魔法科高校の“劣等生” 作:ちゅうにびょう
では、楽しんでいただければ幸いです。
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「…ふぅー。また、負けちゃった。今回は何がいけなかったんですか?師匠」
「うむ、確かに速さで押し切る、というのは悪くは無い方法だ。お主の速さは目を見張るものがある。サーヴァントでなければもはや追うことも難しかろう。だがな、目を閉じ、気配を感じることに重きを置けば簡単に分かってしまう。」
「気配、ですか?でも、僕は気配を消したつもりでいたんですが…どこかにミスがあったんでしょうか?」
「いいや、ミスはない。しかしだな、玲よ。気配が消えるというのはかなり違和感を感じるものなのだ。どうせなら溶かすべきだったな。」
「溶かす…そういうのもあるのか」
こうやって、訓練が終われば反省会が始まる。悪いところを一つ一つ挙げていく。その一つ一つを積み重ねることで彼は着実に強くなる。そんな話をしている最中に玲の腹がなる。
「ふむ、そう言えばもう夕方か。たしか夕飯は準備してあったはずだ。戻るぞ」
「はい…さすがに昼を抜いてぶっ続けはお腹が空いてしまいます…」
玲は恥ずかしげにスカサハの後ろを付いていく。居住区にはいるとベディヴィエールと静謐のハサンが出迎えてくれた。
「おかえりなさい、スカサハさん、玲君」
「おかえりなさい…、スカサハさん、玲さん」
「ただいま、ベディさん、ハサン」
「うむ、ただいま、だ」
居間からいい匂いがする。中華だろうか、今にも涎が垂れそうになる。居間の戸を開けるとアルトリアが恥ずかしそうに箸を置く。
「んっ、ふぐっ、んぐっ…っふう。お、おかえりなさい、レイ」
「ただいま、アルトリアさん。別に食べててくれても良かったんだけど…じゃあ食べようか」
「「「「いただきます」」」」
最近学校はどうなんですか?、こちらをどうぞ…、ではそれは私が、ところで玲よ気配を馴染ませるコツを静謐のから聞いてみてはどうだ、と様々な話が行き交う。そんな中、玲が一つ問いかける。
「ところで士朗さんと凜さんはどちらに?出かけていくタイミングで会ったんですが何をしに行くのか聞いていなくて」
「あの二人は四葉の方に向かいました。四葉が旅行に行く前に挨拶がしておきたいんだとか……」
「四葉かぁ、まぁセカンドオーナーである以上彼らとの関わりが切れないって言うのも仕方が無いのかな。」
「そうですね。士朗さんはともかく、マスターは彼らのことを嫌っていますけどね、常に試されてるみたいで嫌なのよ!って」
もう9時を過ぎようとしていると、夕飯が食べ終わる。皆思い思いにぐうたらしていると、戸を開ける音と男女の声が聞こえてくる。
「ただいま、皆いるか?突然で悪いんだが来週、沖縄に旅行に行くことが決まった。」
「沖縄、ですか?なんで…」
「四葉から沖縄旅行のチケットを渡されてしまって、ほぼ強制みたいなものなんだ。許してくれ。今日の収穫はそれぐらいだな。あ、それからセイバー、霊脈の状態のレポートをくれるか?」
「はい、こちらに」
「はーい、他の皆は用が無ければ寝ちゃいましょう、健康一番よ!」
「リン、貴女も士朗に似てきましたね…」
「じゃあ僕はこれと言ってすることないし…ちょっと夏の課題やって寝ようかな?」
「では、私も…」
「「おやすみなさい」」
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ベディヴィエールが士朗に地図を手渡す。そこにはペンで青矢印が記されている。そして富士山の当たりに紫色の星。どうやら青矢印の多くが星に向かって進んでいるようだ。
「士朗さん、こちらがレポートです。少々不可思議な動きが…」
「うーん、霊脈の魔力が聖杯に集まっているようだな。今日の明後日か明明後日あたりに見に行ってくる。」
「分かりました、では」
もう、聖杯戦争は起こらない。つまりは聖杯の何かの意思によって動いている、ということなのだろうか。だがアレはもう潰した。ならば何が…。士朗はひたすら考える。考えて考えた、だが答えは出ない。そこで凜が話しかける。
「なんか嫌なことになってるみたいね」
「あぁ、きっと、ことが大きくなることはないだろう。でも、だからといって何も起こらないわけじゃない。それが不安で仕方が無いんだ」
「おい、士朗。一つ気になることがある。」
「なんだ?スカサハ」
「ここ最近の玲の進歩には驚くことが何度もある。だが、だがな?当然奴も人だ。前にも急成長したタイミングではかなり疲弊していた。それが今では欠片も見えないのだ。奴の力の原動力が分からん。どうなっている?」
玲が?と他の三人が首を傾げる。だがスカサハがそういう以上そうなのだろう。
「あの……」
「「「!?」」」
ただ一言、静謐のハサンは、玲さんの夜の様子がおかしいんです、では。と言い残して自部屋に消えていった。
次あたりでオリ話止めて追憶編すっ飛ばしてキャラ紹介、から1巻の内容に入る予定です。その話はまた後で。