ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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遅れました!クロス・アラベルです!
今回は結構書きましたね!
えっと、文字数は………6000超えてる⁉︎
……えっと………第6話『アニールブレードと悲しき裏切り』お楽しみください!


アニールブレードと悲しき裏切り

ここは、草原の道。

 

そこを走る2人の少年がいた。

 

ユージオ「……………!キリト、あれって………」

 

キリト「………ああ!第2の町『ホルンカ』だ!」

 

すこし先に、小さな村が見えた。

 

ユージオ「あと、すこし、だねっ!」

 

キリト「頑張れ、よ!ユージオ!」

 

ユージオ「わかってる、よ!」

 

シュワン‼︎

 

音とともに、狼型のモンスターが現れた。

 

キリト「!」

 

ユージオ「キリト!」

 

キリト「ああ!………これで、ラス、トだ‼︎行くぞっ!」

 

ユージオ「言われなくとも!」

 

『ガウガウガーーーーー‼︎』

 

モンスターが2人に向かって牙をむき出しにして襲ってくる。

 

2人の剣が別々のひかりを放ち、2人を加速させる。

 

「「はあああああああああああああ‼︎」」

 

ザシュッッ‼︎

 

『キャウン!』

 

パリィィィイン‼︎

 

また一撃で仕留め、2人は町の入り口に突入した。

 

ユージオ「やった!……ハァハァ、ハァハァ………やっと………」

 

キリト「……ハァ、ハァ……やっとついたか………えっと、今は、7時過ぎか………今のうちにクエストを受けとくか………」

 

ユージオ「?………くえすと?」

 

キリト「ああ、依頼だよ。かなり時間かかるけど……今から受けるやつは、報酬として剣が貰えるんだ。」

 

ユージオ「剣が⁉︎」

 

キリト「ああ。この第1層ではかなりレアなんだ。」

 

ユージオ「いいね、そのくえすと……どこで受けるの?」

 

キリト「あそこの家だ。」

 

キリトが指差したところには小さな民家があった。

 

ユージオ「あそこ?」

 

キリト「そうだ。さあ、行こう。」

 

ユージオ「うん。」

 

 

〜少年たち移動中〜

 

 

ガチャ、キィィー………

 

キリト「ここだ。」

 

ユージオ「へー……お邪魔します………」

 

入った家は、簡素な作りだった。部屋の数もそこまで多くはないみたいだ。奥に一つ扉があるくらいで………

 

キリト「ユージオ、ここはNPCの家だぜ。そんなこと言わなくてもいいんじゃないか?」

 

え、えぬ…………すごい珍しい名前だな………

 

ユージオ「えっと、その『えぬぴーしー』っていう人が住んでるんでしょ?普通、挨拶ぐらいしないと失礼だよ。

 

キリト「…………変な考え方だな…………ま、いいさ。それは個人の自由だしな。」

 

ユージオ「変かな?」

 

家の中にはおばさんが1人いるだけだった。

 

キリト「ほら、このクエストNPCだよ。これに話しかければ、クエストが受けられる。」

 

ユージオ「へぇ………」

 

この人が………すごい心配そうな顔してるね……何かあったのかな?

 

ユージオ「あ、あのすいません、何か困ったことがありますか?すごく心配そうな顔してますけど…………」

 

クエストNPC『!ああ、旅のお方………どうか、どうか私の娘をお助けください!』

 

ユージオ「…………娘?」

 

クエストNPC『はい!………私の娘はある病気にかかってしまいまして………それを治すには、この村の東にある森にある、【ネペントの胚珠】が必要でして……それ以外では、治せないのです……………旅のお方、どうか、私の娘を………』

 

ユージオ「‼︎………キリト……」

 

僕が振り向いた時には、キリトはもう頷いていた。

 

ユージオ「わかりました。その依頼、受けます。」

 

その時、そのおばさんの頭上に黄色の三角が現れた。中にはビックリマークがついた。

 

ユージオ「?キリト、これは………」

 

キリト「よし、それでクエストが受注できた。早速、森に行こう。」

 

ユージオ「……うん。早くその『ねぺんとの胚珠』っていうのを取ってこよう!」

 

キリト「ああ。」

 

 

 

〜少年たち移動中〜

 

 

 

ユージオ「キリト…………ここがその森?」

 

僕らの目の前には森が広がっていた。夜だから、不気味な雰囲気を漂わせている。

 

キリト「そうだ。………まさかとは思うが……怖いのか?」

 

キリトがニヤつきながら僕を見てきた。

 

ユージオ「…………その言葉は心外だな……でも、怖いというより……不気味……だね。」

 

キリト「まあ、確かに不気味だ。今は夜だからな……よし、ここでユージオ、お前に教えなきゃいけないことがある。」

 

ユージオ「えっ?教えなきゃいけないこと?」

 

キリト「ああ。『スキル』についてだ。」

 

ユージオ「『すきる』?」

 

キリト「『スキル』っていうのは、技術のことだ。例えば、俺の持ってる『片手剣スキル』だ。これのスキル値が増えると、使えるソードスキルが増えるんだ。」

 

ユージオ「す、すきる……だね。」

 

わからない言葉が多すぎるよ……でも、ソードスキルっていうのは聞いたことがある。キリトから初めて出会ったくらいの時に聞いたよね………

 

キリト「それでだ。そのスキルの中に『索敵スキル』と『隠蔽スキル』がある。まあ、ほとんどのやつが『サーチングスキル』、『ハイディング』って呼んでるのがあるんだ。それで、今俺たちは、二つスキルを持つことができるんだ。片方は『片手直剣スキル』だろ?それでもう一つのスキルに索敵と隠蔽、どっちかを入れた方がいいんだ。」

 

ユージオ「へえ……それでキリトはどっちを選ぶの?」

 

キリト「俺は迷わず『索敵スキル』を取る。」

 

ユージオ「なんで?」

 

キリト「今から入るこの森は『隠蔽スキル』の効かないモンスターがほとんどだ。だから、索敵スキルを取った方が得なんだ。」

 

ユージオ「へー、そうなんだ!わかった。僕もそうするよ。」

 

キリト「よし。じゃあ、行こうか‼︎」

 

索敵スキルを取ってから、僕たちは森に入った。僕、ここまで不気味な森には入ったことはないよ。

 

キリト「………!………来た!索敵スキルに反応ありだ。」

 

ユージオ「えっ⁉︎もう?もしかして、僕もかな?」

 

僕もメインメニューを開いて、索敵スキルっていうところを見てみる。地図に赤い点が2つ点滅してる。

 

ユージオ「2匹?」

 

キリト「ああ、多分この動き方はネペントだろうな。」

 

ユージオ「その、ねぺんとっていうのは何?」

 

キリト「植物型モンスターだ。今の俺達でも、レベル的に同等ぐらいだ。」

 

ユージオ「そんなに強いの⁉︎」

 

キリト「まあな。それでだ。ネペントには3種類いる。頭に葉がついた普通のネペント。んで、俺達が倒さないといけないのが、頭に赤い花がついたネペントだ。こいつを倒すと、稀に『ネペントの胚珠』がドロップするんだ。」

 

ユージオ「どろっぷ?」

 

キリト「………アイテムが落ちることだ。あと、気をつけないといけないのが………頭に赤い実がついたネペントだ。こいつはあまり相手にしない方がいい。」

 

ユージオ「なんで?」

 

キリト「実付きネペントの実を割っちまうと、周りからネペントがうじゃうじゃ出てくるんだ。だから、実付きと花付きが出たら言ってくれ。」

 

ユージオ「わかった。」

 

キリト「………おっ!一発目から花付きだとはな……ラッキー!」

 

ユージオ「あれが………ネペント?」

 

キリトが指差した先には、頭でっかちで裂けたような真っ赤な口、そして胴体からは蔓が数本生えた植物とは言いがたいものがいた。

 

な、なにあれ………気持ち悪いよ………

 

キリト「ユージオ、あいつの弱点は胴体の細くなってる部分だ。あそこを水平に斬るか、斜めに斬ると早く倒せる。『ホリゾンタル』とか、『スラント』だな。でも、縦に斬るのはやめた方がいいぞ。実付きだったら、実に当たるかもしれないからな。……っ!気付かれた!よし、実付きは俺がやるからユージオは葉付きを!」

 

ユージオ「りょ、了解……」

 

『………!ギシャァァア‼︎』

 

ユージオ「よし、お、落ち着いて………」

 

ネペントが小刀のような葉が付いた蔓で攻撃して来た。

 

ネペントの動きをしっかり見て……躱して、細い部分を…………斬る‼︎

 

剣を薄青い光が包む。そして……

 

ユージオ「はあっ‼︎」

 

ズバァッ‼︎

 

『ギシャァァァァァア‼︎』

 

パリィィィン‼︎

 

ユージオの放った『ホリゾンタル』はネペントの胴体のの細い部分を断ち切った。そして、ネペントはポリゴン片となって四散した。

 

ユージオ「よし!やった‼︎」

 

ザシュッ!

 

パリィィイン‼︎

 

ユージオ「!」

 

キリト「………ふう……倒せたみたいだな、ユージオ。えっと、ドロップアイテムがは………胚珠はないか………」

 

ユージオ「そう簡単には出てこないんだね………」

 

キリト「まあ、数狩ればそのうち出てくるだろ。」

 

ユージオ「よし、頑張ろう!キリト!」

 

キリト「ああ!」

 

 

 

〜少年達狩り中〜

 

 

 

ユージオ「はあっ‼︎」

 

ズバッ!

 

『ギシャァァア⁉︎』

 

パリィィイン‼︎

 

ユージオ「……ふう…………さっきので何体目だろ?もう100は超えてる気が………」

 

パラリラパラリラリーーン‼︎

 

ユージオ「あっ‼︎レベルアップだ!」

 

ユージオ「………アイテムは………‼︎『ネペントの胚珠』だ‼︎」

 

キリト「シッ‼︎」

 

ザシュッ‼︎

 

『ギシャァ………』

 

パリィィィィン!

 

パラリラパラリラリーーン‼︎

 

キリト「ふう、レベルアップか………ユージオ!胚珠はドロップしたか?」

 

ユージオ「したみたいだよ!キリトは?」

 

キリト「いや、ドロップして無い………」

 

ユージオ「そっか………」

 

キリト「ユージオ、先に森を抜けてくれ。俺は胚珠がドロップするまで狩り続ける。」

 

ユージオ「何言ってるの?キリト。僕も手伝うよ!」

 

キリト「!………ありがとな。」

 

ユージオ「キリトもレベルアップしたの?」

 

キリト「ああ。レベル6だ。」

 

ユージオ「僕もみたいだよ。」

 

そこで、キリトと『ハイタッチ』しようとした時、

 

パチパチパチパチパチパチ!

 

とキリトの後ろで拍手したような音が聞こえた。

 

キリト「⁉︎」

 

ユージオ「?」

 

キリトは焦ったように振り向いた。

 

そこにいたのは、ネペントのようなモンスターではなく、1人の少年だった。短めの茶髪に茶色い目。右手には僕らと同じスモールソードが、左手には丸い盾があった。

 

???「あっ………ごめんね………驚かせちゃったね。レベルアップおめでとう。」

 

キリト「……………ああ、ありがとう………」

 

ユージオ「ありがとう……僕、ユージオ。それでこっちが………」

 

キリト「………キリトだ。」

 

ユージオ「君は?」

 

???「……僕はコペル。君たちもあのクエスト受けたの?」

 

キリト「そうだけど………」

 

コペル「そっか………僕も受けたんだ。クエスト報酬のあの剣、この一層じゃレアだからね……見た目はイマイチだけど。」

 

キリト「………確かにな。いい剣だけど、見た目がパッとしないな。」

 

ユージオ「あの剣って報酬の剣?」

 

キリト「ああ。」

 

コペル「あのさ………僕から提案があるんだけど………3人で一緒にネペント狩り、しない?人数が多い方が効率がいいし………嫌ならいいんだけど………」

 

キリト「………いいよな?ユージオ。」

 

ユージオ「もちろんだよ。コペル!一緒に頑張ろう!」

 

コペル「‼︎……………ありがとう!」

 

 

 

〜少年達ネペント狩り中〜

 

 

 

キリト「ふう………あとはコペルの分だけか………」

 

コペル「ごめんね………手伝わせちゃって………」

 

ユージオ「いいよ、一緒に剣をもらいに行きたいしね。」

 

コペル「……………」

 

…………?コペル……なんで、悲しそうな顔してるんだろう?………

 

キリト「…………索敵スキルに反応あり!三体だ………ネペントだな。」

 

ユージオ「…………見えた………あっ!み、実付きがいる‼︎」

 

コペル「…………じゃあ、実付きは僕に任せて………2人はノーマルを………」

 

ユージオ「了解!」

 

キリト「わかった。」

 

よし………あともう少しでもう1つドロップしそうだし、頑張ろう………

 

その時、またあの頭痛がきた。

 

ユージオ「⁉︎…………うっ⁉︎」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

暗い森の中、2人の少年が剣を持ち、戦っている。

 

1人は一振りの剣を持った黒髪の少年、キリト。

 

もう1人は丸い盾と剣を持った茶髪の少年、コペル。

 

キリトがネペントを倒す中、コペルが実付きネペントに垂直斬り『バーチカル』を喰らわせようとする。

 

コペルは聞こえないものの、こう言った。

 

 

 

『ごめん』

 

 

次の瞬間、実に剣が直撃し、実が破裂した。

 

そして、大量のネペントが周りから現れる。

 

隠れるコペル。

 

キリトはネペントを斬りつけ、さらに追い討ちをかけた。

 

コペルが隠れた草むらに向かって行く大量のネペント。

 

コペルは隠れるのが無駄だと分かり、戦い出す。

 

キリト側にいたネペントをキリトが倒し、コペルを助けようと振り向こうとした、その直前……

 

 

 

パリィィィィィィイン!

 

 

 

無慈悲で残酷な音が聞こえた。

 

振り向いた時、そこにあったのは一振りのひどく傷付いた剣と丸い盾。

 

そして、キリトは俯きながら、そこにいる大量のネペント達に斬りかかる。

 

遺された剣と盾の側にキリトが『ネペントの胚珠』を落とす。

 

そして、背景が変わってある家の中、少女に頭を撫でられているキリト。

 

キリトは、泣いていた。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

まただ………………また、記憶が………

 

ユージオ「…………この記憶の場所は………この森?」

 

キリト「ユージオ‼︎早く行くぞ!」

 

これはキリトの記憶。未来だ。ならまた…………………

 

 

 

 

 

この記憶通り、また、繰り返される。

 

 

 

 

 

ユージオ「コペル‼︎行くなあああああああああああああああああああああ‼︎‼︎」

 

気がついたら、僕は叫んでいた。

 

でも、コペルは、ネペントに向かって走った。

 

そして、記憶通りネペントに『バーチカル』を食らわせようとして、剣を構えた。

 

 

 

『ごめん』

 

 

聞こえないけれど、コペルはきっとこう言った。

 

パァァァァァアン‼︎

 

ネペントの実が割れる音が森中に響く。

 

キリト「…………いや、駄目だろ…………」

 

キリトが呟いた。

 

索敵スキルが発動して周りからネペントが現れたことを知らせている。

 

キリト「……ユージオ!俺たちはこっちの奴らをやるぞ!」

 

ユージオ「…………でも、コペルを助けなきゃ………」

 

キリト「コペルの手伝いはこっちが終わってからだ!先にこっちの奴らを倒しておかないと面倒くさいことになる!」

 

向こうの方ではコペルが草むらに隠れようとしていた。

 

ユージオ「…………でも‼︎」

 

キリト「早く‼︎」

 

ユージオ「…………………わかった。早く倒してコペルを助けに行こう‼︎」

 

キリト「ああ。……………コペル、お前は知らなかったんだな…………隠蔽スキルがネペント達には効かないこと…………」

 

ユージオ「キリト!早く!」

 

キリト「了解‼︎」

 

ユージオ「やあっ‼︎」

 

ズバッ!

 

『ギシャァァア⁉︎』

 

パリィィイン‼︎

 

キリト「はあっ‼︎」

 

ザシュッ!

 

『ギシャァァ………』

 

パリィィイン‼︎

 

ユージオ「早く行かないと…………」

 

こっち側のネペントを倒した直後だった。

 

 

 

 

パリィィィィィィイン‼︎‼︎

 

 

 

キリト「‼︎」

 

ユージオ「⁉︎」

 

無慈悲で残酷な音が森中に響いた。

 

振り向いた時、そこにあったのは…………短めの剣と丸い盾だった。

 

また、繰り返された………あの記憶と同じ結果に…………

 

ユージオ「あぁ…………コペルが………」

 

キリト「………っ‼︎ユージオ…………行くぞ…………あいつらを………」

 

ユージオ「僕が………もう少し早ければ…………くっ‼︎」

 

暴れながら蔓を鞭のように使い2人を倒そうとする大量のネペント達。その中には花付きが五体程いた。

 

剣を構え、突撃する2人。

 

 

 

『『『『ギシャァァァァァァァァァァァァアア‼︎‼︎』』』』

 

 

 

 

 

 

「「うおおおおおおおおおおおおお‼︎‼︎」」

 

 

 

 

 

 

2人は叫びながら、ネペント達を屠り続けた。花付きがいようと、実付きネペントの実を斬っても戦い続けた。

 

---------------------------

 

 

ユージオ「ハァ、ハァ、ハァ…………」

 

キリト「……………」

 

キリトはメインメニューを開き、ストレージから『ネペントの胚珠』を取り出した。そして、コペルが最期に遺していったたくさんの傷が付いた剣と丸い盾の元へと向かった。

 

キリト「………………コペル、お前の分だ。……………お疲れ…………」

 

そう言ってキリトは剣と丸い盾のところに胚珠をそっと置いた。

 

ユージオ「ごめん、コペル………僕がもっと早く気づいていれば…………」

 

キリト「………………行こう…………ホルンカに…………」

 

ユージオ「…………うん………」

 

そして、僕らはふらふらと歩いてホルンカに帰った。

 

 

 

〜少年達移動中〜

 

 

 

ガチャッ キィィィ…………

 

また僕らはやって来た。この古民家に。

 

『ネペントの胚珠』をおばさんに届けるためにきた。

 

この時僕らは初めて気づいた。

 

あの時、ネペントを倒したことで胚珠がいくつかドロップしていた。

 

キリトは2つ、僕が3つだった。

 

そして、クエスト報酬である剣『アニールブレード』を受け取って外に出た時にはもう、午前一時を回っていた。

 

僕らは何も言うことなく同じ宿の同じ部屋に泊まった。

 

ベッドで寝ようとして目を閉じた時、すすり泣くような声が聞こえた。

 

僕は何も声をかけられなかった。

 

また、繰り返された。

 

僕は、この時、決めた。

 

 

 

もう、繰り返させやしないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回『2人の少女』

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