MY HERO   作:彌麟

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My Hero

ヒーローは皆の憧れ。

ヒーローは皆の希望。

 

ヒーローは、

 

「お前っ火が怖いんだろ!!!」

「やめって、よ、おねっがいッ」

 

遠い存在。

 

助けてって思っても誰も来ない。

火が怖くて怖くて、ただ頭を抱えて泣いてる事しか出来ない私を誰が救う?

 

誰が救いたいと思う?

 

個性があるにも関わらず、立ち向かう勇気さえ判らない自分を。

こんなの私でも呆れる。

 

だが一つだけ、私を動かす方法があった。

 

それは怒り。

 

弱点を握られ、お前は弱い。お前は何も出来ない。

そう言われ続けた言葉の内容は自分が一番判っている。

私は弱い。私は何も出来ない。

判っている判っているよ。

あの場にいた私が一番判っていた。

それを何も知らない少年に言われるのに無性に腹が立ち、皮膚から蒸気が出てくる程だった。

 

「消して見ろよ!!!!」

 

その挑発に私は乗ってしまった。

目を血眼にし、たった四歳の少年に殺意を宿す。

 

 

でもね、その殺意、とんでもないのに砕かれたんだよ。

 

崩れたジェンガみたいに、そのくらいあっさりしてた。

 

 

小さい男の子の背中。

全身が震えててまるで小鹿みたいで、今思えば可愛いと思ってしまう。

 

「か、かかかかっちゃん!!!!」

 

精一杯に出した声も裏返り、

 

「アァ!!!"無個性"のお前がヒーロー気取りすんな!!!!」

「うっ!!!」

 

返り討ちにあって、

 

 

カッコ悪い、そう思ってたのだけど。

 

 

「出来損ない同士でお似合いだ!!!!」

「あっ」

「だ、だいじょーぶ...?」

「...えへへ...」

「?」

「僕、弱いのに、体が勝手に動いてたんだ。」

「でも結局、何にも出来なくて、ごめん.....」

 

「僕、カッコ悪いよね。」

 

カッコ悪いのは私だ。

個性を持ちながら何も出来ず、ただ人に言われ続けて挙句の果てに逆ギレしようとする。

 

四歳にし、初めて気付かされた自分の未熟さを。

 

この想いを気付かせてくれたのは小さなヒーロー。

 

凄いカッコイイヒーロー。

 

 

これは、私にヒーローが出来た日のお話。

 

私の目には、彼のあの小さな背中がまだ焼き付いている。

 

 

 

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

 

 

「ん....」

 

懐かしい夢を見ていた気がした。

しかし、そんな気分を味わえることも無く...

 

「ゲッ!!!ノートがくしゃくしゃ!!」

 

慌てて皺になったノートを手で押さえて伸ばしていると、

 

携帯に自分の手が当たった。

 

「.........」

「出久、元気にしてるかな。」

 

この約10ヵ月、彼とはほとんど連絡を取り合っていない。

 

あと少しで彼が目指している雄英高校の受験が始まるというのに。勿論、私も受ける。

 

「出久の事だからきっと何か策があるんだ、きっと。」

 

出久は変わろうとしている。

 

 

そう、あのヒーローと出会ってから...。

 

 




はじめまして彌麟です。
まず、少しでもこの小説に目を通してくださった読者の方々、本当にありがとうございます。

まだまだ未熟者ですが少しずつ投稿していき、
頑張っていきたいと思います。

よろしくお願いします。
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