ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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こんにちは!遅くなってしまいました、クロス・アラベルです!
今回はなんと、本文が10000文字を超えてしまいました!
原作とは少し違うところもたたありますが、どうぞお楽しみください‼︎


決戦!イルファング・ザ・コボルドロード‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は、第一層ボス攻略当日だ。

 

 

パーティのメンバーと広場に行く。キリト、ロニエ、ティーゼ、アスナ、ナギ、ベル、そして僕だ。

 

 

ユージオ「ふぁあ………首が痛い……あと左頬も………なんでか知らないけど、ヒリヒリする………」

 

キリト「……お前、寝違えたんじゃないか?」

 

ロニエ、ティーゼ「「…………」」

 

ユージオ「それに、昨日のベル達に今日のこと教えてからの記憶がないんだよね……」

 

「「⁉︎」」ビクッ!

 

キリト「?……どうした、ロニエ、ティーゼ?」

 

「「な、何にもありませんっ‼︎」」

 

ユージオ「……僕、昨日の夜に何してたっけ…………知ってる、キリト?」

 

キリト「知らないぞ。だって、ポーションとかを買って帰ってきた時には、お前寝てたし………」

 

ユージオ「………そっか……」

 

「「…………ホッ………」」

 

ユージオは知らない。昨日、起こった事件を……

 

ユージオ「ロニエ、ティーゼ。何か知ってる?」

 

ティーゼ「っ⁉︎…お、思い出したら、お、往復ビンタしますよッ‼︎」

 

ユージオ「エェッ⁉︎」

 

キリト「……何があった………」

 

………思い出さない方がいいらしい……本当に何があったんだろう……僕、何か……した?

 

キリト「そういえば、ロニエ。アスナに『ウインド・フルーレ』渡したか?」

 

ロニエ「あ、はい。渡しましたよ。装備してますよね、アスナさん。」

 

そういえば、そんな剣があったね……確かトールバーナで受けたクエストで出てきたモンスターからドロップしたんだっけ………結構レアだって言ってたな……

 

アスナ「ええ、ロニエちゃん。ありがとう、頑張るわね。」

 

キリト「よし、よかった。あれはこの一層で準レア武器だからな……ボス戦には持ってこいだからな。」

 

ナギ「着きましたヨ、みんな!」

 

ベル「結構来てるっすね……遅かったかな?」

 

キリト「間に合ったからいいだろ。」

 

広場には昨日のディアベルやエギル、キバオウがすでに来ていた。

 

ディアベル「…よし!もうみんな集まったみたいだな。少し早いが、出発しよう!」

 

「「「「おお‼︎」」」」

 

ディアベルの号令で、みんな気合を入れる。

 

キリト「……それじゃあ、ボス戦まであまり体力もアイテムも使わないようにしよう、みんな!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

………アスナは変わらず黙ったままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

移動している時、アスナが『スイッチ』のことを知らなかったので説明した。僕らと同じように何も知らないみたいだ。

 

キリト「なあ、ユージオ。」

 

ユージオ「…?何?」

 

キリト「昨日さ、キバオウのやつが俺のアニールブレードを買い取ろうとして来たんだ。」

 

ユージオ「ええっ⁉︎まさか、売ったの⁉︎」

 

キリト「いや、断ったけど………」

 

ユージオ「なんだ……脅かさないでよ……」

 

キリト「でもよ、ボス戦前に武器を買い取るなんておかしくないか?」

 

ユージオ「確かにね………」

 

キリト「………どう思う?」

 

ユージオ「何か………狙いがあるのかもね……」

 

キリト「………だよな。ユージオもそう思うよな………迷ってたんだ……」

 

ユージオ「キリトはどう思うの?」

 

キリト「………多分、俺の戦力を削ろうとしてるんだと思う。」

 

ユージオ「……ど、どうして⁉︎」

 

キリト「……俺にラストアタックボーナスを取られたくないからだ。」

 

ユージオ「ら、らすっ………えっ?」

 

キリト「…ボスを倒す時、最後のとどめを刺したやつにもらえるアイテムだ。多分、それを取られたくないがために、妨害しようとしてるんだ。」

 

ユージオ「……でも、そんな………」

 

キリト「まあ、あいつがとりたいならとればいいんだ。」

 

 

……………本当にキバオウが買い取ろうとしたのかな……もしかしたら、他の人が裏から指示してるんじゃ……

 

だとしたら、誰が………

 

…………ディアベル?

 

 

 

………いや、ないか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、1時間後。

 

ようやくボス部屋の前まで来ることができた。

 

 

ディアベル「…………みんな!これから、この世界の命運をかけた決戦が始まる。……………俺から言いたいことはたった1つだ……………勝とうぜ‼︎」

 

 

 

「「「「「おおおお‼︎」」」」」

 

 

気合を入れ直し、みんなに激励を送るディアベル。

 

その時。

 

キバオウ『おまんらはわいらの狩りこぼしたコボルドを倒すんやでな、引っ込んどれよ。』

 

ドスの効いた声でキバオウがキリトに言った。

 

………………ムカつく………

 

キリト「………」

 

目には目を、歯には歯を、嫌味には嫌味だ。

 

ユージオ「脅す元気と暇があるなら、もっと集中してよ、イガイガ頭さん。」

 

キバオウ「⁉︎」

 

僕が嫌味を言い放った直後に、ボス部屋の扉が開け放たれた。

 

キバオウ「………ケッ‼︎」

 

さすがのキバオウもボス戦が始まるので、言い返すのはやめたようだ。

 

キリト「………ナイス、ユージオ。」

 

ユージオ「どういたしまして……」

 

そして、最後にキリトはロニエ達に号令をかける。

 

 

 

キリト「……みんな、行くぞッ‼︎」

 

 

「「「「「おおー‼︎」」」」」

 

 

 

全員がボス部屋に入る。すると、暗かった部屋が急に明るくなり、部屋の隅々まで見えた。

 

そして、部屋の奥の玉座に座っているのは、ボスである『イルファング・ザ・コボルドロード』だ。

 

そして、ボスが僕たちに気づいて玉座から飛び降りる。ボスが着地したのと同時に現れるボスの取り巻きモンスター『ルインコボルド・センチネル』。『ルインコボルド・トルーパー』より磨き上げられ、重量感のあるハンマーを持っている。

 

 

『ガァァァァァァアアアアアアアアアアア‼︎‼︎』

 

吠えるボス。

 

ディアベル「突撃、開始ッ‼︎‼︎」

 

ディアベルの号令で走り出す大勢のプレイヤー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、命運をかけた決戦が、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

打ち付けられたような金属音がボス部屋中鳴り響く。

 

そして、キリト達も戦いを始めていた。

 

キリト「シッ‼︎」

 

キィィンッ!

 

『グルアッ⁉︎』

 

センチネルの攻撃を跳ね返し、後ろに後退させるキリト。

 

キリト「スイッチ!」

 

後ろにいるユージオとスイッチする。

 

ユージオ「了解!……はあ!」

 

ズバッ‼︎

 

『ギィッ‼︎』

 

当たったのは鎧の方だったが、少しHPを削る。

 

ユージオ「……やっぱり普通に攻撃してもあんまり効かないな……」

 

キリト「兜の隙間を縫うように突き刺せ、ユージオ!お前の剣は正確さがあるし、行けるはずだ!」

 

ユージオ「わかってるけど、結構、難しい………」

 

そう、センチネルは普通のコボルドと違い、全身を鎧で守っている。決定的なダメージが通るのは、兜の隙間か、関節の裏側だけだ。

 

キリト「さっき話した通り、こいつらに攻撃しやすいのはアスナとナギ、ベルのレイピアと槍系武器だ、しっかり狙ってけ!」

 

ベル「了解っす‼︎」

 

ナギ「понимание‼︎(了解‼︎)」

 

アスナ「……分かった。」

 

槍とレイピアを構えた3人がセンチネルの鎧に包まれていない所、兜の隙間を狙う。

 

走ってくるセンチネル。剣を構え、攻撃を弾こうとするキリト。

 

キリト「よし、言った通り行くぞ……ってうお⁉︎」

 

キリトが剣を振る直前、横からもう一体のセンチネルが攻撃を仕掛けてきた。キリトはギリギリで避けた。

 

キリト「どうなってるんだ⁉︎」

 

ユージオ「大丈夫⁉︎キリト!」

 

キリト「ああ…………」

 

前にいるのは2体のセンチネル。周りを見渡しても、手持ちぐさになっているパーティはない。

 

キリト達のパーティは狩りこぼしたセンチネルの討伐が役目だ。どこかのパーティがミスをしてとり逃さない限りあまり仕事は来ないと思っていたが、今、2体のセンチネルと対峙している。もう一体がその2体の後ろにいる。

 

そこから導き出される答え、それは……

 

キリト「……‼︎まさか、センチネルの数がβテストの時より多いッ⁉︎」

 

そう。

 

βテストの時は三体しかいなかった。が、今周りを見ると合計で6体いた。βテストの時の倍だ。

 

ユージオ「まずいよ!みんな自分が戦ってるセンチネルにしか気付いてない!」

 

キリト「気付いてるのは俺たちだけか…ッく‼︎俺たちでやるしかない!ユージオ、一旦分かれるぞ!俺、ロニエ、ナギとユージオ、ティーゼ、アスナ、ベルのグループで行こう!」

 

 

「「「「「了解‼︎」」」」」

 

 

キリトの言葉と同時に分かれるみんな。

 

βテストの時と変化していた。それは未来がどうなるかを暗示しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異変が起き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからどれくらい経っただろう。時間の感じ方が少し変になってきた。何時間も経ったのか、1時間も経っていないのか、分からなくなった。

 

異変に気付いてから、僕らのパーティは三体同時に相手をした。ボスのHPゲージが一本減るたびに出てくるセンチネルは、少しずつ強くなっているようで苦戦はしないものの、少し時間がかかった。

 

そして、最後のセンチネル。みんな合流して倒そうとする。

 

キリト「はあ、はあ……ラストだ、ユージオ!」

 

ユージオ「言われなくとも………セイッ‼︎」

 

ユージオはとどめと言わんばかりに剣を振る。が、予測を見誤って空振りした。

 

ユージオ「し、しまっ……」

 

体勢を立て直せないユージオにセンチネルがポールアックスを振り上げ、攻撃しようとする。

 

ティーゼ「やあッ‼︎」

 

が、ティーゼがその前にセンチネルに剣を一閃。センチネルはポリゴン片となって四散した。

 

ユージオ「ティ、ティーゼ!」

 

ティーゼ「ユージオ先輩、気をつけてください!」

 

ユージオ「ありがとう、ティーゼ!」

 

キリト「これで全部か……」

 

ベル「後はボスだけっすね!」

 

ナギ「このままいけば、勝てますネ!」

 

ロニエ「これで、やっと……」

 

ユージオ「……大丈夫かな……なんか、嫌な予感が……」

 

 

悪い予感がしてならない。そう思った直後、あの頭痛がユージオを襲う。

 

 

ユージオ「ッ⁉︎ま、また…⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流れてくる記憶。

 

 

荒れた戦場。

 

ボスに向かって行く一人のプレイヤー。

 

あれはディアベルだ。

 

その直後、ボスが腰から何かを抜く。

 

それは、細長く刃が片方にしかない。

 

ギラリと不気味に光るその剣はアンダーワールドの人界の東域にもあった『刀』。

 

そして、ソードスキルのライトエフェクトが発生し、その直後ディアベルがソードスキルに直撃し、吹き飛ぶ。

 

浮き上がったディアベルを別のソードスキルが襲う。三連撃だ。

 

ディアベルが倒れ、そこにキリトが駆けつける。

 

キリトは急いでポーションを取り出すが、ディアベルが手で制止する。

 

 

 

『頼む、キリトさん………ボスを倒』

 

 

 

パリィィィィィィイイン‼︎

 

 

残酷な音が響く。

 

 

ディアベルはこのアインクラッドから永久欠場となった。

 

 

そして、ボスを倒してから……

 

キリトは他のプレイヤーと対峙する。

 

飛ぶ非難の声。

 

キリトは僕といた時に見せなかった他のプレイヤーを嘲笑するかのような表情を見せた。

 

だが、僕には見えていた。

 

とても辛そうなキリトの後ろ姿が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユージオ「………ディ、ディアベルが……それに、あの武器は……」

 

キリト「ユージオ、どうした?」

 

ユージオ「キリト……ボスは武器を変えて、タルワールにするんだよね?」

 

キリト「ああ……そうだけど……」

 

ユージオ「どんな形?」

 

キリト「ええっと………曲刀カテゴリだから……結構曲がってるぞ。」

 

ユージオ「刀と比べると?」

 

キリト「刀?……多分タルワールの方が太いと思うが…」

 

ユージオ「………じゃあ………」

 

キリト「ユージオ?………ま、まさか………」

 

 

……じゃあ、ボスの本当の切り札は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グルガァァァァァァアアアアアアアア‼︎』

 

 

 

 

 

 

 

響くボスの咆哮。

 

 

 

ボスが斧とバックラーを投げ捨てる。

 

 

 

そして、腰にある得物に手をかけた。

 

 

 

抜いたのはタルワールより長細く少し湾曲し、ギラリと不気味に光る刀身。

 

 

それは、刀だった。

 

 

キリト「…あ、あれは……『野太刀』⁉︎」

 

ボスの持っているそれは、『野太刀』という日本刀の一種だ。

 

ユージオ「こ、これじゃあ……また……」

 

キリト「やめろッ‼︎ディアベル‼︎すぐに後ろへ飛べーーーーーーー‼︎」

 

それでも、ディアベルはソードスキルを発動したせいで体がいうことを聞かない。

 

 

そして、ボスは野太刀を左腰に溜め、ソードスキルを発動させる。

 

 

刀カテゴリ専用単発ソードスキル、『辻風』。

 

 

斬撃を食らって吹き飛ぶディアベル。

 

 

キバオウ「ディアベルはんッ⁉︎」

 

 

さっきの記憶通り、進行している。

 

 

それは、ディアベルの死を意味する。

 

 

ユージオ「………止めなきゃ……!」

 

 

ユージオは走りだす。吹き飛ぶディアベルと次のソードスキルを発動させようとするボスの元へと。

 

 

記憶通り、進行するならば次に繰り出されるのは、三連撃。

 

 

ユージオ「…させるかああああああ‼︎‼︎」

 

 

さっきの記憶。

 

 

ユージオは三連撃の初撃を覚えていた。

 

 

ガキィィィィイイイイイン‼︎

 

 

ボスの初撃をソニックリープで弾く。

 

 

し、痺れる……タルワールとは違って野太刀っていうのはまだ軽いはずなのに………

 

 

倒れるディアベル。

 

 

ユージオ「キリト!ボスを頼むよッ‼︎」

 

キリト「……分かった‼︎」

 

キリトがボスの攻撃を防ぐ間に僕がディアベルにポーションを……

 

ユージオ「ディアベル!早くポーションを!」

 

ディアベル「……俺のことはいい……早く、ボスを………」

 

ディアベルは弱々しくもそう答える。

 

ユージオ「……」イラッ

 

……とにかく……飲めッ!

 

ズボッ!

 

ディアベル「ムグゥッ⁉︎」

 

ユージオ「いいから、とにかく、飲んで。……ディアベル、君が死んだらダメだよ。みんなの希望はディアベル、君だと思うよ。」

 

ディアベル「…………」

 

ユージオ「………後、キリトのアニールブレードを裏から買い取ろうとしたのって、ディアベルだよね?」

 

ディアベル「…………」

 

ディアベルから返事がない?

 

ユージオ「……ディアベル?………あ、気絶してた……」

 

……さっき、無理矢理飲ませたところぐらいから気絶してたのかな……ごめん、ディアベル。

 

 

『うわあああああああああああああ⁉︎』

 

 

『せ、センチネルがまた出てきたぞ⁉︎』

 

『どうなってるんだ⁉︎』

 

センチネルも増えてるみたいだ。これじゃあ、結果がどうなるのか………

 

 

『嫌だあああああああああああああああ‼︎』

 

『し、死にたくねえよッ‼︎』

 

『助けてくれえええええッ‼︎』

 

聞こえる悲鳴。そして、溢れ出る負の感情。

 

その時、

 

 

『注もおおおおおおおおおおく‼︎』

 

確かに女の子の声が響いた。

 

全員が黙り込み、その声の主を見る。

 

声の主はマントを脱いだアスナだった。

 

アスナ「体力の少ない者は後ろに下がり、動けない者を移動させなさい‼︎まだ戦える者はセンチネルを殲滅せよッ‼︎」

 

………いい声出せるみたいだね…良い喝だ。

 

アスナの号令の直後、全員が動き出した。

 

ユージオ「よし……」

 

キリト「ユージオ!」

 

ユージオ「分かった!今いくよ!」

 

キリト達はかなり頑張って耐えてたみたいだ。

 

ユージオ「キリト、スイッチ!」

 

キリト「おお!」

 

キリトとスイッチして、ボスを斬りつける。

 

ユージオ「みんな!大丈夫?」

 

ベル「大丈夫っす!」

 

ナギ「…なんとかネッ!」

 

ロニエ「大丈夫です!」

 

アスナ「別になんとも、ないッ!」

 

ティーゼ「ディアベルさんは大丈夫でしたか⁉︎」

 

ユージオ「大丈夫!ポーションは飲ませたから!」

 

みんな、まだ行けるみたいだ……

 

ユージオ「キリト!指示、よろしく‼︎」

 

キリト「!……任せとけッ!」

 

キリトがまた、ボスのソードスキルを弾いた。ソードスキルがキャンセルしたみたいだ。

 

キリト「俺とユージオで奴のソードスキルをキャンセルさせて、ロニエ、ティーゼ、アスナがその間に攻撃!ナギとベルは俺とユージオが動けなくなった時に、奴のソードスキルをできるだけキャンセルさせて、他は隙あらば攻撃だ!……全員、戦闘開始‼︎」

 

「「「「「「おおッ‼︎」」」」」」

 

 

 

それからというもの、僕とキリトがボスのソードスキルをキャンセルさせて、他のみんなで攻撃、キャンセルさせて攻撃……と続いた。流石ボスといったところか、ボスのHPゲージの減りは微々たるもので、何度もさっきの作戦をやり続けた。

 

 

 

 

 

 

そして、これで何回目だろうか…………ボスのHPゲージが赤くなり、後もう少しというところでキリトがボスのソードスキルをキャンセルさせようとソードスキルを発動した、その時。

 

 

キリト「………ッ⁉︎」

 

 

いきなり、ソードスキルの軌跡が変わった。キリトはボスのソードスキルの変化についていけず……

 

キリト「し、しまっ……ぐッ⁉︎」

 

ズバッ!

 

ロニエ「えっ⁉︎キャッ⁉︎」

 

ボスのソードスキルをもろに受けてしまい、後ろにいたロニエを巻き込んで吹き飛んでしまった。

 

ユージオ「キリト!ロニエ!」

 

僕もキリト達に気がいってしまい、体勢が崩れる。その隙をボスは逃さない。

 

ティーゼ「ユージオ先輩、危な…」

 

後ろにいたティーゼがそう言った直後。

 

ユージオ「がッ⁉︎」

 

ティーゼ「キャッ⁉︎」

 

僕もボスに斬られ、ティーゼを巻き込み吹き飛ばされてしまった。

 

ユージオ「くッ!」

 

まずい……HPゲージが三分の一以上も削られた……ボスに対して戦うのは3人……ダメだ、早く行かないと……!

 

その時、ユージオとティーゼが大きな影に覆われる。

 

ユージオ「ッ⁉︎」

 

ボスがユージオとティーゼにとどめを刺そうとやってきたのだ。

 

ティーゼ「ッ‼︎ゆ、ユージオ……先輩ッ!」

 

ティーゼが震えている。当たり前だ、死がそこまで迫っているのだから。

 

ユージオ「くそッ!」

 

ユージオは剣を上に構え、防ごうとする。無理だと分かっていても体が動いたのだ。

 

ティーゼだけは………ティーゼだけはッ‼︎

 

ボスのソードスキルが剣に当たる直前、

 

 

 

 

 

 

『オオオラァァアッ‼︎』

 

 

 

ガキィィィィイイン‼︎

 

 

 

 

 

何かがボスの野太刀を弾き飛ばした。

 

ユージオ「……!あなたは…エギル、さん⁉︎」

 

そう、ボスのソードスキルをキャンセルさせたのは、会議でキリト達の味方をしてくれた、傭兵のような真っ黒に焼けた肌のプレイヤー、エギルだった。

 

エギル「大丈夫か?ユージオ……だったな。」

 

ユージオ「大丈夫だけど……」

 

エギル「俺たちで、ボスを抑える。あんたらはその隙にポーションを!」

 

エギルがポーションを投げ渡してくれた。

 

ユージオ「ありがとう……頼むよ‼︎」

 

折角のチャンスだ。これを逃すわけにはいかない。

 

エギル「行くぞ、お前ら‼︎」

 

「「「おおッ‼︎」」」

 

エギルのパーティメンバーが雄叫びを上げ、突撃して行く。

 

キリト「囲んで攻撃するな‼︎囲むと、範囲攻撃がくる!俺もできるだけ奴のソードスキルの軌道を読んであんたらに伝えるッ‼︎頼んだぞ!」

 

エギル「おおッ‼︎」

 

そこからまた攻防戦が始まった。

 

ボスのソードスキルをキャンセルできなくとも、防いで耐えられている。その間に僕らはポーションで回復する。

 

だが、いずれ限界も来る。

 

集中力が切れたのか、ボスを囲んでしまった。

 

その直後、ボスの範囲技のソードスキル『旋車』が発動する。

 

吹き飛ばされていくエギル達。

 

そして、ボスは追い討ちとばかりに高く跳躍し、上空からエギル達を狙う。

 

あれはソードスキル『辻風』。

 

ユージオ「まずい……」

 

僕はまだ、回復し切れていない……その時、

 

 

キリト「届けええええええええええええッ‼︎‼︎」

 

 

キリトがソニックリープで跳躍し、ボスを空中で斬る。

 

落下するボス。転がりながらも着地するキリト。

 

キリト「みんな‼︎ラストスパートだ!行くぞッ‼︎」

 

よし、僕も……行くか‼︎

 

 

「「「「「「「はああああああああああああああああああああああああ‼︎‼︎」」」」」」」

 

 

走り出す僕らのパーティ。

 

『グルアアアアアアアッ‼︎』

 

迎え撃とうとするボス。

 

「「セイッ‼︎‼︎」」

 

その向かって来る野太刀を僕とキリトで弾き飛ばす。

 

アスナ「シッ‼︎」

 

アスナの『リニアー』。

 

ナギ「やあッ‼︎」

 

ベル「オラァッ‼︎」

 

ナギとベルの『フェイタル・スラスト』。

 

ロニエ「はあッ‼︎」

 

ティーゼ「セイッ‼︎」

 

ロニエとティーゼの『スラント』。

 

数々のソードスキルを受けたボスは怯んだものの、まだ死んでいない。ロニエとティーゼに向かってソードスキルを放とうとする。

 

だが、させやしない。

 

ソードスキルを放つ。

 

「「はあッ‼︎」」

 

ズバッ!

 

キリトの垂直斬りとユージオの水平斬り。

 

そして、ボスに言い放つ。

 

 

 

 

 

 

 

「「僕(俺)の仲間に、手を出すなッ‼︎」」

 

 

 

 

 

 

 

僕らのソードスキルはまだ、終わっていない。

 

僕らのソードスキルは、二連撃だ。

 

『バーチカル・アーク』と『ホリゾンタル・アーク』。

 

ラストの二連撃目が残っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ‼︎‼︎」」

 

 

 

 

 

 

 

ボスにまた、さっきの軌道を描いて、キリトはV字を描くように斬った。

 

 

ボスのHPゲージは吹き飛び、ボスは光を放ちながら少し膨れ上がり、四散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

暫しの沈黙。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、アイテム入手時の音がボス部屋に響いた。

 

『や、やったあああああ‼︎‼︎』

 

『『『『わああああああああああああああああああああああ‼︎』』』』

 

 

心からの叫び。

 

安堵の声。

 

 

ティーゼ「ユージオ先輩ッ‼︎」

 

ユージオ「ッ⁉︎てぃ、ティーゼッ⁉︎」

 

ユージオに抱きつくティーゼ。

 

ティーゼ「よかった……生きてる……ユージオ先輩ッ!」

 

ティーゼも無事だったみたいでよかった………

 

ロニエ「キリト先輩……キリト先輩ッ‼︎」

 

キリト「ッ‼︎⁉︎」

 

キリトはロニエに抱きつかれてまたすごい動揺してるな……平常運転って奴かな?

 

エギル「Congratulations‼︎見事な剣技だったな。今回の勝利は、あんたらの物だ!」

 

ユージオ「あ、ありがとう。」

 

ナギ「よかったでス‼︎みんな無事でよかったッ!」

 

ベル「これで、一安心っすね!」

 

ユージオ「うん……そうだね……」

 

ボスも倒せたし多分誰も死んでないし……終わりよければ全て良しってやつだね。

 

ユージオ「よし、みんなお疲れさ……」

 

みんなに労いの言葉をかけようとした、その時に叫びが聞こえてきた。

 

『なんでやッ⁉︎』

 

ユージオ「?」

 

キリト「……?」

 

その声はキバオウのものだった。

 

キバオウ「なんで………なんでなんや⁉︎あんたら、ボスのこと知ってたんやったら会議で言えや‼︎言ってたらディアベルはんはこんな危ないことにはならんかった筈や‼︎」

 

何故ボスのソードスキルを知っていたか。

 

それはキリトがβテスターだったから。そして、僕がキリトの記憶を見たからだ。だけど、それをそのまま言うほど僕は、馬鹿じゃない。

 

ユージオ「待って‼︎キリトは確かに元βテスターだけど、キリトはこのことを把握できていなかったんだ!それにそんなことを隠してキリトに何の得があるのさ⁉︎」

 

キバオウ「決まってるやろ!『ラストアタックボーナス』や‼︎」

 

ユージオ「ッ!」

 

まずい……どうしよう……

 

ベル「待てよ!キリトさんとユージオさんがいなかったら今頃どうなってたか、分かるか⁉︎」

 

キバオウ「ッ⁉︎」

 

ベル「キリトさん達がいるから、ディアベルさんも生きてるし、ボスも倒せたんだ‼︎それに、あの攻略本が嘘だって言うのかよ⁉︎」

 

ベルが必死に説得しようとしている。

 

そして、その言葉の後にまた違うこえが聞こえてきた。

 

『そうだ!その攻略本が嘘だったんだ‼︎βテスターがタダで本当のこと言う訳ないだろッ‼︎』

 

どうやら、ある男が金切り声を出したみたいだ。

 

このままじゃ、アルゴまで巻き込むことになる………どうする⁉︎

 

『………うう………』

 

ディアベルが目を覚ましたようだ。

 

キバオウ「でぃ、ディアベルはん⁉︎」

 

ディアベル「み、みんな……?ぼ、ボスは……ボスは倒せたのか?」

 

キバオウ「倒せたけど……」

 

ディアベル「……キリトさん、ユージオさん……本当にありがとう……!」

 

キバオウ「⁉︎」

 

キバオウ達にとって衝撃の言葉がディアベルの口から出てくる。

 

ディアベル「君たちが、いなければ……レイドが崩壊していただろう………」

 

…………やっぱり、そうなのかな……キリトのことを知っていたのも納得が行く……

 

ユージオ「…………ディアベル、もうそろそろ本当の事を言った方がいいんじゃない?」

 

ディアベル「…………」

 

キリト「………黙ったまま戦い続けようとしてるのか?……それなら、無理だな。………俺も、言った方がいいと思うぞ。」

 

悩むディアベル。訳がわからないと首を傾げるキバオウ達。そして、ディアベルは決心したようだ。

 

ディアベル「そうだな……その通りだ。キリトさん、ユージオさん………みんな、俺はみんなに隠していることがある……」

 

キバオウ「え、えっ?」

 

ディアベル「俺は…………俺は、元βテスターなんだ。」

 

キバオウ「⁉︎」

 

隠していた真実をみんなに伝えるディアベル。動揺する攻略組のみんな。

 

ディアベル「すまない、みんな……今まで隠していて……」

 

キリト「ディアベル、ボスの最後の武器が『野太刀』だって知ってたか?」

 

ディアベル「予想外だった………あんなソードスキル、見たことがなかった……あれは何と言うスキルなんだ?」

 

キリト「モンスター専用刀スキルだ。俺はあのスキルを10層の迷宮区で初めて見た………俺があそこまで刀スキルを熟知して対応出来ていたのは、10層の迷宮区で刀スキルを持つモンスターと何百回も戦ったからだ。」

 

ディアベル「そうか………本当にありがとう………」

 

ユージオ「………みんなはディアベルやキリトのような元βテスターがいたからこそ、このボス戦に挑めたんだよ。」

 

キバオウ「………」

 

ディアベル「怖かったんだ……元βテスターだって言った時、どんな言葉が返ってくるか……すまない、みんな……すまない………ッ!」

 

 

 

『……ディアベルさん、謝らないでくださいよ!俺たち、そんなの気にしませんよ!』

 

『その通りだ!ディアベルさんのおかげでここまで来れたんだ!』

 

キバオウ「………わいも、そこまでは言わへんで、ディアベルはん………でも、ホンマのことは言ってや……!」

 

ディアベル「あ、ありがとう………みんな……!」

 

みんな、和解出来たみたいだ。よかった………これで1つ、未来を変えることが出来た……!

 

『……………』

 

一人、不満そうなプレイヤーがいるけど……さっきの甲高い声を上げていたプレイヤーだ。

 

ディアベル「キリトさん、ユージオさん。次の第二層の『アクティベート』しに行こう。誰か!まだ戦えるプレイヤーはいるか⁉︎」

 

キリト「俺は行けるぞ。」

 

ユージオ「僕も行けるよ。できるだけ援護するね。」

 

ディアベル「じゃあ、頼んだ。みんな!行こう、次の第二層へ‼︎」

 

「「「「「おおおおおお‼︎」」」」」

 

キリト「みんな、行けるか?」

 

ベル「俺は行けるっすよ!」

 

ロニエ「ちょっと疲れてて……たぶん、戦力になれないかな、と……」

 

ティーゼ「わ、私もです。」

 

ナギ「私もですネ……」

 

アスナ「………私は、もう無理……」

 

キリト「わかった。ベル、前衛に行こう………まあ、多分ボスを倒した後だからそこまでモンスターが湧くことはないとは思うけど………」

 

ユージオ「えっ?そうなの?」

 

キリト「ああ。まあ、一応用意しとくのに越したことはないな。」

 

これで、第二層に行ける……やっとか……

 

ユージオ「キリト。次も頑張ろう!」

 

キリト「……ああ、これからもよろしくな、ユージオ!」

 

ユージオ「うん!よろしく!」

 

 

こうして、運命の決戦は幕を閉じた。

 




ついに第一層をクリアです!
次は第二層か………結構長くなりそうですね……
皆さんはプログレッシブみたいに第一層から、最後までの方がいいですか?それとも、原作通りの方がいいですか?また、意見を聞かせてください!
次回もお楽しみに‼︎
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