボクもやる~!」
「ねえねえゆーたん(ユーリの事)、私達は雪だるま作ろっか?」
「はい、目指せ35体!」
「6世帯も作る気か!?」
他の面々も好き勝手しているようだ。
「皆~、お昼には麓に集合だよ~!」
「「「「は~い」」」」
そこからはスキー、スノボー、上級、中級、初心者で分かれ滑り始めた。
「ええっと、こう、かな?」
「そうそう、上手だよ、紫音」
「えへへ、シャル姉の教え方が上手いからだよ」
スキー初心者の紫音に色々教えているシャルロット。
「でも、僕についててよかったの?シャル姉、本当は雪兎兄のとこ行きたかったんでしょ?」
「それはそうなんだけどね・・・・」
「ワッフー!」
「あれにはついていけないよ」
「・・・・確かに」
シャルロットも雪兎についていきたかったが、ストレスのせいか普段より飛ばしている雪兎に追い付けないと察し、こうして紫音に手解きをしているのだ。
「イナズマ~ジャンプ!」
そして、そんな雪兎に追従するレヴィも何やら複雑な動きで跳んだり回転している。
「スキーなんて久しぶりだな」
「そうなのか?」
「ああ、弾達と前に行った事があってな・・・・それよりも、またフォームが崩れてきてるぞ」
一方、一夏はスキーの経験があるらしく、初心者の箒に指導していた。いつもとは真逆の状況に二人共楽しそうである。それを悔しそうに見る三人がいた。
「うぐぐ・・・・スキー経験がここで仇となるなんて」
「不覚ですわ」
「初心者を偽ったところで、このようなものは直ぐに動きに出てしまうからな」
鈴、セシリア、ラウラの三人だ。
「三人共、そんな事してないで滑ろうよ」
「あと、ここで割って入ろうとすれば逆に好感度が下がりますわよ?」
「そうね・・・・ここは雪兎みたいに楽しみましょ!」
「・・・・師匠のあれはやりすぎだと思うけど」
しばらく二人を眺めていた三人だったが、聖やエリカの言葉で今は楽しむ事を優先することにしたようだ。
「そういや、シュテルやユーリ達は?」
「あそこ」
カロリナが指差す方を見ると、そこには雪まつりも真っ青な雪像がいくつか出来上がっていた。
「・・・・何やってんのよ、あの子」
しかも、他の客に写真を撮られまくっており、オーナーらしき人物がシュテルに頭を下げていた。
「あの雪像、やっぱりシュテルのだったか」
「申し訳ありません、やりすぎました」
「結果的にはお礼言われたんだろ?なら俺がとやかく言うつもりはねぇよ」
夕方、集合する頃にはストレスを発散し切ったのか、雪兎の機嫌は普段のものへと戻っていた。
「もう旅行も明日で終わりかぁ」
「もう?やっとの間違いだろ」
そんなこんなでその日も縁嬉へと戻っていく一同。しかし、この日も雪兎はシャルロットに二人部屋へと引き摺られていく。
「あの~、シャルロットさん?」
「・・・・今日はずっと構ってくれなかったから夜は一緒がいい」
どうやら昼間ほったらかしにされた事を少し根に持っているようだ。
「・・・・わかったよ」
だが、雪兎もそれを自覚していたようで今回は大人しくしている。
「ねぇ、雪兎」
「何だ?」
「いつか二人っきりで来ようね」
「それはいいかもな」
という訳でお待たせした割には短くてすみません。
次で旅行編はラストになります。
新しく書く予定の作品も準備しているのでまた遅くなるかもしれませんが、エタらないよう頑張ります。
次回予告
夜間瀬の滞在期間も終わり、学園へと戻る兎一味。そして、騒がしかった一年が過ぎ・・・・
次回
「桜舞う季節 兎一味、帰還」