Fate/Blood Determined   作:仮面の人

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Faet/zero編
第2話


ジョジョがブリテンに飛ばされてから、時は流れた。

 

現在、1990年代の秋。冬木市の土地で七人の魔術師による聖杯戦争が始まろうとしている。此処に居る、身体を弄られた男も聖杯戦争に参加しようとしている。

 

「雁夜よ、英霊召喚の詠唱は憶えたか?」

 

「あぁ、死にものぐるいで憶えたさ。クソ親父」

 

「カッカッカ、実の親に酷い言いようだな。雁夜、貴様に召喚して貰うクラスは、バーサーカーだ」

 

「確か、詠唱に二小節新たに加える事で召喚し易くなるんだったか」

 

「そうじゃ、バーサーカーは狂化のスキルのお陰で貴様の様な急造の魔術師でも勝ち易くなる筈じゃ」

 

「馬鹿言うな。どうせ魔力消費の激しいバーサーカーを与えて俺が苦しむのを愉しむつもりだろ?」

 

「何を言う、親心じゃ親心」

 

「あんたに期待した俺が馬鹿だった。もういい、詠唱を始める」

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュバインオーグ。振り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

「閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)繰り返すつどに5度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

「ーーーーーーーAnfang(セット)」

 

「ーーーーーーーーーー告げる」

 

「ーーーーー告げる。汝の身は我が下に、我が運命は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

「誓い。此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 

されど汝はその眼を混沌に曇らせ待るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手操る者ーー。

 

汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーー!」

 

雁夜は、詠唱が続ける度に身体の至る所から、血が流れる。しかしこれは当たり前の事、雁夜は身体をクソ親父、間桐蔵硯の蟲により身体を改造されている。既に生きている事が奇跡の様な身体だ。何故なら余命半年。然し雁夜は、この改造を自ら望み今回の聖杯戦争に参加した。何故なら蔵硯が自分の好きな女性の産んだ女の子を桜を引き取り改造を施し、自分の望む子を産ませようとしていたからだ。当然雁夜は怒った然し、蔵硯は雁夜にこう言う「桜を助けて欲しいなら、今回の聖杯戦争で勝ち残り儂に聖杯を献上しろ。そしたら桜には、蟲による改造は施さん」雁夜はその言葉を信じ聖杯戦争が、始まるまでの時間を常人だったら廃人になる程の拷問を耐え続けた。然し、蔵硯は雁夜との約束を破り、桜を母体に改造したのだ。よって雁夜が求める英霊は、桜を助け、蔵硯を殺せる可能性がある英霊であった。

 

「(神様、もし俺の願いを叶えてくれるなら桜ちゃんを助けられる英霊を喚んでくれ。対価が必要なら、俺の全てをやる!だから!桜ちゃんを助けてくれ!)」

 

召喚用の魔術陣から、莫大な魔力が溢れ徐々に人の姿が見えてくる。

その姿は、男に見える。身体を守る鎧は、脚、肘しか無い、その上から黒いロングコートを羽織っている。

 

「ヤレヤレだせ、面倒クセェ事に巻き込まれた。聖杯戦争か、あらゆる願いを叶える万能の願望機を巡って殺し合う戦争。実にくだらん事だ、然し喚ばれたなら仕方ない。自己紹介をしよう、サーヴァントクラス サモナー。宜しく頼むぞ?マスター」

 

バーサーカーを喚び出す筈だったが、喚んだのはサモナーと名乗るサーヴァント。明らかにイレギュラーだ。

 

「おいオイオイ、マスターが既に死に体じゃねぇか、流石に聖杯戦争が始まる前に再起不能(リタイア)は勘弁してくれよ。しょうがねぇな、『クレイジー・ダイヤモンド』マスターの傷を治せ」

 

「傷が治ってく……それよりサモナー、俺がお前を喚んだのか?」

 

「あぁ、そうだ」

 

「カッカッカ!これは面白い、まさかエキストラクラスを喚ぶとは!500年生きた儂でも予想だにしなかったわ!」

 

「マスター、俺はあらゆる人を見てきた、だからそいつが悪い人間か良い人間かは、匂いでわかる。たが!こいつはくせえっ!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜっーーーっ!」

 

「良いのか?サモナー、貴様のマスターは儂の気分次第でいつでも殺せる。口の利き方に気をつけるんじゃな」

 

「サモナー」

 

「マスター、何だ」

 

「あのクソ親父を殺せるか?」

 

「マスター、俺はその言葉を待っていた!『キラークイーン』は既に彼奴に触れている!」

 

ジョジョの背後に猫の様な人型の幽波紋が現れる、腰と手の甲にドクロの模様が付いている。

 

「フッ、儂が貴様みたいな下級サーヴァントに殺されるとでも思ってあるのか?馬鹿も休み休み言え」

 

「下級か如何かは、自分で確かめろ!『キラークイーン』第1の爆弾」

 

サモナーがそう言い終わった直後、蔵硯が爆発し、一切の痕跡を残さずこの世から消えた。

 

「なっ⁉︎一瞬で消えた!サモナー!何をした!」

 

「俺の宝具で消した」

 

「サモナーの宝具は、相手を爆発させる宝具なのか」

 

「少し違うなマスター。改めて自己紹介させて欲しい」

 

「???別に良いぞ」

 

「では、サーヴァント、サモナー。真名 ジョジョ、ブリテンでは円卓の奇術師と呼ばれていた」

 

「ジョジョだと⁉︎」

 

「マスターは俺の事知ってるのか?」

 

「ジョジョ!お前の事はある程度歴史を齧ってる奴なら誰でも知ってるぞ!突如ブリテンに現れ、ガウェインを無傷で倒しアーサー王に実力を認められ円卓に入り、その後も不思議な力でブリテンの危機を救い続けた救世主!それがお前だ、ジョジョ」

 

「ふむ、そんな風になってたのか」

 

「そ、そうだ!ジョジョ!頼む!桜を!桜ちゃんを助けてくれ!」

 

「マスター、先ずは事情を説明してくれ」

 

「あぁ、桜ちゃんは俺みたいに身体を改造されてるんだ!まだ幼い女の子が!蟲に初めてを奪われ、その後も身体を陵辱し続けた!そのせいで桜ちゃんは心を閉ざしてしまった。だから!ジョジョ、お前の宝具で桜ちゃんを助けてくれ!」

 

「任せろ」

 

「やってくれるのか!ジョジョ」

 

「あぁ、だがマスター桜ちゃんの治療の前に話さなければいけない事がある」

 

「言ってみろ」

 

「俺は他のサーヴァントと違い、成長を続けてる」

 

「は?」

 

「良いかマスター。サーヴァントは本来なら、完成している。ステータスが変化するなんて事は、マスターの優劣以外ありえない。然し俺の場合は、サーヴァントに成っても成長を続けてる」

 

「大体把握した、だがそれが治療に関係するのか?」

 

「簡単に言うとだな、マスターを先に治療したい」

 

「ダメだ!桜ちゃんが最優先だ!」

 

「マスターを先に治療した方が桜ちゃんを治療した時の成功確率が上がる。それに治療行為が少し残虐だ」

 

「だから俺が先何だな?俺が先に治療を受ければ桜ちゃんを助けられるんだな?」

 

「約束しよう」

 

「良し、ジョジョ。時間が勿体無いから直ぐに俺を治療しろ」

 

「少し痛いが我慢してくれ。『牙』!」

 

 

 

 

 

 

「……て、……きて、起きて、桜ちゃん」

 

「うん……おじさん、おはよう」

 

「おはよう、桜ちゃん」

 

「おじさん、顔が治ってる?」

 

雁夜の身体は、蟲により左半身が痺れていた。顔は左半分がゾンビの様に成っていたが、ジョジョの治療により治っている。

 

「あぁ、ジョジョが治してくれたんだ。桜ちゃんも治してくれるって。ジョジョ、入って来てくれ」

 

バァーーン!!!

 

「邪魔するぜ」

 

「ジョジョ、一々効果音が入る様な入室をするな!桜ちゃんが驚いてるだろ」

 

「これだけは、俺でもどうしようもない。さて、君が桜ちゃんだな?俺はジョジョ、雁夜のサーヴァントだ」

 

「ジョジョ?私のからだを治してくれるの?」

 

「あぁ、少し痛いが我慢してくれ。『牙』!」

 

「え?つめが回ってる?」

 

ジョジョの爪は、指を軸にして回転している。

 

チュミミーン

 

不思議な声と共に、ジョジョの肩からピンクのクリオネが出てくる。

 

「う⁉︎」

 

爪が桜に着弾する。しかし着弾した場所からは一切の血が流れていない。着弾した部分に穴が出来ている、穴は徐々に移動していき桜の心臓付近に近づく。心臓付近に到着してから10秒ほど時間が経つと穴が消える。

 

「これはオマケだ『クレイジー・ダイヤモンド』桜ちゃんの身体を治せ」

 

「如何だ!治せたか!」

 

「完璧に治した、ついでに蟲による身体の被害も治した」

 

「ありがとう、本当にありがとう」

 

「マスター、俺はマスターの命令に従っただけだ」

 

「それでもだ」

 

「だったら今夜行われる聖杯戦争初戦に参加させてくれ」

 

「其れぐらいなら構わない」

 

「感謝する」

 

 

 

 

時間が流れ夜になった。冬木のとあるコンテナ場では、聖杯戦争の初戦が始まっていた。一人は、全身タイツで獲物は二本の槍。こいつが今回のランサーのサーヴァント。もう一人は、青いバトルドレスに不可視の剣。今回のセイバーのサーヴァントだ。しかし!ジョジョはセイバーに見覚えがあった!ジョジョはセイバーにトラウマを持っていた!

 

「マジかよ⁉︎セイバーが選りに選ってアルトリアかよ⁉︎彼奴俺が他の女と居るのが気に入らないとか言って殺しに来るから苦手なんだよな。偶に俺の部屋に押し入って襲って来るんだよなぁ」

 

セイバーは、アーサー王だった!しかも女でヤンデレだった!!。

 

「お?ランサーの槍で風王結界が解けた」

 

「その手に持つ輝く聖剣。セイバー、貴女の真名はアーサー王と見破ったり!」

 

「フッ、其れが如何したランサー、いやその魔を祓う槍。フィオナ騎士団の一番槍、ディルムッド・オディナ」

 

「まさか、騎士王と名高いアーサー王に俺の名前を知られていたとは、これは嬉しいものだな」

 

 

「さて、お喋りは此処までだ。セイバーよ、俺の槍に付いて来れるか!」

 

「女だからと言って余り舐めるなよ?」

 

ランサーとセイバーが再び戦闘開始しようとした時、雷が落ちてくる。

 

「双方!武器を収めよ!王の御前である!」

 

「我が名は、イスカンダル!今宵はライダーのクラスを持って現界した。如何だ!我が軍門に下り、一緒に世界を蹂躙しようではないか!!」

 

「「断る!!!」」

 

「おお、何故だ」

 

「俺は我が主に聖杯を献上すると誓った」

 

「私はマスターに聖杯を渡せば、私の願いを叶えて貰うと契約したからだ」

 

「ううむ、仕方ないな」

 

「何してますかぁーー!何勝手に真名バラしてんだ!!!」

 

「おうおうおう、ちと煩いぞ小僧」

 

「馬鹿か!馬鹿かなのか!聖杯戦争で真名をバラすのは自殺行為だぞ!」

 

「ハッハッハッ!いやはや、余りにも血が滾る闘いだった為に出てきてしまったわい!さて、他にも居るだろう!先の闘いに心が躍った英霊よ!出てこい!!」

 

イスカンダルが大声で叫ぶと、突然突風が吹いてボロ布が飛んでくる。

 

「ボロ布?」

 

誰かが呟くと、布があり得ない軌道で回転していく。

 

「布が回転してる⁉︎」

 

「まさかっ!彼が召喚されたのですか⁉︎」

 

「セイバー?アレが誰の仕業か知ってるの?」

 

「いえ、まだ判断出来ませんアイリ」

 

「ドジャァーーン!!」

 

布から出てきたのはジョジョだった。

 

「あ……ああ……本当に……彼が召喚されたんですね」

 

「さて、ライダーに習い名乗らせてもらおうか。この度はエキストラクラスで召喚された。クラスはサモナー、真名はジョジョだ」

 

「ジョジョ⁉︎ブリテンの奇術師の⁉︎」

 

「ほぉー、ジョジョとやら!我が軍門に下る気はないか!」

 

「征服王イスカンダル。高いカリスマ性で、民を先導しオケアノスを目指した偉大なる王。その逸話を元にした宝具が有るなら今回の聖杯戦争で勝ち残る確率は高いだろうな」

 

「おぉ!ならば軍門に下るのか!」

 

「やったぞライダー!ブリテンの奇術師、ジョジョが協力してくれるのは勝ったも同然だ!」

 

「おうおう、物は試しで真名をバラした甲斐があったわい」

 

「だが断る!!!」

 

「「「「なっ⁉︎」」」」

 

「せ、セイバー?貴方は驚かないの?」

 

「アイリ、この程度で驚いていたらジョジョには勝てませんよ」

 

「ジョジョ、何故に我が誘いを断った」

 

「このジョジョが最も好きな事の一つは、自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ!!他にも理由はあるがな」

 

「それよか、いい加減出てきたら如何だ。遠坂 時臣のサーヴァント。アーチァーのクラスで現界した人類最古の王、英雄王 ギルガメッシュ!」

 

「ほぉ?何故我の名を知っている、答えよ!王の命令で有る!」

 

「俺の宝具、『そばに立つ』(幽波紋)には情報収集に特化した幽波紋がある。それを使って今回のマスター全員の情報を集めただけだ」

 

「面白い宝具だ、我の知らない力だな」

 

「アーチァーが英雄王だって⁉︎」

 

「気に入ったぞ!ジョジョとやら!貴様は我が家臣にしてやろう!光栄に思うが良い!」

 

「断る!」

 

「ジョジョよ。我の誘いを断るだと?理由を述べよ、理由次第では赦してやろう」

 

「俺を家臣にしたいのなら、そこに居るアルトリアに勝ってから言ってくれ!俺はブリテンの、騎士王の、アルトリアの奇術師だ」

 

「ジョジョ\\\」

 

「フハハハハ!!面白い面白いぞ!ジョジョ!其方の方が我好みだ!益々欲しくなってきた!騎士王よ!必ずや貴様からジョジョを奪ってやろう!」

 

英雄王は、そう宣言すると霊体化して帰っていく。

 

「断ります!ジョジョは私だけのジョジョですから!そうですよね?ジョジョ?」

 

アルトリアの眼には、ハイライトが消えていた。

 

「誰にも…誰にも渡しません……ジョジョは私だけのジョジョ何ですから」

 

アルトリアはジョジョに近付きながらブツブツと呟く。

 

「落ち着け!落ち着いてくれ!そこのホムンクルスの!仮にもアルトリアのマスターだろ!止めてくれ!このままじゃアルトリアに襲われる!性的に」

 

「セイバー!此処でジョジョを襲うのはダメよ!」

 

「何故ですか!やっとジョジョに逢えたのですよ!」

 

「考えてセイバー!こんなロマンの欠片も無い場所でジョジョと添い遂げるの?」

 

「アイリの言う通りですね」

 

アイリの言葉で正気を取り戻し、眼にもハイライトが戻っていた。

 

「ジョジョ。お前も女性関係で苦労してるんだな。頑張ろう、俺も頑張るから」

 

ランサーがジョジョに述べた台詞には、重みがあった。何故ならランサーは、生前自分の主人の妻になる筈の女性と恋に落ちて最後は主人のフィン・マックールに見捨てられ死んだのだ。つまり、ランサーはジョジョと同じ様に女運が無かったのだ。

 

「おう、感謝する。俺にできる礼はランサー、お前と全力で闘う事しか出来ないがな」

 

「それは戦士に取って最高の礼だな。今夜は帰らせて貰う、主人から帰還の命令が出て居るのでな」

 

ランサーは霊体化して帰っていく。

 

「ジョジョ、また逢いましょう、その時は、二人きりで愛し合いましょうね?」

 

「待ってよセイバー!」

 

アルトリアとアルトリアのマスターのアイリは、車で帰っていく。

 

「帰りますか」

 

こうして聖杯戦争の一戦目は、終わった。控えめに言って混沌である。!!

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