ガールズ&パンツァー 東海の覇者 番外編   作:橘花

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学園祭です 7

-生徒会室-

 

「で、釈明があるなら聞くけど」

 

私と楓は生徒会室で正座している。目の前には会長が居た。

 

「「ありません」」

 

私と楓は声を揃えて言う。その瞬間、会長の顔が般若の面の様な顔になった。

 

「全く!!。どうしてくれんのよ!?。たった数分の総火演のせいで、来てくれている方たちだけじゃなく周辺住民からも苦情が来てるのよ!!!。地域の方々とは仲良くしなさいとあれほど言ってるでしょ!!」

 

「「すみません」」

 

「本当にもう。勘弁してよね。始末書書かなきゃいけないの、私なんだから」

 

学園祭は会長が全責任の元に実施することになっているため、始末書を書くのは当人ではなく会長であった。

 

「本当にすみません、会長」

 

「本当に、もう。それで、麻美。その娘は?」

 

会長は私の隣で正座している楓を見て言う。

 

「え~と、色々ありまして。大河原さんの昔馴染みのお孫さんですかね。数日前にちょっと戦車道の試合をしまして」

 

会長は再び楓を見る。

 

「なるほどね。大河原さんのね」

 

「はい。申し遅れました、舞阪女子生徒会長。私は鼎巻楓と申します」

 

「田辺翔子よ。鼎巻って事は昔の暴走族ね」

 

「ご存知なんですか会長?」

 

私は驚いて会長を聞く。

 

「私を誰だと思ってるの?。情報網を甘く見ないで」

 

 

 

「さてと、では処分だけど」

 

私と楓は再び正座している。

 

「とりあえず、お咎め無しにしといてあげる」

 

「「ありがとう御座います、会長」」

 

「その代わり、鼎巻さんには戦車道部の出し物を手伝って欲しいの。丁度戦車持ってきてるんだし、それ位はいいわよね?」

 

私と楓は立ち上がった。

 

「「はい、ありがとう御座います」」

 

 

 

 

『貴女の所の会長さん、侮れないわね』

 

T26E4に乗っている楓は無線で私に連絡してくる。

 

「どうして?」

 

『だって、私達が暴走族だったのはもう10年以上昔よ。その頃の鼎巻組を知っているって』

 

楓は心底驚いているようだった。

 

「あはは。会長の人脈とそれを駆使した情報網は恐ろしいからね」

 

『それにしても、貴女の所になんでこんな兵器が集まるのよ?。珍しすぎて、うちの組の人間も写真を撮っているぐらいよ』

 

私は展示スペースを見ると、確かに一般のお客さんに混じって組員の少女たちが居る。

 

「ま、これは私の人脈かな」

 

『貴女も相当なものね』

 

 

 

 

 

「今日はありがとね」

 

一般公開が終え、撤収作業に入る。明美が撤収作業の指揮を執っている。

 

「最初は御免ね。まさか、会長があんなに怒るとは思わなくて」

 

楓は舌を出しながら言う。

 

「本当に勘弁してくださいよ。まだ、あれでも抑えていた方ですから」

 

「どんだけ怖いのよ?」

 

「本気で人を八つ裂きにするぐらいしそうなのよ。うちの会長は」

 

私は頭を抱えて震えながら縮こまる。

 

「へ、へえ」

 

「普段は温厚だからいいけど、そういう人ほど怒らせると怖いのよ」

 

 

 

楓はDUKWに乗り込み、エンジンを掛ける。

 

「それじゃあ、私は帰るわね。短かったけど、楽しかったわよ」

 

「できれば、ゆっくり見て欲しかったけどね」

 

楓はエンジンを吹かし始める。マフラーから煙を吹いている。

 

「良い車乗ってるわね」

 

「貴女もでしょ。ハンバースナイプ。ルーツグループの高級車」

 

「詳しいのね。でも、性能の割には安いと思うけどな。それに、中古車だから」

 

私もハンバースナイプに乗り込み、エンジンを掛ける。

 

「少し行く所があるから、上陸場所まで行きましょう」

 

「了解」

 

私は無線機を掴み、マイクのスイッチを押す。

 

「麻衣、聞こえる?」

 

『・・・・眠い』

 

「開口一発目に眠いと来たわね。まあ、いいわ。少し行く所があるから先に行くわね」

 

『・・・・ん、了解』

 

麻衣は常に大型の無線機を背中に背負っている。前に理由を聞いたが、答えてくれなかった。皆は眠くなったときにラジオを聴くためだと予測しているが。

 

「それじゃあ、出発しましょう」

 

私はアクセルを踏んで発進する。その後ろをDUKWが続いた。

 

 

 

-大河原-

 

北雁木で楓と別れた後、そのまま車を飛ばして大河原さんの店にやってきた。

 

「どうだった?賑やかになっただろ?」

 

「ええ。とっても。お陰で会長は本気で怒ってたわ」

 

「そうか。それは大変だったな。それで、学園祭は楽しめたのか?」

 

「ええ、そうですね。お客さんも例年通り。相変わらず、展示スペースはミリタリーオタクの方々に御贔屓されている感じでしたね」

 

生徒会の報道部が発行している広報新聞には『ミリオタ、今年も戦車道部と航空部の展示に釘付け』と書かれていた。

 

「そりゃ、日本じゃあここにしか来ない展示品が沢山展示されるからな。人気だろうよ」

 

今年はブダペストから贈られたダナ装輪自走砲が人気を集めた。珍しい装輪自走砲だけに人気だったのだろう。

 

「それに、直に次の問題が起こるだろうぜ。舞阪女子は暇がないと思うよ。今度、帰郷した奴が会いに行くだろうね」

 

「え?。それって」

 

「ま、楽しみにしてな」

 

 

 

 

数日後、メールが来た。送り主は舞阪総合病院となっている。メールを開くと、雪穂の墓地の場所が記されていた。私はハンバースナイプに乗り込み、エンジンを掛けて発進した。

 

 

 

-艦首 学園艦墓地-

 

駐車場にハンバースナイプを止め、墓地の敷地内に入る。駐車場には既にロールスロイスのファントムⅡが止まっているため、会長は来ているのだろう。

 

「会長、お早いお着きで」

 

指定された墓石の前に立っている会長は私の方に向き直った。

 

「ええ。メールが来るなり飛ばしました」

 

既に線香があげられ、花も置かれている。私も花を置き、線香をあげた。

 

「先が短くないと聞いてましたが、突然でしたね」

 

「ええ。でも、担当医の沢木医師の話ではこれでも長く生きていられたそうよ」

 

「短い生涯でしたが、彼女なりに幸せな生涯であった事を祈りましょう」

 

会長は駐車場に向かって歩き始めたため、私もそれについて行く。

 

「また、身近な人を亡くしたわね。8年、になるのかな」

 

「はい」

 

「思えば、彼女にその面影を感じていたのかな?」

 

会長の脳裏に8年前の光景がフラッシュバックする。

 

「その8年前、一緒に遊んでいた人が。先輩が帰郷するそうです」

 

会長はそれを聞くなり、ファントムⅡに乗る。

 

「そう。来たら、生徒会室へ通して」

 

「はい。帰りにお気をつけて」

 

会長はファントムⅡを発進させると、自分の寮へと向かった。

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