Fate / 「さぁ、プリズマ☆イリヤを始めよう」 作:必殺遊び人
かなり遅くなってしまいました。季節外れのインフルエンザです
学校も忙しくて今後もこのぐらいのぺースになるかもしれないです
できるだけ頑張りますので今後ともよろしくお願いします。
場所は教会、そこにいるのは四人の男女。
衛宮士郎、衛宮切嗣、ウェイバー・ベルベット、カレン・オルテンシアの四人。
士郎はこの世界に来るまでのすべてを話し終えると、静かに話を聞いていた切嗣たちの目を見る。
自分の存在、そして第五次聖杯戦争、すべてを話した士郎は三人の言葉を待つ。
「そうか・・・・・・よく頑張ったね士郎」
切嗣はそれだけ言うと他は何も言わない。
士郎にはそれがありがたくて、うれしかった。
本来なら、すぐにでも士郎に起きたことを調べるだろう。
しかし起きたことは魔術ですらない、いや、次元の違う何かだ。切嗣たちでもその答えを知ることはできない。
そこで士郎は自分の疑問を口にした。
「父さんたちはこれからどうするんだ? 知ってるんだろ、いま冬木で何が起こってるのか」
クラスカード、その回収を凛とルヴィアに指示を出したのはウェイバーだ。カレンも観察者として事態を把握しているはずだ。ならば切嗣も知っているだろう。
そんな冬木に自分を置いておくのか、単純な疑問だ。士郎にはここにいなければならない理由がある。三人がどのような結論になるのか、士郎は今すぐに知る必要があった。
「やっぱり士郎も知っていたのか、そのことはウェイバー君に任せていてね。僕はこれから士郎に起きたことを調べみよう思う、もしかしたら何か分かるかもしれないしね。・・・・・・だから士郎、イリヤ達ののことは頼んだよ。」
話すまでもなく、士郎の心は丸見えのようだ。
士郎はその言葉に頷くと、一つだけお願いをする
「ウェイバーさん今回のクラスカードの解決は、俺に一任させてくれないか?」
「? それはどうしてだ?」
ウェイバーが聞き返す。
「俺の、妹の事だからだ」
士郎の顔は真剣そのもの、有無を言わせないその言葉にウェイバーは「できるのか」と士郎に問う。
「やれるさ、おれは一人じゃないからな」
「なら、任せてみよう。だが、何かあったら頼るといい」
士郎はウェイバーに感謝の言葉をを口にすると、「時間だから」といって、教会の出口へ向かう。
今回のクラスカードの中心には
背を向け帰ろうとする士郎を一人の声がとどめる。
「君は本来魔術とは関係ない、君は何のために戦っている」
ウェイバーの最後の質問。当然の疑問だ、力を持つことと使う理由はイコールではない。それに士郎は迷うことなく答えた。
「泣いている女の子がいるんだ、それが俺の戦う理由だ」
ただ一言。
その言葉に「・・・・・・そうか」ウェイバーは、だけ答える。
だが。
その顔には笑みがうかんでいる。
士郎はそれに気づくことなく、教会を後にした。
教会を後にした士郎は家へ帰ると、すでに日は落ち夕飯までできていた。
士郎は自分の部屋にへ入り、今日のカード回収のため自分の体の確認を行う。なぜか部屋にいたルビーから今日何があったのか話は聞いている。イリヤと美遊が仲良くなってくれるのはうれしいが、それ以外の話には思わず懐かしい口癖すら出てきた。
時間まであと五時間弱。
今日はいろいろありすぎた。軽く睡眠でもとるべきだろう。士郎はベットの中に入り込む。
そして。
何も無い白い空間。
そこで士郎は目を覚ます。正確には夢の中で、ということになから違うのかもしれない。
体はない、ただ自分はそこにいる。そんな不思議な感覚に、どこか懐かしさを覚えていた。
その空間に、突然。一つの声が木霊した。
――――初めまして、と言っておこうかな
男でもあり、女でも、あり子供でもあり、年寄りともとれる不思議な声、士郎は黙ってその声に耳を傾ける。だが士郎だけにはわかる、『それ』が一体何なのか。
――――どうだい衛宮士郎としての生き方は? 楽しいだろ?
その問いに士郎も答える。
――――最悪だ、くそったれ
ただ吐き捨てるように、笑みを浮かべながら。
――――そうか・・・・・・それはよかったよ
笑い声があったわけではない、それでも声の主は笑っているような気がした。
――――すでに力は使ったようだね、その力はこの世界ですら強大だ、わかっているかな
――――わかってる、だがこれは俺の力だ。どう使おうが文句は言うなよ
――――自覚があるならそれでいい、名ずけるならそうだな・・・・・・『
――――『事実は小説よりも奇なり』か・・・・・・
士郎は噛み締めるようにその名を復唱する。
――――さて、どうやら時間のようだ、これからの君を楽しみにしているよ。また会おうね
その言葉を最後に、士郎は白い空間からも、夢からも目覚める。
先ほどのことは夢であって夢じゃない。それは士郎にもわかっている。
「また会おう、か・・・・・・目の前に出てきたらとりあえず殴るか」
そんな独り言をつぶやく士郎の声は、やはりどこか楽しそうだった。
夢での会話から数時間、時刻は深夜へと入り士郎、イリヤ、美遊、ルビー、サファイヤ、凛、ルヴィアの7人? はクラスカード回収のため、もちろん鏡面界の世界、その森の中にいた。
回収前、凛とルヴィアに昨日のことを問い詰められたが、一人ずつ誠心誠意話すことで落ち着かせた。
『遠坂、どうやらルヴィアは自分で調べるらしい、遠坂はルヴィアが俺に聞くまでもないと言っていたのに俺に聞くのか?』
『ルヴィア、遠坂は俺に聞くまでもないってさ、さすがは一流魔術師だよな』
凜は煽られることで、ルヴィアはプライドを刺激されることで・・・・・・。
ちょろい。
それほどまでに簡単に騙された二人。先ほどの事があったからと言え、士郎も自分のことをほいほいと話すような真似はしない。
その後、森に入り数分、敵の影どころか音すらない。
(イヤな感じだな・・・・・・)
士郎の警戒とは裏腹に、イリヤの軽い声が聞こえてくる。
「誰もいないね。そういえばお兄ちゃん、今回の英霊はどんな感じなの?」
イリヤの疑問に凛が同意する。
「確かにそうね、昨日は直前に知ってひどい目にあったし、今日はちゃんと敵を把握しておきましょ。衛宮君、話してくれるわよね」
ほかのみんなも周りを警戒しつつ耳を傾けているようだ。
「わかった。だけど最初に言っておく、仮に予測とは違う敵の可能性もある、そこだけは警戒しててくれ。とりあえず残っているのはアサシンとバーサーカーの二体。気を引き締めろよ、今までの相手がかわいく思えるぞ――――」
士郎の話を聞きながらも互いに警戒しあっている。それを見て大丈夫と判断した士郎は、残りの英霊について話し始めた。
「まずはアサシン、こっちは恐らく程度の認識でいい、真名はハサン・サッバーハ、宝具は『
士郎はこの世界のことはよく覚えていない、今回のサーヴァントが誰なのかはわからないが、これ以外には考えられなかった。
ハサン・サッバーハ、Fate Zeroにおいてアサシンクラスで召喚された英霊。宝具は分裂という恐ろしいものだが、力の総量は変わらない。そのため、分裂するほどに力は落ちる。
しかし、気配遮断スキルだけは変わることはない。それは、英霊相手ならともかく、ただの人間相手には脅威そのものだ。
おそらく、警戒していても攻撃直後までは認識すら不可能。
第四次聖杯戦争では『遠坂時臣を勝たせるための駒』として使われたため、早急にライダーに敗北したが、マスターの采配次第では聖杯を手にすることが十分可能なサーヴァントである。
「――――と、まぁこんなところだ」
話せるべき場所だけ説明すると、それぞれひきつった顔をしている。
それもそうだろう、単純な力勝負では他の英霊とは比べるまでもないが、強さのベクトルが違う。そしてそのベクトルは、しっかりと自分たちへと向いているのだ。
「次に対策だけd・・・・・・よけろ!」
その攻撃に真っ先に気付いたのは士郎だった。
飛来する一本の短剣、士郎の解析結果では特に宝具というわけではない。だが相手は英霊、警戒に越したことはない。
士郎の声に反応した三人はその短剣から距離をとる。だが一人だけ、イリヤだけがその場から動けずにいた。
「イリヤ!」
士郎は咄嗟にイリヤの体をかかえ、その場から飛びのいた。
危機一髪、士郎はイリヤとその場を脱出すると、すぐに戦闘態勢をとる。
周りには50を超えるサーヴァントの群れ、つまり、今回のクラスはアサシンとなった。
状況の確認を終えると、それぞれ戦っている凜たちへ士郎は指示を飛ばす。
「美遊、空から攻撃しろ、相手の土俵は地上戦だ、なら対策は簡単だ・・・・・・まとめて吹き飛ばせ」
「「・・・・・・衛宮君(シェロ)、さすがにそれは・・・・・・」」
士郎の作戦にドン引きな二人、だが間違ってはいない。士郎の言葉に反論する、という選択肢がない美遊は、手当たり次第に広範囲魔力弾を放っている。
士郎はこの攻撃は陽動ぐらいにしかならないだろうと思っていた。本来のハサン・サーバッハの実力があれば、いくら美遊の攻撃といえど余裕でかわす・・・・・・はずだった。
「・・・・・・・・・・・・」
士郎は自分で指示したこととはいえ、その光景に唖然としている。
セイバーの戦いでは確認できなかったが、黒英霊の実力は、バーサーカーと化している。それだけではない。ステータスもかなり落ちる。
体に染みついた経験で戦う三騎士などは例外だが、主に思考を用いて戦闘を行うアサシンクラスなどは特にそうだったようだ。
簡潔に言うと。
蹂躙していた。
元のステータスもあってか、対一の戦闘でも問題なく対処できる。
しかし。
ここで士郎たちは一つのミスを起こした。
アサシンの数はみるみる減っていき、残りの数も視認できる。
それ故に油断する。
戦いにおいてもっとも起こしてはいけないのが油断、慢心だ。前者ならば経験が乏しい者に、そして後者ならば実力高い者に起こりうる。
士郎ですら思ってしまった。
油断とまでは言わない。それでも”今回は問題ない”、と。
残り十体ほどのアサシンが一斉に士郎たちへ向かってきた。
意図したことではなかっただろう。だがそれは、結果的に正解となる。
爆撃という攻撃をとっていた美遊では、近くにイリヤたちがいる状況では攻撃できない。さらに、空から攻撃。それを行っていたため、すぐにイリヤたちのもとへ駆けつけられなかった。
それでもそれぞれ十分な実力者、対応は十分に可能だった・・・・・・そう、イリヤ以外は。
イリヤは素人、それでもルビーというチートを持っているのだ。英霊といえど弱体化し、さらに自身の宝具によっても弱体化しているアサシンは、十分に対応できたはずだ。
だが、ここでも最初の油断が命取りとなる。
・・・・・・毒、それによってイリヤは十分な対応ができなかった。
士郎に助けられる時、腕にわずかにかすった刃。それに毒が仕込んであったのだ。
イリヤは自分に対する攻撃に何もできない、見ていることしかできない。
動かない。動けない。
アサシンの持っている刃の表面に、自分の顔が映る。
そこに、自分の死を見る。
「(―――――死にたくない)」
イリヤはその光景にごく普通で当たり前の感情が流れてくる。誰にでも持っている、普通であるからこそ強い感情。
その気持ちに答えるように、イリヤの中にある鎖は、その強さによって・・・・・・壊された。
士郎は投影した『
「なっ・・・・・・!」
迫るアサシンに対して、イリヤが座りこんでしまったのだ。イリヤの自分に起きたことがわからない、その表情を見て気づく。
(毒だと!?・・・・・・くそっ、間に合えっ)
イリヤへと向かう士郎。それを阻むように二体のアサシンが士郎の前に立つ。
「どぉけぇぇぇ!!!」
一瞬、瞬きすら終わらないうちに士郎はその二体を切り伏せる。
そう、これが士郎だ。誰かを救う時こそ本来の力を発揮する。それでこそ衛宮士郎だ。
士郎は手にもつ『干将・莫耶』をイリヤに攻撃をしようとしているアサシンへと投げつける。
アサシンの攻撃が届くまえに士郎の攻撃が届く・・・・・・はずだった。
突然、イリヤから膨大な魔力が放出される。
「まずいっ」
士郎は咄嗟に右腕を前に出す。
『
詠唱無しの発動。本来七枚の花弁は二枚のみ。
「・・・・・・くっ」
すぐに一枚目も割れ、二枚目にもすでにヒビが入っている。
(このままじゃまずい、・・・・・・”あれ”を使うしかないのかっ)
士郎がそこまで考えると、士郎の前に紫色の少女が舞い降りた。士郎はその少女を見ると、顔に笑みを浮かべその手に力を込める。
「美遊、耐えるぞ」
たった一言、それだけ、それで二人はお互いの考えを理解する。
美優は魔力を反らすことだけに集中する。だが、それだけではまだ足りない、イリヤが無意識に行ったのは魔力による”爆発”だ。物理保護を無視してしまえば、熱や突風といったダメージはもろに入る。
しかし、美遊のとなりには士郎がいた。士郎は美遊が攻撃を防いだ一瞬の内に『
他の花弁よりも強固になる。
という単純なものだが、その力は絶大だ。その伝承により、魔力を込めることで他の花弁より強固にできる。
士郎はアーチャーと違いこの礼装を使いこなせていない。魔力を込めるためには一瞬のためが必要だ。
美遊と士郎、二人によりその周辺、そしてその後方にいた凛とルヴィアのみが無傷だった。周りにあった木々はすべて消滅、近くを見ればアサシンのクラスカードが落ちている。
その光景に真っ先に声を上げたのはイリヤだった。
「これ、何・・・・・・わたしが、やったの、・・・・・・?」
アサシンの時とは違う。
今回は、イリヤは自分のしたことを正確に理解し、覚えていた。その目には自分自身への恐怖、そして、みんなへの怯えがあった。
そう、この瞬間イリヤは思い出したのだ。今までは自分の兄が守ってくれた、戦ってくれた、だから気づけなかった。
ここがどんな場所なのか、ここがどんな危険な場所なのかを。
イリヤの目に涙があふれる。
イリヤは、まずは周りに謝ろう、そんな思いで言葉を出そうとする。
「あの、わたし、こんなことになるなんて・・・・・・」
士郎がイリヤに声をかけようとする前に、美遊が口を開く。
「危なかった、お兄さんがいなかったら私も、凜さんもルヴィアさんも死んでいた」
唐突に告げられた非難の声。
美遊らしくない。
それでも。
「でも、これは、私にもわからなくて・・・・・・」
「そんなことは関係ない、結果はこれ。一歩間違えれば死んでいた。あなたのせいで――――」
美遊は止まらない。確固たる理由を持って。
「ちょっ美yって衛宮君?」
凜の言葉を遮るように、士郎が凜の前に手を広げる。
「――――そもそも、最初に攻撃を受けたのもあなたで、動けなくなったのもあなた。あなたがミスを招き、あなたが勝手に暴走して、みんなを危険にさらした。そう・・・・・・お兄さんだって・・・・・・。こんなことはもうたくさん・・・・・・! 私は、二度と・・・・・・あなたと一緒に戦いたくない!!」
美遊は左手で自分の腕をつかみ、その腕は震えていた。
それを見て、凜もルヴィアも気づく。
美遊は、イリヤと一緒にいるのが怖くて震えているのではない。イリヤに、友達に、こんなことを言いたくなくて、我慢できなくて震えているのだ。
イリヤは美遊の言葉に後ずさり、
「わ、わたし、は、ぅぅっ、ぅぅぅわぁぁーー」
落ち着くように声をかけるルビーの声を無視して飛び去った。
それを、美遊は悲しそうに見つめるだけだった。
その後、士郎たちはクラスカードを回収し、元の世界に帰ってきた。
美遊が先頭を歩き、そのあとに士郎たちが続く。
分かれ道、そこで士郎は唐突に足を止める。
「美遊、少し散歩しないか」
「・・・・・・・・・・・・」
美遊からの返事はない。
代わりに、言葉を返したのは凛とルヴィアだ。
「そう、なら今日はここでお別れね。衛宮君あまり遅くまでつき合わせたらだめだからね」
「シェロ私は先に帰りますので後のことは頼みますわよ」
美遊の逃げ道を塞ぐように、ルヴィアと凜が士郎に合わせる。
残ったのは士郎と美遊の二人。
美遊は士郎の後ろを静かに歩き、士郎が足を止めると、同じように足を止めた。
「ここだよ」
うつ向きながら歩いていた美遊は、士郎の言葉で前を向く。
「こ、ここはっ」
やっと。
美遊は目を見開いて驚く。
そこは、士郎の鍛錬場でもあり、美遊が並行世界で・・・・・・いや、本来の世界で、自分の兄と住んでいた家。
大切な場所。
士郎は何もなんでもないように、扉を開け家の中へと入る。
特に生活感があるわけではない。ただ、士郎が使っているためか、清掃は行き届いている。
美遊は驚きながら、懐かしく思いながら士郎の後に続く。
士郎は縁側に腰を下ろすとその横に美遊を座らせた。
その光景は、昔の自分と切嗣を見ているようで少しおかしな、それでいて懐かしい気持ちになる。
これが正しい事かわからない。
それでも士郎は話し始めた。
昔切嗣が自分に語りかけたように・・・・・・。
「俺はさ、昔、主人公になりたかったんだ――――」
予定では次の話数は戦闘シーンなしでネタでいきます
真ぁネタと言うわけではないのですが・・・・・・
もちろん物語に合わせてはいます。
ただ、好きな作品の書き方をまねしたといいますか・・・・・・
私が書きたかったので書く感じなのですが(笑)どうか楽しみに待っていてください!
美遊フラグっていつ立たせよう?
今回もありがとうございました!