異世界転移なのに神様から貰ったスキルが全然チートじゃないんだが 作:みん/みん
町に行く途中、俺この時間を使ってスキルの能力や、ルナからどれくらいお金がいくらを確認することにした。
異次元収納機に手を入れ中に入っていたお金を全て出した。そこには金貨が10枚入っていた。当たり前だが俺はこの世界の金事情は知らないので、これがどれくらいの価値なのか全く知らない。町に着いたら誰かに聞く必要がある。
次にスキルだが、能力を調べた結果はこうなった。
《真実の眼》:対象人物のスキル、レベルなどの詳細を見ることができる。しかし、スキルの能力まで見ることはできない。
《瞬間記憶》:一度見た相手のスキルを会得することができる。しかし、固有スキルは会得することができない。
《ご都合主義》:強く願えば願うほど自分の都合よく物事が進む。しかし、願った強さに応じて不幸が訪れる。
ーーなんだこの微妙な能力は……。
いや、どれも弱いわけではないんだけど、イマイチ能力に華が無い。神様からもらった能力だったからもっとチートかと思ったんだけど……。
過ぎたことにうじうじしていても仕方ない。と俺は再び町に向かって歩き出した。
(まあ、レベルが上がれば能力も良くなってくるだろう。良くなるよね……?)
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歩くこと約一時間。ようやく俺は町の入り口に着いた。
(ここがルナの言っていた町か。町というよりは村に近い気もするな。とはいえ、この世界のことをまだ全然知らないからな。まずは情報を集めるところからスタートだな。)
俺は村に入り、一番近くの村人に話しかけた。
「すいません、ここは何という町なんですか? 僕は今世界を旅しているものなんですが、この辺りの土地に来るのは初めてでよく知らないんです」
「へぇ〜お前さん世界中を旅しているのか。面白いことをするな!! それならこの辺りのことを知らないのは当然だよな。だったら俺がこの町『ファスト』を案内してやる」
優しい人で良かった。まずは町の名前だけ聞くだけの予定だったが、案内までしてくれるらしい。願ったり叶ったりだ。
そして案内されたのはれんが造りの3階建で正面に大きな剣のエムブレムが飾ってある建物だ。
「まず、ここが冒険者ギルド。多分知っていると思うが、ここで冒険者登録をすると依頼が受けられる。もちろん、報酬も貰える。まあ、詳しいことは中の受付嬢にでも聞いてくれ。
他にも似たような建物で商人ギルドも有るが、あそこはお前さんにはあまり関係ないと思うぞ。建物の正面に金のエムブレムが飾ってあったらそれは、商人ギルドに加入している店の証拠だ。あそこは客の信頼にはうるさいから、加入している店で物を買えば大体安心だな」
冒険者ギルドか……。やっぱり異世界に来たからには登録したほうがいいのだろうか? 生活費を稼ぐ必要もあるからな。……後で一度行ってみよう。商人ギルドの方は……まあ、行かなくてもいいだろう。
「ここは、俺のオススメの飯屋だ!! ここのチャーハルがものすごいうまいんだよ!! お前さんも一度食ってみろよ」
次に案内されたのは、色々な店が立ち並ぶ商店街のようなところだ。店というよりかは屋台に近い気もするが。そして俺の目の前にはチャーマルと言うチャーハンに似た何かが置かれている。このおじさんがオススメしてくれているのだからきっと美味しいのだろう。俺はチャーマルを一口食べてみる。
「………………うまい。おじさん、これメチャクチャうまいで。こんなにうまいもの故郷でも食べたことないです!!」
「それは良かった!! お前さん中々味がわかるやつじゃないか」
この村にいる間はここで食事をすることに決めた俺だった。
「そういえばお前さん、今日泊まる宿とかは決まっているのか? 決まってないならオススメの宿を紹介するぞ」
「いや、まだ決まってない。それよりここでの金銭感覚が良く分からなくてな。今手持ちはこれだけなんだが大丈夫か?」
そう言い、俺は金貨を取り出した。
「お前さん、それは稼ぎの少ない俺に対する嫌味かい? それだけあれば1ヶ月は余裕だぞ」
聞いたところによるとこの世界でのお金の価値はこんな感じらしい。
金貨1枚=10000円
銀貨1枚=1000円
銅貨1枚=100円
といった感じらしい。確かに10万円もあれば1ヶ月は余裕だな。ちなみに、さっきのチャーマルは銅貨3枚らしい。
そして俺はおじさんと共に、オススメの宿へと着いた。
「今日は本当にありがとうございました。おじさんのおかげでこの村のこと好きになりました」
「そりゃ良かった。そういえばお前さん名前はなんていうんだ?」
「えっ? あぁ、そういえば言ってませんでしたね。俺はソラって言います。ちなみにおじさんは?」
「俺はガンツって言うんだ。これも何かの縁だからな、もしまた会うことがあったらその時はよろしくな」
「はい、よろしくお願いします」
そう言っておじさんと別れた俺だった。
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ーー翌朝。早速冒険者ギルドに向かうことにした。ちなみに宿のご飯は美味しかったが、昨日のチャーマルの感動を超えることはなかった。
しばらく歩くと冒険者ギルドに着いた。まだ朝早い所為か、ギルドの中には依頼を受けに来たたくさんの冒険者がいた。
待つこと10分ようやく空いてきたので、俺はカウンターに向かった。受付の人は全員美人だった。やっぱり命をかける分こう言うところで癒しがないと、やってられないのかもしれない。
「あっ、初めてみる方ですね。もしかして冒険者登録希望ですか?」
「あの……僕ここに来るのは初めてで冒険者がどのような職業なのかも分からないので、登録するかはまだ決めていないです」
俺の話を聞いた途端、受付のお姉さんの職業表情が一瞬固まった。
「えっ、あの僕何かダメなことしたでしょうか? もしかして話を聞くだけの冷やかしは帰れ。みたいな感じでした?」
「あ、いや、そんなことはないですよ。ただ、こういったところに来る人は荒くれ者の方が多いので、礼儀がしっかりしている人は珍しくて少し驚いてしまいました。それで登録の件についてですが、話を聞くだけでも全然大丈夫ですよ」
「良かった、何か変なことしたのかと思いましたよ」
「本当に礼儀がしっかりした方なんですね。他の冒険者にも見習ってもらいたいものです。それでは、冒険者ギルドについて説明します。まずーー」
そこからしばらく冒険者ギルドについての説明わら聞いた。要約するとこういうことらしい。
・冒険者カードは一種の身分証のようなもので国をまたいで移動する場合は、カードを見せるだけで入国することができる。
・冒険者にはランクがあり、それに応じた依頼を受けることができる。ランクはF・E・C・B・A・Sまであり、Sランクまで上り詰めた人は英雄と呼ばれ絶大な人気と権力を得ることができる。
・基本的には冒険者ギルドはどこの国にも干渉されない独立機関だが、ギルド内で事件があった場合は犯人を国に引き渡す場合もある。
・ランクを上げるには数をこなし実績を積むか、緊急依頼で功績を残すことが必要。
といったことらしい。今の所作らないメリットがないので作っておいて損はないだろうと判断し、冒険者登録をすることにした。
「なるほど、そうですか。今の所作らない理由がないので、冒険者登録をお願いしても良いですか?」
「はい、ありがとうございます。ではこちらの機会に手をかざしてください」
そう言い、彼女が差し出してきたのは地球儀の形をした機械だった。俺が言われた通りに手をかざすと機械が光り出し、受付に鉄のプレートのような物が生成された。
Name ソラ サトウ
Lank F
Lv 1
「これで登録完了です。今すぐ依頼を受けられますか?まだソラさんは登録したてなので私が丁度良い依頼を見繕いますよ」
「そんなことまでしてもらって良いんですか? ではお願いします」
「はい、これも受付の仕事なので。せっかくの冒険者を失ってしまってはギルドが成り立たなくなってしまいますので。それではこの『薬草の採取』と『ゴブリン討伐』の依頼を受けていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい、ありがとうございます」
「ちなみに、依頼を1ヶ月以内に依頼が達成できなかった場合は依頼失敗とし、違約金をいただくことになるのでお気をつけください」
俺は依頼を失敗し、違約金払うことになるかもしれない可能性よりも、ようやく異世界らしいことができると言う気持ちでいっぱいだった。
(ルナからもらったスキルも試してみたいし、早速村の外に行くぞ)
俺は依頼を達成するべく町の外へ向かった。