香里の優雅な休み【番外編】
「ただいまぁ」
玄関のドアを開けるといきなり駆け寄ってくる猫に頬ずりをしながら二階の自分の部屋に向かう。
通学バックを開こうとするのだが猫が邪魔する。私は頬を膨らませて猫を抱き上げる。
足をばたばたする猫の〔もち〕を見て微笑む。そして部屋の隅に座らせる。
私が宿題を始めると「ミャァ」と鳴くもち。それはまるで「もっとかまってよ」と言っているかのようだ。仕方無しに膝に乗せて撫でながら宿題を始める。
すると今度は部屋の外から別の猫が駆け込んできた。止まりきれなかったのか私にジャンプしながら体当たりするこの猫は〔きなこ〕。
体当たりのせいで漢字を書いていた手を止めることになったけどまぁいい。
すると、いきなり消しゴムをくわえてもちが駆け出した。
「あ、ちょっと待って」
私が追いかけようとするときなこが追い越していく。
いきなり始まった猫との追いかけっこに隣の部屋のドアが開く。
──ヤバい!!
私はリビングに行ってお茶を飲む。
でも、慌てていたせいかお茶がこぼれる。すると飛びかかってきたのはきなこ。
「もぉ!!やめてよぉきなこ。」
すると階段を降りて来る足音が。
「姉ちゃん、さっきからうるさい。宿題に集中できないじゃねぇか。宿題忘れになったら姉ちゃんのせいだからな」
そう言ってすぐ戻っていったのは弟の
私は階段を上がって言う。
「文句言うならきなこともちに言ってよね」
「でも追いかけ回したのは姉ちゃんだろ」
うっ……。私は言葉に詰まる。
そしてゆっくり下がる。
後ろ手でドアを開けようとして手を滑らせる。そこに飛び込んでくる、消しゴムをくわえたままのもち。
私はもちを踏まないようによけて、体が浮かぶ。
「えっ?」
と思ったのもつかの間背中と床が激突。
床に寝転ぶ私の上に乗っかってきたもちが消しゴムを落とす。
「返してくれるの?ありがと!」
もちにお礼を言い、立ち上がろうとする。
すると奏の部屋のドアがゆっくり開く。顔を出した奏の顔面に横からやってきたきなこがジャンプっ!!奏と猫の喧嘩の間に私は部屋に戻って宿題を始める。
漢字を三行ほど書いたところで私の部屋のドアが「キィー」となる。おそるおそる振り向くと、手足の至る所に引っかかれた痕がある。顔は手でガードしたのだろう。
「姉ちゃん……。しつけ係は姉ちゃんなんだからちゃんとしつけろ」
「はいはい。っていうか宿題はいいの?」
私は話題を変える。
「姉ちゃんのせいで進まないんだよ」
ブスッとした顔のまま答える奏。
「だから、なんで私なの?やったのはきなことかもちだよ」
「いや、しつけ係の姉ちゃんの責任だろ」
奏の横に寝転ぶ二匹の猫も「ニャアァ」と鳴く。
「ほらもちときなこも、姉ちゃんの責任だ、って言ってるぞ」
「はいはい。じゃあ宿題に行ってらっしゃい」
私は奏を部屋の外に出す。
そしてムササビペーパーという優れものを部屋の隅に置いて宿題を再開する。
学校から帰ってきてからすでに三十分。
どうも音槌です!!
☆
香里目線で書いてみましたが最近、三人称で書くことが多いので一人称が苦労しました。
それにしてもこれが優雅なのでしょうかね?
☆
明日の投稿は今話題(!?)の新シリーズ[名探偵下神宏樹事件ノート]です!!
お楽しみに!!