ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~ 作:クロス・アラベル
前回のストーリー展開がわからないって人が多かったようなので、今回は説明回です。
あくまでこのストーリーはオリジナルで、設定も無茶苦茶です。ご了承の上、ご覧下さい。
それではどうぞ!
☆
「……ここが野営地…アンダーワールド大戦の時のことを思い出しますね。」
今私がいるのは、
ここの司令官さんにキリト先輩とユージオ先輩、そして、あの二人の騎士さんが話をつけて来たのが約五分前。そして、今とある天幕に向かっています。
『入ってくれ。この人数では少し狭いかもしれんが……』
と、黒騎士さんに言われて入ったのは人が7、8人寝転がっても余裕があるような、そんな大きな天幕でした。
「お、大っきい……」
「まさか、一人で使ってるの……?」
ユウキとアスナさんも驚嘆して天幕に入る中、白騎士さんはかなり警戒しながらも入ってきました。
『話を始める前に自己紹介と行こう。私の名はキズメルだ。エンジュ騎士団に所属している近衛騎士だ。』
キズメルと名乗った黒騎士さん。そして、キリト先輩が空気を読んで続ける。
「えっと……俺はキリトだ。」
『キリト、だな?』
「んと…ちょっと違うな。キリトだ、キリト。」
『キリトですね?分かりました。』
『ふむ……人族の名というのはやはり慣れんな。』
そんなこんなで全員の自己紹介が終わりました。白騎士さんを除いて。
『それでは、最後になりましたが……私の名はパーシー。カレス・オーの民であり、ヒメシャラ騎士団の近衛騎士です。』
「……騎士団の名前って両方とも、植物の名前なのね。」
「え、そうなの?」
ふと溢れた言葉に首をかしげるユージオ先輩。
「ええ。確か、《
「へぇ……そうなんだ。」
「……キリト君、あなた知らなかったの?元βテスターだから知ってるのかと思ってたけど……」
「……あんまり気にしたことなかったからな。」
『では自己紹介も終わったのだ、司令官に話したことを今そなたたち伝えよう。』
『……分かっています。それではあの天幕で、キリトとユージオ、そして、エンジュ騎士団の司令官に話したことを教えましょう。』
キズメルさんに促され、パーシーさんは話し出します。
『私達カレス・オーの民は元々、リュースラの民と敵対関係ではなかったのです。この浮遊城……大地切断が起こる前までは。』
「……大地、切断?」
初めて聞いた言葉にティーゼが呟きます。
『はい。この浮遊城が出来るきっかけとなった事件です。これによって私達エルフは地上との連絡を断たれ、完全に孤立してしまいました。ですが、一つ……私達エルフに古くからある言い伝えがありました。あの翡翠の秘鍵と他の六つの秘鍵が集まった時、それらによって開くという、神の力を持つと言われている《聖堂》です。』
「………その聖堂が持ってる、《神の力》って……例えば、どんな……?」
なにやら耳を疑うような話ばかりでついていけません。ちょっと聞いてみます。
『……例えば…この浮遊城を元の地上に戻す力…そして、この浮遊城を破滅に追い込む邪の力、です。』
「……アインクラッドを破滅に追い込む、デスカ……思いっきり中二病感が出てますネ!」
「ナギちゃん、余計なこと言わない。」
ふざけたナギちゃんを注意するアスナさん。
『そして、私達は元々後者の方を信じていました。ですが、とあるエルフによってその思想は前者に変えられてしまいました。』
「……それは、誰なの?キズメル。」
『……私達もその正体にたどり着いてはいないのですが……裏に何者かがいたということは分かっています。カレス・オーの民で五大長老のお一方がそう証言してくれています。』
ユージオ先輩は思想を変えさせたという
『その者の行動によりいつしか、皆の思想は変わっていたと聞きました。』
『……だが、その言い方ではカレス・オーの民全員がその考えを持っているということになるが……そこはどうなのだ?』
『……先ほども言いましたが、五人の大長老の中で一人だけ後者の思想を持っている人がいます。他の四人は多分、黒幕に洗脳、あるいは脅されたかと……そして、その大聖堂が破滅の力だと信じる最後の大長老は密かにですが、他の者達に自身の考えを広めました。今も少ないのに変わりはないでしょうが、カレス・オーの民の中でも何人かその考えを受け継いでいる者がいます。』
「……その一人がパーシー、なのか?」
ここで口を開かなかったキリト先輩が落ち着いた声で聞きました。
『はい。……そして、今穏健派は強硬派に攻撃されている状態です。つい最近まではバレていなかったのですが、いよいよバレてしまい……穏健派は暗殺されたり、左遷されることもあります。』
「あ、暗殺⁉︎」
ユウキちゃんが驚いて声が出てしまいます。
『……何を隠そう、私も例に漏れず左遷されたのですから。』
「……酷い状況ですね……」
パーシーさんの口から出た驚きの新事実にみんな驚きを隠せませんでした。
○○○○○○○○○○
「……んじゃ、暗い話はここで終わりにしとこう。このままだと……ちょっと、な?」
キリト先輩が空気を変えようと言い出しました。
「……そういえば、僕らどうするの?どこかに泊まらなきゃ……」
『ああ、そのことなんだがな……』
「どうしたの?キズメル。」
『天幕が私の天幕……ここしかなくてな。皆で寝ることになるが良いか?』
『「「「「「「っ⁉︎」」」」」」』
ちょ、ええええええ⁉︎
「ちょっと待って、キズメル!流石にキリト君とユージオ君はダメよ‼︎どこかに小さい天幕は無いの⁉︎」
『すまない。今は丁度天幕が余っていなくてな。』
「……⁉︎」
「え、えっと、僕ら外で寝るよ!寝袋あるし…ね!キリト‼︎」
「……っ、ああ!流石に女の子五人のいるところで寝るのは……流石に死ぬ……!耐えられなかったらどうすんだよ……」
……なんか、最後の方の声が小さすぎて聞こえませんでしたね。
「……なんでダメなの?別に良いじゃん!」
空気を読めないユウキちゃん。
「いや、でもそれは……」
『そうか、ならよかった。それでは寝具を持ってこよう。待っていてくれ。』
「「はあ⁉︎」」
な、なんでそこだけに反応したんですかっ⁉︎キリト先輩とユージオ先輩の言葉は無視して…
そして、キリト先輩とユージオ先輩の悲鳴も虚しく、キズメルさんは寝具を取りに天幕を出て行きました。
次回『乙女の癒しの時間』
次回はいわゆる、サービス回です。(多分)