俺は店の買出しに街をぶらついている。
飛翔「ん~っっっ!!いい天気だな」
過ごしやすい気候で眠たくなるな。
「イッテ~…」
飛翔「ん?今の声は…」
声が聞こえた方に行くと、歩道橋で新一と小五郎さん、蘭ちゃんが女の人の下敷きになっていた。
飛翔「大丈夫ですか三人とも」
蘭「あ、飛翔さん!」
コナン「飛翔兄ちゃん」
小五郎「完全にツキに見放された~…」
俺は上に乗ってる女性をどかして、三人を立ち上がらせる。
「大丈夫ですか?」
しかし女性は目を覚まさない。
蘭「取り合えず病院に連れて行きましょう」
小五郎「そうだな」
俺達はタクシーを拾い、病院に向かった。病院で女性の脳などを診察してもらっている間に、担当した医者から説明を受けていた。
小五郎「それじゃあたいした怪我はないんですね?彼女」
医者「ええ。ただ一つの問題を除いてね」
問題?
医者「あの患者は、自分自身に付いてただ真夜という名前しか覚えてないんです」
『ええっ!?』
マジかよ…
蘭「それって」
小五郎「記憶喪失ですか?」
医者「正確には逆行性の軽い健忘症。部分的な記憶障害です」
蘭「まさか、あの歩道橋から落ちた時に…」
コナン「……」
蘭ちゃんがそう言うと、新一は何かを考え始めていた。
小五郎「治るんですか?」
医者「もちろんです。ただ、それが明日か一ヶ月先か三年後か現段階ではなんとも…」
蘭「そんな…」
小五郎「よぉうし!!名探偵の出番だ!真夜さんの記憶は毛利小五郎が回復させてみせる!!」
あら~…張り切っちゃってるよ。それに、名前以外分からないのにどうやって回復させるんだろうね~それから小五郎さんは、真夜さんの持ち物を預かり事務所で考えているそうだ。俺は今は店に戻っており、小五郎さん達が動く時に一緒に行くと言ってその日は解散した。数日後、蘭ちゃんから連絡があり、彼女が持っていた聖書の切れ端が手掛かりになると聞き、俺達は合流して三ツ星以上のホテルを回る事となった。
蘭「すみません飛翔さん。車を出してもらって」
飛翔「気にしないでいいよ蘭ちゃん。それに、医者から外出許可をもらってるとは言え、彼女を歩かせるのはね」
「すみません」
それから俺達は何件ものホテルを回るが、彼女が泊まっていた痕跡はなかった。
蘭「ここで12件目よ。疲れたぁ…」
覚悟はしてたが、やっぱ何件も回ると疲れるな。確認の為に中に入ろうとすると…
「お帰りなさいませ。橘様」
コナン「し、知ってるの!?このお姉ちゃん」
「はい。当ホテルのお客様でございますが」
そしてフロントで確認する。
「橘真夜様。確かに二日前からお泊りいただいております」
蘭「やったわね真夜さん!」
そして俺達は彼女が泊まってた部屋に入る。
小五郎「当たりだ。間違いない」
小五郎さんは持ってた聖書の切れ端を部屋の聖書と合わせた。そして新一と小五郎さんはクローゼットの中を調べるが、新一が彼女の下着を取り出し慌てていた。
蘭「もう。あたしが調べるから二人ともどいてて」
コナン「はい」
飛翔(何やってんだよ…)
蘭「身元を特定するような物は何もないわね」
コナン「何か思い出さないお姉ちゃん?」
新一にそう言われるが、真夜さんは首を横に振る。
小五郎「ん~まいったな~。さっきフロントの記録にあった住所や電話番号は架空のものだったし。かといって、真夜さんがこの部屋に宿泊していたのは間違いない。いったい…」
真夜「名前だって本当かどうか…」
飛翔「……」
確かに、普通にホテルに泊まるだけなら、住所や電話番号をわざわざ架空のものにする必要はない。となると、何か原因があるって感じだな。
真夜「あたしはいったい…グッ!!」
すると突然頭を抱えだした。すぐに収まったようで、首からかけていたペンダントを見る。
コナン「ペンダントがどうかしたの?」
真夜「頭が!!痛い!!!グッ…もう嫌!」
そう言って彼女は部屋から飛び出してしまう。
コナン「お姉ちゃん!」
「「「真夜さん!!」」」
俺達も追いかけて行く。
小五郎「待つんだ!」
外に出ると、彼女が出たと同時に車が物凄いスピードで彼女と小五郎さんに突っ込んでくる。
コナン「危ない!!」
飛翔「チッ!!」
俺は素早く飛び出し、小五郎さんと彼女を両脇に抱えて高く飛び上がる。が、彼女は素早く回避していた。
飛翔(なんだと!?あの動き…並みの人間じゃねぇ。何か訓練されてる…)
そして車はそのまま走り去っていく。
飛翔「大丈夫ですか!」
小五郎「あ、ああ。飛翔君のおかげでな」
飛翔「それじゃあ俺はコナン君を追いかけますんで」
俺は蘭ちゃんに後を任せ、車を追いかけた新一を追いかける。
飛翔「新一!」
コナン「飛翔さん!」
飛翔「犯人は?」
コナン「ごめん。見失った」
飛翔「そうか」
残念だが仕方ない。相手は車だしな。
飛翔「で、お前は何でバスの標識を見てたんだ?」
コナン「それは「コナン君!」」
すると蘭ちゃん達もやって来た。しかし、事故現場を見た彼女が動揺している。
真夜「バス…トラック…衝突…お、覚えてる…あたし覚えてます!」
蘭「凄いよコナン君。やったわね」
コナン「偶然だけどね」
小五郎「しかし、何故その後姿を消したんだ?手当も受けず」
コナン「きっと、お姉ちゃんを狙ってた奴が迫ってたんじゃない?」
小五郎「記憶を失いながらも、本能的に危険から逃れようとしてたわけか」
すると、事故車を迂回しながらバスがやって来た。
蘭「ねぇ、乗ってみようよバス」
飛翔「そうですね。事故が起きなかったら何処まで行くか思い出すかもしれませんしね」
そして俺達はバスに乗り込んだ。
次々停留所を過ぎて行く。
真夜「…ダメ」
小五郎「何も思い出しませんか」
蘭「焦らないで。ここまで思い出せたのよ」
すると彼女は、横にあったガスタンクを見て立ち上がる。
真夜「ここです!あたし、ここで降りるつもりだったんです!」
そして俺達はそのバス停で降りる。
コナン「とにかくこの辺を歩いてみようよ」
新一の提案により、俺達は周辺を歩いてみる。廃墟の前に行くと
コナン「!!危ない!!」
上から瓦礫が落下してきた。
飛翔「クソっ!」
俺は瓦礫を蹴り返そうとする。しかし、彼女も避けたので俺もそのまま避ける。
飛翔(やっぱり…こいつ一般人じゃねぇな)
真夜「うぅ…!!」
すると彼女は、ペンダントのところからワイヤーを取り出していた。
飛翔「ペンダントに仕込みワイヤー。何者だ?」
小五郎「ふざけやがって!俺達を皆殺しにするつもりか!とっ捕まえてやる!!」
蘭「お父さん!」
そう言って小五郎さんは廃墟の中に入っていく。俺も直ぐに後を追う。
飛翔(いや違う。あの時は襲われたのは彼女かと思ったが…今のタイミングは、完全に小五郎さんを狙っていた)
追いかけると、犯人は渡った板を蹴り落としそのまま逃亡する。小五郎さんは落ちそうになっていたところを助け、俺は助走をつけて隙間を飛び越えた。しかし下に下りると既に犯人の姿はなかった。
飛翔「クソッ!逃がしたか!!」
俺は諦めそのまま小五郎さん達と合流する。しかし、蘭ちゃんから彼女を見失ったと言われ、俺達は彼女を探した。
小五郎「お前達はあっちを探せ。飛翔君は向こうを」
俺達は分かれて彼女を探す。だが、小五郎さんが狙われてる以上、優先するのは小五郎さんの方だ。
飛翔「確かこっちに小五郎さんは来てたはずだが…!?」
すると、目の前の廃工場の中で、彼女…橘真夜がペンダントに仕込んでいたワイヤーで、小五郎さんを引っ張り上げていた。
飛翔「やろう!!」
俺は中に入る。
飛翔「止めろ!」
真夜「!!お前は」
飛翔「小五郎さんを離せ。さもないと…」
真夜「さもないと何?こいつの命は私の手の中にある。一歩でも動けば…分かってるよね?」
飛翔「チッ…外道が」
すると外から野球ボールが物凄い勢いで、彼女の手を直撃した。
真夜「きゃああ!!」
飛翔「今だ!!」
俺はその隙に彼女を抑え込む。
真夜「この…」
飛翔「動くな。少しでも動けば…」
真夜「ひっ!!」
俺は少し殺気を出して彼女を脅す。すると彼女は大人しくなった。
コナン「真夜さん。貴方の記憶は、湯田にコンクリートを落とされた時に戻ったんですね?」
真夜「……」
飛翔「答えろ!!」
真夜「ひっ!!そ、そうよ…湯田のおかけで記憶が戻ったの。アイツには感謝しないとね」
コナン「あ~…飛翔さん」
飛翔「どうした?」
コナン「その…なんで真夜さんはそんなに怯えてるんですか?」
飛翔「怯えてなんかないよね?ん?」
俺は笑顔で真夜さんに話しかける。
真夜「は、はい!そうです!!怯えてなんかいないです!!!」
飛翔「ほら、彼女もこう言ってるだろ?」
コナン「は、はい(どうみても怯えてるようにしか見えねぇっての…)」
そして蘭ちゃんが警察に連絡していた為、彼女と湯田は逮捕となった。
真夜「どうやらコイツも私も、ターゲットを間違えたようね。小さな名探偵さん。それと…ひっ!!」
おいおい…脅したけどそんなにビビるか普通。
蘭「ねぇ…真夜さん、飛翔さんを見る度に恐がっていますけど」
飛翔「さぁ?何か怖い者でも見たんじゃないかな?ね、コナン君」
コナン「た、多分ね…(蘭には口が裂けても、原因が飛翔さんだなんて言える訳ねぇな)」
蘭「そう。でもその前にも何か言ってたような…」
コナン「あ~いやだから、二度もアイツを逮捕するなんて、さっすが毛利小五郎は名探偵だなって!完全にツキ戻ったみたいだね」
小五郎「そ、そうか♪って事は、今度のG1レースはパーッといただきだな!ナハハハハハハハ!!!!!」
やれやれ…
妃英里と工藤有希子のアンケート結果について。片方+両方の合計がヒロイン無しより多かった為、ヒロイン化は決定しました。なので次は片方、または両方のアンケートを取らせていただきます。
-
妃英里
-
工藤有希子
-
両方