IS―兎協奏曲―   作:ミストラル0

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少し、更新するのが遅くなりましたが、早速ディナーデートです。
そして、束も・・・・
今回は少し長めです。

活動報告にてアンケート実施中。

あと、いきなりですが、ポケモンのSSも始めました。
【とあるポケモントレーナーのお話】というタイトルですので、興味があればどうぞ。


59話 ディナーデートと亡国の思惑 兎、ディナーデートする

取材から数日後、届いたディナー招待券の日付は一夏や箒と違った。渚子が気を利かせてくれたようだ。

 

「こういうとき同室だと楽だなぁ、って思うよ」

 

「どうかしたの、雪兎?」

 

「いや、この前黛先輩の頼みで取材受けに行った報酬でこれ貰ってな」

 

そう言って雪兎はシャルロットに端末の画面を見せる。

 

「こ、これって、有名なホテルの豪華ディナー招待券じゃないか!?しかもペア券!」

 

「これ、一緒に行かないか?」

 

「えっ、いいの!?」

 

「ああ、というかシャルと一緒に行きたいからわざわざペア券にしてもらったんだが・・・・」

 

「雪兎・・・・うん、絶対一緒に行こ」

 

少し照れながらそう言う雪兎にシャルロット嬉しそうに頷く。

 

「あっ、そういやあそこってドレスコードあった気が・・・・」

 

「だろうね。今後もそういう場に出ることもあるだろうし、今のうちに買っておいた方がいいかも」

 

という訳で二人は事前にスーツとドレスを買っておくことにした。だが、雪兎には一つ気になる事があった。

 

(ダリルとフォルテはまだ戻ってないのか・・・・こりゃ、マドカが抜けた分の人員補充で亡国(あっち)に戻ったとみるべきだな)

 

本来なら京都の亡国機業の拠点襲撃作戦で起こるはずだったダリルいやレイン・ミューゼルの離脱とフォルテ・サファイアの裏切りが早まったのでは?と雪兎は疑っている。

 

「雪兎、どうかしたの?」

 

「いや、何でもない」

 

「ならいいけど・・・・」

 

(もう原作知識はあてにならんな・・・・となれば好きに動かさせてもらうか)

 

その後、雪兎とシャルロットは以前お世話になった千春の伝でスーツとドレスを購入し、ディナーに備えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディナー当日。

 

「お待ちしておりました。天野様とデュノア様ですね」

 

二人を出迎えてくれたのは老紳士と言う言葉がピッタリのウェイターで、彼に夜景の一望出来る窓側の席へと案内され、二人は席につく。

 

「随分といい席を用意してくれたみたいだな」

 

「うん、そうだね」

 

「本日は当店のスペシャル・ディナーにようこそお越し下さいました」

 

二人が席につくとウェイターは綺麗な模範的な礼をし、二人もそれ合わせて礼をする。

 

「基本的にコースメニューで順番にお料理を出させていただきます。それとお二人は未成年なのでアルコール類は出せません。前に同じIS学園のお客様に間違ってお酒をお出ししてしまったこともございましたが、今回はそのようなことは無きよう徹底してありますのでご安心を」

 

どうやら原作同様に若いウェイターのミスで箒がお酒で酔っ払ってしまったらしい。

 

「では、ごゆるりと」

 

老紳士のウェイターが去った後、コース料理が前菜、スープ、魚料理、肉料理、ソルベ、ロースト系の肉料理、生野菜、デザート、食後のコーヒーの順で出てきたが、流石は高級ホテルと言うべきか、料理は二人を満足させてくれた。

 

「美味しかったね、雪兎」

 

「ああ、流石は高級ホテル。使ってる素材もだが、料理人のレベルが高いよ」

 

「ご満足いただけたようで何よりでございます」

 

二人が料理の感想を言い合っていると、先程の老紳士のウェイターがやってきた。

 

「天野様、貴方様宛にお電話が」

 

このような店では基本的に携帯電話などはNGであるため、このようにフロントなどに電話がかかってきてそれを受ける形になることがある。

 

「俺宛に?」

 

こんなタイミングで電話してくる人物の心当たりが少ないため疑問に思いながらも雪兎はフロントで電話に出ると・・・・

 

『はろはろー。ごめんねー、せっかくの彼女とのディナー中に』

 

電話の主は束であった。

 

「・・・・どうかしたんですか、束さん」

 

『うん、ちょっと悪いんだけど迎えに来てほしいんだよ』

 

「迎えですか?」

 

『◯◯◯って言うお店わかる?そこでね、ご飯に誘われたから来てみれば亡国機業とかいう連中が私にIS寄越せって言うんだよ・・・・』

 

「・・・・何してんですか、貴女は」

 

そこで雪兎は気付く。これは原作で束が亡国側に回ることになったイベントで、この世界では既に亡国にマドカがおらず、雪兎の警告のお陰でクロエは人質になっておらず、という状況なため束が亡国につく理由がないということに。そして、かといっていくらオーバースペックの束といえど一人で亡国の包囲を抜けるのは面倒ということで雪兎に迎え(包囲の突破)をお願いしてきたということらしい。

 

「はぁー、わかりました。俺が行くまで出来るだけ大人しくしてて下さいね?」

 

『はーい』

 

束の返事に若干不安が残りつつも雪兎は電話を切った。

 

「雪兎、誰からだったの?」

 

「束さんだった。ちょっと迎えに来てくれってさ(束さんが亡国と接触して包囲されるらしいからちょっと迎えに行ってくる)」

 

「なら僕もいくよ。一人より二人の方がいいでしょ?」

 

詳細を小声で伝えるとシャルロットも同行すると言い出す。

 

「ごめんな、せっかくのディナーだったのに」

 

「ううん、もう食べ終わってたからいいよ。ウェイターさん、ご馳走様でした」

 

「ご馳走様でした。それとあわただしくしてすいません」

 

「いえ、またのお越しをお待ちしております」

 

老紳士なウェイターにお礼を告げ雪兎とシャルロットは束から聞いた座標へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、当の束はというと・・・・

 

「はぐはぐはぐ・・・・」

 

まだスコールの用意した料理を食べていた。

 

「束博士、いい加減に私達に協力して下さいませんか?」

 

「はぐ・・・・何で?私はあんたらのことなんてこれっぽっちも知らないのに何で協力しなきゃいけないの?ねぇ?」

 

「我々はーー」

 

「そういうのは興味無いから。それとお迎え頼んだからそろそろお暇するね」

 

「オータム!」

 

束が席を立とうとするとスコールはオータムへと指示を飛ばし束を拘束しようとするが、オータムが飛びかかる前に束はローリングソバットを繰り出しオータムをワインセラーへと蹴り飛ばす。

 

「おー、みゅーちゃんの真似してみたんだけど結構いいね、この技」

 

その光景にスコールが呆けていると。

 

「あのねぇ、私ってば天才天才言われちゃうけどねー、それって思考とか頭脳だけじゃないんだよー。肉体も(・・・)細胞単位で(・・・・・)オーバースペック(・・・・・・・・)なんだよ(・・・・)

 

スコールからしてみればそれは完全な誤算だった。しかし、スコールにはまだ勝算があった。いくら束といえど生身でISの相手は出来まいと、そう思ったその時。

 

「私が一人だったからってISさえあれば何とかなるとでも思った?甘いよ。メープルシロップを煮詰めて砂糖をかけたくらい甘いよ」

 

「!?」

 

「私の弟子が何て呼ばれてるかもう忘れたの?」

 

その一言でスコールは全てを理解する。束の呼んだ迎えが誰であるかということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコール達がいる地下にあるレストランへと続く通路には二人の女性がいた。

 

「本当に大丈夫なんッスか?先輩」

 

「心配性だな、フォルテは」

 

それはIS学園を抜けたダリル・ケイシーもといレイン・ミューゼルと彼女に誘われ亡国機業に与したフォルテ・サファイアの二人であった。二人は今回の束の勧誘作戦において束の逃亡防止と侵入者の撃退という任務を与えられていた。

 

「おっと、侵入者だ。フォルテ、準備はいいな?」

 

「だ、大丈夫ッス」

 

二人はいつでもISを展開出来るよう身構えつつ侵入者に備えるが。

 

「へぇー、やっぱりあんた達はそっちに付いてたんだ?」

 

現れた侵入者の顔を見て二人は絶句する。

 

「ゆ、雪兎、あの二人って・・・・」

 

「そういうことだ。だよな?フォルテ先輩にダリル、いやレイン先輩と言った方がいいか?」

 

その侵入者とは雪兎とシャルロットの二人だった。

 

「な、何でてめぇがっ!?」

 

「驚くことか?お前らがうちの師匠に手出したんだろ?」

 

それを聞きレインとフォルテはすぐさまISを展開する。

 

「ヘル・ハウンドとコールド・ブラッドだったか?それもやっぱり持ち出してたんだな。雪華」

 

そして雪兎も雪華を、シャルロットはリヴァイヴⅡS展開する。

 

「悪いがあんたらの相手をしてる程こっちは暇じゃないんでね」

 

すると、雪兎は雪華に【B:ブレイド】を纏わせ瞬時加速で一気に距離を詰めるとレインのヘル・ハウンドを手にした双刀で斬りつける。

 

「先輩っ!?」

 

「余所見してる暇は無いよ、フォルテ先輩!」

 

「くっ!」

 

レインに気を取られたフォルテにはシャルロットがグリフォンで牽制する。

 

「フォルテ!」

 

「あんたも余裕そうだな?」

 

「ぐわっ!」

 

双刀から刀身と柄の間にリボルバー銃のシリンダーのようなものの付いた大剣【バルムンク】に高速切替した雪兎に斬られレインは通路の壁に叩きつけられる。

 

「これはオマケだよ」

 

そこにシャルロットがグリフォンで弾丸の雨をお見舞いする。

 

「先輩!!」

 

「やっぱり脆いな、イージス」

 

フォルテはレインを庇うべく駆けつけようとするがそれを予想していた雪兎はバルムンクを振るいフォルテを反対側の壁に叩きつける。

 

「これが学園最強コンビだったとか、簪と本音の方がマシなコンビネーションするぞ?」

 

「それでも一人で圧勝する雪兎がそれ言う?」

 

狭い通路とタッグマッチでの恐怖からか満足にコンビネーションを発揮できないレインとフォルテに対し、雪兎とシャルロットの連携は完璧で、レインとフォルテを分断しつつお互いをカバーし合っていた。

 

「な、なん、なんだよ、お前ら、は・・・・」

 

「通りすがりの天災の弟子だよ。あんたら二人がどこで何してようが俺にはどうでもいいんだが、まだ邪魔するってんだったら俺も加減はしねぇぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

束とスコールが対峙していると、唐突に束が呟く。

 

「そろそろかな?」

 

すると、レストランの壁を突き破ってレインとフォルテがISを纏ったまま吹き飛ばされてきた。

 

「レイン!?」

 

ボロボロになったレインのヘル・ハウンドを見てスコールは血の気が失せていくのがわかった。叔母である自分に対しては生意気な姪であってもその実力は疑いようのない実力者であるレインがここまで一方的にやられるなどとは思ってもいなかったスコールは壊れた壁の向こう側からやってきた存在を睨む。

 

兎の皮を被った災害(ラビット・ディザスター)・・・・」

 

「久しぶりだな、スコール・ミューゼル」

 

二人が睨み合っていると束は雪兎へと近付き笑顔を見せる。

 

「やあやあ。早かったね、我が弟子よ」

 

「千冬さんからあっさりISの使用許可も出ましたし、道塞いでたのがそこの二人だけだったんで突破すんの楽でしたよ」

 

「だよね。あの程度の第3世代機が雪華の相手になる訳ないじゃん」

 

ヘル・ハウンドとコールド・ブラッドのスペックは既に束も雪兎も把握済みであり、ちょっとばかしの改修程度でこの二人を出し抜こうなど甘いとしか言い様がない。

 

「じゃあ、帰ろっか。あっ、行き先はIS学園でいいよ。そろそろ私も隠れるの嫌になっちゃったし」

 

「クロエは?」

 

「くーちゃんならラボと一緒にIS学園に向かってるよ」

 

「逃がすと思っているのかしら?」

 

帰る気満々な雪兎と束に対しスコールは逃がしてなるものかと自身のISを展開するが、素早く【J:イェーガー】に切り換えた雪兎がバスターライフル改をスコールの顔に突きつける。

 

「さて、お前が動くのと俺が引き金を引くのとどっちが速いと思う?」

 

「くっ・・・・」

 

少しでも動けば射つと言わんばかりの雪兎にスコールは敗北を認めISを解除する。

 

「じゃ、そういうことで」

 

そして束は雪兎に抱えられ、シャルロットが背後を警戒しつつその場を離脱した。

 

「・・・・天野、雪兎!!」

 

マドカを奪い、自分達亡国機業実働部隊【モノクローム・アバター】をここまでこけにしてくれたイレギュラーにスコールはいつもなら抱かない怒りを強く抱くのであった。




という訳で束師匠がIS学園に。
レインとフォルテもリベンジならず・・・・もう、ボロボロだな、亡国。


次回予告

束がIS学園にやってきた!?
更には雪兎の言うプロジェクトへも参加を表明し世界は大慌て!そんな中、プロジェクトの名がとうとう明らかに・・・・

次回

「プロジェクト・フロンティア 兎、開拓への準備を開始する」
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