今回はオリジナル設定を取り入れたウマ娘の小説になります。
しかし、それだけだと小説にし辛かったのでセガのゲームスターホース3の要素を取り入れてみました。
因みに今回のメインスポットは実際のスタホ3で自分が育てた馬をウマ娘化しましたのでオリ主になります。
では、どうぞ!
【ウマ娘】
それはレーサーでもあり、アイドルでもある人々に夢と希望…そして熱い闘いを与えてくれる今では無くてはならない存在である。
しかし、その眩しいスポットライトを浴びれるのはほんの一握りしか居ない。
それは優勝劣敗…残酷な勝負の世界である為に何人ものウマ娘が汗水を流して血の滲む様な努力しても報われずに涙と共にその世界と去った。
それでも全ての頂点を目指すウマ娘は後を絶たない。
このお話はそんな世界で一人のウマ娘が織り成す物語である。
――――――――――
「さて、今年もこの瞬間がやって参りました。SWBC…スーパー・ワールド・ブリーダーズ・カップ。世界…そして、時空を越えた名ウマ娘達が集まる真の頂上決戦。では、ここでウマ娘達をご紹介しましょう。」
次々とウマ娘が紹介されると同時に馬場に入場していく。
「さて、ここからが大本命達ををご紹介しましょう。」
司会のその言葉に会場が先程より大きな歓声が上がる。
「9番!アラブを駆け抜けた女帝!ダーレーアラビアン!」
ワアアァァァァァ!!
会場の奥にある本棚が割れて青く眩しい光の中から茶褐色の髪をツインテールにした小麦色な肌をした小柄で元気一杯といった様子のウマ娘が出てきて観客に手を振りながら入場する。
「みんなー!レーアを応援してねー!」
「レーアちゃーん!」
「頑張ってー!」
「今日は差しきってねー!」
彼女の言葉に沢山の人々の声援が送られていた。
「10番!イギリスの軍ウマ娘としてボイン川の戦いなど数々の武勲を打ち立てた名ウマ娘!バイアリーターク!」
開かれた扉から今度は根元は黒から毛先は茶褐色に色代わりをした少し癖毛の強い長い髪を振り乱して大柄な体と瞳に熱く燃える闘志を灯した勝ち気そうなウマ娘が右腕を高く掲げながら入場する。
「今日は勝つからしっかり応援しろよなぁ!!」
「リータさぁぁん!」
「今回は優勝お願いします!」
「全員ごぼう抜きだぁぁ!」
彼女の勝ち気な言動にファン達も熱く燃え上がる。
「お待たせしました!前回のSWBC優勝!そして現在最もこのレースでの優勝回数が多いこのウマ娘!名風馬の王!疾風の覇者!11番!ゴドルフィンバルブ!」
ワアアアアアァァァァァァァ!!!!
今までで一番大きな歓声が上がる。
そんな中で扉から現れた限り無く黒に近い茶褐色のストレートな髪色で長さは腰に届く位に長くて目は鋭く思わず彼女の前で膝を地につけ頭を垂れたくなる風格を宿したウマ娘が淡々と入場する。
「勝つわ…今回も。」
「フィンさまぁぁぁ!」
「今回もぶっちぎりで勝ちだぁぁ!」
「連勝してくださぁぁぁい!」
歓声は収まる事を知らずに至るところから送られる。
「え!?こ、これは本当ですか!?……はい…はい…わかりました。ゴホン!大変申し訳ありません。…なんと今回はこのお三方を抑えて堂々の一番に選ばれたウマ娘!条件戦三戦・阪神ジュベナイルフィリーズ・イギリスダービー・WBCクラシックを無敗で勝ち進み現在6連勝中!付けられたあだ名はその脚質から【一筋の閃光】!12番!ヘスティア!」
ざわざわ。
歓声は上がらずに動揺する観客達。
それもそのはず。
このレースは人気でオッズが決まるのでは無いからだ。
ある特殊な機械を使って今現在のウマ娘の能力と素質から弾き出される数値から決められており、更には馬券投票も全員が入場し終わるまでは買えずにオッズも公表されないからだ。
「あ、ああの…頑張りますので…。」
「「「………。」」」
やはり歓声は無い。
動揺の声だけが聞こえるばかりの中でヘスティアは逃げるように馬場に入場する。
青みがかった黒いストレートの髪を膝裏まで伸ばしており、それを下の方で結んでいて目元は前髪で見えないが頬や首が真っ赤な事から恥ずかしがっている。
「さ、さて!ウマ娘達はウォーミングアップをお願いします!観客の皆様は今の内に投票をしてください!」
司会の言葉にあるものは慌ててあるものはじっくりとデータを取りながら思い思いに馬券買っていく。
そして、ついにその時がやってくる。
――――――――――
「お待たせしました!いよいよレースの開始時刻です!ウマ娘達はパドックにお入り下さい!」
ウマ娘が次々にパドック入りしていく中でヘスティアはその場でオロオロしていた。
「あわわ…あわわわわ…。」
「ほら、落ち着きなさい。」
「ひぅっ!?」
ヘスティアの背中を優しく押すのはゴドルフィンバルブのフィンだった。
「相変わらずフィンは甘いな。」
「そう言うリータも見過ごせない癖に。」
「うっせぇ!」
そして、フィンの後ろにいたバイアリータークとダーレーアラビアンもヘスティアの手を引いて肩を押して思い思いにリードする。
「あの!……すみません…ご迷惑をお掛けして…。」
ヘスティアの言葉に三人はキョトンとした後に笑う。
「はわわわ…何で笑うんですかぁ!?」
「ふふっ…ごめんなさい…可笑しくってね。」
「くふふ。本当だよな。面白い奴だな!」
「にひっ♪優しくって当たり前なんだよー♪」
「ふぇ?」
意味がわからないヘスティアは首を傾げる。
そんなヘスティアにフィンは頭を撫でて理由を教える。
「私達の血を引く娘達は数え切れない位にいるの。」
「そう!だからお前もあたし達の誰か。」
「もしかしたら全員の血を受け継いでる。だから…。」
「「「全てのウマ娘は私達の娘達。」」」
三人は教える。
どんなに薄い血でも元を辿れば自分達に行き着く。
遠い親戚なのだと。
だからこのレースは彼女達にとっては娘達と交流出来る唯一の場所だと言う。
「娘に優しく無い親なんて居ないわ。」
「そう言う訳だ!」
「だねー♪」
三人はヘスティアの頭をそれぞれ撫でて行きパドックに入る。
もう大丈夫だと悟ったからだ。
「……ありがとうございます!!」
ヘスティアにもう緊張の様子は無い。
その前髪から覗く瞳は真っ直ぐに前を見つめパドックに入る。
「さあ!準備が整いました!今!ゲートが開きます!」
ガシャン!
最後にヘスティアが入った事でゲートが開いてウマ娘が走り出す。
それぞれの想いを乗せて夢に向かって力強く走り出す。
彼女…ヘスティアの創る伝説は始まったばかりである。
これからどんな物語が始まるのかはわからない。
だが、ヘスティアはもう迷わない。
前だけを見て走る。
只、それだけを目標にする彼女の瞳は輝きに煌めく。
―To be continued.
読んでいただきありがとうございました!
そして、言わせて下さい!
この小説は短編にしたくありません!!!
すみません!!(土下座)
後、今回の小説はウマ娘のゲーム(配信日未定)のムービーを見てしたくてしたくて堪らなくなり、その衝動で書き上げました!!(笑)