ガールズ&パンツァー 東海の覇者 番外編   作:橘花

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この話は菅原文太さんのご冥福を祈り投稿します。


追悼会

-戦車道部部室-

 

『昭和を代表する映画俳優、菅原健さんが死去しました。菅原さんは生前、満艦飾にデコレーションした戦車を走らせる『戦車野郎』などでスターの道を築いてきました』

 

これがテレビで流れた時、電話がなった。

 

「はい、戦車道部の部室ですが」

 

私が受話器を取ると、交換手からだった。

 

『池田さん、外線1で電話が入ってますが』

 

「ありがとう。今繋ぐわ」

 

そう言って私は1を押す。

 

『池田ー!!、テレビ見た!?』

 

「その前にその声の大きさを何とかしてよね」

 

電話の相手、原に対して言う。

 

『それはそうと追悼会をやりたいわね。何処か場所無い?。あと、呼べる人居る?』

 

「相変わらずの無茶ね。まあ場所はあるし、呼べば来る人沢山居るけど」

 

『相変わらずの人脈ね』

 

「他校との交流をちゃんとやるものよ。それで、日程は?」

 

『明日!!』

 

私は受話器を持ったまま転びそうになる。

 

「本当に無茶な事言うわね。明日の夜になら集められそうだけど」

 

『じゃー、決まり。そうそう、戦車や運搬車には必ず行灯とかネオンとかでデコレーションすること』

 

そう言って電話が切れてしまった。私は受話器を一度戻し、交換手へと繋いだ。

 

『はい?』

 

「すみません、ドーチェスター高校の戦車道部に繋いでくれませんか?」

 

 

 

 

「事情は分かりました。では、これより早速取り掛かりますわ」

 

最後のウェールズ高校に電話を終えた所で受話器を置いた。

 

「ふう。あとは大河原さんと佐藤君か。大河原さんは行くだろうけど、佐藤君は」

 

そう言いながら私は部室を出て、ハンバースナイプに乗り込む。

 

「明美、1号車とドラゴンワゴンをデコレーションしといて。所謂、デコ戦車とデコトラに」

 

資材を運んでた明美は私の声に気付いた。

 

「了解です。隊長はどちらに?」

 

「少し、ね。デコレーションは任せるわ」

 

そう言って私はエンジンをかけ、校門を潜って敷地外に出た。

 

 

 

-佐藤の家-

 

「パッカードが無い」

 

佐藤の愛車、パッカード12が無かった。

 

「何処行ったのかしら」

 

すると、通りに入ってきたパッカードがこちらへ走ってくる。後ろにはベントレー3L、メルセデスベンツSSKが居た。

 

「はあ。本当、走るのが好きなんだから」

 

「あれ?来てたの?」

 

家の前で止まったパッカード12から佐藤が降りてきた。

 

「あれ?来てたの?っじゃないわよ。また、飛ばしてきたんでしょ!?」

 

「少し待ってくれ。おい!、今日はもう終了だ。また今度な!!」

 

佐藤がそう言うと、後ろに停まっていたベントレー3LとメルセデスベンツSSKがUターンして猛スピードで走り去った。

 

「あの人達は?」

 

「ん?昔からの顔馴染み。WCCOのメンバーだよ」

 

「ワールドクラシックカーオーナーズの、ね。車好きにも程があるわよ」

 

「それより、何か用でもあったんだろ?」

 

「そうよ。明日の夜、菅原健さんの追悼会をやろうって話になって。で、誘いに来たんだけど」

 

私の話を聞き、佐藤はガレージに向かって歩き出す。

 

「なるほど。で、戦車をデコレーションしろって事ね」

 

「そうよ」

 

佐藤はガレージを開ける。そこには行灯やネオン、アートが描かれたM38があった。

 

「既に準備万端」

 

「な、何で?」

 

「いやー、実は大河原さんと打ち合わせしてて。今の話を聞くにそっちがやるならこっちも行こうかなと考えたわよ」

 

「成程ね。追悼会が賑やかなのも不謹慎かもしれないけど、大勢のが楽しいしね」

 

 

 

 

-渚園-

 

「大分集まったわね」

 

デコレーションされた戦車とそれを運ぶ戦車運搬車が続々と渚園に入ってきた。

 

「皆、自分たちの学校名を入れた行灯とかだね」

 

戦車や運搬車には自分たちの学校名を入れた行灯を付けている。他にも多数の電飾などを装備し、正に満艦飾だった。

 

「あ、はぐれ雲。大河原さんか」

 

大河原さんの乗るドラゴンワゴンが近づいてくる。バンパー下には『はぐれ雲』と書かれた行灯を装備し、更には電飾で綺麗に飾っている。

 

「流石、デコトラ全盛期の人だ。見せ方を分かっている」

 

大河原さんの車両は他の車とは明らかに違った。やはり、時代を感じる。

 

キャビンの上には『戦車道ショップ大河原』という行灯まで付けている。

 

「その後ろのM38は佐藤君のね」

 

M38にも車体前部に『我が心の故郷 舞阪』という行灯が付けられている。

 

「集まったね。それじゃあ、出発しましょう」

 

車体上部に付けられたスピーカーから戦車野郎の主題歌『戦車ブルース』を流しながら車団は渚園を出発する。

 

「対向車の運転手も大半をこっちを見るわね」

 

「そりゃそうですよ。こんな沢山のデコレーションされた戦車運搬車が走ってるんですから」

 

ハンドルを握る朱里が言う。電飾の光で前の車との距離感を見失わないように集中してスピードを調節する。

 

「このまま浜名湖を一周するわよ」

 

先導するM38に無線をいれる。

 

『了解』

 

佐藤からの応答があった。

 

『お前も、戦車野郎見てたんだな』

 

続いて佐藤からそんな言葉が入ってきた。

 

「当然よ。戦車道をやる子なら多くが見たんじゃないかしら」

 

『そうか』

 

はまゆう大橋を渡った白州町にあるDC3の展示されている駐車場に止まる。

 

「満艦飾のトレーラーでここまで走ったのね」

 

戦車やトレーラー、トラクターに電飾や行灯を備えてここまで走ってきたのだ。

 

「これでお終いね」

 

 

 

-戦車道部部室-

 

「隊長、この間の追悼走行会の写真が出来ましたよ」

 

明美が部室に入ってくるなり机の上に封筒の中にあった写真を並べる。

 

「隊長の言うとおり、参加した人たちに郵送しました」

 

「ありがとう」

 

そんな時、電話がかかってきた。

 

「はい、こちら戦車道部ですが」

 

私が受話器を取って応答する。

 

『私よ』

 

相手は会長だった。

 

「会長、どうしたんですか?」

 

『早く校門に行きなさい。校門前にあんな車止められていたら迷惑だから』

 

「え?」

 

 

私は受話器を置くなり校門へと走った。校門にはパッカード12が止められており、その周りを下校しようとする生徒等がもの珍しそうに囲んでいた。

 

「会長やお前さんが乗ってるから珍しがらないと思ってたけど、案外珍しがるもんだな」

 

持ち主の佐藤が車から降りた。

 

「ちょっと茨城に行くんで、その挨拶かな」

 

「茨城に?」

 

「そうだよ。ちょっと、戦車道で力を付けている高校があると聞いてね。仲間等と行ってくる」

 

「そう。気を付けてね」

 

「ああ」

 

そう言ってパッカード12に乗り、エンジンをかける。囲んでいた生徒たちが離れたのを確認し、走り出した。

 




日本の映画の中で一番好きと言っても過言ではなかった『トラック野郎』主演俳優『菅原文太』さんに捧げます。

茨城に行く話しは別の話にて書きます。


時系列が滅茶苦茶なので無視してください。
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