どんなに見た目が変わらないとは言っても相手が何も思っていないわけではない。



ポーカーフェイスなあの子だってほら…






*ぬるいですがキスシーンの描写が入るためR15とさせて頂きます

1 / 1
消えぬ跡が残せたら

「恋人に嫉妬させたい、だぁ???」

 

「うん…」

 

 

 

 

放課後、誰もいなくなった教室でひそひそと話す声が二つ。

遠くから運動部の元気な声が聞こえてくるが、話している二人はそれさえも聞こえないようで真剣に話し合っている。

 

 

「で…?」

 

「ん…?」

 

「何がどうなってその考えになったの?」

 

 

 

 

 

事の発端は前日のHRが終わった後、何時もの様に恋人であるあの人に一緒に帰ろうと、声を掛けるため席を立ち上がった時。

不意にクラスメイトの一人から名前を呼ばれ、何だろう?とそちらを見ると教室の入り口に一年生だろうか、

緊張した面持ちでこちらを見る男の子がいた。

 

何となく「あ、これは多分告白だな。」と勘付いた私は丁度近く来た恋人に声をかけ、ごめん先に帰っててと頼んだ。

すると

「(入口を見て察し)オッケー、じゃぁ今日は先に帰らせてもらうよ。どうぞごゆっくり~♪結果、聞かせてね~」

ニッコリ笑いそう言い、さっさと教室を出て行った。

私はその全く気にしてない様子に何故か驚いてしまった。

その時はなぜ驚いたのか分からなかったが…

 

 

 

 

 

その後男の子からは予想していた通り告白をされ

珍しいこともあり、内心とても嬉しかったが感謝の気持ちを伝えた後断った。

彼は少し悲しそうな顔をしたがすぐに笑顔になると

「わざわざ僕の為に時間を下さりありがとうございました!」

そう言って綺麗な礼をし帰って行った。

 

暫く見送った後私も帰るか~と一旦教室(外でだった)に戻り荷物を回収すると家路についた。

 

 

その夜、あの人に告白断ったという連絡を入れると数分後に

「そっかー、良い子そうだったのにw 勿体ないw」

と返ってきて冗談だろうとは思っていても少し落ち込んだ。

一応恋人同士だぞ?

何も思わなかったのだろうか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

と、私はこの時初めて気付いた。

「自分はあの人に嫉妬をされたい」のだと。

 

 

 

 

 

 

結局はその日もやもやとした気持ちを抱えたまま眠りに就き、次の日を迎え冒頭に至る。

同じクラスであった幼馴染を呼び止め相談し話し合っていたの…だが…

 

「ん~、理由は分かった。つまりは恋人が何も反応してくれないから…ってことだよね」

 

「うん…」

 

「でも正直難しいなぁ…あの子ポーカーフェイスだから…」

 

そう言って教室の天井を見上げる。

確かにそうなのだ。

私から告白した時も照れた様子など1㎜も見せずにニコニコして受け入れてくれていたし、わざと人前で抱き着いてもやんわりたしなめるだけで怒るどころか表情一つ変えない。

 

色々考えていると何だか私だけいいように振り回されている気がしてきて悲しくなってきた。

 

「…何だか馬鹿みたいだね…私…

こうやって一緒に考えてもらってるのに頭の中はどんどん嫌な方に走って行っちゃう…」

 

 

「……」

 

 

 

 

気付けば頬に涙が伝っていた。

もう頭の中は私ばかり…なんて事でいっぱいで。

 

 

 

 

 

 

――――――――ガラッ―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ドアの開く音に吃驚して2人してドアの方に顔を向けると

そこには私の恋人がいた。

 

 

私は泣いていたことも忘れポカンとしたままただ見つめる。

彼女は先に帰った筈である。

だって私が今日は友人に話があって遅くなるから、と伝えて彼女も「分かった」と言って特に何も聞かずそのまま出て行ったからである。

 

 

 

 

「ど…して…?」

 

呆然としたままそう問うと

 

「今日1日様子がおかしかったもの。気になって戻ってきたの。で、何で泣いてるわけ?」

ハッとし慌てて頬をぬぐう。

「べ、別に何でもないよ。ちょっと感動する話を聞いたから…」

咄嗟にそう言った。

 

「ねぇ、この子連れて行ってもいい?」

 

「え?いきなり何?」

 

「いーよー」

 

「え、待ってまだ終わってな「いいから」」

 

 

 

近くに来たかと思うと強引に立たされ手を引かれ教室から連れ出される。

やはり表情からは何も読み取れない。

 

 

手を引かれていると図書室の前まで連れてこられた。

そのまま中に入ると鍵を閉め彼女は近くの壁に私の背を本棚に押し付ける形で腕と本棚の間に閉じ込めた。

昼休みの時とは違い誰もいないこの場所はとても静かだ。

 

 

「ねぇ、本当は何の話をしてたの?」

 

 

至近距離で見つめたまま彼女はそう言った

バレている…

 

だけど私は言いたくなくて目を反らし唇をギュッと噤む。

黙秘のサインだ。

すると

 

 

 

 

 

「んんっ!?」

固く閉ざした唇の上から彼女は口付けてきたのだ!

吃驚したもののそのまま流されまいと暫く抗っていた

 

 

が…

 

 

 

ふと気付けば手は指同士を絡め本棚に縫い付けられ、私は彼女の深いキスで溺れかけていた。

互いの唇が離れるころには私は立てなくなっており彼女に抱き留められた状態で必死に呼吸を整えていた。

 

 

「さて、そろそろ話して欲しいな。」

彼女はそう言って私を見つめた。

 

ずるい。

でも適わないや…

少し間を置いてから私は小さな声で友人と話してた内容を、その時に私だけ振り回されてる気がして悲しくなったことを話した。

 

 

 

少しして、

「つまり私が表情を変えるどころか嫉妬とかしないから泣いちゃった、と」

 

「…ん…まぁそうだね」

 

 

ポツリと返された言葉にそう返すと

 

「本当に私が何も思ってないと思う?」

と聞かれた。

つい、驚いた顔で「え?」と言うと

 

 

「確かに私は表情に出ないけどだからと言って何も思ってないわけじゃないよ」

 

「だって昨日告白の返事を断ったって連絡した時…!!」

 

 

「あれは冗談だよ。あんたは断ったことで少し落ち込んでるんじゃないかなって思って少し笑い話にしようとしてたの」

 

 

「本心は…?」

 

 

「そりゃあいい気分ではないよ、自分の彼女がほかの奴に狙われてたんだから」

 

 

 

「そんなの…ちゃんと言ったりしてくれなきゃわかんないよ…」

そう返した後耐えきれなくてまた目を反らす。

 

 

 

 

「…後悔しない…?」

少し低めに発された声に視線を戻す。

そこには何故かにやりとした顔。

 

 

何故か危険を感じて腕の中でもがく。

が、あっさりと抑えられ首元に顔を寄せられたかと思うと小さな痛み。

痕を付けられたと気付いたのは数秒経ってから。

 

 

 

「っ…!!」

赤面しながら無駄な抵抗をしていると

 

「貴女が望むならいくらだって嫉妬してあげる」

 

耳元で吐息交じりに囁かれる。

 

 

「な…っそういうキャラじゃないじゃん…!」

 

「知らなかった?私元々あんたが思う以上に嫉妬深いんだ」

 

 

 

そういうと今度は鎖骨にその印を残した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――― 元々誰かに渡すつもりなんてないわ

―――――――― 隠していたのはあの子から嫉妬してほしいと言わせたかったから

 

 

 

 

 

 




3作目です

今回は「嫉妬」をお題にして書いてみました。
毎回1100文字以内におさめようと奮闘するのですが上手くいかず…


修業がもっと必要ですね…!
頑張ります


もし見てくださっている方に「これをお題に書いてみてよ!」なんて方がいらっしゃいましたら感想などにお寄せくださいませ…
それではまた次の作品で…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。