ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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第8話できました!
クロス・アラベルです!
今回は戦闘シーンが一切ありません………お許し下さいっ(´;Д;`)
そして、今回はあの物知り人が登場です!
お楽しみ下さい!


逆襲の雌牛

 

 

 

ロニエとティーゼに出会ってから僕らは『ぱーてぃ』というものを組み4人で行動した。《カーディフ》でのクエストをあらかたこなして、翌日に次の町《バルグトス》へと出発した。

 

キリトは最初、ロニエ達がパーティに入ることを渋っていたが、ロニエ達の剣の腕を見て条件付でパーティに入ることを許可した。

 

その条件は『キリトの指示に従うこと』。ビギナーであるロニエとティーゼはまだ、この世界に慣れていない為、キリトが2人を見守ることになった。

 

もう1つの条件は剣を変えること。2人は僕らが持っていた予備のアニールブレード2本を使うことになった。2人は少しは躊躇していた。やはりすぐ剣を変えるのは少し答えたようだ。

 

そして、《バルグトス》に到着して2日目。僕らはクエストを3つクリアして、休憩がてらに鍛冶屋に来ていた。

 

ユージオ「キリト、何か防具でも買うの?」

 

キリト「いや、そういうわけじゃない。そろそろ剣の強化をしようと思ってるんだ。」

 

ロニエ「剣の……強化ですか………」

 

キリト「大体強化に必要なアイテムは揃ってるし、強化なしの剣だとそろそろ不安だからな。」

 

ティーゼ「この『アニールブレード』でもですか?」

 

キリト「ああ。強化すればするほど攻略に役立つからな………」

 

そして、キリトはアイテムストレージを確認し、鍛冶屋に声をかけた。

 

キリト「すいません、剣の強化を頼む。」

 

NPC鍛冶屋『あいよ!強化種類は?』

 

キリト「『丈夫さ』で、強化アイテム持ち込み。」

 

NPC鍛冶屋『あいよ!』

 

そして、キリトは背中にある『アニールブレード』を鍛冶屋に渡した。

 

そして、鍛冶屋は剣を高温で熱して、キリトから貰ったアイテムも高温で熱して、剣にかけた。鍛冶屋は槌を取り出して叩き始めた。剣は黄色に光っていた。

 

「「「うわぁ………!」」」

 

息を呑むほど綺麗だった。そして、10回ほど叩いた時、剣の黄色い光が収まった。そして、出て来たのはさっきよりも輝きの増したアニールブレードだった。

 

NPC鍛冶屋『よかったな!成功したよ!』

 

キリト「ありがとう。」

 

ユージオ「すごいね………これで……」

 

キリト「丈夫さが+1だ。こういう風に強化して行く。強化種類は『丈夫さ』『鋭さ』『速さ』『正確さ』『重さ』がある。オススメは………『丈夫さ』と『鋭さ』だ。」

 

ユージオ「そっか………」

 

キリト「それじゃあ、3人ともそれぞれ強化していってくれ。」

 

ロニエ「はい!」

 

 

 

 

 

〜少年少女剣強化中〜

 

 

 

 

 

ロニエ「出来ました、キリト先輩!」

 

ユージオ「僕らも出来たよ。」

 

僕らもアニールブレードが強化出来た。

 

僕が『アニールブレード(鋭さ+2丈夫さ+3正確さ+1)』、ロニエが『アニールブレード(鋭さ+2丈夫さ+2正確さ+2)』、ティーゼが『アニールブレード(鋭さ+3丈夫さ+2正確さ+1)』で、キリトが『アニールブレード(鋭さ+3丈夫さ+3)』だ。

 

キリト「これで少しは戦闘が楽になったな。それじゃあ、昼ごはんにしよう。買って来るよ。」

 

ロニエ「あっ、大丈夫です!私が買いに行きます!」

 

キリト「大丈夫だ。ロニエとティーゼはまだ、慣れてないだろ?」

 

ロニエ「うぅ……はい……お願いします。」

 

キリトは向こうにある店に行った。

 

ティーゼ「いい感じよ、ロニエ!もっと積極的に、ね!」

 

ロニエ「う、うん!」

 

何かティーゼがロニエに励まし(?)の言葉をかけている。試しになんの話か聞いてみよう。

 

ユージオ「?………何の話?」

 

ティーゼ「ユージオ先輩には関係ないことです。」

 

ユージオ「えぇー……」

 

なんでか知らないけどあっさり返された。………ちょっと悲しい………

 

キリトが帰って来た。

 

キリト「買って来たぞ!はい。」

 

そう行って僕らに渡したのは…………昨日も一昨日も食べた、丸くて硬い黒パン。

 

ティーゼ「ええ⁉︎また、それ食べるんですか⁉︎キリト先輩!」

 

あり得ないと言うようにティーゼが悲痛な叫びをあげる。

 

キリト「ああ。食べられないものじゃないだろ?」

 

ティーゼ「ですけど………」

 

ロニエ「食べられないことはないですが、あんまり美味しくないですよ……そのパン、硬すぎますし………」

 

ユージオ「僕は慣れてるけどね。」

 

そう、僕はアンダーワールドのルーリッドの村で木こりをしていた時は、これと同じくらい硬いパンを毎日お昼に食べていた。………………ちょっとその頃が懐かしいな………

 

キリト「そんなにか………ま、いいだろ!今日の晩御飯にはただの黒パンじゃなくなるから。」

 

ティーゼ「えぇっ?」

 

ユージオ「キリト、それはどういう………」

 

キリト「それは秘密だ。まあ、黒パンが変わる前に一仕事しなきゃいけないけどな。」

 

ロニエ「一仕事……というと、クエストですか?」

 

キリト「ああ、その通り。そこであいつと約束してるしな………黒パン食い終わったら行こう。」

 

ロニエ「はい!」

 

ユージオ「あいつ?」

 

そして、僕らは黒パンを食べ終えてクエストを受けに行った。

 

 

 

〜少年少女移動中〜

 

 

 

五分後、ぼくらが着いたのはとある牧場だった。

 

そこで、僕らは1つのクエストを受けた。

 

 

ユージオ「『逆襲の雌牛』………か……」

 

ロニエ「キリト先輩、どんなクエストなんですか?」

 

キリト「んーとだな………あの牧場から抜け出した雌牛がいてな、そいつがリーダーになって何度も他の牛を脱走させようとするんだ。だから…………」

 

その時、見知らぬ声が聞こえた。

 

 

 

 

『その雌牛を倒さなきゃいけなんダヨ』

 

 

 

キリト「来たか!」

 

ユージオ「?………誰?」

 

ティーゼ「えっ?この声って…………」

 

ロニエ「まさか………」

 

後ろを振り向くとそこには濃い緑の外套を着た小柄なプレイヤーがひとりいた。

 

???「久しぶりだネ、キリト………ン?ローちゃんとティーちゃんじゃないカ。これまた久しぶりだネ。ホルンカへの道以来ダヨ。」

 

「「ア、アルゴさん‼︎」」

 

キリト「お前が本物の『アルゴ』だな?」

 

アルゴ「オイオイ、俺っちを疑ってるのカ?キリト?」

 

キリト「久しぶりだな、アルゴ。」

 

ロニエ「お久しぶりです!アルゴさん!」

 

アルゴ「元気にしてたカ?ローちゃん、ティーちゃん?」

 

ティーゼ「はい、おかげさまで!」

 

キリト「なんだ、2人とも知ってたのか?」

 

ロニエ「はい!ホルンカの町に行く途中に助けてもらって……」

 

ティーゼ「それでここで必要なことをたくさん教えていただいたんです!」

 

キリト「そうか。」

 

アルゴ「フーン………キリトはいつも女の子を連れてるわけだナ?」

 

キリト「成り行きでこうなったんだ。ほっとく訳にもいかないだろう?」

 

アルゴ「………キリトはヘタレなのカ?じゃあ、キリトのことは『キー坊』って呼ぶことにするヨ!」

 

キリト「何だよ、『坊』って!身長的に年下だろ!」

 

アルゴ「そうとも限らないゾ。」

 

キリト「そんなんで呼ぶなよ!」

 

アルゴ「嫌だヨ、キー坊!」

 

キリト「なんでそうなった………」

 

 

あ、あれ?僕、空気になってる?

 

アルゴ「ン?知らない奴がいるナ。お前ハ?」

 

ユージオ「あっ、えっと……僕、ユージオ。君の名前はアルゴっていうの?」

 

アルゴ「その通りダヨ。俺っちは情報屋ダ。『鼠のアルゴ』と呼ばれてるヨ。」

 

ユージオ「アルゴ、だね。よろしく、アルゴ。」

 

アルゴ「ユージオだナ?これからよろしくお願いするヨ。」

 

アルゴは深くフードを被っているからわからなかったけど、短い金髪の女の子だった。

 

キリト「そんじゃあ、アルゴ。調べて欲しいことがある。」

 

アルゴ「ん。わかったヨ。調べて欲しいっていうのはなにについてかナ?」

 

キリト「………ベータテスターの死亡者数だ。」

 

アルゴ「………分かっタ。調べて見るヨ。」

 

キリト「頼むぞ……」

 

アルゴ「じゃあ、わかり次第連絡するヨ。その時には500コル、用意しておいてくレ。」

 

キリト「ああ。」

 

アルゴ「それじゃあナ!ローちゃん、ティーちゃん、キー坊に、ユー坊!また会おウ!」

 

ロニエ「はい、また!」

 

ティーゼ「さよならー!」

 

ユージオ「えぇっ⁉︎僕も坊付き⁉︎アルゴさん!それはやめて下さいよ‼︎」

 

僕がそう言った時にはアルゴさんはもういなくなっていた。

 

ユージオ「…………」

 

キリト「…………」ニヤニヤ

 

ユージオ「………」

 

キリト「……………ユー坊!」

 

ユージオ「おい、キリト‼︎その呼び方はやめろよ!」

 

キリト「ユー坊だって………あははははは‼︎」

 

ユージオ「言ったな!キー坊!」

 

キリト「お、おい!や、やめてくれ!」

 

ユージオ「キー坊、キー坊‼︎」

 

キリト「くっ…………ユー坊、ユー坊!」

 

ユージオ「キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊キー坊…………………」

 

キリト「ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊ユー坊……………………」

 

と言う言い合いが長く続いた。

 

一方、後輩2人は……

 

ロニエ「キリト先輩、ユージオ先輩………」

 

ティーゼ「………変わらないわね………先輩たちは……」

 

と、傍観していた。

 

 

 

 

 

 

 

〜2時間後〜

 

 

 

 

 

 

あの後、僕らは言い合いを続けた。ロニエとティーゼが僕らを止めようとしていたけど、終わりはしなかった。そして、勝負でこの言い合いを終わらせることになった。牛型モンスターを何体倒せるか、どちらがボスである雌牛を倒すことが出来るか。

 

結果は引き分け。倒した数は同じ、ボスの雌牛は同時討伐だった。

 

その間、ロニエとティーゼは見ているだけだったようだ。2人の説明によると、

 

「「……………無双してました。」」

 

………らしい。

 

そして、僕らはクエスト報酬としてあるアイテムが大量にもらえた。今、バルグトスの町で夜ご飯だ。

 

ユージオ「………キリト、このアイテムは何?」

 

キリト「これが今回の目的のアイテムだ。『搾りたて牛乳のクリーム』っていうんだけど……」

 

ロニエ「くりーむ…………」

 

キリトがストレージから安価1コルの黒パンとさっき言ったクリームの入った瓶を取り出した。

 

キリト「これを、黒パンに塗って、食べれば………………」

 

キリトは瓶に人差し指で少し触り、指に光が灯ったところで、黒パンに塗った。薄く黄色がかったクリームだった。

 

ティーゼ「食べれば………?」

 

クリームを塗った黒パンを一口頬張るキリト。

 

キリト「…………美味いな‼︎βテストの時より上手くなってるぞ!」

 

ロニエ「ほ、本当ですか⁉︎」

 

キリト「ああ。3人とも食べてみろよ!」

 

ユージオ「……じゃあ、食べてみるよ。」

 

僕も試しにクリームを黒パンに塗って食べてみた。

 

ユージオ「……すごい美味しい‼︎」

 

これは………なんていうんだろう………あの黒パンが田舎ケーキに変わったみたいだ。

 

ロニエ「すごいですね!クリームをかけただけでこんなに美味しくなるなんて!」

 

ティーゼ「んん…………幸せです………」

 

ロニエもティーゼも上唇と鼻にクリームをつけながらもよく食べている。

 

キリト「よかった。不味いって言ったらどうしようかと思ってたんだ。」

 

ロニエ「ありがとうございます!キリト先輩!」

 

キリト「いえいえ、どういたしまして…………………ロニエ、鼻にクリーム付いてるぞ。」

 

ロニエ「ふえっ?」

 

キリトは指でロニエの鼻に付いたクリームを取ってあげた。そして、それを舐めた。

 

ロニエ「//////⁉︎⁉︎」

 

途端にロニエが真っ赤になったみたいだけど………気のせい?

 

キリト「…………どうした、ロニエ?」

 

ロニエ「いっ、いえ!なんでもありませんっ///////」

 

ティーゼ「…………」ニヤニヤ

 

……………なんでティーゼはそんなにニヤニヤしてるの?

 

キリト「ん、今日も1日お疲れ様!また明日も頑張ろう!3人とも!」

 

ユージオ「わかってるよ!」

 

ティーゼ「了解です!」

 

ロニエ「は、はい………//////」

 

またこうして、僕らの波乱万丈な1日が終わった。

 

 




次回『闇の中の閃光』
※変更の可能性あり。登場させるキャラをどれにするか迷っています。

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