ソードアート・オンライン ~時を越えた青薔薇の剣士~   作:クロス・アラベル

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こんにちは!クロス・アラベルです!
前回のストーリー展開がわからないって人が多かったようなので、今回は説明回です。
あくまでこのストーリーはオリジナルで、設定も無茶苦茶です。ご了承の上、ご覧下さい。
それではどうぞ!


変わった現状

 

 

 

 

 

「……ここが野営地…アンダーワールド大戦の時のことを思い出しますね。」

 

今私がいるのは、(ダーク)エルフの野営地に来ています。

 

堕ちた(フォールン)エルフとの戦闘の後、(ダーク)エルフの騎士さんがここに連れて来てくれました。

 

ここの司令官さんにキリト先輩とユージオ先輩、そして、あの二人の騎士さんが話をつけて来たのが約五分前。そして、今とある天幕に向かっています。

 

『入ってくれ。この人数では少し狭いかもしれんが……』

 

と、黒騎士さんに言われて入ったのは人が7、8人寝転がっても余裕があるような、そんな大きな天幕でした。

 

「お、大っきい……」

 

「まさか、一人で使ってるの……?」

 

ユウキとアスナさんも驚嘆して天幕に入る中、白騎士さんはかなり警戒しながらも入ってきました。

 

『話を始める前に自己紹介と行こう。私の名はキズメルだ。エンジュ騎士団に所属している近衛騎士だ。』

 

キズメルと名乗った黒騎士さん。そして、キリト先輩が空気を読んで続ける。

 

「えっと……俺はキリトだ。」

 

『キリト、だな?』

 

「んと…ちょっと違うな。キリトだ、キリト。」

 

『キリトですね?分かりました。』

 

『ふむ……人族の名というのはやはり慣れんな。』

 

そんなこんなで全員の自己紹介が終わりました。白騎士さんを除いて。

 

『それでは、最後になりましたが……私の名はパーシー。カレス・オーの民であり、ヒメシャラ騎士団の近衛騎士です。』

 

「……騎士団の名前って両方とも、植物の名前なのね。」

 

「え、そうなの?」

 

ふと溢れた言葉に首をかしげるユージオ先輩。

 

「ええ。確か、《(エンジュ)》は上品とか幸福、慕情で、《姫沙羅(ヒメシャラ)》は愛らしさとか、謙虚だったわ。」

 

「へぇ……そうなんだ。」

 

「……キリト君、あなた知らなかったの?元βテスターだから知ってるのかと思ってたけど……」

 

「……あんまり気にしたことなかったからな。」

 

『では自己紹介も終わったのだ、司令官に話したことを今そなたたち伝えよう。』

 

『……分かっています。それではあの天幕で、キリトとユージオ、そして、エンジュ騎士団の司令官に話したことを教えましょう。』

 

キズメルさんに促され、パーシーさんは話し出します。

 

『私達カレス・オーの民は元々、リュースラの民と敵対関係ではなかったのです。この浮遊城……大地切断が起こる前までは。』

 

「……大地、切断?」

 

初めて聞いた言葉にティーゼが呟きます。

 

『はい。この浮遊城が出来るきっかけとなった事件です。これによって私達エルフは地上との連絡を断たれ、完全に孤立してしまいました。ですが、一つ……私達エルフに古くからある言い伝えがありました。あの翡翠の秘鍵と他の六つの秘鍵が集まった時、それらによって開くという、神の力を持つと言われている《聖堂》です。』

 

「………その聖堂が持ってる、《神の力》って……例えば、どんな……?」

 

なにやら耳を疑うような話ばかりでついていけません。ちょっと聞いてみます。

 

『……例えば…この浮遊城を元の地上に戻す力…そして、この浮遊城を破滅に追い込む邪の力、です。』

 

「……アインクラッドを破滅に追い込む、デスカ……思いっきり中二病感が出てますネ!」

 

「ナギちゃん、余計なこと言わない。」

 

ふざけたナギちゃんを注意するアスナさん。

 

『そして、私達は元々後者の方を信じていました。ですが、とあるエルフによってその思想は前者に変えられてしまいました。』

 

「……それは、誰なの?キズメル。」

 

『……私達もその正体にたどり着いてはいないのですが……裏に何者かがいたということは分かっています。カレス・オーの民で五大長老のお一方がそう証言してくれています。』

 

ユージオ先輩は思想を変えさせたという煽動者(エルフ)について聞きます。パーシーさんはまだ、そこまではっきりはしていないと暗に答えます。

 

『その者の行動によりいつしか、皆の思想は変わっていたと聞きました。』

 

『……だが、その言い方ではカレス・オーの民全員がその考えを持っているということになるが……そこはどうなのだ?』

 

『……先ほども言いましたが、五人の大長老の中で一人だけ後者の思想を持っている人がいます。他の四人は多分、黒幕に洗脳、あるいは脅されたかと……そして、その大聖堂が破滅の力だと信じる最後の大長老は密かにですが、他の者達に自身の考えを広めました。今も少ないのに変わりはないでしょうが、カレス・オーの民の中でも何人かその考えを受け継いでいる者がいます。』

 

「……その一人がパーシー、なのか?」

 

ここで口を開かなかったキリト先輩が落ち着いた声で聞きました。

 

『はい。……そして、今穏健派は強硬派に攻撃されている状態です。つい最近まではバレていなかったのですが、いよいよバレてしまい……穏健派は暗殺されたり、左遷されることもあります。』

 

「あ、暗殺⁉︎」

 

ユウキちゃんが驚いて声が出てしまいます。

 

『……何を隠そう、私も例に漏れず左遷されたのですから。』

 

「……酷い状況ですね……」

 

パーシーさんの口から出た驚きの新事実にみんな驚きを隠せませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んじゃ、暗い話はここで終わりにしとこう。このままだと……ちょっと、な?」

 

キリト先輩が空気を変えようと言い出しました。

 

「……そういえば、僕らどうするの?どこかに泊まらなきゃ……」

 

『ああ、そのことなんだがな……』

 

「どうしたの?キズメル。」

 

『天幕が私の天幕……ここしかなくてな。皆で寝ることになるが良いか?』

 

『「「「「「「っ⁉︎」」」」」」』

 

ちょ、ええええええ⁉︎

 

「ちょっと待って、キズメル!流石にキリト君とユージオ君はダメよ‼︎どこかに小さい天幕は無いの⁉︎」

 

『すまない。今は丁度天幕が余っていなくてな。』

 

「……⁉︎」

 

「え、えっと、僕ら外で寝るよ!寝袋あるし…ね!キリト‼︎」

 

「……っ、ああ!流石に女の子五人のいるところで寝るのは……流石に死ぬ……!耐えられなかったらどうすんだよ……」

 

……なんか、最後の方の声が小さすぎて聞こえませんでしたね。

 

「……なんでダメなの?別に良いじゃん!」

 

空気を読めないユウキちゃん。

 

「いや、でもそれは……」

 

『そうか、ならよかった。それでは寝具を持ってこよう。待っていてくれ。』

 

「「はあ⁉︎」」

 

な、なんでそこだけに反応したんですかっ⁉︎キリト先輩とユージオ先輩の言葉は無視して…

 

そして、キリト先輩とユージオ先輩の悲鳴も虚しく、キズメルさんは寝具を取りに天幕を出て行きました。

 

 

 

 

 

 




次回『乙女の癒しの時間』

次回はいわゆる、サービス回です。(多分)

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