ダンジョンで魔法チートするのは間違ってない   作:みゃー

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280件突破。感謝です。

遅くなって誠に申し訳ございません。

ソードオラトリアが出てるので、1期の奴と小説とを一気見してる途中なので結構遅くなると思います。どうぞご容赦の程を…。






「ふがっ…」

 

朝が来た。窓からこぼれる朝日が顔にぶち当たって、うっすらと目を開ける。

 

ぼろぼろの天井だ。

 

「おや、起きたのかい?」

「…んー…」

「相変わらず朝弱いねルイス君…」

 

眠たい。まだ寝ていよう…。

 

「二度寝かい?全く、そろそろ起きた方がいいよー」

「…うーん…後五分だけ…」

「テンプレな台詞ありがとう。っていうか、本当に起きないか!」

「…やめー…」

 

肩を揺さぶられる。神様のツインテールの髪の毛が鼻に当たってくすぐったい。

 

仕方ない、とっとと起きるか。起きなきゃ。起きるんだ俺の身体。

 

いや、だけどオフトゥンのこの温かみをみすみす逃すのか…?否、断じて否。俺はずっとこのぬくもりに抱かれていたい。

 

ちなみに、廃教会の隠し部屋はやっぱりというか当然の様に狭い。最初は眠る場所がソファとベッドの二つしかなく、それで色々と揉めたものだった。『一人で寝たい派』と『男二人で眠るべき派』と『ベル君と寝たい派』の三派がみつどもえもかくやというレベルで争ったのは記憶に新しい。

 

まあ俺と神様は目的が一致しており、実際は二対一でベルが涙目だったのだが。

 

「まったく、ほら、とっとと起きてくれよ。僕もそろそろバイトに行かなきゃいけないんだから」

「…バイト…?ん?」

 

俺は違和感を覚えて体を起こした。

 

「やっと起きたのかい?」

「…あれ、なんで神様起きてんすか?」

「え?」

 

俺とベルはいつも朝早くからダンジョンに向かうから、神様はまだ寝ている筈だ。そういえば窓からこぼれる日光も朝日というには光量が多い気がするし、しかも胸の内から飛来するこの多幸感…まるで、仕事の無い休日に12時までぐっすり眠った後のような感覚。

 

つまり、そういう事である。

 

「…ね、寝坊した…べ、ベルは?」

「もうダンジョンだよ。昨日の事でルイス君も疲れてるだろうって、一人でね」

「…そうっすか…」

 

まあ、肉体系のベルと知能的な俺とでは身体の作りが違うからなぁ…。

 

まあいいか。俺も久々に一人でダンジョンに潜ろう。いい機会だしね。

 

「朝ご飯あるから、一緒に食べようよ」

「あ、はい」

 

立ち上がってソファに座ると、目の前に鎮座するは神様のバイト先の商品『じゃが丸くん』が二つ置いてあった。一人一つらしい。

 

「カリカリカリカリカリ…」

「…」

 

ハムスターの様にじゃが丸くんを食べる神様の姿を見ながら、俺もそれを口にした。

 

「それじゃ、今日はどうする?僕はもうバイト行くけど」

「ああ、じゃあ俺も外に出ます」

「おいおい、ベル君も言ってたけど、本当にもう大丈夫なのかい?今日くらいはゆっくりした方がいいぜ?」

「いやぁ、まあ、ほどほどにしておきますよ」

「ふーん…休めるときはちゃんと休んでおくんだよ?流石にダンジョンに行くなとまでは言わないけど…くれぐれも一人で3階層以上に行くなんて事しないようにね?言っておくけど君には前科があるんだからね?」

「うぇい」

 

そういえばあったなそんな事。まあ今もちょくちょく冷やかしに行ってるんだけど、言わなきゃばれないばれない。

 

「…ルイス君、一ついいことを教えてやろう…神に嘘はつけないんだぜ?」

「…ぴゅー、ぴゅすー」

「口笛下手だね君…!」

 

そういう感じで、今日も今日とて俺の日常が始まるのである。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あの後神様にちょっと怒られた。時間が迫ってたから矢継ぎ早だったけど、帰ってきたら『HANASHIAI』をしようね、とニコニコ笑顔で言ってきたので帰りたくない。

 

そういう訳で早速ダンジョンに向かっていると、向こうで長髪の男性がこちらに手を振っているのが見えた。

 

「やあ、ルイス君」

「おはようございます、ミアハ様」

 

話しかけてきたのはミアハ様。最近ちょっとした交流がある神様である。ポーションなどといったアイテムを売るファミリアの主神で、初期では良くMPポーションを買っていた。

 

まあ最近は『ドレインタッチ』も覚えたし、MPポーション類は初級冒険者にとっては結構懐が痛い値段設定になっているのでHPポーションしか買うもの無くて行く機会が少ないんだが。

 

「この時間に見かけるのは初めてだな。今からダンジョンへ?」

「あ、はい。ちょっと寝坊しちまって…」

「なに、冒険者などやっていたら、そういう事もあるだろう。ふむ、これを持っていくといい」

「へ?」

 

そういって渡されたのは、二本のポーションだった。

 

「えっと…」

「隣人へのごますりというやつだ。今後も我がファミリアを御贔屓に、な」

「まあ、もらえるもんはもらいますけど…いつもこんな風にごますりしてるんです?ナァーザさんが泣きますよ?」

「うっ…ははは、いや、何。これも先行投資というやつでだな」

「じゃあ今度何か買いに行きますよ。お金が溜まったらですけど」

「ああ、是非そうして欲しい」

 

ではな、とミアハ様は行ってしまった。ミアハ様、いい人なのはいい人なんだけど、ああしてポーションを無料で配りまくってるから家計的に火の車らしい。ナァーザさんも大変だと俺は思った。

 

それからは何事も無くバベルの足元にたどり着き、俺は簡単なストレッチを行うとダンジョンに足を踏み入れた。ダンジョンは今日も今日とて冒険者を待ち構えており、冒険者達も意気揚々とダンジョンに挑んでいる。

 

「さて、今日はベルもいないし、色々と魔法の実験でもしようかね」

 

魔力上限も増えたし、回復もできるようになったしな。

 

そういえば、ベルの奴は何階まで行ってるんだろうか。昨日あんなことがあったし、調子に乗って変な所まで行ってなきゃいいが。

 

「まあ、いいか。『火よ在れ ファイアボール』」

 

目の前に出てきたゴブリンたちを魔法で一掃しつつ、俺はダンジョン探索兼魔法の実験をつづけたのだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふー、ただいまぁー」

「お、おかえり、ルイス」

「おかえり、ルイス君っ」

 

ホームまで帰ると、おろおろと困惑するベルとぷりぷり怒った神様がそこにはいた。

 

「なんかあったんですか?」

「ふんっ、なんでもないよ!ほら、ルイス君もとっととそこに寝転がるんだ!とっととステイタス更新するよ!」

「…あの、神様、やっぱり何か怒って…」

「ベル君は黙ってるんだっ!」

 

やっぱりまたベルが何かやらかしたらしい。天然女たらしのベルはたびたびこうした修羅場を迎えるのだ。めんどくさいのでスルーで。

 

おとなしく神様の言う通りにベッドに寝転がる。神様はふんすと俺の腰にまたがってステイタスを更新させた。背中に指の爪がめり込んで痛い。

 

「それじゃあ、僕はこれからバイトの飲み会に行ってくるから!ベル君はルイス君と一緒に久しぶりに豪華な食事にでも行ってくるといいよ!ふんだ!」

「ふんだって今日日聞かねえな…」

 

神様は去っていった。俺は渡された紙を見下ろしながら、ため息を吐き出してベルに向かって言い放った。

 

「少しは自嘲しろバカベル」

「えっ!ど、どうして僕!?」

「どうせ今回もお前が悪いんだろ?」

「そ、それは…!」

 

うん、言い返せない時点で黒だぜ。

 

「ま、女心も秋の空ってな。しばらく放っておけば機嫌も直るだろ。それよりも今日はどうする?」

「うう…そうだといいんだけど…えっと、実は今日、外食に行こうかなって思ってて」

「へえ、まあたまにはいいかもな!」

 

一日中ダンジョンに潜っていたから腹が減って腹が減って。

 

ちなみにダンジョン探索は結局6階層まで行ってしまっていたんだが、そう、あれは完全に無意識。気が付いたらいつの間にか6階層にいたのだ。俺は悪くない。

 

「ん?」

 

机の上に紙があった。俺はそれを拾う。どうやらベルのステイタスの紙らしい。

 

「…これは」

 

ほうほうほう、なるほど。俺はその内容に目を見開きつつ、なぜ神様があんなにぷりぷり怒っていたのかを理解した。

 

昨日のベルの一目惚れ事件。劇的に変化したこのステイタス。そして、『何か消した跡のあるスキルの欄』。これだけの証拠が集まれば特定は難しくない。あまたの小説、ゲーム、アニメのストーリーの全てを頭の中に持った俺にとって、この程度の推理はたやすいものだ。

 

これは面白い事になりそうだ。ベルの奴、これからどう変化していくのか。それを近くで見届ける事が出来れば、きっと俺自身の力となるだろう。

 

 

まあ、今はそんな事よりも飯だ飯。

 

「んじゃ行くか」

「あ、うん…何見てたの?」

「別に何もー」

 

 

 

 

 

 

 

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