魔法科高校の“劣等生” 作:ちゅうにびょう
5月半ば、幼馴染みが死んだ。不可解な死だった。それなのに地元のテレビはガス漏れによる窒息死だと報道した。何が起きているのか理解が追いつかないうちに、右腕の肘から手首にかけて痣の様なものが浮き上がってきた。
これから夏服になって腕を出すのに、ということを衛宮先輩に話したところ、似たような痣が出来たということでよく話した。
ただ、それ以降の記憶は朧気にしかない。
聖杯戦争 異常発生 14騎のサーヴァント アサシン 介護 令呪 パラダイムシフト タイムパラドックス 岸波白野 終局決戦 前後破綻 ビーストΔ 聖杯の泥 この世全ての悪
そこまで思い出して、意識が暗転した。
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「ん?よう、起きてるか?覚えてるか覚えてないか知らねえがアンリ・マユだ。どうやら魂のキャパが越えちまったせいで思い出しきれてねえみてえだな。うん、仕方ない。これは俺様の優しさだ!たーんと味わえよ?」
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限りなく薄れてしまった記憶の中でも、心にこびりついている物が浮き上がってくる──
────────誰かに侮辱されたっていい、否定されたって構わない!それでも、それでもだ!お前みたいな卑怯者に、お前のような否定することでしか自分を証明できないような奴なんかに!増しては自分になんか、負けれるはずがないんだ…!
赤銅色の髪の彼が叫ぶ、相対する者に向かって
────────終われない、終わってはいけない。負けたっていい、弱くたっていい、そのうえで考えるんだ…!前に進むことを止めてはいけない…!大丈夫、落ち着いて、君にはそれだけの力をもう持っている。
さぁ、その目を開いて。いつだって、立ち向かう力は、自分の信念を貫く剣は、貴方の、その手の中に…!
曖昧な存在感を持つ彼/彼女が宥めるように言う、こちらに向かって
────────貴方は、私のマスター……私に触れられて、触れてくれる人……。ただそれだけでいい、それ以上私は貴方に望まない…。契約していた当初言っていましたね、その通りです。私は貴方の召し使い、貴方の左腕でもなりましょう…。だから、私を永遠に、あなたのそばに………
とても幸せそうな顔をする彼女が囁く、こちらに向かって
─────────あぁ、また、負けてしまう。それは駄目だ。負けてしまう?何を考えている…!アイツと競っていた時だって、どんな時だって…!何時だって勝つことだけに執着していた!負けることなんてどうだっていい、この身にこびりついた根本だったとしても、負けるまで、勝つことだけを考えていたい…!
空に吼える、自分に言い聞かせるように
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「おはよう、そろそろお目覚めの時ってもんじゃねえのかい?」
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目覚めが妙にいい。
時計を見る。四時二十分。どうやら早かったようだ。居間の机の上に書き置きをする。
ランニングだ、ランニングに行こう。思い立ったら出発だ。よし。
“スカサハ師匠へ
8時までに帰ります
それまでに表で待っててください
玲”
今日は、なんだか、いける気がする。
明日辺りから1巻目入りたい(白目)