ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
今回は第一層でのおまけの小話です。とは言っても、ほんの少ししかありません。息抜きみたいな感じでお願いします!
それではどうぞ!
あの日、あの時、あの場所で。①
○
これはこの物語で、本編には出なかったお話。
『恋する少女達の内緒話』
キリト達と再開して30分後。ロニエとティーゼは宿屋の一室に入った。
「……ねえ、ロニエ。」
「何?ティーゼ。」
「………信じられると思う?また、ユージオ先輩とキリト先輩と会えたなんて…」
「……確かに、今も夢を見てるみたいで……でも、本当のことなんだろうね…」
「……さて、ロニエ。」
「?」
「今この状況はチャンスよ。」
「え?」
「キリト先輩がアスナ様とまだ出会ってないのよ!あんたの方が先に出会ったんだから!アスナ様よりずっと有利な立場に立ってるのよ!」
「ええっ/////⁉︎」
ロニエはティーゼに不意を突かれ、赤面する。
「絶対に勝ちなさいよ!今度こそっ!アスナ様に悪い…とか、思ったらダメよ!」
「も、もう!や、やめてよっ、ティーゼ//////⁉︎」
「応援してるんだから!」
苺のように真っ赤になった。
「……うー……////じゃ、じゃあ、ティーゼもだよ!」
反撃とばかりに言い返すロニエ。
「⁉︎」
「今度こそユージオ先輩の心を勝ち取らなきゃねっ////!」
「いやっそっそれは……/////////」
ロニエに負けず劣らず赤くなるティーゼ。まるでリンゴのようだ。
「あ、赤くなっちゃって……私なんかよりティーゼの方が頑張らなきゃね!」
「ちょ、ロニエ/////⁉︎」
「分かってるんだから!ティーゼ、あなたがユージオ先輩を見ては頰を赤くしてることぐらいね!」
「〜〜///////////‼︎‼︎」
これは宿屋の一室で話された口外できない恋する少女の内緒話。こんなことを話されているとはキリト達は知る由もない。
『お風呂事件の裏』
「きゃあああああああああああああああああッ⁉︎」
バシィィイッ!
「へぶしっ⁉︎」
ドタンッ!
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
倒れるユージオ。裸で息を切らすティーゼ。咄嗟に平手を飛ばしてしまったが、やはり彼女も思春期の女の子。気にしてしまうものである。
「………ぁ、服っ!」
すぐさま装備を元に戻して、冷静に考える。
「あ、ああっ!ゆ、ユージオ、先輩ぃっ⁉︎」
テンションがおかしくなって、口調がしどろもどろになっている。
「うぅ………………〜〜//////////⁉︎」
さっき起こったことを思い出し、再び赤面する。
「ただいま、ティーゼ……って、どうしたの?」
そこへ、ロニエが部屋に入ってくる。
「……あ、あうっ⁉︎ろ、ろにえぇ……」
「……どうしたの?」
「ゆ、ユージオ先輩が……」
「ユージオ先輩がきて……って、ゆ、ユージオ先輩⁉︎」
倒れたユージオを見て驚くロニエ。まあ、当たり前だろう。ユージオはビンタのダメージ量が多すぎて白目を向いている。
「な、なにが……まさか、ティーゼ………?」
「……そ、そうなんだけど………でも、そうじゃなくてぇ………うぅ〜/////!」
何も知らないロニエからすれば一方的にやったと思うのは仕方がない。なのでティーゼは状況を話した。
「ええええええええええええッッ⁉︎ほ!本当なの、ティーゼ⁉︎」
「……〜〜/////!」コクッ
「………そんなに大胆な人だったんだ…ユージオ先輩って……でも、なにかの間違いじゃないの?だって、ユージオ先輩が……そんなこと、するはずないし……」
「………とりあえず、隣の部屋に運ぼう!そうじゃないと、起きちゃうかもだし……」
「……分かったけど、二人で運べるかな…」
この会話の後、二人はユージオの足と肩を持ってキリト達の部屋に運んで何事も無かったかのように部屋に戻って行った。
これが事件の後である。
このおまけ回はこれからも同じタイトルで続いて行きます。よかったら見て言ってください!